28.2%と9.0%
これは一体何の数値だと思われますか?
答えは、成人男性・女性それぞれの喫煙率です。(2017年JT全国喫煙者率調査)最近の若い人はあまりタバコを吸わないなと感じていましたので、私は思っていたよりも高い数値だなと感じました。皆さんはこの数値をどう感じますか?
この喫煙率ですが、ピークだった1966年の83.7%(男性)と比較すると、ご覧のとおり大きく減少しています。因みに世界の喫煙率 国別ランキングでは日本の喫煙率は25位となっています。
それでは、ビジネスパーソンの喫煙率はどれくらいなのでしょうか?
はっきりした数値はわかりませんが、弊社が担当させていただく研修の受講者の様子から判断すると、おおむね全国喫煙者率調査と同様で、30%弱くらいではないかと推測しています。
こうした中、近年では、席を外してたばこ休憩をとる喫煙者の喫煙時間を問題視する企業が増加傾向にあるように感じています。
仮に1時間30分に1度、1回につき10分ほど離席して喫煙するとしたら、1日に5回喫煙するとして50分、1週間で4時間10分、1か月では16時間40分、年間では何と200時間も喫煙のために席を外していることになってしまいます。
一方で、非喫煙者はこの間も仕事をしているわけですから、両者の業務時間は大きく異なってきます。問題視されるのも当然と言えます。
喫煙者にこの話をすると、ほとんど全員が「喫煙中は有効な情報交換の場になっている。さらに喫煙することによってリフレッシュするために、その後の集中力が高まる。この時間は決して無駄にはなっていない」と言います。
確かにそれも一理あるとは思いますが、それでは、非喫煙者は情報交換ができなかったり、集中力が落ちてしまったりしているのでしょうか。結論は言わずもがなですね。
2015年6月から、企業に対して職場における受動喫煙防止の努力義務が課せられるようになりました。企業にとっては、喫煙する社員の疾病リスクが高まることに応じ、医療費の増大とそれに伴う保険料率のアップがますます懸念されます。これまで以上に喫煙者への対応が求められることになるわけです。
さらに、働き方改革により労働生産性のより一層の向上が求められています。そうした中で、喫煙のために一定の時間(それが積み重なれば、結構な長時間)席を離れることは、労働生産性を低下させる一因であると考えられるようになっています。
それを裏付けるように、弊社が研修を担当させていただいている企業の中にも、喫煙をやめさせるために様々な誘導策を講じています。たとえば非喫煙者に対して報酬の上乗せをするところが増えてきているように感じています。昨日の報道でも9月から新たにこの制度を設けようとしている企業の例が紹介されていました。
私が社会人になりたての頃は、今のように受動喫煙の問題などは全く気にされておらず、自席で喫煙する人と机を並べて仕事をすることが普通でした。今思えば、たばこを吸わない私にとっては、ただただ辛く感じられた時代でした。
あれから数十年、喫煙に関する問題の内容も時の流れとともに変化してきているのです。