中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

学歴フィルターとGoogleの看板

2015年08月30日 | コンサルティング

学歴フィルターとは、就職活動中の学生を大学名でふるいにかけることです。選考時はもちろん、それ以前の説明会への予約すらできなくするというものです。

「学歴フィルター」を一躍有名にした新聞記事があります。

「日本大学に通う女子学生(21)は昨年12月、志望企業が採用説明会への参加申し込みをネットで受け付け始めた。名前や大学名は事前に登録済みだ。申し込みボタンを押そうとスマートフォンで採用ページを開いた瞬間、目を疑った。画面には、全日程が、「満席」「満席」「満席」……。」 同じ説明会に申し込むと言っていた上智大の友人に電話。友人の「えっ、満席になってないよ」の言葉に、はっとした。・・・」 (出典:朝日新聞デジタル、2014年3月30日)

ほとんどの企業は「大学名は問いません」と公式には言っていますが、エントリー時にこうしたふるい分けが存在していることは事実です。ちなみに、「NAVERまとめ」(http://matome.naver.jp/)によればフィルターは次の4段階になっているそうです。

①戦略系コンサルティングファーム・投資銀行・五大商社・資産運用会社等で採用
⇒東京一工(東大・京大・一橋大・東工大)+早慶上位(経済・政治経済・法・理工)

②一般層に知名度の高い東証一部上場大手一流大企業で採用
⇒上記大学+旧帝下位・早慶下位+上位国立(神戸横国筑波・金岡千広・農繊名電)+上智理科

③東証一部上場大企業で採用
⇒上記大学+中堅国立(埼玉・信州・静岡・滋賀・新潟等)+MARCH・関関同立

④中堅企業(非上場)で採用
⇒上記大学+下位国立+日東駒専・産近甲龍・四工大以上が内定者一般層

さて、企業(特に大企業)が学歴フィルターを設定する理由を考えてみましょう。

まず、一流大学の出身者がそれ以外の出身者と比べて、従業員として概ね優秀であるという「結果」です。この結果は長い時間かけて企業内での出世競争などによって観測された事実です。

次に、インターネットでエントリーを受け付けるようになって、志望者の数が爆発的に増えたことです。実際に有名企業では、募集人数の数百倍から数千倍のエントリーがあるのはごくあたりまえのことです。

1人当たりの採用コストが同じだとすれば、以上の2点から「良い人材が採れる確率の高い一流大学に絞った方が、費用対効果に優れている」という結論になります。もちろん、多くの大学を隈なく受け入れて優秀な人材を見つける方が、企業にとってメリットがあることは百も承知です。

フィルターのおかげで出来の悪い一流大学の出身者を入社させたり、とんでもなく優秀な学生を逃してしまったかもしれません。

しかし、採用に膨大なコストと時間をかけることはできません。

言い方は悪いですが「福引で、当たりくじがたくさん入っている抽選箱と少ない抽選箱があったとき、福引券の枚数が限られているとしたらどうするか」ということになります。

とはいえ、採用する大学をいつまでも絞っていると、人材の多様性が失われ、環境の変化に対応する力が低下してしまう恐れがあります。では、どうしたらよいのでしょう・・・。

上の画像は、2004年にアメリカの西海岸の高速道路沿いに現れた謎の看板です。これが、Google社の求人広告であることをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

この看板を訳すと「eの連続する桁で、最初に出てくる10桁の素数.com」となります。理系の方は、小文字のeを見た瞬間に自然対数の底(ネイピア数)、2.718281828459・・・という無理数であることがわかったと思います。

10桁の素数ですから、2.71828以下の数字の並びの中から素数だけが10個連続している部分を見つけなければなりません。基本的には高校数学と表計算で解けるらしいです※。

答えは、7427466391です。

そして、ネットで7427466391.comにアクセスすると次の問題があり、それをクリアしていくとGoogle Labsの求人情報画面が現れるそうです(当然、今はありません)。

Googleが必要とする人材(この例ではエンジニア)に何を求めているのか、よくわかりますね。

企業にとって人の採用は大変難しい問題ですが、一度くらい例年通りの「ネットでエントリー ⇒ フィルタリング ⇒ ・・・」という手法を止めて、Googleのようなちょっとひねった募集方法を試してみるのも良いのではないでしょうか。

もっともそれが可能な企業は極めて限られているでしょうけれど。

(人材育成社)

※ Googleの求人広告~自然対数の底eと素数の求め方 < 永野数学塾塾長日記(永野裕之のblog)


突発的な仕事にも先手は打てる

2015年08月26日 | コンサルティング

「突発的な仕事が入ったことで、予定していた通りに仕事が進まなくて困っています」、「突発的な仕事が入っても、予定が乱されることがないようにできないものかと考えて、参加しました」

これは、昨日私が担当した公開セミナー「突発的な仕事に先手を打つ!段取りビジネス整理術」の受講者が、自己紹介で話していた言葉です。

また、受講者の一人は「今朝も突発的な仕事が入ってしまい、遅くなってしまいました」とのことで、セミナーの開始時間は10時でしたが、会場に来ることができたのは、何と14時でした。

これらの言葉からは、突発的な仕事によって仕事が予定した通りに進まないことが多いことがわかります。

さて、独立行政法人労働政策研究・研修機構が今年の7月に所定外労働の発生理由について調査結果を発表しています。企業調査と労働者調査がそれぞれ行われていますが、どちらの結果も第1位は「業務の繁閑が激しいから、突発的な業務が生じやすいから」(複数回答)になっています。(企業調査64.8%、労働者調査58.5%)

先の受講者と同様に、この調査結果からも「突発的な業務」が生じることによって、所定外労働=残業が発生してしまうことがわかります。

昨日のセミナーでは、各受講者に1か月間の「予定している仕事」と「突発的な仕事」の割合を考えていただいたのですが、驚いたことに突発的な仕事の割合が一番多かった人は何と90%でした。

そして、それほど突発的な仕事が多いのにもかかわらず、それが当たり前になってしまっているのか、取り立てて問題視していない方が多いようでした。

実は、このテーマで研修を行うと、こうした突発的な仕事が多いことを特に問題とは感じていない方が必ずいらっしゃいます。

研修の中で「突発的な仕事には、どのようなものがありますか?」、「突発的な仕事を依頼してくる人は誰ですか?」と質問をしても、即答できる方は意外と少ないのが実情であるのと同時に、「突発的な仕事自体はどうにもならない」として諦めてしまっている方が多いようにも感じています。

もちろん、突発的な仕事を100%削減することは現実的には困難であるにしても、どういう人からどういう内容の依頼があるのかをきちんと記録し、分析することによってある程度傾向をつかむことができます。それに対して先手を打つきっかけとできるわけですから、私は研修やセミナーで繰り返し、この重要性を伝え続けています。

さて、先の労働政策研究・研修機構の調査では、「企業が所定外労働の削減に向けて取り組んでいること」についても調査しているのですが、その結果の1位は「実態(実際の労働時間等)の把握」、2位は「長時間労働者やその上司などに対する注意喚起や助言をする」とのことでした。

もちろん、これらのことも大切だと思うのですが、先ほどの「突発的な仕事にはどういうものがあるのか、依頼してくるのは誰か」はそれほど時間や手間をかけずに調査することができ、仕事の改善につなげられる可能性が高いわけですから、突発的な仕事で悩んでいる企業の皆さんは、先ずはここから調べてみてはどうかと思っています。

ところで、この突発的な仕事を依頼してくるのが、実は直属の上司が一番多いという声を聞くことが結構多いのです。

部下の残業時間が多いと嘆いている管理者の方がいらっしゃったら、先ず、突発的な仕事には何があるのか?を聞いてみるのと同時に、それは自分が頼んでいないかを振り返ってみる必要があるかも知れません。

(人材育成社)


猫返し神社

2015年08月23日 | コンサルティング

猫好きの方はご存知かもしれませんが、東京都立川市にある阿豆佐味天神社(あずさみてんじんしゃ)は「猫返し神社」として知られています。

名前の由来は、愛猫家としても知られているジャズミュージシャンの山下洋輔さんのエピソードから来ています。ある日、山下さんが飼っていた猫のミオが行方不明になり、17日間探し回っても帰ってきませんでしたが、この神社にお参りをして深く拝んだところ翌日に帰ってきたということです。

後日、山下さんは「越天楽」という曲をピアノで演奏し、録音したCDを奉納しました。その曲は、現在も阿豆佐味天神社の社務所付近に流れています。

日本には八百万(やおよろず)の神様がいますから、猫を担当する神様も(もちろん)いるので、猫を返してくださったのでしょう。

私たち日本人は、山下さんではありませんが「苦しいときの神頼み」というと「神様」のいるところ、すなわち神社に行くことが多いと思います。冗談半分に「神様、仏様、キリスト様・・・」と言うときも、「神様」がいちばん最初です。

神社というのは一種独特の落ち着いた空気を感じる場所です。神道には、外国の宗教のように、すべての信者が共有すべき絶対的な経典というものがありません。したがって、経典の解釈を巡って信者同士でもめることもありません。

話は飛躍してしまいますが、企業統治(コーポレート・ガバナンス)も米国流の法律による規制という点で、一神教の精神の上に成り立っているような気がします。

東芝の不正会計が話題になっていますが、東芝こそ、社外取締役が経営を監督する米国型の「委員会設置会社」として、日本で最も先進的なコーポレート・ガバナンスの実践企業と言われてきました。

法律という経典を破れば罰が与えられるという考え方は、一神教的です。東芝の例を見る限り、法律による統治は実は脆いものだった、というのは言い過ぎでしょうか。その点、八百万の神様がそこかしこにいらっしゃると信じるなら、悪いことはなかなかできません。

さて、愛猫家のみなさん、一度は阿豆佐味天神社をお参りしてみてはいかがでしょうか。猫のためだけではなく、新しい神様と知り合いになっておくのも楽しいことだと思います。

(人材育成社)

参考: 立川水天宮 阿豆佐味天神社(東京都立川市) Amazon.co.jp: 猫返し神社: 山下洋輔: 本 

 


リカちゃんは不滅!

2015年08月19日 | コンサルティング

5,300万体。

この数字はあのリカちゃん人形の累計出荷数です。

旧タカラが1967年(昭和42年)に着せ替え人形としてリカちゃんを誕生させてから48年。実に多くの少女達の手元に届いたことになります。(当然、私もその1人です。)

先日、福島県田村郡小野町にある「リカちゃんキャッスル」を初めて訪れました。

既にこのブログ(「小野の小町とリカちゃん」http://blog.goo.ne.jp/jinzaiikuseisha/d/20150426)でもリカちゃんキャッスルを紹介したことがありますが、リカちゃんキャッスルとは、リカちゃん人形の製造を行っている工場です。工場といっても外観はお城の形をしていて、中は工場(お人形ファクトリー)以外にもリカちゃんミュージアムやなりきりドレスレンタル、なりきり世界旅行などがあり、さながらリカちゃんのテーマパークのようでもあります。

私が訪れたのはお盆休みの真っ最中でしたので、小さな女の子連れの家族で大賑わいで、なりきりドレスレンタルでは少女たちが本当にうれしそうにリカちゃんのドレスを着ていたのが印象的でした。

リカちゃんの生みの親である佐藤安太さんによると、リカちゃんは「お人形の基本であるままごとや着せ替えおしゃれなどの遊びを通じて、楽しみながらやさしさや思いやり、美意識、そして、家族の絆や社会の仕組みなど、人間として生きてゆくのに必要なさまざまな事を学ぶことができるよう願いを込めて作られている」とのことです。

さらに、「IT化や国際化が急速に進み社会が大きく変化する中で、今後ますます学校やコンピュータでは学べないとても大切なものになると感じています」ともおっしゃっています。

リカちゃんは単なる着せ替え人形という枠を超え、様々な役割を全うしていることになりますが、最近ではリカちゃんキャッスルがある小野町からリカちゃんファミリーに特別住民票が交付され、地域活性化にも貢献しているようです。

実際に館内を見学してみると、様々な企業とコラボしたリカちゃんを見ることができます。ダイヤやスワロフスキーを身に付けた大人っぽい雰囲気のリカちゃんや、横浜の元町の商店街にあるお店とタイアップしたハマトラ(懐かしい!)の格好をしたリカちゃんもいます。またのBTO(Build To Order)注文生産方式も行っていて、希望する自分の好みにあったオリジナルのリカちゃんを手に入れることもできます。

現在のリカちゃんは4代目だそうですが、初代リカちゃんで遊んだ私が驚いたのは、何とリカちゃんのプロフィールが変っていたことです!

当時、お父さんの職業はパイロットだったと記憶していたのですが、現在はピエールという名前の音楽家で、由緒正しいフランスのミラモンド家の出身ということになっています。

さらに、リカちゃんには双子の妹とその下には3つ子の弟妹がいて、驚いたことに飼っている犬までが双子という設定なのです。今の時代には珍しい子だくさんの家ということになりますが、少子化対策にも貢献しているということなのでしょうか。

館内には2階にお人形ファクトリー見学ゾーンがあり、1階のお人形ファクトリーでリカちゃんの顔を作る工程や髪の毛をつける工程などを見ることができ、リカちゃん達が作られていく様子を見学することができます。あのリカちゃんはこうして誕生しているのかと、とても興味深く見学しました。

冒頭の写真は、リカちゃんの頭部が作られる前の状態です。卵のような形をした頭部が、かご一杯に敷き詰められている状態はややシュールな感じもあり、それを見たリカちゃんファンの少女達の夢が壊れてしまわないか、ちょっとだけ心配になりました。

それにしても、こんなにも多くの役割を担っているリカちゃん、今後の活躍がますます楽しみです。

因みにこのリカちゃん、今も小学校5年生の11歳とのことですが、1967年に11歳だったのであれば、現在の年齢は59歳ということになりますから、実に長い間活躍していることになります。ぜひ、若さと抜群のプロポーションを保つ秘訣を聞いてみたいものですね。

(人材育成社)


講演会の講師としてデビューする方法

2015年08月16日 | コンサルティング

あなたが公開セミナーや講演会で講師としてデビューし、活躍する方法をお教えします。

まず、生まれてから今に至るまでの自分の歴史を振り返ってみましょう。過去に何か不幸な経験があれば、それは講師としてのポイントになります。ただし、あまりにも悲惨な出来事では聴衆が引いてしまいますので、注意してください。「手におえない不良だった」、「何年も引きこもりだった」あるいは、「会社をクビになった」、「何度も事業に失敗した」などのポピュラーな経験が複数あればベストです。

さらに必要になるのは「転機」です。今までのダメな自分を変えるような出来事です。失敗していじけていた自分を厳しく叱ってくれた恩人が亡くなってしまったこと。海外へ行って目にした厳しい現実。家族や友人からのさりげない心遣い・・・何でも構いません。

次は、講演内容の構成です。スタートは元気よく普段の話し声の3倍くらい大きな声で「皆さん、こんにちわ!」と言ってください。2倍ではちょっと弱いですが、4倍ではやかましいだけです。前半部分では、いかに自分がダメ人間だったかを面白おかしく話してください。ここでは笑いをとることが重要です。

話の中盤では、「へえー」、「ほぉー」と思わせるちょっとインパクトのあるエピソードを織り込みます。バスケの試合で終了のホイッスルが鳴る1分前、得点差は絶望的、もうダメだと思った時にA先生が「あきらめたらそこで試合終了だよ」と言ってくれた、そこから奇跡の逆転が・・・といった感動的なエピソードが良いでしょう。ただし「感動」という言葉は避けてください。感情表現で感動を伝えることがポイントです。ここは非常に大事なところなので、多少「盛って」も構いません(もちろん、嘘はいけません)。

そして、話の後半は一転して「しみじみ」とした話し方に変えてください。その経験で、どれだけ自分が変わったのかを感情を込めて2回繰り返して話してください(3回以上は逆効果です)。もし「涙ぐみながらしゃべる」という高度な技術をお持ちでしたら、ここがその必殺技を使う場面です。

終盤では、ここまで話してきたことのまとめと教訓を伝えます。聴き手にとって心地良く、ポジティブで覚えやすいフレーズを使います。「こころざし、未来、きっかけ、思い、輝く、あなたらしく、きらきら、元気、笑顔、夢・・・」

以上ですが、いかがでしょうか。自分にもできそうだなと思われた方は、講師になれる可能性があります。とりあえず、1日1回は家族や友人に聴き手になってもらって練習をしてください。そして実力が付いてきたなと思ったら、自分を売り込んでみましょう。講師を登録するサイトや、オーディション※もありますからどんどんチャレンジしてください。

さて、自分には向いていないなと思われた方は残念ながら講演会の講師にはなれません。今の仕事に専念してください。

あ、私ですか?・・・今の仕事に専念するとしましょう。

(人材育成社)

※ 第6回 全国・講師オーディション2015


「クールビズはもういいの?」

2015年08月12日 | コンサルティング

毎日毎日、暑い日が続いていますね。それもそのはず、先週東京都心の猛暑日が連続8日となり、これまでの記録を大幅に更新しました。

それ以前も、猛暑日には至らなくても30度以上の真夏日が続いていましたので、今年の夏は私の中で、これまでで最も暑い夏として記憶されるのは間違いない!といった状況で、もううんざりといった気持ちになっています。(泣)

さて、2005年に鳴り物入りで始まった「クールビズ」ですが、今年で11年目を迎えました。環境省では室温28度で快適に過ごせるクールビズを毎年5月から推進し、6月1日からはさらなる軽装をはじめとしてワークスタイルを変更する、「スーパークールビズ」を推奨しています。

スーパークールビズではアロハシャツ、ポロシャツ、スニーカーもOKとされていますが、今年、クールビズをさらに進化させた「COOLBIZ NEXT」が始まり、先日キックオフ・イベントも行われたそうです。

イベントでは、クールビズ生みの親であり当時の環境大臣の小池百合子衆議院議員が、「クールビズはあっという間に日本中に広がり、日本を発信基地として世界でも展開されている。こんなに成功している戦略は他にないと周囲からも言われ、世界中から取材を受けているほどです」とこの10年の成果を報告したそうで、世界中でクールビズがどんどん取り組まれていることがわかります。

しかし、その一方で最近気になるのがNHK・民放問わずテレビの出演者、特に男性アナウンサーの服装です。今年はクールビズではなく以前のようにネクタイを身に着け、上着も着ている姿がとても目立つのです。

これまで地球温暖化や、特にここ数年は東日本大震災に伴う節電等の関係で、アナウンサーをはじめとするテレビの出演者の服装もクールビズが中心だったと思っていたのですが、前述のように今年の状況を見ると、「テレビ業界ではクールビズはもう関係ないの?」と思わず突っ込みたくなります。

例えば、私はNHKのニュースウォッチ9を見ることが多いのですが、男性キャスターは毎日スーツとネクタイを着用しているのに対して、隣にいる女性アナウンサーは、日によってはノースリーブです。一人は軽装なのに、もう片方はしっかり正装していますので、スタジオの室温の設定がどうなっているのかわかりませんが、1人は寒いし、もう1人は暑いということはないのだろうかなどと余計な心配をしたくなります。

もちろん、全てのテレビ局の全てのアナウンサーが、というわけではないのでしょうが、少なくとも多くの人が見る時間帯の、いわば目立つアナウンサー達にネクタイ復活派が多いのは事実だと思います。

それにしても、ここまで日本中で進めてきたクールビズをあっさりと止めてしまったことには、本当にそれでいいの?と何とも残念な思いがします。

おそらく、「ネクタイをしていないと、視聴者にだらしない印象を与えるから」といった理由なのかとは思いますが、それは昨年までも同じだったはずですから、これまでの取り組みは一体何だったの?と思っています。

翻って、我々ビジネスの世界においても、営業職が顧客を訪問する際には、まだまだジャケットは勿論のこと、ネクタイを着用する人が多いのも事実だと思います。

先日、知り合いの男性営業パーソンも付き合いの長い顧客ならともかく、新規顧客を尋ねるのにネクタイをしない勇気はないと話していました。

でも、顧客の側からすると涼しい顔をしてネクタイとスーツを着用しているならともかく、汗をだらだら流してまでしながら、きっちりした格好をされていても、逆に「無理にそこまでしなくても」と感じるのではないかと思います。

クールビズがここまで認知されていても、ビジネスの現場での意識はなかなか追いついていないということなのでしょう。

そういう意味でも、一般人に影響力のあるテレビの出演者、特にアナウンサーの皆さんにはクールビズに逆行するような出で立ちをするのではなく、是非ともクールビズを徹底していただくことが啓発の意味合いからも大切だと思っています。皆さんはどのように思われますか。

(人材育成社)


コーヒーを日本国内で栽培しよう

2015年08月09日 | コンサルティング

「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人では肝がんの発生率が約半分に減少し、1日の摂取量が増えるほど発生率が低下し、1日5杯以上飲む人では、肝がんの発生率は4分の1にまで低下していた。」 

これは、国立がん研究センターがおこなった20年以上にわたる追跡調査の結果明らかになったことです。コーヒーを飲む量が増えるほど死亡リスクが下がる傾向があることが、統計的に実証されたことになります。

私のようなコーヒー好きにとってはうれしいニュースですが、悲しいニュースもあります。コーヒーの価格が上がってきていることです。

その原因は、世界の3分の1のコーヒー豆を生産しているブラジルが干ばつに見舞われ、世界的な供給不足が生じているためです。また、コーヒーの生産地は政情が不安定な国も多いことも、価格急騰の一因となっています。すでに「ブルーマウンテン」などの高級種は入手困難になっているそうです。

さて、職場で愛飲され健康にも良いコーヒーの供給が、こうした海外の事情に左右されて良いのでしょうか。

私は、石油同様、コーヒー豆を国家的備蓄計画を以て安定供給するべきだと考えます。また、先端技術の粋を集めて、国産コーヒー豆の栽培をいち早く実現すべきだと思っています。

コーヒーは果実の一種ですが、高温や低温に弱く、概ね20℃前後で日光がよく当たり、水はけの良い環境が必要です。もちろん、日本の自然環境では育成できません。しかし、日本の工業技術があれば十分に大規模栽培は可能です。

以前、千葉(八街市)の街道沿いでトマトをハウス栽培している実験プラントを見学したことがあります。そこは、閉店してしまったパチンコ店を利用して、自動制御技術とWebを組み合わせて高品質のトマトを作っていました。品質も収量も文句なしでした。

コーヒーも同様に環境を制御する技術を確立すれば、こうしたミニ・プラントを作るのは難しくはないはずです。収量と市況によりますが、利益を出すことは十分可能なのではないでしょうか。

国内のあらゆる地域で使われなくなった設備(廃校になった体育館や工場)を、コーヒーの小規模プラントに変えてはいかがでしょうか。コーヒーの品種ごとの育成データと設備制御のプログラムは国が作って無料で配布すればよいと思います。後は、プラント作りに補助金を出し、エンジニアが技術指導をおこなえば日本中にコーヒー農園ができます。オリンピックに比べればほんとうに微々たる投資です。

日々長時間労働とストレスにさらされているエンジニアの皆さん、そのコーヒーを飲み終わったら、ちょっと真面目に考えてみませんか。

(人材育成社)


嫉み(ねたみ)と上手に付き合う

2015年08月05日 | コンサルティング

「あなたは誰かを嫉んだ経験はありますか?」と質問されたら、何と答えますか?

実際のところ、「人を嫉んだことは一度もない」と言える人は少ないのはないでしょうか。

自分の過去の経験を踏まえ嫉みについていろいろ考えてみると、人が嫉みを抱くのは距離的に自分にとって身近な人、また、立ち位置は自身と同等、もしくは同等より下だと考えている人がその対象になっていると思います。

嫉みとは、そうした人が自分よりも抜きんでていたり、自分が手にしていないものを得たりした時に抱く、マイナスの感情なのでしょう。

逆に、自分よりも明らかに上位に位置していると考えている人が成功した場合などには、羨ましいという感情は持ったとしても、それが妬みにはならないということです。

そんなことを考えていたところ、先日NHKの「あさイチ」で「嫉み」をテーマに取り上げていました。

番組では「嫉み」とは、誰もが抱くごく自然な感情であるとしていました。出演していた精神科医によると、嫉みと脳には密接な関係があり、嫉んでいる時の脳は前部帯状回が活発に働いていることがわかっているそうです。

そして同時に、嫉みは苦痛の一種ではあるけれど、辛い状況を察知してそこから逃れようとする、状況を変えようという動機づけにもなるのだそうです。

嫉みは誰もが持っている感情で、性格によるものなどではなく、同時にそれは行動を起こすモチベーションにもなり得る、良いことをもたらすものでもあることがわかってきているとのことでした。

ただし、嫉みには良性と悪性があり、嫉ましい人を刺激にして頑張れるのが良性、刺激になり過ぎて自分がへこんでしまうのが悪性の嫉みだそうです。

そして、良性の嫉みと目標に向けて頑張り続ける持続力の間には関連があり、「あの人のようになりたい」と考える良性の嫉みとすることで、高い目標を掲げ頑張り続けることができるという研究結果があるようです。

つまり、自分が成長したいと考えるのであれば、悪性の嫉みを良性のものにしていくことが大切だということです。

そして、この悪性の嫉みを良性に転化させるには、

1. ねたみを自覚する

2. まねをしない(相手のようになろうとしない。)

3. 自分なりの目標を設定する。(仮に痩せたいと考えるのなら、自分なりの目標をたてる。目標のカスタマイズ)

ことが大事なのだそうです。

嫉みの感情を持つこと自体は自然なことで、恥じるようなものではないということですから、あとはそれをいかにして自分にプラスにしていくかが問われていると思います。

もし、あなたが「誰かを嫉んでいるのでは?」と感じた時は、逆に自分が成長できるチャンスを得たと前向きにとらえて、まずは自分の感情を素直に自覚することからはじめてみてはいかがでしょう。

(人材育成社)


雑談力は要らない

2015年08月02日 | コンサルティング

個人的な意見ですが、いわゆる「雑談力」は不要だと思います。これが、「雑談力」というタイトルを冠したビジネス書を5冊ほど読んだ結論です。

雑談とは「会話を利用して場の空気を生み出し」、「仕事や人間関係を維持する」ことだそうです。こうした本のほとんどすべては、ビジネスにおけるコミュニケーションの重要性を説いています。

よく引き合いに出されるのが、経団連の「新卒採用に関するアンケート調査結果の概要」です。これは、経団連に加盟する企業が大卒新人を採用する際に特に重視した項目を調べたものです。その結果は、毎回「コミュニケーション能力」がダントツの1位となっています。

仕事で、初めて会った人やお互いによく知らない者どうしが会話を始めるときに、ちょっとした雑談から入ることはよくあります。その場の空気が和らぎ、話がうまく進むことも多いでしょう。

しかし、コミュニケーション能力=雑談力ではありません。コミュニケーションとは、お互いの意思や考え方を言葉などを通じて相手に伝えることです。雑談はその一部にすぎません。

雑談が苦手な人はたくさんいます。雑談を好まない人もいます。雑談力は、ビジネスにおいてはあくまで優先度の低い、いわばアクセサリーのようなもので良いのではないか、というのが私の考えです。

もちろん、雑談が上手で良好な人間関係を築いたり、雑談力で仕事を成功に導いたりした人もいます。しかし、雑談ばかり上手で、肝心の仕事の方がまるでダメな人はその百倍はいます。実際、実に良い仕事をする人、確実に実績を上げる人のほとんどは雑談をあまりしません。

もしあなたが仕事ができない人ならば、雑談力をつけることをお勧めします。多少は効果があるかもしれません。

しかし、仕事には自信があるが雑談は苦手だというならば、無理に雑談力をつける必要はありません。顧客も上司も同僚も、仕事のできる人は仕事のできる人をきちんと見分ける能力を持っています。

それでも、どうしても雑談をしてみたいというならば、次のような雑談を試してみてはいかがでしょう。

「私、雑談が苦手なんですが、あなたはいかがですか?」

(人材育成社)