中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第951話 Web会議は寂しいと思っている社長さんへ

2020年08月30日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

最近、経営者の方々から「会議」に関する愚痴をよく聞くようになりました。会議と言っても、リモートワークに移行してから行われるようになった「Web会議」についてです。もちろん、「愚痴」という程度ですから、決して真っ向から否定しているわけではありません。

Web会議は、ZoomやTeams、GoogleMeetなどのソフト(システム)を使って行われます。こうしたソフトについては、意外にも経営者層からの評価は高いものがあります。

考えてみれば、もともと優れた経営者は新しいものにチャレンジして取り込んでいくのが得意です。Web会議システムは格好の材料だったのでしょう。

さて、問題は愚痴の中身です。どうやら会議の「場」がリアルでなくなったことに寂しさを覚えているようなのです。

「Web会議はどうも空気というか場の雰囲気というか、気持ちが伝わってこないんだよ」ある会社の社長さんの言葉です。「こっちは部下たちに色々と言いたいことがあるんだけど、Webカメラに向かって話し出すとどうもうまく言えないんだ。」

その気持ちはわからないではありません。しかし「うまく言えないこと」は、さして重要なことではありません。本当に重要かつ緊急なことであれば、間違いなくはっきりとした言葉になります。

今までリアルな会議の場で「色々と言ってきたこと」が本当に重要であれば、Web会議になってから重要なことが伝わらなくなってしまったことになります。

しかし、この会社の仕事はWeb会議になったからと言って停滞しているわけではありません。むしろ、効率的になったと言えるほどです。リアルからWebへ、会議の形態が変わったことによって効率化が進んだわけです。

ただし、そのせいで社長さんのモチベーションが低下したのでは意味がありません。

リアルな会議が少なくなって寂しがっている社長さんにお願いします。どうか部下の効率的な仕事ぶりをほめてあげてください。

部下の成長こそ、社長にとっての最大のモチベーションアップの原動力のはずです。

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第950話 聞き手の反応がつかめないオンデマンド型研修は難しい

2020年08月26日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

対面型の集合研修からオンライン研修へ、コロナ禍により社員研修のスタイルが大きく変化して、はや数ヶ月が経過しました。

研修を提供する講師の側としては、回を重ねるごとにオンライン研修にも少しずつ慣れてきて、メリットもデメリットも感じるようになっています。このような状況下で最近痛感するのが、オンデマンド型の研修の難しさです。

ご存じの方も多いかと思いますが、オンライン研修は大きく2種類に分けられます。一つはオンライン型で、インターネットで講師とつながったライブ配信を視聴し参加するタイプの研修です。もう一つはオンデマンド型で、あらかじめ収録された動画を視聴するタイプの研修です。

どちらのタイプも、パソコンを使って研修を受けることになりますが、前述のようにここに来て改めて難しさを感じているのがオンデマンド型の研修です。

オンデマンド型研修の具体的なメリットとしては、自分の都合のよい時間に視聴したり自分のペースで進めることができるので、理解の進み具合により動画を一時停止したり巻き戻したりしながら受講することができます。また繰り返し何度でも視聴することができるので、復習しながら理解を深めることが可能な点が挙げられます。

反対にデメリットとしては、ライブ配信ではないため、その場で講師に質問するようなことはできません。

このように、オンデマンド型にはメリットがある一方、事前に研修の動画を作成する際に目の前に受講者がいないため、直に反応を確かめながら進めることができない点が研修を提供する講師の側にとっては大きな問題になります。

通常の対面型の研修であれば、受講者の反応によって繰り返し説明したり、事例を入れたり、別の表現に変えてみたりするなど、状況に応じて対応することが可能です。

この点、オンデマンド型では目の前に受講者がいないため、どうしても講師の側で一方通行の進め方にならざるを得なくなってしまうのです。

もちろん、重要な箇所は声を少し大きくして強調する等の工夫はしています。しかし直接受講者の反応を確かめることができないため、果たしてどれくらい伝わるのだろうかという心配はつきません。

このように考えると、実は研修に限らず通常の(リアルの)対面コミュニケーションにおいても「聞き手の反応が確認できないと話し手がうまくコミュニケーションを続けることは難しい」ということが言えます。

対面で話していて、オーバーに反応を示してくれる人がいる一方、話を聴いていても反応が薄かったり、中には全く反応を示さなかったりという人もいます。こうなると、話し手にとっては積極的にコミュニケーションをとろうという気がだんだん失せてしまうことになります。

今後、対面でコミュニケーションする際には、ぜひ聞き手の反応が話し手の気持ちにも大きく影響するのだということをあらためて認識していただきたいです。それを踏まえれば活発なコミュニケーションにつながるのです。

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第949話 「鬼上司」の多い会社はつぶれる

2020年08月23日 | 研修

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上司が部下を甘やかしていたら業績は下がる一方。やさしいだけの上司なんていらない。怒るときは怒らないと部下は育たたない。・・・その気持ちはわかります。しかし、残念ながらそれでは会社がつぶれます。

「自分の若い頃は上司に厳しく仕事を叩き込まれたものだ。」50代以上の管理職の方々からよく聞く言葉です。

私はこの言葉が大好物(?)なので「そうなんですか!具体的にはどんな仕事でどうやってどのくらい厳しく叩き込まれたんですか?」と、つい前のめりになって聞いてしまいます。

すると、返ってくる答えの半分は「・・・いや、まあ、いろいろとね。とにかくよく怒られたものだ」という情緒的で具体的な内容がはっきりしないものです。後の半分は「この仕事は徹夜してでも仕上げろ」とか「お前のやり方ではダメだから俺の指示通りにやれ」といった「言い方はきついけれど内容は間違っていない」指示命令です。

たまに「部下を人間扱いせずいつも怒鳴り散らしていた」という上司の話をする人がいました。それは論外としても、今の管理職の方々が若い頃に出会った「鬼上司」のほとんどは部下の育て方を間違っていた人たちです。

「いや、厳しく言われたから今の自分がある」という人も少なからずいます。しかし、それは誤解です。育てるのが下手な上司の元で立派に育った理由は、その人がもともと優秀だったからです。上司の厳しさとはあまり関係がありません。

仕事ができるようになるためには、(1)自らできない現状を認識し、(2)できるようになるための努力や経験を積む、しかありません。(1)と(2)ができる能力があったからこそ成長したのです。では、上司は部下のためにすることは何も無いのでしょうか。

大いにあります。仕事を通じて部下の能力を見極めることです。仕事をやらせて上手く行かなかったら、上記(1)を確認します。「失敗した理由は何だと思う?」と部下に聞いてみます。部下が自らの能力の限界を把握しているかどうかが重要です。このとき失敗したことを怒ったり責めたりすると逆効果になります。

もし部下が「○○さんがXXについて事前に言ってくれなかったから」とか「もともと無理な納期設定だったと思います」といった他責(自分は悪くない。周りが悪いという態度)の言葉を口にしたら要注意です。ただし、そういうときは怒っても効果がありません。

他責がなぜいけないのか、どうすれば良かったのかを部下にきちんと説明します。そして、上司として支援できることを具体的に説明します。部下がまだ納得できない様子だったら、「仕事には不確定な要素が多い。それらをすべて排除した仕事でなければできないというなら君への仕事はかなり限られることになる」ということを伝えます。

怒ったり怒鳴ったりはしていませんが、これはある意味「鬼上司」より厳しい指導かもしれません。

このように過去を振り返っても、現状を見ても「鬼上司」は不要であることがわかります。必要なのは正しい指導法を身に付けた上司だけです。

さて、残念ながら研修業界にも「上司が鬼とならねば部下は育たない」という考え方の会社があります。時代錯誤というよりも「社会悪」と言って良いでしょう。なぜ「反社会的勢力」に指定されないのか私には疑問です。

「鬼上司」が多い会社は早々につぶれます。経営者の皆さん、自分の会社を一度点検してみてください。

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第948話 チームで寄ってたかって部下(後輩)を育てる

2020年08月19日 | コンサルティング

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「1位:指導をする人材が不足している。 2位:人材を育成しても辞めてしまう。 3位:人材育成を行う時間がない。」

これは、厚労省が毎年実施している能力開発基本調査の中の「人材育成に関する問題点」に対する令和元年度の回答内訳(複数回答)です。ここ数年不動の順位ですが、いずれの項目も前年より回答数が増えている点が注目できます。

さて、今年は新型コロナウイルスの影響で、新入社員の教育を従来通りに行えなかった企業が大半だと思います。

先日お会いしたある企業の人事担当者も、「緊急事態宣言により新入社員研修は中止したので、研修は4日間で終わりました。その後はテレワークになりましたので、新人教育として人事から定期的に課題を与えていました。しかし、突然のことだったので課題と言っても業界情報を読むようにさせるくらいしかできなくて・・・おまけにパソコンを持っていない新人も多く、彼らには課題を郵送しました。その後配属になりましたが、育成は配属部署にお任せの状態です。現在もテレワークがメインですから、育成をどのようにしているのかわかりません。人事でもフォローができていません」と話していました。

この話からも、新入社員の育成が思うように進んでいないことがよくわかりますが、今年は同じような状況の企業が少なくないでしょう。

このような状態が続いてしまうと新入社員が育たないだけでなく、状況によっては早期に退職を希望するようなことにもなりかねません。

そうならないようにするためには、すぐに何かしらの手を打つ必要があるのです。そこでテレワークで日々顔を合わせることができない今だからこそお勧めしたいのが、「チーム単位で新人や若手を育てる」ということです。

昨年までのように対面での指導が中心であっても、冒頭の調査結果のように人材育成がうまく進んでいない問題点として「指導する人材が不足している」が1位になっているのです。

ましてや、今年のように対面自体が限定されてしまっている場合には、これまでのように上司(先輩)と新人の一対一の関係が主になってしまうことはお勧めしません。その上司(先輩)が指導の経験が少ない人であったり指導が不得手であったりする場合には、新入社員への指導がほとんど進まないことが懸念されるからです。

そうならないためにも特定の上司や先輩に限定するのでなく、ぜひチーム全員が育成者としての自覚をもつことが肝要です。たとえテレワークでオンライン上であったとしても、新入社員を「寄ってたかって」指導するのです。仮に5人のチームであれば、1人の新人に対して他の4人が1人10分ずつ時間をとれば、毎日40分の指導を受けられることになるからです。

このように伝えると、「テレワークだからこその忙しさもあるので、それもなかなかできない」とおっしゃる人もいます。しかし、テレワークによる往復の通勤時間分の余裕は生まれているはずなのです。ぜひ、その時間分を部下(後輩)の育成の時間にあてていただきたいです。

コロナ禍で働き方の環境が大きく変わっている今だからこそ、できない理由ではなくどうすれば新入社員を育てられるのか、ぜひ知恵を絞って取り組んでいただきたいと思います。

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第947話 情報共有はあなたの会社を救う

2020年08月16日 | コンサルティング

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今回は経営者の皆さんに1つの施策をご提案いたします。これを実行すれば、あなたの会社は社員が辞めていくこともほとんどなくなり、これからも会社は成長していきます。

その施策は「情報の共有と伝達スピードのアップ」です。

「なーんだ、そんなことはわかっているよ」そう思われたでしょうか。そのとおり、誰もが十分わかっているはずです。ところが一筋縄ではいかないのが情報共有です。

難しいとはいえ、情報共有はやってできないことではありません。今回はまわりくどい説明は抜きにして、「とにかくこれをやってみてください」という具体策をご紹介します。

情報の共有と伝達スピードのアップのためにやっていただくことは、たった1つ「上から下」ルールの決定と実行です。具体的には、部下が上司に情報(報告)を上げたら、上司は必ずその情報がどのように使われてその結果どうなったかを部下に知らせる「義務」を課すことです。

「先日君が作ってくれた報告書は役員会でのディスカッションでこういうふうに使った。その結果、○○の案件につてはXXという方向で話が進んだ」という感じです。もし、あまり役に立たなかったら、そう言えばいいのです。ただし、どこに問題があって役に立たなかったかは具体的に伝えて改善策を指示します。

振り返って、あなたの会社の管理職が「下」へ情報を伝えることをしていないとしたら、部下のモチベーションは下がり続けます。部下にとって単に情報を上げる(報告をする)だけでは、その仕事に何の意味があるかわからないからです。言ってみれば、上司というブラックホールに報告書を放り投げただけ、というわけです。

自分の努力した結果が役に立っているのかどうか不明なままではモチベーションが低下し、努力すること自体が面倒になります。やがて仕事が嫌になるかもしれません。

自分の仕事がどうやって使われたか、それを知るだけでモチベーションは上がります。その結果、「下から上」の情報量は格段に増えると同時にスピードもアップしていきます。情報共有が進めばチャンスを掴む確率もぐっとアップしますし、リスクに対する備えも素早くできます。その成果、従業員の定着度の向上と利益率のアップに必ずつながります。

経営者の皆さん、「上から下」たったこれだけのことです。管理職全員を集めて命じてください。早速今日から始めましょう

 

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第946話 マスクを着用しても聞き手に伝わるコミュニケーションをとるには

2020年08月12日 | 研修

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「マスクをしていると、研修でロールプレイング(以下ロープレ)を取り入れるのは難しいですよね?」

新型コロナウイルスの影響により、マスクを着用するようになって以降の研修の打ち合わせでは、担当者から冒頭のようなご質問をいただくことが多くなりました。

現在は研修でも「三蜜」を避け、ソーシャルディスタンスを確保して、原則マスク着用で進めなければなりません。

そして、それはコロナウイルスの感染拡大以前と同様の形式のロープレを進めることを難しくさせています。しかし、こうした状況ではあっても弊社では感染リスクをできる限り回避しながら、ロープレを行っていただくようにしています。

なぜならば、前述のとおり飛沫感染を防ぐために対面する際のマスク着用が必須になっている一方で、それにより顔の表情や声の大きさという非言語(ノンバーバル)という強力なコミュニケーションが使いにくくなってしまっているからです。

マスクを着けた状態でのコミュニケーションは、どうしても相手の表情が読み取りにくく、意思の疎通が難しく不安や不信感を抱きやすくなってしまいがちです。また、マスク着用による息苦しさや暑さでストレスが増加し、コミュニケーションをとること自体が面倒になってしまうという人も少なくないようです。

こうしたことから、マスクを着用するようになって以降、コミュニケーションの質が下がっていることを痛感している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このように考えると、研修時におけるマスクを着用した状況でのロープレは、練習する意味が大いにあると思うのです。それはマスクを着用している状態で、よりよくコミュニケーションを進めるためにはどうすればよいのかということを意識して確認したり、練習したりすることができるからです。

それでは、具体的にどのようにすればマスク着用によるデメリットを回避し、積極的にコミュニケーションをとることができるのでしょうか。

まず、一番はいわゆる「空気に頼ったコミュニケーション」を避けることが大切です。

これはマスク着用時に限ったことではありませんが、マスクをすることにより非言語の一部が遮断されてしまっているのです。そのためより一層「言わなくてもわかるでしょう」というような空気に頼ったコミュニケーションでは伝わらないということを前提にする必要があります。

次に、非言語を補うために言葉の量を2割くらい増やすことです。そのためにはこれまでよりも丁寧に説明するように心がけることをイメージするとよいでしょう。

もう一つ、聞き手により伝わりやすくするためには、少し声のボリュームを上げてみたり、抑揚をつけたり、ゆっくり話してみることも有効です。同時に身振りや手ぶりを少々大げさなくらいにしてみることも、表情を補う手段になります。

そして、これらは対面でのコミュニケーションだけでなく、オンライン上でのコミュニケーションの際にも有効です。

「たかがマスク」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今しばらくはマスクの着用が必須の生活が続きそうです。ぜひ、マスクを着用していてもコミュニケーションが円滑に行える、そのための工夫をすることをお勧めします。

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第945話 オンライン研修成功の秘訣

2020年08月09日 | 研修

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2ヶ月ほど前から集合型の研修が少しずつ復活してきました。もちろん、いずれもしつこいくらいに感染症対策を実施した上でのことです。

しかし、東京に限っては1つの部屋に受講生が集まる「3密」研修はほとんど行われていません。そこで、選択肢としてオンライン研修が検討されています。

オンライン研修は、講師がパソコンとカメラを前にして講義を行い、受講者はインターネットを通じてその様子をパソコンの画面に映して学ぶというものです。

先日、ある会社の人事担当役員さんとお会いした時のことです。私がオンライン研修をお薦めすると、「インターネット研修なんて、ほとんど効果ないですよね?だって、パソコンの画面を見ながら自習するようなものでしょう?」そう言われました。

話をしているうちに気づいたのですが、どうやら役員さんは「オンライン研修とオンデマンド研修」を混同しているようでした。

オンライン研修とは、ZoomやGooglemeetなどを使ったリアルタイム型を指します。いわゆる「ライブ配信」です。一方、オンデマンド研修とは録画しておいた講義を後日受講者が見て学習する「録画・再生型配信」です。それは以前からeラーニングというかたちで普及していました。役員さんはそのイメージが頭にあったようです。

そこで私は、Web会議システムを使ったオンライン研修は「リアルタイム・双方向」であり、集合型に比べて臨場感は劣るものの、かなりの効果が期待できるという説明をしました。

実際に当社がオンライン研修を何度か実施した結果、当初の予測を超えた効果が得られることがわかりました。この点に関しては、受講者のアンケートや研修後の確認テストのスコアで実証されています。

とはいえ、オンデマンド型が不要であるというわけではありません。事前学習や事後学習は、オンデマンド型の方が有効です。従来の「事前課題⇒集合研修⇒事後課題」に対応するかたちで「オンデマンド⇒オンライン⇒オンデマンド」に置き換えるわけです。

「オンライン研修成功の秘訣はオンデマンドにあり」です。

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第944話 テレワークで浮いた通勤時間に何をするのか

2020年08月05日 | キャリア

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新型コロナウイルスの感染者が再び増加の一途をたどっているここ最近、改めてテレワークを導入している企業が多いようです。このブログでも何度も触れてきているとおり、テレワークのメリットには様々なものがありますが、その一つとして挙げられるのが通勤時間の削減です。

総務省 統計局の平成 28 年社会生活基本調査によると、通勤・通学時間(行動者平均時間)を都道府県別にみると神奈川県が1時間45 分と最も長く、次いで千葉県、埼玉県などとなっていて関東地方で長くなっているとのことです。確かにこれだけのまとまった時間が浮くのですから、それは大きなメリットだと考える人が多いことはもっともなことです。

では、多くの人が享受できるようになったであろうその時間を、ビジネスパーソンはどのように使っているのでしょうか?

もともと子育てや介護をしている人であれば、その時間をさらに充てることができるようになったことと思います。また、人によっては睡眠時間を増やしたり、運動をしたり、新たに趣味に取り組んだり、さらには学校に通い始めたり、地域の人との交流を深めたりという人もいるかもしれません。

それぞれ、この時間を有効に活用しようとしていることと思います。

ここで話はかわりますが、日本生産性本部が2020年5月に行った「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」で、新型コロナウイルスの流行以降の自己啓発の開始の有無についての質問をしています。それによると、雇用者の42.8%は前述のとおりコロナウイルスの流行後に「余暇時間が増加した」と回答しているとのことです。

さらに、同調査では仕事やキャリアに関わる能力やスキルを高めるために、何か新しい取り組み(自己啓発)を始めたかについても質問しています。その調査結果によると自己啓発を始めた人は8.8%にとどまり、始めたいと思っているが30.1%、特に取り組む意向はないが6.1%になっています。

この結果から考えると、時間には確かに余裕ができたものの、実際に自己啓発に取り組んでいる人は意外にも少数であることがわかります。

厚生労働省が毎年行っている「令和元年度の能力基本調査」では、自己啓発を行っていない理由の1番目に挙げられているの「「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」です。

しかし、今回テレワークの導入による通勤時間の削減により、せっかく50分もの余裕ができたのにもかかわらず、実際に自己啓発に取り組んでいる人が少ないことは少々残念な気がします。

今後テレワークの継続的な導入により、プロセスではなく仕事の成果で評価される流れになっていくと言われています。しかし「成果を出す」ためには、当然それ相応の努力をすることが必要であり、今後はこうした努力がこれまで以上に求められるようになると考えられます。

そのためには、まず自己を磨くこと、自己啓発をすることの意味と必要性をきちんと理解し、そのうえで実際に行動に移していくことが求められるのです。

このように仕事の成果の差に直結するであろう、テレワークによって浮いた時間をどのように使うのか、今まで以上にそれぞれの意識と行動が問われる時代が既にやってきているのだと感じています。

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第943話 ”いきなり”リモートマネジメント

2020年08月02日 | 研修

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先日、ある商社の人事担当役員とお会いした時のことです。その会社では社員のテレワークがある程度定着してきたとのことで、役員さんは「一息ついた」と少しほっとしていたようでした。

その役員さんは「次の課題は、テレワーク中の社員たちを、マネージャーがどうやって管理するかです。」そういうと、私に意見を聞いてきました。「”リモート・マネジメント”と言うそうですね。具体的な事例をご存じですか?」

「いいえ、知りません。」私は正直に答えました。続けて「”リモート・マネジメント”はリクルートさんのホームページに詳しく記載されているので、参考にされてはいかがでしょうか。」と言いました。

役員さんは意外そうな顔をして「え?人材系のコンサルティングという分野では、リクルートは御社のライバルでしょう?」と言いました。

「いいえ、ライバルなんてとんでもないことです。あちらが象ならうちはアリです。だいいち私は”リモート・マネジメント”という言葉には意味がないと思っています。マネジメントにリアルもリモートもありません。」

「”リモート・マネジメント”って、すごくキャッチ―な言葉ですよね。御社はそれを使わないのですか?」

「はい。当社はお客様に対しても、そうした言葉は使わないようお勧めしています。テレワークに移行する以前からマネジメントというものにきちんと向き合ってきた企業ならいざしらず、そうではない企業が”いきなりテレワーク”から”いきなりリモート・マネジメント”というのは危ういと言わざるを得ません。」

「ではどうすれば良いとお考えですか?」

「”いきなり”はさておき・・・まずテレワークの以前のマネジメントをしっかりと振り返ることから始めます。マネージャー各人のスキルや考え方、部下への日常的な接し方、実践してきた指導方法、そういったものを対面インタビューを通じて洗い出します。その結果を評価して1人ひとりに合ったマネジメントプランを作ります。」

「なるほど、それから”リモート・マネジメント”になるわけですね。」

「まあ、そういえばそうなのですが、”リモート”は手段に過ぎません。もちろん、リモートで注意すべきことや若干のテクニカルなスキルは必要です。しかし”リモート”だから今までとは異なる「モデル」を構築する必要はありません。リモート以前の状態できちんとしたマネジメントができていない企業が、そうした”リモート・モデル”に走ると失敗します。絶対にやめた方が良いです。」

その役員さんは「う~ん」と言って腕を組んでいましたが、少しおいて「おっしゃる通りかもしれません・・・」と言いました。

「”いきなりテレワーク”は、今までのマネジメントの在り方を考え直す絶好のチャンスです。足元をしっかり固めてから”リモート・マネジメント”に取り組みましょう!」と私は言いました。この会社の「後日談」いずれまた。

さて、なさんの会社はいかがでしょうか。マネージャーさんはしっかりしていますか?

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