中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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山種美術館の竹内栖鳳

2013年07月13日 | コンサルティング

「班猫」(はんびょう)。
1924年に竹内栖鳳(たけうちせいほう)が制作した日本画です。これはすごい絵です。

エメラルド色の目をした猫が一匹、背中を舐めながらこちらを見ています。背景には何もありません。ただそれだけの絵です。しかし、はじめて見た時、驚愕しました。

「これは猫のイデア(理念)です」としか言いようがありません。

絵の前に立ってみるとわかります。この猫を両手でつかんだ時に、ぐにゃっとして、にゃっ!と鳴いて、ふーっ!と怒って噛まれて引っ掻かれる感覚を両手に感じます。

この猫のモデルは、竹内栖鳳が沼津に滞在していた時、偶然見つけた近所の八百屋のおかみさんの愛猫だそうです。実在の猫を「猫」というイデアに純化した画家の超人的な技にただ驚くばかりです。

私たちが関わっている人材育成は、画家とは全く逆のアプローチを行います。「人材」というイデアの一部を、現実の人間の中になんとかして転写しようとします。それはとても大変な作業です。「班猫」はそんな私をじっとにらみながら励ましてくれているような気がします。

「班猫」 竹内栖鳳、重要文化財、絹本・彩色・額(1面)、寸法(タテ×ヨコ)81.9×101.6
http://www.yamatane-museum.jp/image/collection/collection_04.jpg

山種美術館  東京都渋谷区広尾3-12-36
http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html

(人材育成社)