中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

No.801 連休中は図書館に行こう

2019年04月28日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

ゴールデンウィーク中は仕事は一切しないし、考えもしない。そんなことを実行できる中小企業の社長さんは、それほど多くないと思います。もちろん、サービス業だからむしろ忙しい、という方もいらっしゃるでしょう。

善し悪しは別として、頭のエンジンが24時間365日稼働中になってしまうのが経営者の、特に小さな会社の社長さんの宿命です。

そこで、どうせエンジンが切れないなら、ちょっと図書館に寄り道してみては?というのが今回のテーマです。

図書館は有限で狭く、時間的にも多少古い知識しか存在しない空間ですが、ネットにはないメリットがあります。本という手で触れることができる知識があることです。

本が詰まった書架の間を歩くと、普段は頭の片隅にもないような情報が目に入ってきます。
それを雑音としてではなく、仕事に役立つヒントがあるかもしれないと思って手に取ってみることをお勧めします。

結果として役に立たなかったとしても、ちょっとした「興味のかけら」が頭の片隅に残れば良いと思います。それが考える力を少しずつ強くしていきます。(私の勝手な思い込みかもしれませんが、いわゆる「地頭が良い人」には本好きが多いようです)

ゴールデンウィーク中、ほとんどの公立図書館はオープンしています。
お近くの図書館へ、ぜひ
 

No.800 まずは若手社員の話を定期的に聴こう

2019年04月24日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

若手社員の入社後3年時点での離職率は、大卒が約3割、高卒で約4割と言われているなど、早期退職の問題が顕在化するようになって久しいです。

しかし、この数字も企業規模によって大きく異なり、1,000人以上の企業が24.%であるのに対して、99人以下の企業では約40%、5人未満では約60%となっています。

このように、中小企業では大企業に比べ若手社員の定着率が低いことがわかります。定着率の違いには給料、福利厚生、雇用の保証など様々な理由が考えられますが、それ以外にも同期がいない、また、同じ職場に同年代の人がいないということがあるようです。

先日も、弊社が毎年新入社員研修を担当させていただいているある企業の人事担当者から、「昨年の新入社員研修に出ていた○○を覚えていますか?実はこの間、とうとう辞めてしまったのです。この数か月表情が曇っていたので気にはなっていたのですが」という話を聞きました。

退職した理由を伺うと、「話ができる人がいないのがつらかったようです。久しぶりに採用した新人だったため、同じ職場で一番年が近い先輩であっても、10歳以上年が離れていたんです。昼食時も1人でぽつんと食べていて、食べ終わったらずっとスマホをいじっていました。」とのことでした。

大企業のように同期入社がたくさんいれば、たとえ職場に年の近い人がいなくても、昼休みやアフターファイブに仕事の悩みなどを仲間内で共有することもできますが、中小企業であると同期が全くいないということも珍しくありません。そうなると気持ちのはけ口がなく、孤独感を持ってしまうのかもしれません。

では、そのような場合はどうすればいいのでしょうか?

対応策は様々ありますが、まずは若手社員の話を定期的に聴く場を設定することが効果的です。

このような話をすると、「飲みにつれていけばいいのですね?」と質問される管理者がいますが、そういうことではありません。飲み会のようなアフターファイブの場も補足としてはもちろん有効なのですが、まずは仕事時間中の公式な場で話を定期的に聞くことが大事なのです。

そして、その際には上司の側が話をするのではなく、少なくとも半分以上は若手社員に話をさせるように心がけることがポイントです。

そのためには、上司は上手に相手の話を聴くための訓練を事前に受けることもよいでしょう。

もちろん上司は同期とは違いますから、悩みがあったとしてもすぐに気安く本音で話をしてくれるとは限りませんが、継続的に話を聴く場面を設けることで、徐々に信頼関係を築くことができ、やがては本音で話してくれるようになるはずです。

もし、「なかなか本音で話してもらえない」というのであれば、そんな時こそ上司の本気度が試されていると思って、ぜひ腰を据えて話を聴くことを続けてみてください。

上司が若手社員に対して本気で対応すれば、いずれその気持ちは必ず伝わるでしょうし、多少時間はかかったとしても、少しずつだったとしても必ず話をしてくれるようになっていきます。

若手社員の離職対策だけでなく、一日でも早く一人前に育ってもらうためにも、ぜひ行ってみることをお勧めします。

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人財は高くつく

2019年04月21日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

「いい人いませんかね?」中小企業の社長さん(および経営者の方々)にお会いすると、必ずこういう言葉を聞きます。「いい人」とは言うまでもなく仕事のできる人、優秀な人、社員として会社に欲しい人のことです。また、この言葉の後に続くのが「なかなかいい人が採用できなくて・・・」というため息まじりのセリフです。
私はそれを聞かされるたびに「大変ですね。じゃあ、探してみますよ」とお答えしています。
「え!本当ですか。探してくれるんですか!ありがとうございます。」
「はい。よろこんで!では、社長のおっしゃる優秀な人の条件をお聞かせください。」

「仕事ができる人、頭のいい人です。」
「仕事ができるってどういうことですか?」
「・・・そりゃあ、当社の商品をたくさん売ってくれる人ですよ。」
「では、頭がいいというのはどういうことですか?」
「そうですね、一度説明したら間違わずに業務をこなせることかな。」

「よくわかりました。1人心当たりがあります。」
「本当ですか!ぜひ、会わせてください!」
「はい、もちろんです。年収は1,500万円ほどご提示いただくことが条件ですが。」
「・・・はあ?そんなの無理に決まってるでしょ。」

「社長、優秀ってことはハイスペックということです。高級車を買おうと思ったらそれなりの出費は当然ですよね。それと同じですよ。ちなみに、年収でいくらならご提示できますか?」
「まあ、最高で700万円くらいかな・・・」
「なるほど、カローラの値段でクラウンを買おうということですか(トヨタさん、ごめんなさい)。」
「・・・」

実はこういう社長さんは少なくありません。「現実は厳しい」というよりも「常識すらわかっていない」のです。いや、わかりたくないのかもしれません。

まず、地に足をつけて、日頃おこなっている仕事に向き合うような姿勢で採用を考えることです。

私は中小企業にとっての「いい人」とは次のような人だと思っています。
「素直で粘り強い人」です。
言い方は悪いですが、頭の中身は空っぽで構わないです。
「こんなことも知らないのか」、「ここまで説明しないといけないのか」というなら、なおさら良いでしょう。なぜなら、まだまだ頭に詰め込むスペースが空いているからです。

詰め込むと言いましたが、正しくは教育するということです。教育、すなわち「育てる」ことで木のようにすくすく伸びていく人が「良い人」です。木のように伸びるから「人材」なのです。

「優秀な人」は「人財」かもしれませんが、「財」すなわち「お金」が付くようにお高い買い物になります。それに「伸びる余地」はすっかりなくなっているかもしれません。

それよりも、たとえ小さな芽でも「人材」といえる人を雇って大きく育てましょう。

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「今の若い人は・・・」と嘆いていませんか。

2019年04月17日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を提供する人材育成社です。 

「今の若い人は・・・」、「私(俺)の若い頃は・・・」

皆さんはこのような言葉を使うことはありませんか?

一般的に、こうしたフレーズには否定的な表現が続くことが多いようです。

たとえば「今の若い人は職場の飲み会に参加しない・・・」、「私(俺)たちの頃はもっとチャレンジ精神が旺盛だった。それなのに今の若い人は・・・」などです。

近年、新入社員・若手社員のコミュニケーションのとり方の傾向として、「主体性」、「外向性」に対しては弱い、その一方で、「協調性」を大切にしている人が多いと言われています。

実際、弊社が新入社員や若手の研修を担当させていただくと、積極的に挙手をしたり、発表したりする人は確かに少ない傾向があるように思えます。

しかし、改めて考えてみると、こうした傾向は新入社員や若手社員に限ったものではなく、近年では管理者を対象にした研修であっても、同様の傾向が見受けられことが多々あります。

つまり、この傾向は取り立てて若手に特有のものではなく、多くの日本人がとっている傾向なのではないでしょうか。

これに関連して、日本生産性本部が「『仕事』中心か『(私)生活」中心か』について、毎年調査を行っています。その結果は、過去に数度(平成18(2006)年と22(2010)年から26(2014)年までの5年間)は「仕事中心」が「私生活中心」を上回ったものの、それ以外は調査開始の昭和46(1971)年から一貫して、「私生活中心」が「仕事中心」を上回っています。

これらから感じることは、殊更に「今の若い人は」と言われるほど、「今の若い人」が「昔の若かった人」と違っているわけではないのではないかということです。

そして、そもそも、いつの時代であっても年長者は若者に対して「今の若い人は」と言うものなのでしょう。

現に、「徒然草」や「枕草子」の中にも若者を批判的に表現している箇所がありますし、さらに遡れば「近頃の若者は」という批判は古代エジプトにもありました。今から約5000年前、ピラミッドの建設に携った人々がピラミッドの天井裏などの人目に触れない場所に、「近頃の若者は」と書いている話は有名です。

同じ職場で様々な年代の人間が働いている中、どうしても価値観や行動の特性などにおいて世代間のギャップは生じます。しかし、それを意識しすぎても、逆に無視してしまってもよくありません。

今、管理者である皆さんも、その昔は「今の若い人は」と当時の管理者から言われていたのかもしれません。現在、若手社員が自身の価値観と異なるところがあったとしても、「今の若い人は」であきらめず、「違い」を受け入れたうえで積極的なコミュニケーションをとるように努めていただきたいです。あなたは「今の若い人は・・・」と嘆いていませんか。

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4月、社長は新入社員と向き合いましょう

2019年04月14日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

さて、4月は思いのほか新入社員が辞めていく月です。実際、連休明けに会社に来なくなる新人は(多くはないですが)確実にいます。もし、あなたの会社でそういうことが起こったら、私はこう申し上げます。

「残念でしたが、不幸中の幸いでしたね。」

厚生労働省の「(学歴別)卒業後3年以内の離職率の推移」でご存知の方も多いと思いますが、新人の3割は3年以内に会社を辞めます。中小企業では4割近く、それも業種によっては5割近くになります。これは「最近の若者の特徴」ではなく、30年前から変わることのない数字です。しかも「離職率の推移」を見ると、会社を辞めるタイミングは1年目が一番多くなっています。

「辞めるなら早く辞めてもらうべき」私はそう思います。理由は、人材育成には時間とコストがかかるからです。損失は少ないに越したことはありません。言い方は悪いかもしれませんが「損切り」は早めにすべきです。

「何を言うんだ!せっかく苦労して採用した新人をそう簡単に辞めさせるわけにはいかない!」とお怒りの社長さんもいらっしゃることでしょう。

その気持ちがあるなら、社長さんから新人に次のことをしっかり伝えましょう。

(1)君を育成するために、今後こうしていくつもりだ(計画があれば示します)

(2)もし迷いがあるなら、親をはじめ責任ある立場の人に相談してみてくれ

(3)それでも辞めたいという気持ちがあるなら早めに言ってほしい

1人の人間を社員として受け入れることは、会社にっとて重大な意思決定の1つなのだということを是非わからせてください。

その上で「この会社で頑張ります!」という答えが返ってきらた、その新人は期待できます。

社長と新人が正面切って真摯に向き合うことができる、それが中小企業のとても大きな強みです。

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社長の皆さん 新入社員は元気にしていますか?

2019年04月10日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を提供する人材育成社です。 

このように伺うと、「当たり前でしょう。入社したばかりなんだから元気ですよ。元気じゃなければ困るでしょう」とおっしゃる方がほとんどではないかと思います。しかし、過信は禁物です。

実は、ある企業で先週後半に配属された新入社員が昨日の新入社員研修終了後、私のところに心配そうな顔でやってきて、次のような相談をしてきました。

受講者 「先週から実際に仕事を教わり始めましたが、説明されたときは理解したつもりでも、実際に始めてみるといろいろとわからないところがありました。質問したいと思ったのですが、先輩や管理者は忙しそうにしているので、声をかけられませんでした。そういうときは、どうすればよいのでしょうか?」とのことです。

私からは、「今よろしいですか?」と先に確認してから質問することを勧めたのですが、静かな事務所の中で自分の方から声を発するのは勇気がいるとのことでした。

ここで、社長や管理者の皆さんにお伝えしたいのは、このようになかなか自分の方からは質問できない新入社員が少なからずいるということです。

仮に、先輩や管理者が忙しそうにしていたとしても、疑問に思っているまま放っておいたら仕事は先に進みませんし、場合によっては間違った進め方をしてしまうかもしれません。そのため、タイミングを見計らって声をかけることは躊躇せずにしなければならないはずです。

しかし、個人差はあるでしょうが、自分の方から能動的に質問することに敷居の高さを感じている若手社員(新入社員に限りません)は、私の経験からも想像以上に多いと感じています。

実際に、若手社員を対象にした研修を担当させていただいた際に、研修の途中で「質問はありますか?」と尋ねると手が上がらなくても、終了時のアンケートには質問が記入されているということが多々あります。

また、こちらから「質問はありますか?」と尋ねる回数が少なかったときには、「質問したいことがあったのに、質問はありますかと声をかけてもらえなかったから質問ができなかった」とアンケートに記述されたこともありました。

そこで、社長や管理者の皆さんにお願いしたいのは、今後、若手社員の方から質問がない場合であっても、ぜひこちらから積極的に声をかけるようにし、若手社員が質問しやすい雰囲気を作っていただきたいということです。

また、もし若手から質問された場合には、少々忙しいタイミングであったとしても、いきなり「自分で考えろ」などと「ダメ出し」をしたりしないようにお願いします。

まずは、積極的に質問をしたことを認めていただきたいと思いますし、仮に同じような質問を何度もするような場合でも、いきなり突き放すのではなく、「あなたはどのようにやればいいと思う?」とこちらから尋ね、本人に積極的に考えさせることをしていただきたいです。

質問した結果が叱られたということになれば、若手社員は今後質問すること自体をためらうようになってしまいます。反対に質問したことの結果が受け入れられたり、ほめられたりすれば、今後もわからないことは積極的に質問し、自分でもきちんと考えるようになります。

ぜひ、若手社員が質問しやすくなるような雰囲気づくりを心掛けていただきたいと思います。

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新人が一人前になるまでの期間

2019年04月07日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

さて、新入社員研修も終わって職場に新人さんがやって来ました。1日も早く即戦力として活躍してほしい、すべての会社の社長さんはそういう気持だと思います。

ある会社のホームページ※にビジネスパーソン300人に「(自分の経験から)新人が一人前になるまでどれくらいの期間が必要か」というアンケートを取った結果がありました。1位すなわち最も多かった回答が「3年以上 ...39.3%」でした。

えー!3年以上なんて、そんなに待てないよ。そう思われた方も多いと思います。

しかし、ここには考慮すべきポイントが2つあります。1つは、「一人前」の定義がはっきりしないこと。もうつは、「新人を育てるのは手間と時間がかかるもの」とハナから思い込んでいることです。この2つの曖昧さと思い込みが上記の結果を生んでいるといえます。

では、こうした事態を避けるにはどうしたらよいのでしょう。

まず、「一人前」とはどういう状態かをはっきりさせます。社員全員で「一人前」について話し合ってみてください。たぶん、てんでんバラバラな意見が出ることでしょう。社長さんとしては高いレベルを求めたいところでしょうけれど、そこはぐっと我慢して「これくらいできれば、付きっきりで見てなくても、まあ良いかな」くらいに設定しましょう。

そのときに大事なのは「できることを具体的にする」ことです。必ず箇条書きにしてください。何十個になっても構いません(100個でも良いです)。

そして、どのくらいできれば「一人前合格」なのか、その基準を決めます。何点以上を合格にするかは考えていただくとして、「これができなきゃ他が全部できてもダメ」というのがあれば、それもはっきりさせます。

次に、「一人前合格」に向けて、①誰が責任をもって、②いつまでに、③どういう方法で、④どのくらいのお金をかけるのかを社長さんが決めます。そして、それを実行します。定期的に進捗状況をチェックし、不足があればすぐに手を打ちます。

「3年以上などと悠長なことは言っていられない!」と思われた社長さん、ここまでやってはじめて「一人前」の社員が誕生します。きっちりやれば意外と手間と時間はかからないものです。是非実行してください。

恐ろしいのは、こうしたことを何もしなかったときのことです。その新人は3年経っても確実に半人前のままです。

もし、そこまで手が回らないということであれば、ご遠慮なく当社にお声がけください。「新人が一人前になるための仕組み作り」をよろこんでお手伝いいたします。

 お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

人材育成のホームページ

https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/10656


 


新入社員フォロー研修は内部講師で実施しよう

2019年04月03日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」

を提供する人材育成社です。 

「お漢字の方はどのようになられますでしょうか?」

これは、昨日から弊社が担当させていただいている、ある企業の新入社員研修で新入社員の一人が発した言葉です。

電話応対の演習で、お客様の氏名(漢字)を確認するという場面を想定して練習してもらったのですが、一人がこのように表現したのです。

本来は、「お客様のお名前の漢字はどのような字を使いますでしょうか?」と確認すべきところだったのですが、お客様にではなく漢字に敬語を使ったような、おかしな表現になってしまっていました。

その他にも「お伝えする」というべきところを「お渡しする」、「お待たせしました」というべきところは「いただきました」と言うなど、ビジネスマナー以前に通常の会話としても意味不明な表現をする受講者が大勢いました。

もちろん新入社員ということで、ビジネスパーソンに必要な表現が身に着いていないのはある程度大目に見ざるを得ない面があるでしょうし、そのために新入社員研修を行っているわけです。

さて、ここからは先日のブログにもつながる話なのですが、以前、中小企業の経営者の皆さんに「御社では新入社員研修は実施していらっしゃいますか?」と伺いました。お付き合いをいただいている社長の皆さんからは「入社式の後はすぐに配属するから、研修はやっていない。OJTで学んでもらう」や、「公開セミナーに2日間派遣する」などの答えがありました。

もちろん、いずれの方法も意味がある取り組みです。しかし、弊社が今後お勧めしたいと考えているのは、たとえ短い時間であったとしても「内部講師で新入社員研修を実施していただきたい」ということです。

このような話をすると、多くの場合「社内に講師をできる人間なんていないよ。だから、外部のセミナーに出しているんだ」という答えが帰ってきます。

確かにそういった面はあるかもしれませんが、弊社では先輩社員や管理者には新入社員を迎える機会に、ぜひ講師に挑戦していただくと良いと考えています。

それでは、先輩や管理者が講師を担当する意味は何なのでしょうか。

まず、「言葉遣い」や「電話応対」などのマナー研修であれば、新たに講師を務めるとしても、比較的教えやすい内容だということがあります。

次に、講師を担うからには、当然それ相応の準備をすることになります。ビジネスマナー研修であれば、そのために改めてマナーを確認することにもなりますから、それをきっかけに改めてレベルアップできる絶好のチャンスになるのです。

さらには、こうした機会を通じて職場や会社全体でもマナーを確認して、場合によってはそれを見直す機会にもなります。つまりは新入社員以外の人にとっても改めて学ぶ機会になり得るというわけです。

毎年、新入社員フォロー研修を担当させていただくと、新入社員から「外部講師の研修を受けた後に職場に配属されたら、先輩や上司の言葉遣いは研修で習ったものとは異なった」、「大きな声で挨拶するように研修で習ったのでその通りにしたけれど、返事をしてもらえなかった。だから、いつの間にか挨拶をするのを止めてしまった」などの声を少なからず伺います。

このような事態になってしまっては、せっかく外部の新入社員研修に派遣しても意味がなくなってしまいますし、何より新入社員の成長の妨げになってしまいかねません。

しかし、先輩社員や管理者が講師を務めることで、新入社員だけでなく受け入れる側の先輩社員や管理者も初心に帰り現状を見直すこともでき、その結果、会社全体の底上げにもつながり得ることから、とても意味があることだと弊社では考えているのです。

今年の新入社員研修には間に合わないかもしれませんが、ぜひ、今後新入社員フォロー研修を実施する予定があるのであれば、その一部を先輩もしくは管理者が講師になって社内で研修を実施してみてはいかがでしょうか。

きっと、新入社員および講師側双方に想像以上の効果が得られるはずです。

 

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