企業研修の人材育成社

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文系・理系を選択するために必要なものとは

2017年05月31日 | コンサルティング

「娘は、5月31日までに希望の職業を決めて学校に提出することになっているので、何とかして決めなくてはいけないようです」

これは先日、進学校に通う高校生の娘を持つ友人から聞いた話です。

その高校では、これまでもキャリア教育の一環で、本人が希望する職種についての適性の有無を診断テストによって確認する機会があったそうです。しかし、この娘さんはいずれの職種についても「対応力がなく不向き」、「適性がない」などのコメントが返ってきてしまったそうです。

また、過去には学校の主催で弁護士や税理士の講演を聞く機会もあったそうですが、それだけではやはり本人が希望する職種を見極めるにはあまりにも情報が少ないようです。

これらの話を聞いていて、高校2年生が大学卒業後の就職先をイメージすること自体、いかに難しいことであるかを感じます。同時に高校2年生であれば、将来の就職にも大きく影響する大学受験の際の、文系か理系の選択をしなければならない時期でもあります。

このため、学校側も生徒の判断の助けとなるように、上記の診断テストや弁護士をはじめとする様々な専門職の人の話を聞く機会を積極的に提供しているのでしょう。

しかし、高校生はもちろんのこと大学生であっても、将来自分がどのような仕事に就いて、どういう働き方をするのかをイメージすることは簡単なことではないと思います。

たとえば、キャビンアテンダントや看護師、教員などの職種であれば、誰でも容易に仕事の内容をイメージすることはできます。しかし、そのように仕事内容を容易にイメージできる職種は、実はそれほど多くはないはずです。

同様に文系・理系の選択をする場合にも、それぞれで何を学ぼうとするのかはっきりしたイメージを持って決めるというよりも、単に数学や理科が好きだから理系を、反対にそれらの科目が苦手なので文系を選択するというようになってしまっているケースが多いのではないでしょうか。その結果、理系を選ぶのは全体の2~3割で、それ以外の大半の人が文系を選択するというようになっています。

こうした話を聞いていつも感じるのは、就職する学生のうち専門職に就く学生は一部であり、大半は会社員になるのにもかかわらず、会社で働くことをイメージするための詳しい情報があまりにも少ないということです。

では、一体どうしたらよいのでしょうか。

たとえば、大学は理系に進み製造業に入社すれば、研究開発や技術部門に配属されますから、製造業にいる人に話をしてもらう。

また、文系であれば多くの人は営業職に就くことになります。実際に企業で営業をしている人に営業とはどういう仕事なのか、同じ営業の仕事でも業界によってどのように異なるのかなどの話を数人から聞くなどの機会があるとよいと考えます。そうすれば、より具体的に仕事の内容をイメージすることができ、進路を決める際の参考になります。

冒頭の話に戻ると、高校生が自分が詳しく知っている数少ない職業の中から無理やり希望の職業を選んでいるわけです。それを記入して提出した結果、適性がないなどの診断結果をつきつけられてしまうということは、それこそ将来ある高校生の可能性をそいでしまうことになりかねないと危惧しています。

そうであれば、専門職以外にどういう仕事があるのか、どういう働き方をしているか、会社で働くとはどういうことなのかなどについて、高校生が知ることができる機会を増やすことの方が先ではないのかと考えています。

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フィードバックを受けたい

2017年05月28日 | コンサルティング

私 「私は何点で合格していたのでしょうか?」

担当 「お知らせしないことになっています」

私 「点数をお教えいただけないのには何か理由があるのですか?」

担当「私にはわかりませんので、上の者に変わります。少々お待ちください」

・・・・・・・

担当「やはり、教えないことになっていますとのことです」

これは先日、私が受けていたある検定試験の合格証が届いた後に、主催者に確認の電話を入れたときのやり取りです。

この検定試験の合格基準は「正解率70%以上」とされていたのですが、70点で合格したのと100点で合格したのでは(私の場合100点はなかったのですが・・)大きな違いがあります。そこで、実際に何点で合格できたのかを知りたくて、冒頭のように電話を入れてみたのです。

試験自体は全問マークシートで、終了後に正解がインターネットで公表されました。一応、試験後に自己採点をして何とか合格ラインは超えているとは思っていたのですが、やはり正確な点を知りたいと思ったのです。

コンサルティングや研修で様々な企業にお邪魔すると、「報告や相談をしても、上司からのフィードバックが全くない」、「評価面接をしても、最終的な評価のフィードバックがない」などの部下の言葉を度々耳にすることがあります。

フィードバックとは「事実を知らせる」ことです。企業などの組織においては人材育成を目的で行いますが、「適切なタイミング」でフィードバックを行うことは実は簡単ではないようです。

こうしたことを反映しているのかどうかはわかりませんが、東京大学の中原淳先生が先日出された本のタイトルは「耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 フィードバック入門」(PHPビジネス新書)になっています。それだけ、フィードバックが重要であるとともに、それが上手くなされていないケースが多いということではないかと思います。

今回、私自身冒頭の経験により、フィードバックを得られなかったときのがっかりした気持ちがとてもよくわかる気がしましたし、やはりフィードバックは適切なタイミングで行われる必要があるものだと改めて感じました。

実は今回私が合格した検定試験の名は、品質管理のQC検定です。QC検定では職場の問題や課題を解決することの重要性、また解決するためには数値化することの必要性、数値データの判定の仕方などを繰り返し説いています。

そうした内容を扱う試験であるにもかかわらず、合格者、不合格者ともに点数を明らかにしないというのは、趣旨から考えるとちょっと残念な気もします。

品質管理において「問題」とは「あるべき姿と現状のギャップ」と定義されていますが、自分が思っていた点数と実際の点数のギャップがどれ位あるのかがわからなければ、仮に再チャレンジしようとする場合でも、モチベーションが働きにくいのではないかと思うのです。

「フィードバックは適切なタイミングで適切に行う」ことが大切だと改めて感じた出来事でした。

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ソリューション営業はエクソシスト?

2017年05月24日 | コンサルティング

ソリューション営業とは、顧客の問題を発見し、それを解決するために製品やサービスを売ることです。ソリューション営業が効果を発揮するためには、顧客自身が自社の問題を正しく認識していることが前提となります。

たとえば、ある製品を作っているメーカーの開発部門で、図面にミスが多いという「問題」があったとします。当該部署の管理者は全てのミスを洗い出し、系統的に分類し、原因をあぶりだして行きます。この段階ではQC(品質管理)手法が大いに役に立ちます。特にミスの数が多いほど統計的な分析手法が有効になります。

次に、明らかになった原因に基づいて「どうすればミスが起きないのか」という仮説を立てます。仮説とは「何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題」のことですが、ここでは「現時点で考えられる最も確からしい解決策」と考えて下さい。

この際に注意しなければいけないことは、問題が「図面のミス」であったとしても、たった1つの視点=「設計者」という立場にこだわらないようにすることです。

1つの視点にこだわると、かなり絞り込まれた仮説が生まれるので、一見解決への最短ルートを走っているように思えます。しかし、仮説はあくまでもゴールに向うために採用した1つの道に過ぎません。

図面を描く道具であるCADのユーザーとしての視点、出来上がった図面を元に試作品を作る製造担当者の視点、製品を組み立てる作業者の視点、製品の構想を思いついた企画立案者の視点など、様々な方向から道を探ることが大切です。

途中で間違っていることがわかったら、他の道を選び直さなければなりません。問題解決にはこうした仮説検証という試行錯誤が付きものです。

「これだ!」とひらめいた瞬間、その仮説が悪霊のように(?)自分に憑いてしまうこともあります。すると他者の意見は耳に入らなくなり、一刻も早く仮説を実行したくなります。もちろん実行するのは良いのですが、明らかに間違っていたとしても途中で止めることができなくなります。仮説の虜(とりこ)状態ですね。

近年、顧客は営業パーソンよりも賢くなり、顧客自身で問題解決ができるようになってきているので、従来のようなソリューション営業はもう通用しないと主張するビジネス誌もあります。たしかに、顧客が問題解決に長けていれば、営業パーソンが持ってくる提案など相手にしなくなります。

ところが、当社がコンサルティングや教育で関わる会社の中には、自信満々で間違った解決策を口にする人もいます。それは決して知識やスキルが不足しているのではなく、仮説の虜になっているのです。

顧客がいったん(筋の悪い)仮説に取り憑かれると、なかなかやっかいです。営業パーソンはエクソシスト(悪魔祓い)役になって、「多様な視点」という呪文をぶつけていく必要があります。多くの場合、それは強い抵抗に遭います。それでも顧客のために、勇気をもって間違った仮説に立ち向かって行かなければなりません。

営業パーソンの皆さん、あなたにはその覚悟がありますか?

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ホームがようやく「見える化」された

2017年05月21日 | コンサルティング

京浜急行のオフィシャルサイトによると、2015年の各駅の1日平均乗降客数の順位のトップは横浜駅(31万6千5百人)で、それに次ぐ第2位は品川駅(27万2千5百人)とのことです。両駅ともに他社線との乗替えなどもあり、実に多くの人が利用しています。私も日々品川駅で乗り換えているのですが、この数字を見れば、乗降客が集中する朝・夕をはじめとした、あの混雑も仕方ないのかなと思えてきます。

近年、羽田空港の国際化がますます進んでいるためか、日に日に外国人の旅行客も増えてきていて、大きなキャリーバックを抱えた人が駅のホームいっぱいに広がっている光景を日常的に目にします。

このため、私もホームには立ったものの、乗りたいと思っている場所まで簡単には移動できないということもしょっちゅうあります。

こうした状況の中、長年京急品川駅を利用している私ですが、自分が乗る電車を待っているときに、ホームのどこに並んでいたらよいのがわからないため、いつも困っていました。

2つドア、3つドアの目印は元々あったものの、次に来る電車が2つドアなのか、3つドアなのかがすぐにわからなかったり、電車の始発駅によって停車位置(ドアの位置)が違ったり、電車の種別(快速電車か特急、急行、普通か)によっても異なったりするのです。

このため、ホームにちゃんと並んでいたのに、いざ電車が来てみたらドアの位置がずれていたということが度々あります。結局、後から来た人が割り込むような形で先に電車に乗られてしまうこともしばしばありました。

これらは大きなストレスとは言わないまでも、毎日のことでもあり、長年にわたって小さなストレスの積み重ねになっていたような気がしますし、何とか改善されないものかと以前から考えていたのです。

ところが、先月からようやく冒頭の写真のように、はっきりと止まる場所が示されて「見える化」されたのです。長い間待ち望んでいた改善がなされたわけで、きっと 私のように感じていた人が多かったのではないでしょうか。

おかげで、それ以来並ぶ場所に迷うこともなくなり、改めて「見える化」することの大切さを感じたのでした。

「見える化」とは、問題やルールなどの情報を皆で共有し、一目でわかるようにすることです。

写真のようにドアがくる位置を「見える化」することによって、ホームにやってきた人が迷うことなく乗りたい電車のドアの前に並べようになったことで、多くの人のストレスが減ったのではないかと考えています。

実際、これまでに何度かこれが原因での乗客同士のトラブルを見たことがありますし・・。

話は変わりますが、この「見える化」、職場においてもやり方やルールを見えるようにすることで、多くの問題が解決できます。

しかし同時に、これまで様々な企業にお邪魔してきた経験から言うと、「見える化」に対して腰が重い職場が意外に多いと感じています。

「見える化」は基本的にはソフト面での改善が中心になりますので、内容にもよりますが、それほど大きな費用をかけなくてもできるケースが多いです。それによって問題が解決できる可能性があるのにもかかわらず、やらないことは非常にもったいないことだと感じます。

しかし、品川駅の見える化も実は必ずしも万全ではありません。見える化されたホームに整列乗車をしていても、どこからともなくやってきた人が先に乗ってしまうことは、相変わらずあります。

課題解決に向けたトライは永遠に続くようです。

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営業としてやるべきことはすべてやりました!

2017年05月17日 | コンサルティング

営業部の目的は自社の商品やサービスを売ることです。したがって、営業パーソンは売上金額という「成績」で評価されます。では、企業はどのような「成績」で評価されるのでしょうか。それは、売上高よりも利益です。なぜなら会社の「持ち主」である株主の目的は、利益という分け前を得ることだからです。

営業パーソンが売上目標を達成することを最優先にするのは当然のことですが、そのために多くの経費を使ったり、長時間の残業をしたりすれば、その分はコストとなって利益を減らします。「より多くの利益を得る」という目的を達成するため、株主から企業の運営を任されている経営者にとって、それはゆゆしきことです。

しかし、営業パーソンはこう主張します。
「たしかに経費を使えば利益は減りますが、そもそも売り上げが無かったら利益はゼロどころかマイナスになってしまいます。」
「だから、お客さんを接待したり、旅費や交通費を使ったり、残業をしたりするのも売り上げを獲得するためには必要なことなんです。」

それに対して経営者はこう反論します。
「売り上げを得るために経費が必要なのはわかる。しかし、そのために赤字になることを容認してしまったら、会社はいつか倒産してしまう。」
「だから、赤字覚悟で売るなんてことは、あってはならない。利益あっての売り上げだ。」

どちらの主張も言いたいことはよくわかりますが・・・

この議論を不毛なものにしないためには、まず営業パーソンが仕事のやり方を効率化し、必要最小限の経費で売上目標の達成を目指すことです。

そのためには日々の活動計画をしっかり立て、思いつきや行き当たりばったりの訪問をしないようにします。
面談時間や移動時間、社内での事務作業や他部署との調整にかかる時間をきちんと見積って無駄が生じないようにします。
客先から帰ってきたらすぐに仕事を片づけて、さっさと帰るようにすることも必要ですね。

それができたらはっきりとこう主張しましょう。

「営業としてやるべきことはすべてやりました。これ以上は経営者の責任です。」

さて、これを読まれた営業パーソンの皆さん、堂々とそう言い切れますか?

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営業の「あいうえお」はまず形から

2017年05月14日 | コンサルティング

5月も半ばになると、新入社員もそろそろ会社の空気に馴染んできます。営業部に配属された新人たちも、営業の仕事について徐々に理解し始めている頃でしょう。

先月営業部に配属された新人のA君は、教育指導担当の先輩営業マンBさんの下に付いて忙しい日々を送っています。Bさんは入社10年目の大先輩ですが、A君とはとてもウマが合います。Bさんの仕事ぶりは丁寧で手際も良く、A君にとっては大変勉強になる、頼れる存在です。

A君は配属直後、Bさんに次のような「営業の”あいうえお”」を教えてもらいました。

【あ】「あいさつは」は大きな声で先手必勝
【い】「忙しい」を理由にしてはいけない
【う】「運がいい」と口にすれば運が良くなる
【え】笑顔を絶やすな、辛いときこそ絶やすな
【お】お礼はすぐに、はっきり、心をこめて

Bさんは、まさにこの「あいうえお」の通りの人物です。A君はBさんのような営業マンになろうと心に誓っていました。

ある日、Bさんに同行して行った取引先で、お客様との打ち合わせが伸びて午後7時近くになってしまいました。商談も終わって外に出ると「今日は会社には戻らず、直帰しよう」とBさんが言いました。そして「A君、ちょっと一杯だけ飲んでいかないか?」と誘ってくれたのです。A君は喜んでお付き合いすることにしました。

2人は小さな居酒屋に入り、ビールで乾杯をしました。A君はBさんに色々と聞きたいことがあったので、質問をしようとしました。ところがBさんが先にA君に質問をしました。

Bさん「営業の”あいうえお”をどう思う?」
A君 「はい、素晴らしいと思います。毎日復唱しています。」
Bさん「実はね、新人の頃の僕はまるで逆だったんだ。」
A君 「どういうことですか?」
Bさん「あいさつはろくにしない、”忙しい”が口癖、運が悪いといつも思っている、笑顔がなくて仏頂面、お礼はろくにしない、そんな新人だった。」
A君 「え~っ、信じられませんよ、そんなこと。」
Bさん「本当だよ。希望していた企画部じゃなくて、一番行きたくなかった営業に配属されたので不貞腐れていたんだ。あまりひどいので、課長によく叱られもんだ。」
A君 「どうやって変わったんですか?」
Bさん「変わったんじゃなくて、変えたんだ。課長から”お前の査定は営業成績じゃなくて、あいうえおの実践回数で決める”って言われてね。」
A君 「そうなんですか・・・」
Bさん「最初は冗談かと持ったんだけど、面談のときに人事部の人が同席している前で言うもんだから、仕方ないと思って実行することにした。」
A君 「それでどうなりました?」
Bさん「最初の3か月くらいはとにかく”演じて”いた。するとだんだんお客さんの反応も良くなってきた。いつの間にか演じなくてもよくなったんだ。」

A君は幸いにも営業の仕事が合っていたようですが、そうではない新人もたくさんいると思います。もし皆さんの身近に、図らずも営業に配属されて日々嫌そうな顔をしている若かりし頃のBさんのような新人がいたら、次のようにアドバイスしてあげてください。

「”あいうえお”をしっかり守ろう。まずは形から!」

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グループディスカッションは難しい

2017年05月10日 | コンサルティング

 「このセミナーでは、グループディスカッションを行いますか?」

これはセミナーの受講を検討している方から、主催者が受けることが多い質問の一つです。

また、2時間のセミナーなどで聴講型をイメージして会場に訪れた受講者が、机の配置がスクール形式ではなく島(グループ)型になっているのを見て、「グループディスカッションをやるんだ」と帰ってしまう人もいるという話を過去に何度も聞いたことがあります。

公開型のセミナーであっても企業内の研修であっても、グループディスカッションの難しさは、研修終了後のアンケートの感想に記入されていることが多いことからも伺われます。

こうしたことから、グループディスカッションをより良い形で進めていただくために、研修テーマにかかわらず事前にディスカッションの進め方を詳しく説明したり、実際に少しの時間練習をしてみたり、また、演習ごとに司会者を交代して行ったりといろいろ工夫をしています。しかし、それにもかかわらず実際のところ、受講者にとってグループディスカッションは決して簡単なものではないようです。

先日のことですが3日間の研修終了後に、1人の受講者が次のような感想を話してくれました。

「講義は非常に興味深く、とてもためになりました。でも、グループディスカッションは最後まで好きになれなかったです。講師がディスカッションの進め方を丁寧に説明してくれたのは良かったのですが、実際はその通りにはディスカッションは進まなかったのです。

残念ながら、私が所属したグループには『私が、私が』と強く発言する人がいて、その人を中心に話が進みました。私の意見はその人とは異なることが多かったので、その人の考えを否定するということでなく、何度か私自身の考えやその理由を一所懸命に発言したのですが、採用されることはあまりなかったのです。ディスカッションの流れが声の大きい人、たくさん発言する人に流れていったような気がしました。

途中からは、『私が発言しても結局またその人の発言によって消されてしまうのだろうな』と思ってしまい、発言すること自体を諦めてしまいました。もちろん、全てその人の責任にするつもりはないのですが・・・」

この話を聞いて、改めて研修やセミナーならではのグループディスカッションの難しさを感じました。

グループの議論が成熟したものになるかそうではないかには、グループを構成するメンバーの個性が影響してしまうということです。核となる人が良い意味でリーダーシップを発揮できると生産性の高い議論になるのでしょうが、残念ながら必ずしもそうなるとは限らないのです。

仕事であるプロジェクトを進めていくような場面では、最終的にリーダーがその権限により意思決定をすることもできますが、研修で行うような正解がどこにあるのかすぐにはわからない場面で、時間内にグループの結論を導き出すことは簡単なようでいて、非常に難しいと思うのです。

実は私自身、複数回行われているあるセミナーに受講者として参加しているなかで、先日上記のような場面に出くわし、グループディスカッションの難しさを感じたのです。

いつもとは異なる立場に立ってみて、初めてわかることがあることを改めて痛感しました。

それにしても、グループディスカッションは難しい!・・・研修を行う側からも、受ける側からも永遠の課題だと感じています。

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自己肯定感は高い方がいい!?

2017年05月07日 | コンサルティング

自己肯定感とは自分の存在を肯定的に感じること、また、そのような心のあり方です。自己肯定感が高い人の特徴は「失敗を恐れない、いつまでもくよくよしない、他人と自分を比較しない」という点です。何事にも失敗を恐れずチャレンジし、失敗してもそれをバネにして成長できる人です。そのため、自己肯定感の高い人は学校や職場で周囲から高い評価を受けます。

その逆に自己肯定感の低い人は、失敗を恐れて消極的になり、失敗すれば落ち込み、他人と比べて自分のダメさ加減に悩んで、さらに落ち込むという悪循環に陥ります。そんなビジネスパーソンでは、仕事も上手くいかないでしょう。

このように自己肯定感は高い方が良いのですが、高くなればなるほど必要となるのがメタ認知です。メタ認知とは「自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること」です。たとえて言うなら メタ認知能力はブレーキ、あるいは原子炉の制御棒のようなものです。

実は(大きな声では言えませんが)、研修講師やベンチャー企業の経営者の中にはメタ認知能力を全く持たない人がいます。具体例を挙げるとかなり差し支えがあるので控えますが、自己肯定感が上昇し続けたために「イタイ」人間になってしまった人たちです。

特に研修講師には暴走する車のような、加熱して爆発しそうな自己肯定感を持った人が少なからずいます。そして、そうした人たちは講師としても「いかがなものか」というレベルにある場合がほとんどです。

先日友人から「ダニング=クルーガー効果(Dunning–Kruger effect)」というものを教えてもらったのですが、まさにある研修講師がそれだ!と感じました。ダニング=クルーガー効果とは「未熟あるいは能力の低い個人が、自らの容姿や発言・行動などを実際よりも高く評価してしまう認知バイアス。自己の愚かしさを認識することのメタ認知ができないことによって生じる。※」ということです。

メタ認知はある意味「心の錘(おもり)」のようなものです。錘を外すか、はじめから錘を持っていない人が自己肯定感を限りなく高めることができます。ベンチャー企業の経営者もほとんどが、どこかで錘を外した人たちです。

ただし誤解してほしくないのですが、研修講師やベンチャー企業の経営者の自己肯定感の高さを否定しているわけではありません。そうした人たちはそれで良いのです。むしろ、そうあるべきでしょう。なぜなら、エベレストほど高い自己肯定感があろうが、すべての仕事の結果は自分が背負うことになるからです。

問題は、組織の中にいながらメタ認知能力の低い人です。大企業に勤める会社員や役人の中に、多くはいませんが存在します。

企業研修のときに、テキストをパラパラとめくって「知っていることばかりだ」と言ったり、ディスカッションの際に「私は答えはわかっているから、どうぞ皆さんで議論してください」という態度をとる人がいます。メタ認知能力がない上に妙に自己肯定感が高い、いわゆる「残念な人」です。組織の中で働いている間は、メタ認知能力を養う絶好のチャンスなのですが・・・。

さて、ここまで書いてきて私自身はどうかと振り返ってみると、この仕事をしている立場からすれば、自己肯定感はかなり低い方です。

なんとかしなければと、「自己肯定感」という文字を書いて天井に貼り付け、朝晩に仰ぎ見ている毎日です。

※ ダニング=クルーガー効果 - Wikipedia

※ 画像の「DOUNCE」とはのろま、劣等生、甚六という意味

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渋滞に巻き込まれないためには

2017年05月03日 | コンサルティング

今年のゴールデンウィークですが、早くも後半戦に入りました。冒頭の写真は三浦海岸ですが、本日はまあまあの天気に恵まれたこともあり、各地で道路が大渋滞をしていました。もはや大型連休の風物詩とも言えるこの大渋滞ですが、今日の高速道路は軒並み30~40キロの渋滞だったようです。想像するだけで、思わず「うんざり」してしまいます。

ところで、先日のNHKの番組 あさイチで「混雑・渋滞に巻き込まれない大型連休!座れる新幹線自由席、スイスイ走る高速道路」が取り上げられていました。

高速道路の渋滞に関しては、渋滞学でお馴染みの東京大学の西成活裕教授が出演されていましたが、先生によれば「渋滞に巻き込まれたら左車線を走れ」なのだそうです。

その理由は「みなさん追い越し車線に移動したがるので、左車線の車が少なくなるんです。渋滞の中を1時間走行すると、左車線のほうが10~15分早いですね」とのことでした。

これ以外にも渋滞を起こさせないポイントとして、先生は「ドライバー全員が車間距離を詰めずに走れば渋滞にはなりにくい」ともおっしゃっています。

私自身、頭ではわかっていても自分がドライバーになったときには、車間距離を空けると自分の前に割り込みをされてしまうのではないかと考えてしまい、ついつい前の車との車間距離を詰めてしまっています。私も渋滞を引き起こす原因を作ってしまっているわけですね。

さて、話は少々変わりますが、道路の渋滞と同じく思わず「うんざり」してしまうものに、行列があります。

ゴールデンウィークに限ったことではありませんが、遊園地のアトラクションの行列待ちや有名なラーメン店などの行列など、列の後ろに着いたときにこの後一体どれくらいの時間を待たなければならないのだろうと思うことは多いと思います。

そういう場面で、一つの考え方として役に立つのが「リトルの公式」です。この公式を使って考えると、ある程度待ち時間の目安を立てることができるのです。

リトルの公式はマサチューセッツ工科大学教授のジョン・リトルが証明した公式で、列の長さが替わらない場合、「待ち時間」=行列の総人数÷1分間で行列に加わる人数で算出します。

たとえば、ラーメン屋の待ち行列で12時から13時の1時間に60人のお客さんがやってくるとします。そして、1人のお客が食事を終える平均時間は20分だとします。

このラーメン屋では平均何人が待っていて、平均の待ち時間は何分になるのかを考えると、答は平均20人待っていて、平均待ち時間は20分になることがわかります。

ゴールデンウィーク後半戦でも、きっと様々な所でいろいろな行列ができています。「長蛇の列の後ろに着くのか、諦めるのか」迷ったときに、判断の目安としてリトルの公式を使って待ち時間を計算してみてはいかがでしょうか。

それにしても、この待ち時間、リトルの公式で目安がわかるのはいいのですが、では、どこまでなら待てるのかは別問題です。

人よっては何時間でも平気で並び続ける人もいますが、皆さんはどの程度までなら待ち続けられるのでしょうか?

どこまで我慢して並び続けられるのかは、対象が何かやそれぞれの価値観にもよるのでしょうが、私自身は年齢に反比例して、我慢できる時間がどんどん短くなっていくような気がしてしょうがありません(笑)。

果たして、この関係性にも何らかの「公式」があるのかないのか、どなたかご存知の方はいらっしゃいませんか?

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