中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

上司の背中は見られている

2019年01月30日 | コンサルティング

 「上司の背中を見て学ぶ」は今の若手には通じないと言われるようになって久しいです。

「自分が若手の頃は、上司が手取り足取り仕事を教えてくれたわけではなかった。自発的に(上司の背中を見て)仕事のやり方を盗むものだと教えられた」

「しかし、今はそれが通用しない。手取り足取り教えないといけないから、本当に大変だ」

これらは弊社が管理職研修を担当させていただく際に、必ずといっていいほど現在管理職である受講者から発せられる言葉です。

確かに、今の若手社員と管理職では育った時代が違うのは事実です。昔のやり方がそのまま通用しないというのはもっともなことのように思えます。

しかし、本当に最近の部下は「上司の背中」を見ていないのでしょうか。

実は弊社が行う若手社員を対象にした研修では、上司に関して「はつらつとして仕事をしているところを見たことがない」、「上司を見ていると、仕事をするって辛いことなんだな、面白いものではないんだと感じることがある」などの評価を聞くことがあります

このケースでは、部下は上司の仕事に対する態度や姿勢を見て、「あのようにはなりたくない」と反面教師としてのメッセージになってしまっているようです。逆に言うと、部下の側は仕事のやり方に限らず上司の仕事に対する姿勢をきちんと見ていて、良くも悪くも「上司の背中」はしっかりとメッセージとして伝わっているということなのです。

元サッカー女子日本代表で、日本サッカー史上初のW杯優勝に大きく貢献した澤穂希さんは試合中、「苦しい時は、私の背中を見て」とチームメイトに声をかけたと言います。

2008年の北京オリンピック女子サッカーでベスト4に残りました。メダル獲得に向けた大一番の試合に臨む際に、試合中本当に苦しくなったときには自分の背中を見てもらうことで、「私は90分間最後まで走り続けているよ」ということを伝え、チームを鼓舞したかったのだと思います。

「苦しいときは私の背中を見て」というのは言葉です。しかし、澤さんは「(言葉だけでなく)態度で示すことが大切だ。言うだけでなく自分がプレーして見せて引っ張るタイプだったので、結果としてというか、体を張るところを見せることが大切だ」とおっしゃっています。

今でも、部下は上司が考えている以上に「上司の背中」を見ています。

つまりは、澤さんの言葉のように意図していることだけでなく、むしろ意図していなくても、上司の仕事に対する姿勢そのものが部下に大きな影響を与えて(場合によってはマイナスの影響もあり得る)います。この点をしっかり認識して、仕事に臨まなければなければいけないということなのです。

上司の皆さん、あなたの背中は思った以上に部下から見られています。「仕事で悩んだら俺の背中を見ろ」と言えるように頑張りましょう!

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風通しの良い職場を作るには

2019年01月27日 | コンサルティング

当社は今までに「風通しの良い職場の作り方」というタイトルの講演や研修を何度か行っています。一番参加者が多かったのは、ある企業の社内講演会で約400名の管理職が対象でした。事前のアンケート調査では「積極的に部下の話を聞いている」と答えた人が7割以上いたのですが、部下のアンケート結果では「話をきちんと聞いてくれる上司」は3割弱でした。この結果を会場のスライドに映したときに、ため息とも笑い声ともとれるような声が聞こえてきました。

さて、ごく一般的な日本の大企業の会議で見かける風景です。「みんな、言いたいことがあったら何でも言ってくれ。」「もっと自由に発言して職場の風通しを良くしようじゃないか。」会議の場を仕切る上司が発言します。しかしほとんどの部下は目をそらして何も言いません。上司からすれば「積極的に部下の話を聞いている」のに部下からの反応がない、というわけです。

当社が行う管理職研修では、こうした状況はどの会社でも同じであり、部下から積極的な意見が出てくるまでには時間がかかるものです、と伝えています。これに対して研修受講者(主に課長クラス)の反応は大体次の3つに分かれます。

(1)そうか、もっとこちらから話しかける回数を増やさなきゃいけないな。

(2)面倒くさいな。でも、仕事だというなら仕方ないから少しだけやるか。

(3)冗談じゃない。なんで部下にそこまで気を遣わなきゃならないんだ。

長年研修講師を務めてきた私の感覚としては、研修中のしぐさや表情から判断する限り(1)10%(2)50%(3)40%といったところでしょうか。

ご存知のように、対人コミュニケーションは言葉だけではなく「表情や態度」「声の調子」といった非言語的な要素に強く影響を受けます。「言いたいことがあれば言ってくれ」という言葉も、上記の(2)や(3)の上司が発すれば伝わってくるメッセージが大きく異なってきます。

冒頭の企業での講演では、こうしたことを説明しながら「とにかく義務的にでも良いですから、積極的に部下と話す回数を増やしてください」と伝えました。それでも「7割対3割」の比率はそう簡単には変わらないでしょう。

では「風通しの良い職場」は蜃気楼のようなものなのでしょうか。

それはわかりません。しかし「風通しの良い職場」という理想は社内にしっかりと掲げておくべきです。

たとえば、品質管理の「常識」のひとつに「グッドニュースよりバッドニュースを優先せよ」という言葉があります。クレームやトラブルといったバッドニュース(悪い報告)を最優先で伝え、早急に処理しないと大きな損害が生じてしまうからです。

品質部門に限らず営業も開発もスタッフも、バッドニュース(悪い報告)をためらわず伝えることをひとつの「作業」として定義してみてはいかがでしょうか。作業は義務ですからしないわけにはいきません。また、作業ですから「表情や態度」「声の調子」はどうでもいいことになります。

こうした強制的な手段は、強力な「情報の送風機」のような働きをします。管理職はこの送風機のスイッチを切らないよう常に意識しなければなりません。

「え?!なんでそんなミスをするんだ!」と思わず口にしそうになった上司の皆さん、あなた今スイッチを切ろうとしましたよ。ご注意を!

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マンスプレイングをしたがる人の気持ち

2019年01月23日 | コンサルティング

 マンスプレイニング(Mansplaining)とは、man(男)とexplain(説明する)をかけ合わせた言葉です。

男性が女性に「上から目線」でものを教えたがる行為のことで、女性は男性よりも無知であるという意識から、「君はこんなことも知らないのかい?」と知識をひけらかすような場合に使います。

この言葉は、アメリカ人作家のレベッカ・ソルニットが2008年に発表したエッセイから生まれたと言われています。

先日、弊社が中堅社員研修を担当させていただいた際の懇親会の席で、一人の女性に伺った話から、この言葉を思い出しました。

その女性の話によると「毎日業務がものすごく忙しいので、とにかく効率的に仕事をしたいと考えているのに、職場の先輩(男性)の説明がいちいちくどいので困っている」とのことでした。

業務について確認したり報告したりすると、その都度、業務に直接関係のないことまで、懇切丁寧な説明が始まるのだそうです。

彼女が言うには「こんなにも忙しいのに、なぜ今その話を始めるのだろうと疑問に思うようなことまで、延々と話が続くので、辟易してしまう。そういうときの先輩は、したり顔で嬉々としている。こちらが困惑していることにも一向に気づく様子がない。だから、本当に嫌になってしまう。どうにか先輩の話を感じよく終わらせるための方法はないものか?」とのことでした。

マンスプレイングをしてしまう人の根底にどのような心理があるのかはわかりませんが、相対的に相手より上位に立ちたいという気持ちの表れなのでしょうか?

そのように考えると、一般的にマンスプレイングは男性から女性に対して行われるものと言われていますが、男性上司が男性の部下へ対しても同様のことは起こりうることだと思います。また、これが女性の場合であっても同様にあり得る話です。

人間が持ち合わせる感情として、多かれ少なかれそのような心理はあるでしょう。しかし、この場合問題なのは、そういう感情を持ち合わせていることに本人が気づいていないことなのです。

さらには、それによって仕事の効率も下がってしまい、生産性に影響してしまっていることも見逃せません。

さて、そのような人への対応法の特効薬はすぐには見つかりませんが、いずれにしても「自分がそれをしていることをきちんと認識する(してもらう)こと」が解決の入り口だと考えます。

そうは言っても、実際には職場の人間関係などから、部下側から上司に対して指摘をするのはなかなか難しいケースも多いはずです。周りの人間、特にその人の上司などに指摘をしてもらうようにするのがやはり一般的です。

それからもう一つ、マンスプレイングをされている側も、今の状況を反面教師として、やがて自分自身が上の立場になった場合や、あるいは異性に対してそのような存在にならないようにきちんと意識しておくこと。これも大切なことだと思います。

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名言が教える部下育成研修の必要性

2019年01月20日 | コンサルティング

部下を育てるやり方はいろいろあります。20年ほど前なら今よりもたくさんの上司や先輩がいたので、そうした人たちの発言や行動から学ぶ機会もたくさんあったことでしょう。

よく「上司の背中を見て学べ」などと言いますが、当の上司も「意識して背中を見せている」ことが多かったように思います。しかし、今はそんな余裕もありません。だからこそ部下の育て方を学ぶこと、すなわち部下育成研修が必要です。

ご存知の方も多いと思いますが「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六)という名言があります。

(1)やってみせ:ある業務の開始から終了までに必要な作業を行い観察させる。

(2)言って聞かせて:その作業の内容を言葉で表現することで理解させる。

(3)させてみて:正しく理解したかどうかを実際に作業をさせて確認する。

(4)ほめて:正しく実行できたときはそのことを承認し必要に応じてほめる。

・・・以上のプロセスを実施しなければ部下は育たない、ということです。

さて、上記のプロセスをあなたが関わっている業務で実行するとします。実際の現場を思い浮かべながらよく考えてみてください。

まず、教えるべき業務に関係する「作業」を洗い出します。普段は意識せずに「流して」いる行為も業務を構成する「作業」としてはっきりさせる必要があります。

次に、作業とは「何をどうすることなのか、なぜそうするのか」を言葉や文章で表わします。しかも知識のない人に伝わるようにしなければなりません。ここが一番難しいかもしれませんね。

そして実際にやらせてみます。上手く行けば良いのですが、失敗しそうになったらどうしますか。思わず手を出したくなると思いますが、よほどのことがない限り我慢です。何よりも大切なのは部下の行動をしっかりと観察することです。

ようやく終わりました。危なっかしところもありましたが、なんとか無事に終わりました。さあ、ほめてあげてください。え?ほめるのが苦手?ほめ方を知らない?いけません!あらかじめ練習をしておきましょう。

・・・いかがでしたか? とても大変なことがおわかりいただけたと思います。

実際、ひとつひとつのプロセスで行うべきことや、注意しなければならないことを列挙するだけでもかなりの量になります。さらに、実行するには相当な練習が必要です。

ということで、部下育成の研修の必要性についても十分に納得されたことと思います。あらためてこの有名な言葉をもう一度。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

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人材育成を行う時間は本当にないのか

2019年01月16日 | コンサルティング

「部下を育てる時間がない」、「人材を育成しなければならないのはわかっているけれど、目の前の仕事に忙殺されてしまって・・・」

これらは弊社が管理・監督職を対象に、部下の育成に関する研修を担当させていただく際に、必ずと言っていいほど人材育成にかかる問題点として挙げられる言葉です。

確かに、最近の企業の組織では一昔前と比べると明らかに人数が減っています。

また、現在の管理・監督職はいわゆる「プレイングマネージャー」が多いことから、実務者として業務に忙殺されてしまっていることも、疑いようのない事実でしょう。

実際に、厚生労働省が実施している「能力開発基本調査」でも、人材育成について「問題あり」としている企業は、平成29年の調査で75.4%でした。そして、具体的な問題として挙げられている「指導する人材が不足している」、「人材育成を行う時間がない」は、人材育成に関する「不動の二大問題」と言ってもいいような状況になっています。

しかし、それでは管理・監督職は本当に人材育成を行う時間を全くとれないほど忙しいのでしょうか?こうした疑問から、私は以前、ある企業の複数の管理職にインタビューを行い、この疑問をぶつけてみたことがあります。

すると、インタビューの当初には「忙しくて人材育成をしたくても、なかなかできない」と言っていても、インタビューの終了間際になると、「実は人材育成を行う時間は、全くとれないわけではないんです。ただ、思うように部下が育たないので、ついつい時間がないことを自分のいいように言い訳に使ってしまっているのです」と言う方が少なからずいらっしゃいました。

そして、中には時間がないことを、「部下がなかなか思うように育たないことの隠れ蓑にしているに過ぎない」と、心の内を正直に明かしてくれた管理職もいらっしゃいました。

しかし、業務の拡大や組織の発展などを考えるのであれば、人材育成は管理・監督職がどれほど忙しいとしても優先的にやらなければいけない「優先順位が高い仕事」だと言えます。

では、この優先順位を判断する際にはどのように考えれば良いのでしょうか?

多くの場合、優先順位は「緊急度」と「重要度」の2つの軸によって判断します。もっとも優先度が高いのは「緊急度と重要度が共に高い仕事」で、反対に優先度が低いのは「緊急度と重要度が共に低い仕事」です。

それでは、「緊急度と重要度が共に高い仕事」の次に2番目に優先すべきは、「緊急度は低いけれども重要度が高い仕事」なのか、または「緊急度は高いけれども重要度が低い」仕事なのかどちらだと思いますか?

答えは、「緊急度は低いけれども重要度が高い仕事」です。

そして、人材育成は優先順位の1番または2番目に該当するような重要度の高い仕事です。それゆえ管理・監督職はどんなに忙しくても、きちんと人材育成に取り組まなければなければならないのです。

毎日、忙しくてもそのための時間を10分でも15分でもいいから何とか捻出し、実行する。それが管理・監督者に課せられた大切な使命だと言えると考えています。

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研修受講者は「幽体離脱」してください

2019年01月13日 | コンサルティング

幽体離脱(ゆうたいりだつ)とは生きている人間の肉体から、意識が抜け出すという現象です。科学的に真偽のほどは定かではありませんので、表題はちょっと極端な「たとえ」だと思ってください。研修中の受講者は職場から物理的に離れた場所に集められていますが、意識は職場に置いてきたままという人が多いので、大げさに表現してみたわけです。

たとえば、問題解決研修では自分の普段の仕事を客観的に振り返ってみるのですが、これがなかなか難しいのです。講師が「こういう考え方で見てはいかがでしょう」とか「代替手段があるかどうか考えてみてください」と言うのですが、返ってくるのは「いや、そんなことはルール上できません」、「それではコストがかかり過ぎます」という答えです。ああ言えばこう言うという感じです。結局、受講者の頭の中にあるのは「現場を知らないくせに」というフレーズです。

せっかく研修という「非日常」の場にやって来た(連れてこられた)からには、意識も現場から引き離してほしいものです。講義中は「自分の意識を幽体離脱させて空中から普段の自分を見るつもりで考えてくださいと言うと、「何を言っているんだ」「くだらない」という反応がほとんどですが、多少はイメージできる受講者もいるようです。

繰り返しますが、自分の業務を客観視することは難しいものです。ここである生産工程を考えてみます。毎日1,000個のパンを作ってお店に卸す製パン工場です。作業者は3人で、それぞれ材料仕入・在庫管理担当、パン生地(種)の製造担当、パン焼き・出荷担当です。

ある日、パン生地(種)の製造担当がコストダウンをするために、新型の機械を導入しました。そのため、作業時間は半分になり、生地の生産量は倍になりました。機械の減価償却費を算入しても1個当たりの原価は50%下がったとします。

・・・と、この話を聞いて「いやいや、後工程のパン焼き窯の処理能力が変わらなければ大量の仕掛品(パン生地)が滞留してしまい、結局コストアップになるのでは」、「それ以前に材料の仕入れ量をいきなり増やしても管理できるのだろうか?」と思われた方も多いでしょう。はい、そのとおりです。パン工場全体を客観的に考えてみれば誰でも気づくことでしょう。

多くの受講者はこうした「たとえ話」はすんなりわかるのですが、自分の仕事となると様々な事実(制約)が次から次へと頭に浮かんできて上手く行きません。もちろん個々の事実を無視して業務を進めることはできないでしょう。しかし、研修という現場から離脱した場にいる限り、意識も離脱してほしいのです。

おもしろいことに研修では案外、上記のパン工場の例のように極めて単純な事実に気がつくこともあります。ですから、研修の場に来たら是非「幽体離脱」をお願いします。

ただし研修中、特に午後一番で講師の話を聞いている最中に「幽体離脱」しそうになったら、立ち上がって体操をするなりしてリフレッシュしてください。

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研修テキストをパワーポイントではなくワードで作成している理由

2019年01月09日 | コンサルティング

「スライドで紹介した資料を配って欲しかった」、「パワーポイントの資料をテキストとして配付して欲しかった」

これらは、弊社が担当した研修終了後のアンケートで時々書かれる内容です。

弊社では、研修を担当させていただく際にはパワーポイントを使って説明するとともに、受講者にはワードで作成したテキストを配布しています。

説明の際にはパワーポイントのアニメーションやグラフ、イラスト等を使い、視覚に訴えて理解を深めていただけるようにし、紙の資料とは適宜使い分けをしています。

そのため、テキストには記載のないものでもパワーポイントで紹介するケースもあるため、時々、アンケートに冒頭のような感想が書かれることになるのです。

このような話をすると、「それでは研修テキストもワードではなく、パワーポイントを配付すればよいのではないか」と思われるかもしれませんが、弊社が敢えてワードにしているのには理由があるのです。

それは、説明のときに使うパワーポイントでは内容を箇条書きにすることが多いため、研修後にそれを見て復習しようとしても、内容が理解しにくいということがあるからです。

受講者の人数にもよりますが、一般的には受講者の人数が多くなればなるほど、研修の会場も広くなります。その結果、パワーポイントの場合は離れた席からでも見えるように文字のフォントを大きくするため、内容もキーワードを中心に箇条書きにすることが多くなります。

しかし、こうした箇条書きの場合には、復習する際には行間の意味合いを思い出せなかったり、異なって解釈してしまったりということが起きてしまうことがあるのです。

さらには、後でグラフやイラストを見ても何の事だか思い出せないこともあり得ます。

このような理由から、弊社では必ず研修テキストはワードを使用し、箇条書きではなく文章にして作成しています。

実を言えば、研修テキストをワードで作成するとなると、パワーポイントと2種類のデータを用意することになるため、その分の時間がかかってしまいます。また、当然文章を書くことになるわけですから、文章作成力も問われることになります。

このように、文章力の向上は大切な課題であることから、できるだけ分かりやすい文章を書けるよう、文章作成力の向上に向けた努力の一つとして、このブログも書き続けています。

さらには、自分自身が「この人の書く文章は参考になる」「このような文章を書けるようになりたい」と思う人の文章も継続して読むようにしています。

ということで、弊社では今後も研修テキストはワード(文章)で作成し、説明はパワーポイントを使用することにこだわっていくつもりです。

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50歳になったら講師になりましょう。

2019年01月06日 | コンサルティング

50歳になったら講師を目指しませんか?冗談ではなく、本気です。講師業は大きく2つに分かれます。セミナー講師と研修講師です。両社は全く質の異なる仕事ですので、それぞれについて簡単に説明します。

まずセミナー講師は、本人のキャラクターや面白い体験談などを全面に出し、大勢の前で話をすることで収入を得る仕事です。簡単に言えば一種のタレント業です。

セミナー講師のキーワードは「感動」です。多くの人は感動を求めているからです。「感動」こそ、どんな人にも通用するキラーコンテンツです。ただし、それをストレートに出してはいけません。あくまでも起承転結をしっかりと構成しておき、肝心の箇所で効果的に伝えることです。

セミナーで話すストーリーはできるだけ波乱万丈な方が好ましく、前半では「馬鹿だなあ!」とか「普通そんなドジなことしないよ!」といった誰が聞いても優越感を覚えるようなダメ話で笑わせてください。

そして後半に入ってから、どこかで聴衆を泣かせることをお忘れなく。そこは思い切り感情を込めて、実際に涙ぐみながら語らなければなりません。50歳まで生きてきた中でちょっとした感動話のひとつやふたつはあるはずです。それを思い切り脚色して話せばよいのです。

実際の集客方法や料金の決め方、PRの仕方はネットにいくらでもあります。特にYoutubeには多くありますのでそちらをご覧いただくか、有料の「講師養成講座」に参加したり「セミナー講師になる方法」といった書籍を読んだりするとよいでしょう。成功する確率は1~2%程度ですが、ハードルは思い切り低いので、挑戦したい方は是非!

さて、もうひとつの別の講師は研修講師です。研修講師は企業や自治体からの依頼によって、従業員や職員に様々な知識やスキルを伝授する仕事です。セミナー講師が「タレント」だとしたら研修講師は「教師」に近いでしょう。

研修講師は、技術や理論など仕事で使うことができる実践的なノウハウを研修という形で伝えます。研修は公開セミナーとは違い、その組織に合ったテーマと到達目標がはっきりしています。そのため、セミナーのようにせいぜい1.5時間で終わるといったことはなく、1日(7時間)が基本単位だと考えてください。

研修講師のキャラクターはそれほど重要視されません。お笑いも感動も必要ではなく、あくまでもコンテンツが大事だからです。研修が面白くなくても、講師の印象が薄くても研修で学んだ知識やノウハウを仕事に生かすことができれば大成功です。

コンテンツと言っても難しく考える必要なありません。50歳までに身に付けた知識と経験は自分ではよくわからないかもしれませんが、他者から見ると意外に凄いものです。「この程度のことは誰でも知っているだろう、できるだろう」と自分では思っていても、実際に他の人が聞いたら「えー!それってどうしたらできるんですか?」と知りたがるようなことは必ずあります。それが十分に研修で価値を生むコンテンツとなります。

そして研修講師に最も必要な技量はやはり「教える技術」です。ただし、教えると言っても相手はいい歳をした(あるいは自分より年上の)社会人ですから学生相手のように一方通行ではまず失敗します。

受講者の経験や考え方を上手く引き出し、その気持ちに沿ったレクチャーを行うにはかなりの技術が必要です。これができない人は研修講師として食べていくことは不可能であると言わざるを得ません。

しかし、その技術は練習を通じて身に付けることができます。

本気で研修講師を目指すお気持ちがあればご連絡ください。あなたの経験や知識をコンテンツ化し、「教える」技術をしっかりとお伝えします。40代の方も歓迎です。50歳までに研修講師になりましょう。

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