
「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「内定をもらった後に親戚に会社の名前を言ったら、『〇〇企業なんかじゃなくても、もっと良いところに入れたでしょう』と言われたんです」
これは、コロナ禍に就職活動を終えた知り合いのAさんが、就職先を親戚に話した際にかけられた言葉を教えてくれたものです。Aさんはもともと語学に関心があったため外国語大学に進学し、大学4年の時には海外へ語学留学をする予定で、それに向けて準備を進めていたのでした。しかし、コロナ禍になってしまったため留学を見送らざるを得なくなり、急遽就職活動をすることになってしまったのでした。もともと留学予定であったこともあり、就職活動に少々出遅れてしまい、さらに希望していた旅行業界がコロナにより採用を中止してしまったのです。致し方なく、Aさんは希望していたのとは全く異なるホテル業界のB社へ就職したのでした。
Aさんに対する期待が特に高かったこともあり、当初周囲の親戚たちは「Aさんならもっと良い企業には入れたのではないか。B社なんかではもったいない」などと、悪気はないものの少々配慮に欠けた言葉をかけられたとのことです。しかし、そもそもB社は業界有数の大手の会社であり、入社すること自体決して簡単なことではなく、Aさんだからこそ入社できたとも言える状況だったのです。
そうした様々経緯を経て、入社4年目社員となったAさんですが、得意だった語学を活かして努力を重ねた結果、海外事業を展開する部署に異動し、現在は定期的に海外に出張して現地での指揮を執るなど、若手のホープとして大活躍しているそうです。
そんなAさんを見ていて感じるのは、本人が何よりも今の仕事を楽しいと感じているということです。大変生き生きとして頑張っているため、学生時代に希望していた業界とは異なるものの、本人の気持ちや取り組み方次第で、こんなにも活躍できるものなのだなと傍から見ていても頼もしく、嬉しく感じています。
昨今、就職活動においてはかつてないほどの売り手市場になっています。だからと言って、皆が皆、希望したところに就職できるとは限らないわけです。言うまでもないことですが、入社後の本人の心がけ次第で、仕事のやりがいを見つけて活躍し、成果を上げるなど、当初の希望とは違ったとしてもいかようにでも活躍の場は作ることができるということではないでしょうか。
それでは、Aさんのように活躍するためには、何が必要なのでしょうか。Aさんの話を聞いていて感じたのは、日々の仕事の中で継続的に努力を重ねているということです。もともと英語が堪能だったAさん、入社した当初は英語をあまり使うことのない部署に配属されたのですが、その後もいずれは役に立つことがあると考えて英語の勉強を毎日欠かさず行っていたのだそうです。さらに、まずは3年間しゃにむに頑張ろうと考え、目の前のことに一所懸命に取り組んでいたとのことです。
もともとの自分の希望に固執し続けることなく、気持ちを切替えて今の職場で得られる価値に目を向け、目の前の業務に丁寧に取り組むことで小さな信頼を積み重ねながら中長期の視点から現在地を意味づける。その結果が今につながっているということなのではないかと思います。
Aさんにも今後引き続き仕事をしていく中では、様々な試練が訪れることがあるかもしれませんが、この3年間の歩みはAさんにとって大きな自信になり、今後の困難を乗り越えていくための大きな力になったのではないかと考えています。
人生においては誰もが自分の思い通りになることばかりではありませんが、思うようにならなかったとしても落胆することはない、道は一つではないと改めて感じたところです。