企業研修の人材育成社

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仕事の生産性は文章の書き方しだい

2018年11月28日 | コンサルティング

「これはどういう意味なのだろう?」「私に一体何を頼みたいのだろうか?」

仕事のやり取りで受け取ったメールを何度読み直しても、すぐには書き手の意図をつかめないことがあります。繰り返し読み返しても理解できず、先方(書き手)に電話やメールで意図を尋ねたりしますが、そういうときに限って先方が席を外していたり、すぐには返信メールをいただけなかったりすることも間々あります。

そういうときには、結局いたし方なく「たぶん、こういう趣旨のことを依頼されたのだろう」と想定して、資料を先方に送付したりしています。しかし、これだけの労力を使っても、結局、先方が希望していたこととは全く違ってしまっていたということもあります。

このような経験は誰でも多かれ少なかれあるかとは思いますが、これは双方にとって仕事の生産性に大きくマイナスの影響を及ぼすことになってしまっています。なぜなら、何度も読み直しをしたり先方に確認をしたりすることで、決して少なくない余計な時間を消費することになってしまっているからです。

このように考えると、読み手が書き手の意図を考えたり確認をしたりするといった「ストレス」にならないような文章を書くことがいかに重要かがわかります。

しかし、そうした文章を書くことの重要性をきちんと意識していない、または理解はしていたとしても、(実際に読み手にちゃんと意図が伝わるように)文章を書くこと自体が苦手という人もいます。よってそれを徹底することは簡単なことではないのが現実です。

しかし、その結果として上記のように双方の仕事上で少なからぬ無駄が生じてしまっているわけです。この点を克服できれば、仕事の生産性に大きなプラスの影響を及ぼすことは間違いありません。

と言うのは、私たちビジネスパーソンが一日に一体何本のメールを送ったり企画書を書いたり、あるいは議事録を書いたりしているのでしょうか。それにかけている時間を週単位や月単位で集計してみれば、おそらく相当なボリュームになるはずです。そう考えると多くのビジネスパーソンの仕事は、「文章に始まり文章に終わる」と言っても過言ではないはずです。 

 こうしたことから、文章の書き手側と読み手側の双方の仕事の生産性を高めるためには、次のことが必要です。まず「読み手にストレスがかからない文章」を書くことの重要性を理解すること、それをきちんと実践するように意識すること、そして書き手側の視点からだけでなく自分が逆に読み手になった場合に内容がきちんと理解できるかを確認してみる、これが重要であると考えます。

「いや、ただでさえ忙しいのに、そんなことをしていたら余計な時間がかかってしまう」という人もいるでしょう。しかし、それにかかる時間や手間は、確認にかかるものよりは少ないはずです。

仕事の生産性を上げ、ビジネスパーソンとしての資質を高めるために「書く」をパワーアップすることは、ビジネスパーソンにとって必須の行為と言えます。

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パワハラ上司は無謀なドライバー

2018年11月25日 | コンサルティング

メタ認知(Metacognition)とは自分の行動や考え方を客観的に把握することです。メタ認知能力があれば、自分の行動を冷静に見つめることができます。その結果、誤った判断を避けることが可能になります。

ある日あなたがドライブに出かけたとします。空は快晴で、まっすぐに伸びた高速道路は空いており、気分爽快で車を走らせています。そんなときは、ついスピードを上げてしまいたくなることでしょう。その一方で、速度を取り締まる機械が設置されていることも、覆面パトカーがいるかもしれないということも、常に頭の中にあるはずです。非常に単純な例ですが、これもメタ認知です。

パワハラ上司のほとんどは、このメタ認知能力が欠けています。職場で大声を出して部下を叱責したり、人を傷つけるような暴言を吐いたり、自分が「違反」をしていることに気づかないのです。

職場にはパワハラを示すメーターもありませんし、取り締まる警官もいません。客観的に「違反」であることを知らせる手段は一切ありません。そんな状況で本人に自覚がなければ、いくらでも違反し放題ということになります。

厚生労働省は職場のパワーハラスメント対策として、企業に防止措置を義務づける関連法案を来年の通常国会提出する方針です。これは一歩前進ですが「違反をさせないよう会社がしっかりと対策を立てなさい」というものであり、何を以て違反とするのか、どのようにして違反を取り締まるのか、これから解決すべき問題はたくさん残っています。

現時点で最も有効な対策は、やはり研修です。職場から離れることで、メタ認知をしやすい状況に身を置くことができます。ケーススタディを通じてパワハラの実態を客観的に見ることで、自分の考え方と照らし合わせてみます。さらに、グループ・ディスカッションを行って他者の発言を聴き、自分がパワハラという行為に対して相対的にどういう「立ち位置」なのかを確認します。

もちろん、これだけで社内のパワハラが一掃できるわけではありません。研修を受けても「この程度はパワハラとは言えない」という人もいるでしょう。

しかし、自分の普段の言動が他者からはグレーであると判断されるのだ、ということがわかるだけでもメタ認知能力の向上につながります。パワハラ研修は会社としての「パワハラ抑止力」の向上に必ずつながります。

まだパワハラ研修を実施していない企業の経営者の皆さんに申し上げます。

あなたの会社は「速度規制のない高速道路で、無謀な運転をしているのに自覚のないドライバーがいる状態かもしれません。

事故が起こってからでは遅いですよ。

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年上の部下のストレッチ目標

2018年11月21日 | コンサルティング

私:「これは誰に対してのストレッチ目標ですか?」

受講者:「我々のチームの部下全員のストレッチ目標です」

私:「ストレッチ目標は、一人ひとりの力量に応じて立てるものです。全員共通の目標であるならば、それはチーム目標になるのではないでしょうか?」

受講者:「私の部下は全員年上であり、経験豊富な人たちです。一通りのことはすべてできますので、ストレッチ目標と言われても特にはないですね。ですから、全員同じ目標にしました」

これは先日担当させていただいたある企業の、部下育成研修での一コマです。

部下に成長してもらうために、ストレッチ目標(少し努力をすれば届く目標)を設定する練習をしてもらったのですが、ストレッチ目標を立てるためには、その前提として各々の現在の能力を把握することが必要です。

そのうえで、少し頑張れば達成できる目標を立てることによって、成長してもらうことができるのです。

成長を促そうとする場合、ストレッチをしなくても達成できてしまうような目標では簡単すぎてしまうので、目標としての意味がありません。反対に、あまりにも挑戦的な目標を立ててしまうと、頑張っても達成することは困難ですから、やる気をそいでしまうことになりかねません。

このように、ストレッチ目標を立てる場合には一人ひとりの能力を見極めるとともに、今後のキャリアも視野に入れながら最終的に上司と部下で話し合い、適切な目標を立てることが求められるのです。

先日、NHKのテレビ番組に劇作家であり脚本家、演出家、映画監督など様々な分野で活躍をされている三谷幸喜さんが出ているのを観ました。そこでは、三谷さんが演出をする際、役のイメージを膨らませるために役者に様々な伝え方をしているという話をされていました。

たとえば、タレントの青木さやかさんには「あの映画のあの看護師の役を参考にすると良いですよ」と伝えたそうですが、このような言い方はどの俳優に対しても使っているわけではないとのことでした。

三谷さんがおっしゃるには、「この人(青木さやかさんのこと)にはどういっても伝わらないと思ったから、わかりやすくこの映像を観てくれ」と言ったそうです。

つまり、三谷さんは「伝える相手によっていろいろな言い方をする、音で伝えるときもあるし、伝える相手によってそれぞれに全然違う言い方をしている」とのことでした。

そして、このように伝え方を工夫するのは「演出家の仕事の一つ」である。「伝える相手はそれぞれ違う。青木さやかさんに伝えたようにあの作品のあの人みたいにやってみて、というのは最終手段」とのことでした。

このように、三谷さんは演出家(監督)として、伝えるべき相手をしっかり観察したうえで、個々に理解が深まるような言い方を工夫しているわけです。

この点を踏まえて冒頭の話に戻ると、部下のストレッチ目標を立てる際にも、まずは相手をしっかりと観察しなければなりません。

もしそれをしなければ、ストレッチどころか現況をつかむことすらできないのです。

たとえ部下の全員が長いキャリアの持ち主だったとしても、保有しているスキルや知識の量や質が同じであることはまずないわけです。それを一括りにしてしまうと、それぞれの育成につながる目標を立てることはできないはずです。

部下の年齢が上であったとしても、経験豊富な人であったとしても、成長の余地が全くないということはないわけです。上司には部下に継続的にワンランク上を目指してもらうために、しっかりと観察したうえでの適切なストレッチ目標こそ必要であることを確認していただく必要があるのです。

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生産性向上は受注産業から!

2018年11月18日 | コンサルティング

「見込生産産業」と「受注生産産業」(以下、見込産業と受注産業と記します)という言葉があります。たとえば、家電メーカーや出版社は、製品や本がどのくらい売れるのかを予測して製造をするので見込産業です。一方、システム開発会社や印刷会社は顧客からの発注があってから製造をするので受注産業です。

一般的に、見込産業は顧客ニーズを外してしまうと製品が売れなくなるためハイリスク・ハイリターンであり、受注産業は顧客からの注文ありきなのでローリスク・ローリターンであると思われています。

しかし、受注産業のリスクは見込産業を上回ることがあります。

典型的な受注産業であるSI(システム・インテグレータ、よくSIerと呼ばれます)の例を見てみましょう。

SIerは顧客からシステム開発の案件を請け負い、システムを作って納品します。簡単に言えば、顧客が要求する機能を満たす仕組みをプログラムで実現する仕事です。仕事の流れは、受注獲得→要件定義→設計・開発→テスト→納品→保守となります。

これがビルなどの建物ならば、顧客も容易に完成品を想像できます。ですから、どんなにわがままな顧客でも建てている途中に「20階建てを30階建てにしろ」とか「四角いのは止めて円形にしろ」などとは言いません。

ところが、システム開発の場合、建物と違って顧客が全体像を把握することがなかなか難しいのです。開発をしている途中で「ちょっとこういう機能を追加してくれ」とか「このやり方だと処理が遅くなるから違うやり方に変えて」といった無理難題を軽く口にすることがあります。

こういう無茶振りをされた開発者はたまったものではありません。仕方なく「コストが20%アップします」、「納期が大幅に遅れます」と言わざるを得ません。

すると、システム開発の知識がない顧客は「冗談じゃない!プログラムをちょいといじれば済む話だろう。タダでやってくれないと困る!」と憤ることになります。

これは極端な例にしても、仕様がはっきりしなうちに開発が始まったり、開発途中で発注側の担当者が変わって話が通じなくなったりということは、比較的よくあります。

その結果、開発の現場では長時間の残業や徹夜、休日出勤など、社員に極端な負荷・過重労働を強いることになります。社員は強いストレスにさらされるため、うつ病や過労死に至るケースが生じます。こうした状況はSIerに限らず、印刷会社や産業機器メーカーなどでも見られます。

こうしてみると「働き方改革」は受注産業こそ真っ先に取り組むべき課題なのですが、なかなか上手くいきません。その理由は「受注ありき」にあります。つまり「お客様の要求がすべて」という考え方です。発注側である顧客も同じように思っているので、やっかいです。

顧客=発注側が、受注側のプロセスを十分の理解し、発注するときに曖昧な点を極力無くすように心がけるだけでかなり改善できるのですが・・・

国を挙げて「生産性の向上」に取り組むなら、まずは受注産業に焦点を当て、徹底的に無駄を省くアクション(政策も含む)を起こすべきです。

受注産業が変われば日本の生産性は確実に高くなります。

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新入社員を辞めさせないための必要条件

2018年11月14日 | コンサルティング

新入社員が辞めてしまうことは、会社にとって大きな損失です。採用にかけた時間とお金が無駄になるだけでなく、会社の将来を危うくします。今働いている従業員はいずれは会社を去ります。その時に会社を支えるのは「今の」新入社員だからです。新入社員を失うことは会社の将来を失うことです。

前回のブログでも触れたように、新入社員が会社を辞める理由の第1位は「上司との人間関係」です。ただし、それ以前に必要条件とも言うべき事柄があります。

それは「徒労感の無い職場」の実現です。

徒労感とは「行いなどが無駄になり馬鹿馬鹿しい気持ちのこと、または頑張った結果などが報われないで疲れだけが残ったような感覚のこと」です(weblio辞典・実用日本語表現辞典 より)。

たとえば、あなたがあるメーカーの製造部員だったとします。迫りくる納期に間に合わせるために、残業や休日出勤までして製品を作っています。

ようやく山を越え、あと少しと言うところにきて、いきなり顧客からの「キャンセル」の連絡が・・・。営業担当者は「仕方ないよ。先方の発注担当者も謝っていたし。ここで恩を売っておけば、次回の商談が楽になるから。」とお気楽な様子です。

あなたは営業担当者に激怒することでしょう。もの作りの現場で働いたことがなかったとしても、容易に想像できると思います。

しかし、もっと深刻な問題は、出荷されない製品の山を前にしたあなたの徒労感です。「行いなどが無駄になり馬鹿馬鹿しい気持ち」は、あなたの心に澱(おり)のように残ります。

こうして心の底に溜まった徒労感は消えることなく、どんどん積もっていきます。それが仕事に対するモチベーションを下げ、徐々に製品の品質に悪影響を与えます。

特に新入社員はこうした徒労感の影響を強く受けます。「この会社にいると、こんなに馬鹿馬鹿しい気分をずーっと味わうことになるのか」まともな人間ならば辞めたくなって当然です。

上司がどんなにコミュニケーション能力を高めても、経営者が素晴らしい理念を唱えても、社員が立っている土台が崩れてしまっては何の効果もありません。

「徒労感の無い職場」こそ会社の土台であり、社員を辞めさせないための必要条件です。

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あなたの会社を「離職率3割打者」にしないために

2018年11月11日 | コンサルティング

プロ野球のトリプルスリー(打率3割・ホームラン30本・盗塁30以上の成績)ならぬ「新卒社員のダブルスリー」すなわち、新入社員の3割が入社3年後までに辞めてしまうという話は、人事部門の方なら一度は耳にしているはずです。その根拠となっている厚生労働省の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によれば、大卒新人の3年後までの離職率は32.2%となっています。

「だから最近の若い奴らはこらえ性がないんだ!」と憤りを覚えた方もいらっしゃるでしょう。ところが「離職率3割」はこの30年ほど(昭和62年から)多少の増減はあるものの、ほぼ横這いとなっています。30年前の大卒新人ですから、現在50代の方も含まれるわけで、どうやら「最近の若い奴ら」と一括りにはできないようです。

そう考えると、人事担当者は離職率3割が「当たり前」という前提で考えるべきかもしれません。ただし、企業規模が大きくなると離職率は減っていきます。おそらくデータをこまめに拾って調べれば、そこそこ強い(負の)相関が出ると思います(少なくとも決定係数R^2は0.5を超えるはずです)。

つまり「大企業ほど若手社員は辞めない」という結論になりますが、その理由は何でしょう。「わかりきったことを聞くな!」と叱られてしまいそうですが、あえて書き出してみるならば、(1)安定してる=つぶれない(2)給与・福利厚生などの待遇が良い(3)世間的な評価=「聞こえが良い」といったところでしょう。

では、上記の3つを実現できない中小企業はどうしたら良いのでしょう。

実際に辞めて行った若手社員の「本音」を調査したサイトをいくつか調べてみました。こうしたサイトは、人事・採用関係のビジネスを行っている企業が作っているものですから、必ずしも信ぴょう性が高いとは言えません。

しかし、ほぼすべての調査結果に共通している「辞める理由(本音)」の第1位は人間関係です。

若手社員の人間関係にもっとも大きな影響を与える存在は、間違いなく直属の上司です。はっきり言えば、若手社員は「上司と合わないから辞める」のです。

あなたの会社を「離職率3割打者」にしないために、上司が身に付けるべきスキルがあります。当社は「若手社員を辞めさせないために上司が身に付けておくべき3つの技術」をプログラム化し、企業の階層別研修で実施しています。

このプログラムは、大企業のような待遇を提供できない中小企業でこそ、大きな効果を発揮します。ご興味を持たれた方は、以下まで是非お問い合わせください。

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採用したい人がいない

2018年11月07日 | コンサルティング

担当者:「応募者はそれなりにいるのですが、なかなか採用したい人がいませんね」

私:「採用基準のハードルが高いのでしょうか?」

担当者:「うちとしては、決して高いとは考えていないです。ビジネスパーソンとして、一般的に求められるスキル以外は求めていません。応募者はいずれも真面目な人が多いのですが、しかし、中途採用者としての魅力がないのです」

これは、先日お会いした製造業の採用担当者から伺った言葉です。

この企業では近年、新卒採用以外に中途採用にも力を入れていて、必要に応じて採用活動を行っているそうです。

この担当者がおっしゃるには、「応募者は真面目だが、公的な資格に限らずどのような知識・経験やスキルを持っているのか、それをうちでどのように活かしてくれるのかがなかなか見えないんです。新卒ではないので、経験を買いたいのですが・・」とのことでした。

この話を伺った数日後、日経新聞に「採りたい人がいない」との記事が掲載されました。そこには、「求職者の多くは『社内でしか通用しないスキルだけ。長い終身雇用で、中途で採りたい人が育っていない。』」とありました。

この状況の背景として日本ならではの横並びの給与や従来型の評価制度、さらに育成方法に問題があると考えられますが、今後改めて必要となるのは、「持ち運び」のできる知識・経験やスキル、つまりはポータブルスキルです。ポータブルスキルとは業種や職種の垣根を越えて、様々な仕事や職場で活用できる汎用性の高いスキルのことです。そして、ポータブルスキルとあわせてそれらを「言語化」できるか=対外的にきちんと示せるのかどうかということが問われます。

実際、弊社がキャリア研修を担当させていただく際に、講義の中で受講者各々に自身のポータブルスキルを確認していただくことがあるのですが、すぐに「〇〇です」と明確に説明することができる人は、それほど多くないように感じています。

また、日経の同じ記事には「求人は人工知能(AI)技術者など数から質へシフトしつつある」ともありました。

多くの業種や企業で人手不足と言われている中だからこそ、一方では「数」でなく応募者の「質」が求めるようにもなってきていています。しかし、この場合の「質」は、上記のポータブルスキルと考えられるでしょうし、それを「言語化」することがますます重要になってきていると言えます。

通常、仕事をしている人は皆それぞれ、経験をもとに一定程度は培ってきた知識とスキルを持っているはずです。

将来、転職するかどうかは別として、培ってきた知識・スキルをさらに磨き上げてポータブルスキルとすること、さらには言語化できることが必要です。現時点でそこまで至っていないのなら、そのために自分が何をするべきかを一度じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

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2:6:2の法則というメガネ

2018年11月04日 | コンサルティング

「2:6:2の法則」をご存知の方は多いと思います。組織がある程度大きくなると、メンバーの構成比率が優秀2割、普通6割、劣等2割に分かれていくというものです。会社で言えば「上位20%が会社を引っ張り、中位60%が会社を支え、下位20%がそれにぶら下がっている」といったところでしょう。

この「法則」は説得力があるせいか、かなり信奉者が多いようです。特に経営者の方とお話をしていると、この「法則」がよく話題に上ります。

「うちも従業員が100人を超えたあたりから2:6:2の法則を実感するようになりましたよ。」先日お会いしたある会社の社長さんの言葉です。

私はちょっと大げさに「え!ダメな人が20人もいるのですか?」と聞きました。すると社長さんはあわてて「いや、ダメとかじゃなくて・・・まあ、相対的にという話です。」

「それなら問題はないですね。そんな法則、気にすることはありません。」と私は言いました。

「先日、大手研修会社の公開セミナーで聞いた話では、下位の2割はいわば組織のお荷物だとのことでしたが、そうではないのですか?」と聞いてきました。

「はい。お荷物ではありません。質問ですが、御社の社員で”お荷物”は何人いますか?」

「そんな人間はいません!私は社員全員、よーく知っていますが、みんな一所懸命やってくれています。」

「そうですよね。それが正しいんです。社員の能力を無理やり2:6:2に分けたとしても何の意味もありません。」

社長さんには納得していただきましたが、こうした「わかりやすい法則」には注意しなければなりません。

人材を「2:6:2」で分類したり、データを調べもせず「20%が80%の成果を生み出している(パレート法則)」と信じたり、「人は見た目が9割(メラビアンの法則)」などと決めつけたりしてはいけません。

こうした数字を口にすると、いかにも正しいことを言っているような一種の自己暗示にかかってしまいますが、後々手痛いしっぺ返しをくらうことになります。

人を見るときは「法則」というメガネを外してみることをお勧めします。

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