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第1,269話 運のよい人になるには

2025年06月18日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「私は運が悪い。そういう運命だから」

これは先日見たあるテレビドラマで、主人公が語っていた言葉です。そのドラマでは主人公がこれまでの過酷な人生をこのように表現していたのです。

さて、多くの企業では来春に卒業する大学生や大学院生の採用選考の峠を越えた言われているところです。先日弊社が研修を担当させていただいた企業のご担当者も「予定数の三分の二はとれましたので、あと一頑張りです」という話をされていました。

こうした採用に関する話を聞くたびに、私はあの松下幸之助氏の話を思い出すことが多いのです。有名な話ですので耳にしたことがある人も多いかと思いますが、松下氏は採用試験の面接の最後に必ず「君は運がいいか?」という質問をし、その答え次第で採用するかどうかを決めていたという話です。

ここで松下氏のいう「運がいいか?」という意味は、偶然起こりうる運に期待するような運任せにする運の良さのことではなく、自分の考え方と行動によって運命は変えることはできるということであったようです。松下氏が言っていた「運のいい人」とは、運を味方につけ自ら人生を切り開いていけるような、力強い人物であるのかどうかというようなことを言っていたのではないかと思います。

この話と同様のことは、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の中でも書かれています。明治天皇から東郷平八郎を司令長官に抜擢した理由を尋ねられた海運相の山本権兵衛は、「東郷は運のいい男ですから」と答えたという話です。東郷平八郎は、日露戦争で連合艦隊司令長官として日本海海戦でバルチック艦隊を撃破したことにより、日本を勝利に導いたことは有名です。この勝利をもたらした「運のよさ」の背景には、それに至るまでの幾多の知識や経験と、それらを総動員した東郷ターンという決断が勝利をもたらしたわけで、ただ単に待っていた結果、運の方からやってきてくれたというようなものではないということです。

これらの話からわかるのは、「自らの運を切り開くためには、チャンスを引き寄せる主体的な行動が必要」ということです。と同時に、主体的に生きるということは口で言うほど簡単ではないということも、多くの人が感じているところではないか思います。私たちは日常の生活の中では他者との関係性の中で生きており、そうした中で主体的に生きることはなかなか難しいです。逆に言えばそういう人が少ないからこそ、求める人材像に「主体的に行動する」ことが入っている企業が多いのではないか。つまりは、主体的に生きることがいかに難しいかということの裏返しなのだと考えます。

「運を切り開く」とは単に偶然を待つのではなく、物事を必然に変えていくということであり、そのためには日々自らの積極的な姿勢と行動が必要になるのは言うまでもないことです。

「チャンスの神様には後ろには髪が生えてはいなくて、前髪しかない」という話があります。チャンスは目の前に現れたときにすぐつかまないと、過ぎ去ったあとではつかめないという教訓を伝えているのでしょう。この神様はギリシャ神話のカイロスという神のことだそうですが、チャンスをつかむためにも、私たちは主体的に生きることによって運のよい人になりたいものです。

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