企業研修の人材育成社

人材育成に役立つ情報、アイデアを発信しています。

講師が乗ってきたらチャンス到来

2019年02月17日 | コンサルティング

講師として研修やセミナーに登壇すると、受講者の様子が手に取るようにわかります。数百名を前にした講演会のような場合は別ですが、公開セミナーなどで50人以上の受講者がいてもよくわかります。

こんなことを書くと「講師は50人を相手にしゃべっているのだから、自分のことなんか眼中にないだろう」、「まして、自分が講師の話をどう思っているかなど、わかるはずがない」と思われたかもしれません。

経験の少ない講師や自慢話をしたいだけの講師は別ですが、まともな講師ならば「受講者がどう感じているのか、何を思っているか」はほぼわかります。

「眠そうだな」
「一所懸命に話を聴いてくれているな」
 といった、見るからにわかる場合はもちろん、

「あの人とあの人は理解していないな」
「窓際の席に座っているあの人は納得していないな」
 といった、はっきりと態度に表れない場合でもよくわかります。

経験のある講師は、話を続けながらときに言葉や言い方を変えたり、ホワイトボードを使って補足説明をしたり、スライドを何枚か端折ったり、逆に戻してもう一度見せたりと様々な工夫をしながら講義を進めます。

しかし、終始受講者の反応だけを見て話をするわけではありません。優れた講師は、自分の思いを乗せて伝えたい部分、ここぞというところは思い切り情熱をこめて語ります。そのときは声も大きくなり、やや早口になります。いわゆる乗っている、テンションが上がっている状態です。

すると、ほとんどの受講者が「おや?急に気合が入ってきたぞ!?」という反応を見せます。おおむね前向きな興味を示してくれるのですが、中には「ドン引き」といった表情をする人もいます。言うまでもなく、その様子は講師にも十分に伝わります。

講師が乗ってきたら、価値あるメッセージを集中して受け取ることができるチャンスです。「ここだけは何としても伝えたい」と講師が信じている、とても重要なポイントだからです。

研修やセミナーを受講していて、講師の話し方に熱がこもってきたなと思ったら、とりあえず真剣に聴いてください。そして、得た知識を職場に戻ってから実践してみてください。「すぐに」とは言えませんが、費やした時間とお金を補って余りある成果が得られます。

研修やセミナーが、単に時間とお金を使う「消費」ではなく、将来見返りのある「投資」になるかどうかは受講中の態度と受講後の行動次第ということです。

「講師が乗ってきたら講義に集中」・・・お忘れなく!

お問い合わせ【株式会社人材育成社】

人材育成のホームページ

 

 

 

 

 

コメント

なぜそんなにキャリアアップを急ぐのか

2019年02月13日 | コンサルティング

「私の大学時代の友人は既に重要な仕事を任されています。それに比べて、自分は相変わらず営業にも一人で行かせてもらえない。こんなことを続けていたら、いつまでたってもキャリアアップができません。その結果、皆から取り残されてしまいそうです」

これは、先日ある企業の人事担当者から伺った言葉です。その企業の入社1年目の新人男性社員がこのように言い残し、わずか半年で職場を去ってしまったとのことです。

実はこの企業は設備機器メーカーであるため、取り扱っているのはほとんどが専門的なものです。そのため、営業として独り立ちできるようになるには、最低でも3年位はかかります。

こうした理由から、入社後半年以内の彼のケースでは先輩や上司の営業に同行することを通して、まず営業技術を覚えることはもちろんのこと、同時に商品に関する高度な専門知識も覚える必要もあるのです。当然独り立ちできるようになるまでには、相当の時間を要することになります。

一方、彼の「学生時代の友人」がどのような会社に就職したのかはわかりませんが、短期間で独り立ちし、さらに重要な仕事を任されているということは、比較的単純な商材を扱っている可能性が高そうです。

そういうケースでは、新入社員研修を行っている最中に一人で営業に行かせる会社もあります。またそこまで極端ではなくても、配属後3か月間くらいは先輩社員や上司の営業に同行して、その後すぐに担当企業を持って一人で営業に出かけさせるような会社もたくさんあります。

そのような会社に就職した友人の話を聞けば、片や独り立ちして仕事を任されている反面、自分は半年たっても自分の担当企業すら持てない。相変わらず先輩や上司の同行ばかりさせられていると焦る気持ちが募るのも、理解できないわけではありません。

もちろん、冒頭の企業では退職を表明した彼に対し、上司や人事担当者が業界の特色や将来活躍してもらうために必要な知識やスキルを今、獲得してもらっているなどの人材育成方針を繰り返し説明したそうです。しかし、彼の決意は固かったとのことです。

人事担当者は、「当社の人材育成方針は、会社説明会でも丁寧に話をしたつもりです。彼もそれを覚悟して入社したはずなのに、学生時代の友人の話を聞いて『隣の芝生は青く見えた』のでしょうか。修業期間が長いということは、それだけ他業界に比べ奥が深い製品を取り扱っているからです。身に付いた知識やスキルは差別化されたものだけに、自身のキャリア形成につながるはずなのに」と残念そうな表情でおっしゃっていました。

この話を伺って、私は「たった半年で退職を決断するなんて、キャリアアップをそこまで急がなくてもよいのではないか」と率直に感じました。

そのように考えていたところ、先日の日経新聞に「入社前から転職活動」という記事が掲載されていました。

そこには、「理想のキャリヤや安定した生活を手にするには、早くから転職の可能性を考え、備えておかなければ安心できない。転職活動をする若手に共通するのは、そういう不安である」と書かれていました。

この記事を読んで「理想のキャリアとは?」、「安定した生活とは?」と思いました。同時に「入社前から転職活動をするってどういうこと?」と次々に疑問が湧いてきました。

そもそも、新入社員がそれらを焦って獲得しなければならないと不安に思う背景には、何があるのでしょうか?

おそらく、様々な理由があるのでしょうし、できればインタビューなどの形で一度本音を聞いてみたいです。

しかし、仕事を覚え一人前の戦力になるためには、前述のとおり一定の時間をかけてきちんとステップを踏んでいくことは必要です。同時にそれは仕事の面白さも味わえるチャンスです。

「新入社員、若手の皆さん、漠然とした不安に不必要に踊らされることなく、まずは腰を落ち着けて目の前の仕事に集中して取り組んでみましょう」と先を歩く者の1人として今後担当する新入社員研修や若手を対象にした研修で伝える所存です。

人材育成のホームページ

コメント

上司は部下の「召使い」?

2019年02月10日 | コンサルティング

「サーバントリーダーシップ」という本※1を読んだのは10年近く前のことです。とても興味深い内容でした。組織におけるリーダーはサーバント(召使い、使用人、従者、家来・・・)であれというのがその主張です。たとえば、会社では上司はまず部下に「奉仕」して、その後部下を正しい方向に導きなさいというものです。 

かつて日本の会社では、上司が部下に対して一方的に指示・命令を下す「支配型リーダーシップ」が主流でした。2000年に出版された「上司が鬼とならねば部下は動かず」※2という本では「良い上司とは部下から恐れられる「鬼」でなければならない」という考え方に貫かれていました。この本のタイトルは極端ですが、「リーダーとは”ボス”であるべき」というのが日本的なリーダーシップの在り方でした。

しかし、人手不足が深刻化している現代では、鬼のような上司がいる会社は敬遠されます。もしも「〇〇社のXXという部長は、いつも部下に対して一方的な命令をする」といった社員の話がネットで流れようものなら、採用でかなり苦労することになるでしょう。

そのせいか、一部の管理職研修で「上司は部下の召使いであれ」といった誤った指導がなされることがあります。そこでは、部下の要望はできる限り受け入れる、部下の心を「癒す」ことを心掛ける、といった「なんでもかんでも部下中心マネジメントとでも言うべき内容が教えられています。

前回のブログでも書きましたが、一部の不勉強な研修講師が「上司は部下を呼びつけてはいけない」とか「上司は最優先で部下に気を遣え」などと滅茶苦茶なことを言うわけです。

言うまでもありませんが、上司は召使いでも鬼でもありません。「上司」や「部下」というのは、あくまでもfunction(ファンクション:機能、役目)です。職場では、上司は部下に指示・命令をするという「役目」を果たさなければなりません。それは人として上位にあるからではなく、そういうfunction(機能)だからです。

「サーバントリーダーシップ 」とは、本をしっかり読めばわかりますが、部下を支援しつつ正しい行動に向かわせるための指導方法です。

「上司は鬼」論も「上司は召使い」論も、その時々の社会情勢でもてはやされしまうのは仕方がないとしても、せめて人材育成に携わる研修講師はもう少しまともな講義をしてほしいものです。

それが研修講師のfunctionではありませんか。

※1「サーバントリーダーシップ 」R・K・グリーンリーフ(著)、英治出版、2008年

※2「上司が「鬼」とならねば部下は動かず―強い上司、強い部下を作る、31の黄金律」染谷 和巳  (著)、 プレジデント社 、2000年

お問い合わせ【株式会社人材育成社】

人材育成のホームページ

 

コメント

上司は部下を呼びつけてはいけないのか

2019年02月06日 | コンサルティング

 「上司は部下を呼びつけちゃいけない。部下に用があるときには、上司の方が部下のそばに行って、今、声をかけてよいかを確認してから声をかけなければならない。もし、部下が仕事に集中しているようであれば、声をかけるのは止めにして、少し時間を置く必要があるそうです」

これは先日お会いした、ある企業の人材育成担当者から伺った話です。以前、その企業で「ハラスメント防止」研修を行った際に、外部講師が語った言葉なのだそうです。

その育成担当者は続けて「うちの管理者はいつも部下を呼んで指導していますよ。この行為は、上司としてやっていけない行為だったのですね」と話しました。

さて、皆さんはこの話を聞いてどのように感じますか。

上司が部下を呼んではいけない?

私自身はこの話を聞いて「では、部下が10人も20人もいる上司だったら、どうするのだろう?仕事の指示をしたり、部下から報告を聞いたりしなければならないとき、いちいち上司が部下の席まで行くのだろうか?」

そして、「部下が集中して仕事をしていたら、声をかけるのを止めなければならない。さらに、その都度出直さなければならないのか?」

「そんなことをしていたら、逆に上司の仕事はどうなるのだろう?」など、次々に疑問がわいてきてしまいました。

上司の仕事は職場の目標達成のために、経営資源(人、モノ、カネ・・・)を効果的に活用することのはずです。そのためには、部下にも最大限の力を発揮してもらう。さらに、そのためにコミュニケーションを通して行動変容を起こさせることも必要なはずです。

現在、いわゆる「売り手市場」と言われるようになって久しいです。企業は新人に限らず中途であってもなかなか採用するのが難しい時代です。

したがって、ほとんどの企業はせっかく採用した人は辞めさせてはならないと考えています。無論その考えには何ら異論はありません。

せっかく採用した人に簡単に辞められてしまっては、企業にとって大きな損失であり、そうならないように様々な対策を打つことはもちろん必要です。

その一つとして、直属の上司のみならず組織として新人を丁寧に育成することには、私も大賛成です。

また、近年ではハラスメントに関する問題がますます顕在化してきています。実際、パワーハラスメントにかかる労災申請の件数は右肩上がりの状況が続いています。

パワーハラスメントは、被害者だけでなく、周囲も組織も、最終的には加害者にも大きなリスクがあるわけですから、決して看過できない問題です。

しかし、いくら「採用した人を辞めさせてはならない」、「パワーハラスメントはいけない」からといって、冒頭の話のように「上司が部下を自分の席に呼んで仕事の指示をしたり、報告させたり、部下が集中しているときには指導したりしてはいけない」ということになったら、仕事はどうなるのでしょうか。円滑な進行に支障が出てしまうだろうことは容易に想像できます。また、部下自身は成長の機会を失います。やがては組織全体にもマイナスの影響が出てきます。

人を辞めさせないこと、パワハラをしてはいけないことと、上司が部下に対してまるでお客様扱いのように対応することとは、まったく別の話です。弊社では上司は必要なときには毅然として部下指導を行うべきであると考えています。

人材育成のホームページ

コメント

部下の「態度」はどう評価する?

2019年02月03日 | コンサルティング

管理職に昇格し、はじめて部下を評価するときは誰しも緊張するものです。とはいえ、人事部門がしっかりとした評価マニュアルを作り、評価者研修を行っている会社もありますから、そういう会社にお勤めの方は心配する必要はありません。一般に人事評価マニュアルには、部下が仕事に取り組むときの「1.知識・技能、2.判断・表現、3.態度」等についての評価方法が書かれています。

「知識・技能」、「判断・表現」については比較的明確な判断基準が示されているので、上司も把握しやすいでしょう。しかし、「態度」については、なかなか判断が難しいと思います。

ある部下が一所懸命仕事をしていれば「態度」を高く評価すると思います。しかし、何をもって「一所懸命」とするかです。残業や休日出勤が多ければ「一所懸命」なのでしょうか。

以下に、部下の態度を評価する際に参考になる、ある「報告」がありますのでその一部を紹介しておきます。新任の管理職から経営者に至るまで、とてもためになる内容です。

「仕事に取り組む態度を、(1)粘り強く仕事に取り組む態度(粘り強さ)(2)自らの仕事を調整しようという態度(自己調整力)……という二つの側面に分けます。これらは、心理学で言う「メタ認知」と関わっています。メタ(高次の)認知とは難しい言葉ですが『自己の感情や行動を統制する能力、自らの思考の過程等を客観的に捉える力』としています。自分の姿をもう一人の自分が外から眺める、あるいは、鳥が空中から地形を俯瞰ふかんする(見渡す)イメージだと言えばわかりやすいでしょうか。」

つまり部下を評価、指導する際は、部下本人が自身を客観視する力、すなわち「メタ認知」に着目しなさいということです。

たとえば「一所懸命」長時間残業をやっていたとしても、部下本人がそれをどう捉えているかが重要です。「何十時間残業をしてでもこの仕事をやり切る!」という意気込みだけを見るのではなく、「なぜこんなに時間がかかってしまったのだろう。自分の仕事の進め方に改善の余地はないだろうか?」と考えて行動に移しているのかを評価しなければならないのです。

私たちは「一所懸命」さに弱く、ときには「がむしゃら」であることを最大限に評価しがちです。しかし、公正な評価においてはそれを行ってはなりません。管理職全員が「一所懸命」を評価基準にしてしまったら、仕事の効率は大きく低下してしまうことでしょう。

それを避けるためには、まず評価者自身が自分をメタ認知できるようになる必要があります。当社の「管理職のための部下評価研修(評価者研修)」では徹底してその点を学んでいただいています。

さて、実は上記の「報告」は、文部科学省の中央教育審議会が作成した「小学校の学習評価についての報告」の一部をコピペして「学習」を「仕事」に置き換えたものです。つまり、小学校の先生が生徒の学習態度を評価するときに参考にするものです。

人の「態度」に関する評価基準として、大変優れた記述だと思います。

お問い合わせ【株式会社人材育成社】

人材育成のホームページ

コメント

上司の背中は見られている

2019年01月30日 | コンサルティング

 「上司の背中を見て学ぶ」は今の若手には通じないと言われるようになって久しいです。

「自分が若手の頃は、上司が手取り足取り仕事を教えてくれたわけではなかった。自発的に(上司の背中を見て)仕事のやり方を盗むものだと教えられた」

「しかし、今はそれが通用しない。手取り足取り教えないといけないから、本当に大変だ」

これらは弊社が管理職研修を担当させていただく際に、必ずといっていいほど現在管理職である受講者から発せられる言葉です。

確かに、今の若手社員と管理職では育った時代が違うのは事実です。昔のやり方がそのまま通用しないというのはもっともなことのように思えます。

しかし、本当に最近の部下は「上司の背中」を見ていないのでしょうか。

実は弊社が行う若手社員を対象にした研修では、上司に関して「はつらつとして仕事をしているところを見たことがない」、「上司を見ていると、仕事をするって辛いことなんだな、面白いものではないんだと感じることがある」などの評価を聞くことがあります

このケースでは、部下は上司の仕事に対する態度や姿勢を見て、「あのようにはなりたくない」と反面教師としてのメッセージになってしまっているようです。逆に言うと、部下の側は仕事のやり方に限らず上司の仕事に対する姿勢をきちんと見ていて、良くも悪くも「上司の背中」はしっかりとメッセージとして伝わっているということなのです。

元サッカー女子日本代表で、日本サッカー史上初のW杯優勝に大きく貢献した澤穂希さんは試合中、「苦しい時は、私の背中を見て」とチームメイトに声をかけたと言います。

2008年の北京オリンピック女子サッカーでベスト4に残りました。メダル獲得に向けた大一番の試合に臨む際に、試合中本当に苦しくなったときには自分の背中を見てもらうことで、「私は90分間最後まで走り続けているよ」ということを伝え、チームを鼓舞したかったのだと思います。

「苦しいときは私の背中を見て」というのは言葉です。しかし、澤さんは「(言葉だけでなく)態度で示すことが大切だ。言うだけでなく自分がプレーして見せて引っ張るタイプだったので、結果としてというか、体を張るところを見せることが大切だ」とおっしゃっています。

今でも、部下は上司が考えている以上に「上司の背中」を見ています。

つまりは、澤さんの言葉のように意図していることだけでなく、むしろ意図していなくても、上司の仕事に対する姿勢そのものが部下に大きな影響を与えて(場合によってはマイナスの影響もあり得る)います。この点をしっかり認識して、仕事に臨まなければなければいけないということなのです。

上司の皆さん、あなたの背中は思った以上に部下から見られています。「仕事で悩んだら俺の背中を見ろ」と言えるように頑張りましょう!

人材育成のホームページ

コメント

風通しの良い職場を作るには

2019年01月27日 | コンサルティング

当社は今までに「風通しの良い職場の作り方」というタイトルの講演や研修を何度か行っています。一番参加者が多かったのは、ある企業の社内講演会で約400名の管理職が対象でした。事前のアンケート調査では「積極的に部下の話を聞いている」と答えた人が7割以上いたのですが、部下のアンケート結果では「話をきちんと聞いてくれる上司」は3割弱でした。この結果を会場のスライドに映したときに、ため息とも笑い声ともとれるような声が聞こえてきました。

さて、ごく一般的な日本の大企業の会議で見かける風景です。「みんな、言いたいことがあったら何でも言ってくれ。」「もっと自由に発言して職場の風通しを良くしようじゃないか。」会議の場を仕切る上司が発言します。しかしほとんどの部下は目をそらして何も言いません。上司からすれば「積極的に部下の話を聞いている」のに部下からの反応がない、というわけです。

当社が行う管理職研修では、こうした状況はどの会社でも同じであり、部下から積極的な意見が出てくるまでには時間がかかるものです、と伝えています。これに対して研修受講者(主に課長クラス)の反応は大体次の3つに分かれます。

(1)そうか、もっとこちらから話しかける回数を増やさなきゃいけないな。

(2)面倒くさいな。でも、仕事だというなら仕方ないから少しだけやるか。

(3)冗談じゃない。なんで部下にそこまで気を遣わなきゃならないんだ。

長年研修講師を務めてきた私の感覚としては、研修中のしぐさや表情から判断する限り(1)10%(2)50%(3)40%といったところでしょうか。

ご存知のように、対人コミュニケーションは言葉だけではなく「表情や態度」「声の調子」といった非言語的な要素に強く影響を受けます。「言いたいことがあれば言ってくれ」という言葉も、上記の(2)や(3)の上司が発すれば伝わってくるメッセージが大きく異なってきます。

冒頭の企業での講演では、こうしたことを説明しながら「とにかく義務的にでも良いですから、積極的に部下と話す回数を増やしてください」と伝えました。それでも「7割対3割」の比率はそう簡単には変わらないでしょう。

では「風通しの良い職場」は蜃気楼のようなものなのでしょうか。

それはわかりません。しかし「風通しの良い職場」という理想は社内にしっかりと掲げておくべきです。

たとえば、品質管理の「常識」のひとつに「グッドニュースよりバッドニュースを優先せよ」という言葉があります。クレームやトラブルといったバッドニュース(悪い報告)を最優先で伝え、早急に処理しないと大きな損害が生じてしまうからです。

品質部門に限らず営業も開発もスタッフも、バッドニュース(悪い報告)をためらわず伝えることをひとつの「作業」として定義してみてはいかがでしょうか。作業は義務ですからしないわけにはいきません。また、作業ですから「表情や態度」「声の調子」はどうでもいいことになります。

こうした強制的な手段は、強力な「情報の送風機」のような働きをします。管理職はこの送風機のスイッチを切らないよう常に意識しなければなりません。

「え?!なんでそんなミスをするんだ!」と思わず口にしそうになった上司の皆さん、あなた今スイッチを切ろうとしましたよ。ご注意を!

お問い合わせ【株式会社人材育成社】

人材育成のホームページ

コメント

マンスプレイングをしたがる人の気持ち

2019年01月23日 | コンサルティング

 マンスプレイニング(Mansplaining)とは、man(男)とexplain(説明する)をかけ合わせた言葉です。

男性が女性に「上から目線」でものを教えたがる行為のことで、女性は男性よりも無知であるという意識から、「君はこんなことも知らないのかい?」と知識をひけらかすような場合に使います。

この言葉は、アメリカ人作家のレベッカ・ソルニットが2008年に発表したエッセイから生まれたと言われています。

先日、弊社が中堅社員研修を担当させていただいた際の懇親会の席で、一人の女性に伺った話から、この言葉を思い出しました。

その女性の話によると「毎日業務がものすごく忙しいので、とにかく効率的に仕事をしたいと考えているのに、職場の先輩(男性)の説明がいちいちくどいので困っている」とのことでした。

業務について確認したり報告したりすると、その都度、業務に直接関係のないことまで、懇切丁寧な説明が始まるのだそうです。

彼女が言うには「こんなにも忙しいのに、なぜ今その話を始めるのだろうと疑問に思うようなことまで、延々と話が続くので、辟易してしまう。そういうときの先輩は、したり顔で嬉々としている。こちらが困惑していることにも一向に気づく様子がない。だから、本当に嫌になってしまう。どうにか先輩の話を感じよく終わらせるための方法はないものか?」とのことでした。

マンスプレイングをしてしまう人の根底にどのような心理があるのかはわかりませんが、相対的に相手より上位に立ちたいという気持ちの表れなのでしょうか?

そのように考えると、一般的にマンスプレイングは男性から女性に対して行われるものと言われていますが、男性上司が男性の部下へ対しても同様のことは起こりうることだと思います。また、これが女性の場合であっても同様にあり得る話です。

人間が持ち合わせる感情として、多かれ少なかれそのような心理はあるでしょう。しかし、この場合問題なのは、そういう感情を持ち合わせていることに本人が気づいていないことなのです。

さらには、それによって仕事の効率も下がってしまい、生産性に影響してしまっていることも見逃せません。

さて、そのような人への対応法の特効薬はすぐには見つかりませんが、いずれにしても「自分がそれをしていることをきちんと認識する(してもらう)こと」が解決の入り口だと考えます。

そうは言っても、実際には職場の人間関係などから、部下側から上司に対して指摘をするのはなかなか難しいケースも多いはずです。周りの人間、特にその人の上司などに指摘をしてもらうようにするのがやはり一般的です。

それからもう一つ、マンスプレイングをされている側も、今の状況を反面教師として、やがて自分自身が上の立場になった場合や、あるいは異性に対してそのような存在にならないようにきちんと意識しておくこと。これも大切なことだと思います。

人材育成のホームページ

コメント

名言が教える部下育成研修の必要性

2019年01月20日 | コンサルティング

部下を育てるやり方はいろいろあります。20年ほど前なら今よりもたくさんの上司や先輩がいたので、そうした人たちの発言や行動から学ぶ機会もたくさんあったことでしょう。

よく「上司の背中を見て学べ」などと言いますが、当の上司も「意識して背中を見せている」ことが多かったように思います。しかし、今はそんな余裕もありません。だからこそ部下の育て方を学ぶこと、すなわち部下育成研修が必要です。

ご存知の方も多いと思いますが「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六)という名言があります。

(1)やってみせ:ある業務の開始から終了までに必要な作業を行い観察させる。

(2)言って聞かせて:その作業の内容を言葉で表現することで理解させる。

(3)させてみて:正しく理解したかどうかを実際に作業をさせて確認する。

(4)ほめて:正しく実行できたときはそのことを承認し必要に応じてほめる。

・・・以上のプロセスを実施しなければ部下は育たない、ということです。

さて、上記のプロセスをあなたが関わっている業務で実行するとします。実際の現場を思い浮かべながらよく考えてみてください。

まず、教えるべき業務に関係する「作業」を洗い出します。普段は意識せずに「流して」いる行為も業務を構成する「作業」としてはっきりさせる必要があります。

次に、作業とは「何をどうすることなのか、なぜそうするのか」を言葉や文章で表わします。しかも知識のない人に伝わるようにしなければなりません。ここが一番難しいかもしれませんね。

そして実際にやらせてみます。上手く行けば良いのですが、失敗しそうになったらどうしますか。思わず手を出したくなると思いますが、よほどのことがない限り我慢です。何よりも大切なのは部下の行動をしっかりと観察することです。

ようやく終わりました。危なっかしところもありましたが、なんとか無事に終わりました。さあ、ほめてあげてください。え?ほめるのが苦手?ほめ方を知らない?いけません!あらかじめ練習をしておきましょう。

・・・いかがでしたか? とても大変なことがおわかりいただけたと思います。

実際、ひとつひとつのプロセスで行うべきことや、注意しなければならないことを列挙するだけでもかなりの量になります。さらに、実行するには相当な練習が必要です。

ということで、部下育成の研修の必要性についても十分に納得されたことと思います。あらためてこの有名な言葉をもう一度。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

お問い合わせ【株式会社人材育成社】

人材育成のホームページ

 

コメント

人材育成を行う時間は本当にないのか

2019年01月16日 | コンサルティング

「部下を育てる時間がない」、「人材を育成しなければならないのはわかっているけれど、目の前の仕事に忙殺されてしまって・・・」

これらは弊社が管理・監督職を対象に、部下の育成に関する研修を担当させていただく際に、必ずと言っていいほど人材育成にかかる問題点として挙げられる言葉です。

確かに、最近の企業の組織では一昔前と比べると明らかに人数が減っています。

また、現在の管理・監督職はいわゆる「プレイングマネージャー」が多いことから、実務者として業務に忙殺されてしまっていることも、疑いようのない事実でしょう。

実際に、厚生労働省が実施している「能力開発基本調査」でも、人材育成について「問題あり」としている企業は、平成29年の調査で75.4%でした。そして、具体的な問題として挙げられている「指導する人材が不足している」、「人材育成を行う時間がない」は、人材育成に関する「不動の二大問題」と言ってもいいような状況になっています。

しかし、それでは管理・監督職は本当に人材育成を行う時間を全くとれないほど忙しいのでしょうか?こうした疑問から、私は以前、ある企業の複数の管理職にインタビューを行い、この疑問をぶつけてみたことがあります。

すると、インタビューの当初には「忙しくて人材育成をしたくても、なかなかできない」と言っていても、インタビューの終了間際になると、「実は人材育成を行う時間は、全くとれないわけではないんです。ただ、思うように部下が育たないので、ついつい時間がないことを自分のいいように言い訳に使ってしまっているのです」と言う方が少なからずいらっしゃいました。

そして、中には時間がないことを、「部下がなかなか思うように育たないことの隠れ蓑にしているに過ぎない」と、心の内を正直に明かしてくれた管理職もいらっしゃいました。

しかし、業務の拡大や組織の発展などを考えるのであれば、人材育成は管理・監督職がどれほど忙しいとしても優先的にやらなければいけない「優先順位が高い仕事」だと言えます。

では、この優先順位を判断する際にはどのように考えれば良いのでしょうか?

多くの場合、優先順位は「緊急度」と「重要度」の2つの軸によって判断します。もっとも優先度が高いのは「緊急度と重要度が共に高い仕事」で、反対に優先度が低いのは「緊急度と重要度が共に低い仕事」です。

それでは、「緊急度と重要度が共に高い仕事」の次に2番目に優先すべきは、「緊急度は低いけれども重要度が高い仕事」なのか、または「緊急度は高いけれども重要度が低い」仕事なのかどちらだと思いますか?

答えは、「緊急度は低いけれども重要度が高い仕事」です。

そして、人材育成は優先順位の1番または2番目に該当するような重要度の高い仕事です。それゆえ管理・監督職はどんなに忙しくても、きちんと人材育成に取り組まなければなければならないのです。

毎日、忙しくてもそのための時間を10分でも15分でもいいから何とか捻出し、実行する。それが管理・監督者に課せられた大切な使命だと言えると考えています。

人材育成のホームページ

コメント