中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,152話 「楽しい」と感じられ成果も上がる指導法とは

2023年02月01日 | 研修

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

本日(2月1日)の朝日新聞の朝刊はスポーツ面と教育面の2面で、暴力による運動部活動やスポーツ指導を取り上げていて、行き過ぎた指導が今も続いているとのことです。私自身も自宅の近隣の公園を散歩しているときに、野球の試合を終えた少年を前に監督と思しき人が試合中のプレーを問い詰めている場面に出くわしたことが何度もあります。そのような場面に遭遇すると、私自身が問い詰められているわけでもないのに居たたまれないような気持になり、足早にその場を立ち去っています。

なぜスポーツの世界で行き過ぎた指導が起きてしまうのでしょうか。原因は様々あるのだと思いますが、その関連で1月28日の朝日新聞では、「脱スパルタ」指導で春の選抜高校野球大会に12年ぶりに出場する東北高校のことが取り上げられていました。

かつてプロ野球の巨人軍でプレーした佐藤洋監督が丸刈りをやめる、アップ練習のときは部員の好きな曲をスピーカーで流す、練習メニューは各ポジションのリーダーらが自ら決める、ジャンピングスローを解禁した、練習風景をインスタグラムに投稿するなど、「楽しい野球」を大事にした指導を行っているそうです。

このように具体的に指導を変更したのは、自身の「怒られるのが当たり前」の指導を受けてきて「楽しいわけがなかった」経験を踏まえているのだそうです。厳しい指導に耐え抜くのではなく、野球を始めたころの楽しさを取り戻すということがねらいとのことです。

「怒られるのが当たり前」のような指導はスポーツに限ったことではありません。こうしたネガティブな指導による恐怖感によって取り組ませるのではなく、「楽しい」と感じさえる指導は、とても大切なことであり、同時に合理的であるとも思うのです。同じ時間でも楽しいと感じているときの方が有意義に感じられるわけですし、その反対もしかりです。

実際に「楽しい」と感じているときには、幸福物質であるドーパミンが出ていると言われています。ドーパミンは意欲や動機・学習に重要な役割を担っていて、仕事や勉強、スポーツを楽しんでやることによりドーパミンが分泌され、モチベーションがアップしてさらに意欲的に取組もうとするのです。

私は、仕事においても同様のことが言えると考えています。たとえば、上司が部下の指導する際に檄を飛ばしても部下がなかなか伸びない、成長しないとしたら、一度自身の指導を振り返ってみることが必要ではないかということです。

以前、ある企業で上司が部下の営業パーソンに一人ずつ顧客の訪問件数を発表させ、訪問件数を少ない人を叱咤する場面に居合わせたことがあります。その後、叱咤された営業パーソンは顧客への訪問件数こそ増えたものの営業成績は上がることはなく、やがてはやる気を失い結局は退職してしまったそうですが、これでは本末転倒です。

もちろん、「楽しい」と感じさせることだけを指導の目的にしてしまっては、スポーツでも仕事でも結果に結びつけることはなかなか期待できないわけです。しかし、少なくとも「楽しくない、面白くない、逃げたい」という気持ちからは、決して良い成果は生まれないということなのではないでしょうか。

このことは、弊社が提供している研修やセミナー、コンサルティングにおいても同様です。今後も「楽しい」と感じられ成果も上がる指導法を目指してしていきたいと考えています。

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第1,151話 リスキリングは何から始めればよいのか

2023年01月25日 | キャリア

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最近、様々なメディアをはじめ注目を浴びている「リスキリング」ですが、その意味は全てが「DX教育」とイコールではないものと考えられるものの、「技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために新しい知識やスキルを学ぶこと」とされています。今後DX化がますます進んでいった際に対応できるように、新たなスキルの習得することが推奨されているのです。

しかし、現段階では具体的にリスキリングを始めているという人はあまり多くはないです。その理由としては、「具体的に何から始めたらよいのかわからない」と考えている人が多いようです。また、リスキリング以前にも「AIの知識が必要」と発破をかけられたり、過去にも定期的に様々な知識やスキルを身に付けることを推奨されても、さほどの広がりを見せずに結局は形骸化してしまった例もあります。そういうことから「またか」と考えてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、私たち人間にとって新たなことを学んだり挑戦したりすることは、長いビジネス人生を考える上で、また仕事をしていなかったとしても人生を豊かなものにする上で大切なものであることは確かなことです。

先日、NHKの「あさイチ」にモデルや女優として活躍している冨永愛さんが出演していました。冨永さんは現在NHKで放送されている「大奥」に主演していますが、ドラマの乗馬シーンの撮影時にはエキストラではなく、冨永さん本人が乗馬し撮影に臨んだとのことでした。

冨永さんによれば、今回の撮影のために乗馬を練習したのではなく、「いつか乗馬のシーンに臨むことがあるかもしれない。そのときにはエキストラでなく、自ら馬に乗って撮影ができるようにしたい」と以前から考えていて、乗馬に取り組んでいたとのことでした。そうしたところ、ある番組で「いつか自ら乗馬するドラマに挑戦したい」と話す機会が訪れ、たまたまその放送を見ていたNHKの番組プロデューサーが今回の大奥の吉宗役に冨永さんを抜擢したとのことでした。冨永さんは「チャンスが来た時につかめる自分であれ」ということを大切にしているそうで、そのための準備を日ごろから怠らないようにしているとのことでした。

この話を聴いて私が感じたのは、「学びなおし」というような大げさなものでなくても、「乗馬のシーンを自ら演じたい」というように、いつか自分がやりたいと考えることを具体的にイメージして実際に動くことの大切さです。リスキリングというように大上段に構えなくても、シンプルに自分が将来手に入れたい、こうなりたいと思うことをはっきりイメージし、それに向けて準備をしていくということが大事であると思うのです。

ちなみに冨永さんの話で、もう一つ私自身が見習いたいと思ったのは、「自分が手に入れたいと考えることを他者に話す」ということです。冨永さんのようにメディアで話をすることは普通のビジネスパーソンにはなかなかかなわないことなのかもしれませんが、「他者に伝える」ことは誰でもできることです。自分の声で語ることによって、自身の想いをあらためて認識することになるでしょうし、もしかするとそれを聴いた人がチャンスをくれるということもあるかもしれません。

「リスキリング」という言葉にプレッシャーを感じすぎたり踊らされたりするのではなく、自分がやりたいことをイメージしてそれに向け具体的に行動すること、そしてそのことを自ら語ることが大切なのだと思います。

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第1,150話 加藤清正のリーダーシップ

2023年01月18日 | 仕事

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「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」 

これは、太平洋戦争時の海軍軍人 山本五十六の言葉です。人材育成において引用されることが多い言葉ですが、ここには人材育成のポイントとなることが示されています。

この言葉は、もともとは江戸時代中期の米沢藩の藩主 上杉鷹山の言葉「してみせて 言って聞かせて させてみる」が語源という説のほか、さらに遡れば中国の史記にも同様の意味の言葉があるとも言われています。こうした言葉が生まれる背景には、古今東西、人材を育成することは決して簡単なものではないということがあるのではないでしょうか。

日本において「人材育成」に熱心だった歴史上の人物は様々いますが、本日は部下(職人)への細かい気遣いをしていたと言われる加藤清正について取り上げます。

ご存知の人も多いかと思いますが、加藤清正は安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、肥後熊本藩の初代藩主、虎退治や築城の名手として広く知られています。秀吉の子飼いから肥後の有力大名になりました。秀吉の九州平定に従い肥後国領主となった佐々成政が失政により改易されると、肥後北半国19万5,000石を与えられて隈本城に入り、後の天正19年(1591年)頃よりこれに改修を加え、熊本城としたのです。

その改修の際、加藤清正は築城職人に対して「大工の新左衛門の病気はどうだ?病気が良くなったら重ねて煩わないように、すべてに精を出して働くことは無用だ」や、「朝鮮から帰国した大工たちには10日間の休みを与えてから、城の建築に従事させること」など、細かい気遣いが感じられる発言をしていたと伝えられています。

歴史を振り返ると、配下の者を叱咤激励して城を築いた武将はたくさんいたでしょう。しかし、そういう中で加藤清正は19万石の大大名でありながら、直接接点を持つことが少なかったであろう職人に対してまで「大工の新左衛門」というように具体的な名前を挙げ、病状を気遣う気配りを見せていたのです。

このように自らの配下をとても大切にしていたと考えられる加藤清正ですが、その一方で城づくりにおいては一切の妥協をせず、作り終えたものに対して「本丸北の櫓は北側が下がってみえる。壊してやり直すこと」などやり直しを命じていたとの話もあります。指示についても、自ら筆を執り「馬屋を立てる場所の地割を厚い紙に書いて送れ。こちらから指示をするので、建てる用意をしておくこと」など実に具体的に行っていたようで、「うまくやれ」などといった曖昧な指示をすることはなかったのです。

我が国にも古今様々なリーダーがいたわけですが、19万石と言えば今なら大企業とも言える規模のはずです。そうした大きな組織のトップであっても部下を細やかに気遣いつつ、一方では仕事上の指示を具体的にしつつ妥協をしないという点で、加藤清正のリーダーシップには学ぶべき点が多いと思います。

こうした加藤清正の姿勢は、もしかすると「人たらし」と言われる一方で配下の武将を時に飴と鞭で巧みに支配した豊臣秀吉をロールモデルとしていたのかもしれません。様々なタイプのリーダーがいる中で、部下育成を含めたリーダーシップの一つのモデルとして、大いに参考にすべきものではないでしょうか。

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第1,149話 リスキリングを始める

2023年01月11日 | キャリア

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「生き残るものは大きなものでも強いもでもない。変化していくものだ」

これは、作家で日本大学の理事長をしている林真理子さんが著書の「成熟スイッチ」(講談社現代新書2022年)の中で語っている言葉です。この本の中で林さんは、成熟について「昨日のままの自分だと、少しつまらないよ」「ちょっとしたことでもいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分になってみる。」また、「成熟にはキリがありません。毎日新しいスイッチを入れながら、自分の変化を楽しむことができたら、なんて素敵な人生でしょう。」と言っています。

林さんの活躍はここで改めて紹介するまでもありませんが、作家として様々な賞を受賞するだけでなく、それ以外にも次々と新たなポジションに就いています。それは本人が欲したものばかりではないのでしょうが、一方で欲しいと考えたものは必ず手に入れているようにも見えます。そして、そのための努力は惜しまない、ゴールを設定しない林さんの生き方に私は一読者としていつも刺激を受けています。

さて、最近は「リスキリング」の重要性が大きく叫ばれるようになり、政府も具体的な支援に力を入れることを明言しています。そのために、「人への投資」に5年間で1兆円を投じ、従業員にリスキリングをさせた企業や働き手への助成金も強化する方針とのことです。個人も学び直しをしたいと思えば、その機会を得られる環境が整いつつあるわけです。

しかし、こうした報道を見聞きする度に私がいつも思うのは、はたして今度こそ日本に「学び直し」という考え方が根付くのだろうか?ということです。なぜなら、わが国ではこれまでにも「リカレント」、「生涯学習」など多少意味合いは異なるものの、「学び」をキーワードとする言葉が30年位前から何度も取りあげられてきていますが、どれも今ひとつ根付いていないように感じるからなのです。実際、「学びなおし」への参加率は35%とOECDの平均よりも5ポイント低いのが実情で、諸外国と比べリスキリングへの関心が薄いことが問題視されているのです。

それでは、今後組織や個人が「リスキリング」に対してどうすれば積極的に取り組むことができるようになるのか、そのためにはどうすればよいのでしょうか。この答えはなかなか簡単には出ないように思います。それは、日本人の国民性から言って林さんのように変化を楽しむことができる人は限られているように思えるからなのです。

しかし、このまま立ち止まっているわけにはいきません。ありきたりのことかもしれませんが、まずは「ありたい自分」、つまり自分が手に入れたいものを少しでも具体的にイメージしてみるところから始めることなのではないかと思います。そして、林さんのように何か新しいことを少しずつでも始め、昨日とは異なる自分になっていく、その変化を楽しむことなのだと思います。

私自身、年の初めの今だからこそ新しいスイッチを入れることから始めてみたいと考えています。

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第1,148話 リバウンドしない片付けの方法とは

2022年12月28日 | コンサルティング

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178.4㎏。これは、あるものの日本人一人あたりの年間消費量なのですが、何の消費量なのかわかりますでしょうか?

答えは、紙・板紙の消費量です。(出典:日本製紙連合会)紙・板紙の消費量の世界平均は52.3㎏で先進国が高い傾向にあるとのことですが、その中でも178.4㎏はかなり高い数字です。その中でコピー用紙の割合がどれくらいなのかは不明ですが、ペーパーレスの時代と言われて久しいにも関わらず、私たちは相変わらずたくさんの紙を使用していることがわかります。

私はこれまで仕事で様々な組織にお邪魔していますが、事務所がきれいに整理整頓されている組織がある一方で、書類が山のように積まれている光景が日常的になっているところもあります。どちらかというと、書類に囲まれてしまっている組織の方が多いようにも思えます。

さて、いよいよ2022年も終わりが近づいています。昨日、今日は職場の大掃除をしたという人も多いのではないかと思います。日本トレンドリサーチが2022年12月4日~12月8日に行った「オフィスの年末大掃除に関するアンケート調査」によると、42.1%が勤めているオフィスで年末の大掃除をしていると答えたそうです。先述のように、たくさんの紙を使用している私たちですから、オフィスに紙類が溢れてしまって必然的に大掃除の必要性が生じている組織も多いのでしょう。

しかし、資料の整理をしてきれいにした後、皆さんはその状態を維持できているでしょうか。せっかくあれだけの資料を捨ててきれいにしたはずなのに、時間の経過とともにまた元の状態に戻ってしまうという人は少なくないはずです。片づけるのは大変ですが、元の状態に戻るのはあっという間です。では、一体なぜきれいにした状態を維持継続することができないのでしょうか?

理由は様々あるかと思いますが、私は多くの場合きれいにすることだけが片付けの目的になっていて、仕事の流れを考えてモノの置き場所を決めていなかったり、書類の要不要の判断に基準がなかったりするなど、仕事の全体像が描けていないことが理由だと考えています。

それでは、これをどう解決すればよいのでしょうか?お勧めは、いきなり片づけを始めるのではなく、その前に仕事の流れを図にするなどにより「見える化」し整理してから始めることです。流れが明確になったら、次に仕事の流れに応じた書類の置き場所を決めたり、業務別に細かく分類したりファイルに入れるなどの整頓をすれば、その後はスムーズに仕事を進めることができますし、リバウンドを防ぐこともできるはずです。

毎年この時期になると雑誌やテレビなどで片付けに関する方法が様々紹介されるため、全体像を描く前にファイルやボックスなどの道具を購入することから始めてしまいがちですが、まずは仕事の流れをきちんと整理して、その上で取り掛かることがお勧めです。リバウンドを生じないための年末の片付けや大掃除のポイント、参考になれば幸いです。

さて、2022年のこのブログも今回が最終回になります。今年も一年間お読みいただき、ありがとうございました。来年も引き続きいろいろな情報を発信していきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは皆さま、良いお年をお迎えください。

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第1,147話 立場は人をマイナスの方向へ変えたり、立場が人を育てたりする

2022年12月21日 | 仕事

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「お前変わったもんだな!昔は誰彼構わず頼みを聞いてやっていた。立場は人を変えるな」

これは、先日最終回を迎えたNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主人公 北条義時の幼馴染で従弟の三浦義村が、民からの頼みごとを跳ねのけた義時へ向けて言った言葉です。

ドラマでは、伊豆の地方豪族 北條氏の次男として生まれた義時が、やがて鎌倉幕府の執権となり権威を振るうまでを描いていましたが、ドラマの前半と後半で義時の人となりが大きく変化していました。これはまさに、三浦義村の言葉のとおり「立場が(義時の)人を変えた」のではないかと思います。

そして、このことはドラマで描かれた鎌倉時代だけの話ではなく、現在の組織においても同じく「立場は人に大きな影響を与える」ものであると思います。立場を得たことで成長する人もいれば、反対に権威を笠に着て自分勝手な言動を繰り返す人もいます。

実際に、社長という権威を得たことで周囲を納得させる努力をしようともせずに、ことあるごとに「社長の俺が決めたことだ!」と大声で繰り返す人を私も見たことがあります。これは残念ながら立場が人をマイナスに変えてしまった例と言えるでしょう。

一方、立場を得たことがプラスに働き、大きく成長する人もいます。経営者や管理職になる前は、この人にその役職が務まるのだろうか?と周囲が少々頼りなく感じていたような人が立場を得たことによって、その後大いに信頼される経営者や管理職に大きく成長する人もいます。まさに「立場が人を育てる」という状態になったのです。

このように、時によって「立場」は人をマイナスの方向に変えたり育てたりすることがあるわけですが、では「立場が人を育てる」ようになるためには、どうすればよいのでしょうか?

立場をプラスにできるかマイナスにしてしまうかは、もともとの本人の人間性やその立場のロールモデルの有無、さらには本人の意識の問題などが影響するものだと思います。長年かけて形作られた人間性を変えるのはなかなか難しいものでしょうし、ロールモデルの有無を問うたところで、それはいたしかたないことでしょう。

一方で未来志向で考えるならば、立場に対する明確な意識の醸成こそが必要ではないかと私は考えます。そして、その立場に求められるしっかりした意識を醸成するためには、必要な知識やスキルを確認した上で、身に付いていないものは目指すべき目標として設定し、一歩ずつ身に着けていくことが必要なのだと思います。地味な取組みではありますが、立場を得たことによる影響は良くも悪くもその配下の人達にも及ぶのです。その人達がやる気をもって働けるようにするためにも、避けては通れない道のりなのだと思います。

ドラマでは、義時は源頼朝や自分の父 北条時政、時には上皇様や周囲の御家人たちの振る舞いをも見ながら、自分なりの意識を作りあげていき、そして最後には「闇落ち」してしまったように思えました。

せっかく得た立場をプラスの方向に使うのか、マイナスの方向に使うのか。ぜひ「立場が人を育てる」結果となるように使っていただきたいと考えています。

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第1,146話 森保監督の3つのリーダーシップ

2022年12月14日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。(冒頭の写真はWikipediaより)

「今後、ヨーロッパに監督の勉強に行きたい」

これは、FIFA ワールドカップサッカー 日本代表チームの森保一監督がインタビューで何度も語っている言葉です。

ワールドカップでは悲願のベスト8にこそ残れなかったものの、十分な実績を残した監督として、この言葉は非常に謙虚だと感じます。監督としてさらなる上を目指していこうとされている森保監督とはいったいどういう人なのか?メディアでもたびたび取り上げられていますが、私自身も非常に興味深く感じていますので、森保監督のリーダーシップを3つの視点から考えてみました。

私が思う森保監督のリーダーシップの1点目は、選手をはじめ他者を尊重(リスペクト)する、2点目はいつも安定感がありフラットである、3点目は試合中こまめにメモをとるです。

1点目について、日本テレビの「スイッチ」(12月12日)に出演していたゴールキーパーの権田選手が次のように語っています。

「森保監督は本当に選手一人一人とのコミュニケーションを取り、リスペクトを持って接してくれる。それと試合に出ている選手だけじゃなくて出ていない選手、今回の大会では出られなかった選手が4人いるんですけど、その4人の選手に対しても常にリスペクトしていて、そういう姿勢っていうのは、僕は森保ジャパンの立ち上げから入れてもらってますけど、ずっとその感じは変わらない。それはチームにとってプラスだったなと思っています」

森保監督が選手をリスペクトしていることは、様々な選手からも異口同音に発せられていますし、代表メンバーを選出する前にも様々な選手に会いにヨーロッパを回ったという話もたくさん報道されていますので、本当に他者を大切にする人なのだと想像します。

2点目の安定感があると感じるのは、ゲーム中に追い詰められているとき、負けてしまったとき、試合後にインタビューを受けているとき、そして帰国後の会見など、どういうときであっても、興奮していることがなく安定している、フラットな人だという印象を持っています。ドイツ戦に勝利した後、選手に「一喜一憂するな」と大きな声を出して語り掛けていましたが、監督自身がそれを地で行っていますので、非常に説得力があると感じました。いつもフラットでいられるのは元々の性格なのか、それとも監督として采配を振るう中で獲得したものなのかはわかりませんが、選手にとっては監督への大きな信頼感につながるものではないかと思います。

そして、3点目はメモをよくとるということです。テレビのワイドショーによると、多いときは20回以上とっていたそうです。様々なメディアからの「試合中、何を書いているのですか?」という質問に対して、監督は次のように答えています。「試合中はシュートを打った、ディフェンスはやられたなどと書き、その内容がコーチと合致すればハーフタイムで伝える。さらに試合後はロッカールームでも記入し、勇気や勇敢に戦ってくれてありがとう、この成長が大切だと選手に要望することを書いている」とのことです。このように細かく記録をとっているからこそ、根拠に基づいた説得力のあるアドバイスや指導ができているのではないでしょうか。

これらが、私が思う森保監督ならではのリーダーシップです。この3点をやり続けることは決して簡単なことではないと思いますが、森保監督は成し遂げ続けているのです。

スポーツの監督のみならず企業においても、管理監督職をはじめとしてリーダーシップの発揮が様々な場面で求められるわけですが、森保監督の言動を通してリーダーシップを身に付けるためには、地道な努力が必要なのではないかと改めて考えています。

森保監督のリーダーシップに大いに期待したいと考えている私は、今後も監督の一挙手一投足に目が離せません。

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第1,145話 「ブラボー! 自分の武器になるリーダーシップとは」

2022年12月07日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。(冒頭の写真はYahoo!ニュース  Yahoo! JAPANより)

今年の流行語大賞にこそならなかったですが、FIFAワールドカップ カタール大会に出場した長友佑都選手が発した「ブラボー」は、日本チームのみならず、応援する我々にも大変大きな影響力を発揮した言葉であることは多くの人が頷くところでしょう。

インターネットに公開されている動画によると、1次リーグの最終戦のスペインとの激闘の後のロッカールームで、長友選手が他のメンバーを指しながら「ブラボー、ブラボー、ブラボー、ブラボー、ブラボー!」を連発しながら、次々にメンバーをハグしていました。また、同点ゴールを決めた堂安選手には、ハグをしながら「おまえ、すげえな。次もがんばれ」と声をかけていました。

長友選手は、これまでワールドカップに4回出場しています。この間、キャプテンにこそなってはいませんが、毎回長友選手ならではのリーダーシップを発揮してきています。「リーダーシップ」の定義は様々ありますが、私は長友選手は「明るさ」によってプラスの影響力を発揮したと考えています。あのハイテンションで「ブラボー!」を注入されたら、自然と周囲は前を向いて頑張ろうという気持ちになるのではないかと思うのです。

実際、長友選手もインタビューで次のように語っています。「今の選手1人1人のキャラクターを考えたとき、自分はどういうキャラでチームにいれば良いんだろうと。どんどん熱を出していかないといけない、使命的なものを感じた。熱を出すことで確実にチームにプラスになると思った」まさに「ブラボー」でチームに熱を込めたのだと思います。

加えて、長友選手は後輩を気遣う言葉もたくさん発しています。インタビューでは、「批判は自分がすべて受け止める」、「後輩を讃えてほしい」、「勇気を持ってPKを蹴った選手たちを讃えてほしい」。さらにクロアチア戦のPKでゴールを決められず、試合終了後に動けなくなった選手たちに真っ先にベンチから駆け寄り、声をかけ背中をさすって回っている姿も見ることができました。こうした言動を通じ、明るいだけでなく後進を育てようとする長友選手の姿勢も強く感じられます。

長友選手はワールドカップで自分らしいリーダーシップを発揮したわけですが、それでは企業において長友選手のように「ブラボー」を連呼すれば、良い影響を与えることができるのかと考えると、それだけではやはり難しいと思います。今回の長友選手のようなテンションで四六時中「ブラボー」を連呼されたら、周囲は鬱陶しく感じるようになってしまうはずです。ワールドカップという限られた期間だからこそ、長友選手はプラスの影響力を発揮できたのではないかと思います。

実際、長友選手もインタビューで「耐え忍んで耐え忍んで、輝く時間は一瞬だけど、そのために夢見て、苦しいことを乗り越えて、頑張り続ける。サッカー選手は桜の木のようだなと感じている」と発言しています。短期間だからこそ、輝くほどの良い影響力を発揮できたということなのではないでしょうか。

そのように考えると、ビジネスパーソンの組織においても、ここぞというときに瞬発力を発揮し、自身の武器によって周囲にプラスの影響力を発揮できるようになるのが大切なのではないかと思うのです。そして、ここぞというときにリーダーシップを発揮できるようになるためには、準備が必要です。まず、自身にとっての武器は何なのか、を探すことから始めてみることが大切なのではないでしょうか。さて、あなたにとってブラボーに匹敵するような武器とはどのようなものでしょうか。

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第1,144話 口癖は直した方がよいのか

2022年11月30日 | コミュニケーション

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「ご提案をするかたちで」、「個人情報に則ったかたちで」、「エリアマーケティングというかたちで」

これは、先日ある企業の営業担当者のプレゼンテーションの際に聞いた言葉です。同じ会社から2名が出席し説明をしたのですが、どちらの人も「・・・・かたちで」という言葉を次々と連発したため、私は途中からこの言葉が気になってしまい、肝心の話の内容があまり耳に入ってこなくなってしまったのです。

この「・・・かたち」は口癖の一つだと思いますが、口癖には様々なバリエーションがあります。一般的に多いのは、話の冒頭に「えー」、「あのー」などの音を入れてしまうものですが、いずれであっても、使用頻度が多くなると耳障りに感じてしまう人が多いのではないでしょうか。

口癖が全くない人もいますが、では口癖がある人はどうしてそれを発してしまうのでしょうか?私のこれまでの経験から考えてみると、口癖を連発してしまう人も飲み会の席など比較的リラックスしているような場面では、口癖を発することは少ないように感じています。

そう考えると、やはり緊張感が原因の一つなのかもしれません。確かに、プレゼンテーションやスピーチなど、大勢の人を前にした際に、口癖を連発してしまう人が多いように思いますので、緊張感は大いに影響がありそうです。

ちなみに、私自身は聞き手の人数に関係なく、頭の中で整理できていないことを説明するときに「あの」と発してしまうことがあることを自覚しています。

では、これらの口癖をなくしたいと考えている人はどうすれば良いのでしょうか?

それには、まず自身の声を録音し、どのくらいの頻度で口癖を発しているのかをきちんと自覚することから始めてみることがお勧めです。弊社が行ったプレゼンテーション研修の中で実際に録音をしたことがありますが、自分がこれほど口癖を連発しているのかと驚く人が何人もいるなど、本人が自覚するにはとても有効な方法です。

次にすることは、プレゼンテーションの準備をしっかりと整えることです。緊張を強いられる場面で口癖が出てきてしまう人が多いのですから、逆に言えばそうならないようにあらかじめ丁寧に準備をしておくことには大きな効果があります。あわせて話す際に句読点で間を入れる、一語一語ゆっくり話すことを意識するのも有効です。

また、冒頭の例のように同じ部署で仕事をしていると、いつの間にか口癖が伝染しまうということもあるようです。そういうときには、思い切って部署全体の課題事項として改善に取り組む事項に位置付けるというのも一つの手かもしれません。

もちろん、「口癖は問題ない、愛嬌だ、話す中身が大事だから直す必要はない」という考え方もありますので、絶対に直さなければならないとまでは言えないとは思いますが、あまりに連発されると気になる人も多いと思います。

口癖があるのか、ないのかを含めて、まずは定期的に自身の話し方を振り返ることから始めてみることが良さそうです。自戒の念をこめて。

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第1,143話「絶対悲観主義」を薦める理由

2022年11月23日 | キャリア

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「悲観」とは、「物事がうまくいかず、悲しんで失望すること。または落胆すること」と辞書に書かれています。楽観の反対の意味である悲観は、一般的にはマイナスの状態をさして使用することが多い言葉です。

「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中には一つもない」、「こと仕事に関していえば、そもそも自分の思い通りになることなんて、ほとんどありません」

これは「絶対悲観主義」(楠木健2022 講談社+α新書)の中での著者の言葉です。

「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中にはひとつもないという前提で仕事をする」こと、「世の中は甘くない、・・・うまくいくことなんてひとつもない」これが楠木氏が言うところの「絶対悲観主義」です。

絶対悲観主義を前提に仕事をすれば、たとえば会社の内外を問わず納期が過ぎてしまっているのにもかかわらず何の音沙汰がないことに慌てたり、イライラしたりするなどのマイナスの感情を持つことが減るのかもしれません。もともと上手くいかないことを前提に、予め先手を打ったり予防線を張っておいたりするなどの備えをしておけば、仮にそれがうまくいかなかったときでも「やっぱりそうなったか!予期していたとおりだ。それなら、こういう手を打とう」というように、さほどがっかりもせずに、粛々と事を運べばいいというふうになるのかもしれません。

私たちは物事を楽観的に考え、「きっと大丈夫だろう」「きっとうまくいくだろう」とさしたる根拠もなしに思い込み、きちんとした準備もすることなく物事を始めてしまい、その結果痛い目を見るということが少なくない。そうしたことから、この「絶対悲観主義」の考え方が出てきたようにも思えます。

私自身、これまで仕事やプラーベートの上で思いどおりにいかず、慌てたりいらいらしたりすることは数えきれないくらいあったわけですが、はじめから自分の思い通りにうまくいくことなんてないのだと思っていれば、さぞかし気持ちは楽だったろうなと思います。

同時に、私はこの「絶対悲観主義」は「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中には一つもない」から、物事をいい加減にやってもいいと言っているのではなく、「自分自身はやるべきことをきちんとやったうえで、それ以上のもの(他人や環境など)には過度の期待をしないこと」と言っているようにも理解をしました。

他者や周囲の環境は、なかなか自分の思い通りにコントロールすることはできませんが、逆に言えばそれ以外の自分でやれることはきちんと準備をしておく。まさに「人事を尽くして天命を待つ」ことの大切さにも触れているように感じられたのです。

「思い通りにいかないことを前提条件にすることで、逆に自分に対して楽に生きることができる」との著者の言葉、何十年も仕事をしてきたからこそ、改めて染み入ります。良い意味で他者に期待しない、その上で自身としてどう準備するのかが大切なのだと思います。

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