中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第828話 今があるのは1回目があるから

2019年07月31日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「経験豊かな人を探しているのですが、このテーマについてはどのくらいの経験がありますか?」

企業などから研修のお問い合わせをいただく際に、時々こうした質問をいただくことがあります。

私自身は研修講師としてのキャリアは長いのですが、それだけでなく研修テーマについての経験の有無が採用の判断材料になっているのです。

一般的に、人は経験することによって様々なことを学びますから、経験が少ないよりは多い方が良いと考えることは、もちろん理解できます。経験が多ければ、それだけたくさんの状況に対応しているわけですし、そもそもそれくらいたくさん導入されている講師であれば、失敗はないだろうと主催者が安心材料として考えるのはごく自然なことです。

また研修以外にも、もし自分や家族が手術をすることになったとして、病院や医師を選ぶとしたら、多くの人は手術の実績が多い病院を選んだり、手術の経験が豊富な医師に手術をしてもらいたいと考えたりするでしょう。たとえ遠路であっても、そういう病院やそういう医師を求めて転院したりするのは当然のことだと思います。

しかし、このような話を聞くたびにいつも思うのは、どういう仕事であっても「今があるのは1回目があるから」ということです。

すべてが経験豊富な人ばかりを求めていたら、経験が少ない人はいつまでたっても経験を積むことはできなくなってしまいますし、経験を積むためには一体どうすれば良いのでしょうか?

講師の仕事で言えば、初めは他の講師が研修を行っているのを傍で(場合によっては受講者として)見ることから始め、少しずつ担当させてもらい、その後担当する割合が増えていくことによって「点」の経験が「線」の経験になり、やがては「面」の経験になることによって、経験豊かな講師になっていくのだと思います。

先日、お会いした30代前半のビジネスパーソンから聞いた印象的な話があります。

自分には到底できそうにもない億単位の大規模なプロジェクトを任されたときに、始めは「自分には無理ではないか」と言ったそうです。

ところが、上司から「やってみろ。お前ならできる。そして、万が一失敗するようなことがあったら俺が責任を取る。心配するな」と言われたそうです。途中、細かいトラブルはいろいろあったそうですが、最終的にはそのプロジェクトは見事成功に至ったそうです。

彼は、今回このプロジェクトを成功させた経験によって、とても自信がついたとのことで、「次はもう少し大きなプロジェクトにも挑戦してみたい」とおっしゃっていました。

手術であっても、研修あっても、そして、大企業でも中小企業であっても、誰にとっても必ず1回目の経験があり、その後経験を積み重ねていく中で成長し 、はじめて実績豊かな経験者になれるのです。

どの世界であっても経験者ばかりを優遇したり活用したりしていると、いつまでたっても後進は育ちません。上司がフォローをしながら、敢えてハードな仕事を経験させてみる、まず、そこから始めることで経験者を育成していくことができるのです。

上司の皆さんは、どうか「誰でも1回目があり、その後の積み重ねを経てはじめて経験豊かな人になれる」ことを忘れずに、後進を育てることにチャレンジしてください。

************ お知らせ************ 

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2019年8月29日(木) 10:00~17:00
会場 航空会館 会議室(東京都港区新橋1-18-1)
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第827話 中小企業は「生産性の向上」からはじめよう

2019年07月28日 | セミナー

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

働き方改革関連法案の成立・施行以来「生産性の向上」は企業にとって最大の課題になっています。新聞やテレビでは、大企業が取り組んでいる「ノー残業デー」や「オフィスの一斉消灯」の実施例が紹介されています。たしかに、仕事の時間を機械的に制限すれば記録としての残業時間は削減できます。

もちろん、それに伴って仕事の量を減らすことができれば問題はありません。しかし、仕事の量を減らすことは売上を減らすことであり、会社の存続にかかわってきます。しかも人手不足ですから、今の仕事のやり方を続ける限り、残業は増えこそすれ減ることはないでしょう。では、どうなるか・・・

結局、労基署に知られないようにファミレスや喫茶店でこっそり行う「ステルス残業」や、仕事を家に持ち帰ってプライベートの時間を使って行う「家庭内残業」等でなんとかこなすしかありません。これが大企業の実態です。

ところが、多くの中小企業はいったい何をどう勘違いしたのか、大企業の真似をしています。

先日もある中小企業の社長さんから、「ノー残業デーとオフィスの一斉消灯をやってみた」といった話を聞きました。大企業のマネも結構ですが、まずは効率を上げること、つまり「より短い時間で仕事を終わらせること」を第一に考えるべきです。

中小企業は大企業に比べると外部からの影響を受けやすい存在です。顧客からの急な仕様変更依頼、超短納期の仕事といった大きなものから、「明日までにXX用意しといて」とか「この部分もう少し変えられないかな」といった(顧客から見れば小さな、しかしそれに応えるには結構大変な)要求が日常的に割り込んできます。

その結果、予定していた仕事が滞ってしまいます。この状態を「仕事の渋滞」と言います。大企業のマネをする前にこの「仕事の渋滞」を何とかしなければなりません。

「そんなことを言ったって、お客さんの言うことを聞かないわけにいかないじゃないか!」

本当にそうでしょうか。

もちろん100%こちらの思う通りに進むはずはありません。しかし、お客さんからの無理難題にある程度「先手を打って」対策を用意しておくなどの手段を取ることで、無駄な長時間労働を大幅に減らすことができます。

いきなり100点満点は無理ですが、今の状態が「落第」ならば50点を取って赤点を免れることは必ずできます。それが中小企業にとっての生産性向上のあるべき姿です。

そんな「先手の打ち方」を以下の公開セミナーで惜しげもなく公開いたします。

是非ご参加ください!

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第826話 筆圧が弱い人、声が小さい人

2019年07月24日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

弊社が行う研修やセミナーでは、テーマに関係なく様々な演習に取り組んでいただいています。まず、受講者一人一人で取り組んでもらい、その後グループで話し合いをしていただくのが一般的な流れです。

私たち講師は、受講者それぞれに取り組んでもらっているときには、進み具合を確認しつつ、記入があまり進んでいない人には適宜アドバイスをしたりします。

ところが最近こうした場面において、ちょっと気になることが起きているのです。

それは、受講者が書いた文字の色が非常に薄く、背中越しにはなかなか判読ができないのです。たくさん記入しているのですが、文字が読めないので「どのように書いてくださったのですか?」と尋ねたりするのですが、そういう人が一昔前と比べて増えたように感じます。

また、研修終了時に書いていただくアンケートも、同様に文字が非常に薄い人がいます。主催者がアンケートのコピーをくださいますが、文字が薄いために、せっかく記入してくれた感想も判読することができず、残念に思うことも少なくありません。

では、文字が薄いのはなぜなのでしょうか?シャープペンシルで書いた人の文字だけが薄いわけではなく、ボールペンや最近使用者が増えている「消えるボールペン」でも同様に感じますので、文房具自体の理由というわけではなさそうです。

それではどうしてなのか?

私が見たところでは、明らかに筆圧(文字の濃さ)が弱い人が増えているように感じます。さらに、筆圧が弱いのは年長者よりも圧倒的に若い人に多いようなのです。

若い人に多いのは一体なぜなのか?原因はいろいろあるかと思いますが、一つにはパソコンやスマートフォンが普及し、昔と比べ「書く」機会が減ったことがあるのかもれしません。それゆえに、文字を書くときに力が入らないのでしょうか?

これと関連して、もう一つ最近の若い人の特徴として、声が小さい人が多いと感じることがあります。研修やセミナーで行っていただくグループワークでは、必ずディスカッションの内容を発表していただいていますが、その際、極端に声が小さい人がいるのです。

先日もあまりにも声が小さく、よく聞こえなかったので「ボリュームを3つくらい上げてみましょう」と声をかけてみましたが、結局あまり改善されませんでした。そこでマイクを使ってもらいましたが、それでも聞き手にしっかり届くボリュームにはなりませんでした。

声が小さい理由には、発表内容および自分自身に自信がない、大勢の前で話すことに慣れていない、性格が控えめなど様々な理由が考えられます。そのため、「声のボリュームを上げて」と言われても、マイクを渡されたりしても、簡単には変えられないことは想像できます。

しかし、声の小さい人を観察していると、大勢の前で発表するときだけでなく、休憩時間に顔見知りと思われる人と会話しているのを見ても、実は一様に声が小さいようなのです。

そうは言っても、ビジネスパーソンとして組織の中で働く以上、相手に届かないような声のボリュームではコミュニケーションをとることも難しいわけです。相手にきちんと伝えるためには、声を大きくする、人前で話すことに慣れるなどの努力は必須ではないでしょうか。

筆圧も同様です。確かに書くことが少なくなった時代ではあるのでしょうが、筆記用具を使って書くことは仕事以外でも様々あるはずです。他者が判読すらできないような文字の筆圧では困ります。

果たして、筆圧と声の大きさに何らかの因果関係があるのかないのかはわかりませんが、若い人の傾向の一つとして、近年はっきり感じる一コマです。

皆さんはどのように感じていらっしゃいますか。

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第825話 人事評価はAIに丸投げ?

2019年07月21日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「うち(当社)もきちんとした人事評価制度を導入しようと考えています。上手くいけば、若手社員の退職者も減ると思います。」ある会社の社長さんの言葉です。

この会社は、急成長に伴って毎年新卒と中途を合わせて5~6人を採用しています。一方で、数年前から若手社員が何人か辞めています。退職の理由は様々でしたが、「なぜ自分はそのような(低い)評価なのか」という不満が共通してありました。

そこで、公平・公正な人事評価制度を作ろうと色々と検討した結果、行き着いたのがクラウドベースの人事評価システムの導入でした。

社長さんはその評価システムの「カタログ」を私に見せてこう言いました。

「このシステムにデータを入力すれば、後はAIがしっかりと公平な評価を下してくれます。どう思いますか?」

私はそのカタログの書かれている内容を見て驚きました。

冷静さ、誠実さ、几帳面さ、ストレス耐性、ビジネスマナー、思いやり、行動志向、自立志向、柔軟思考、素直さ、チャレンジ性、目標達成への執着、親密性、ユーモア、第一印象、プレゼンテーション力、傾聴力、新規開拓力、人脈、上司・先輩との関係、ムードメーカー性、チーム精神の発揮、政治力、情報の収集、情報の整理、情報の伝達、情報の活用と共有化、情報の発信、専門知識、文章力、計数処理能力、処理速度、計画性、業務企画力、視点の広さと深さ、アイデア思考、論理思考、状況分析、リスク管理、経営資源の活用、部下・後輩の指導や育成、経営幹部との関係、権限の委譲、システム管理力

こうした数多くの評価基準が「成績」「能力」「情意」という大項目にまとめられ、点数化されるのだそうです。

「社長さん、このデータは誰が入力するのですか?」私がたずねると、社長は少し困ったようにこう言いました。

「若手、中堅社員の上司である課長か部長です・・・いや、言いたいことはわかりますよ。もちろん全項目を使うわけじゃありません。大体15~20個くらいかな。」

「もしかして、管理職の方々にとって面倒な『部下の評価』という仕事を外部に丸投げしようとしていませんか?」

「いや、そんなことはありません。なにしろAIが公平・公正な判断をしてくれますから・・・」

そう言いながらも社長さんは少し不安そうでした。そして、私にこう言いました。

「実は人事部長からこのシステムを入れてくれと頼まれたのです。やはり無理があると思いますか?」

私は「はい。無理があります。まず入力項目が多すぎて、まっとうな判断ができません。適当に点数を付ければ矛盾した結果になります。」と言いました。

「ここにある評価項目は一般的に『良い』とさている特性を並べただけのものです。たとえば『冷静で几帳面だけどチャレンジ精神と行動力にあふている』人なんていると思いますか?ナンセンスです。」

社長さんはちょっとだけ安心したような顔になりました。

その後、システムの導入が中止になったことは言うまでもありません。

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第824 叱るときには直接伝える

2019年07月17日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「本当は職場の飲み会にはあまり行きたくありません。もっぱら、飲み会に参加していない人間の噂話が話題の中心だからです。でも、自分が噂話のターゲットにされるのは嫌なので、いたし方なく参加しています」

これは先日、弊社が監督職を対象にした公開セミナーを担当させていただいた際に、ある男性の受講者が語った言葉です。

彼は、飲み会自体は決して苦手というわけではないそうですが、噂話ばかりしている飲み会に行くのが時間とお金のムダと感じてしまうとのことでした。

確かに彼の勤める会社に限らず、職場の飲み会は多かれ少なかれ噂話で盛り上がることはよくあることです。

飲み会での噂話は必ずしもマイナスの内容ばかりではないでしょうが、それでも他者を揶揄したりすることは少なくないと言えそうな気がします。

先日も、たまたま入った居酒屋で隣に座っていた管理者と思われる人たちが、部下のことを面白おかしく噂して、大笑いしているのを見かけました。

話は変わりますが、先日亡くなったジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川さんは、所属タレントを指導したり叱ったりする際は直接本人に指摘し、本人がいないところでそれを嘆いたり他者を介したりすることは決してしなかったとのことです。

「直接叱る」ことは、ジャニーズ事務所を興して57年、40グループ、160人以上のアイドルをこの世に送り出し、人気アイドルに育て上げたジャニー喜多川さんならではの一つの哲学だったのかもしれません。

部下を育成するうえでは、必要に応じてほめたり叱ったりすることはとても大切なことです。しかし、それを適切に行わないと、成長どころか逆に本人のやる気を失わせてしまったりしかねない面も持っています。

ほめるときの有効なポイントの一つに、本人に直接伝えるだけでなく、他者を介したり人前でほめたりすることがあります。一方、叱る際のポイントとしては、決して間に人を介したりするのではなく、直接伝えることが大切です。マイナスのことを第三者者から指摘されたりしたら、嫌な気持ちになるのは想像に難くないでしょう。

ジャニー喜多川さんは、そのような人間の感情の機微を十分に理解してされていたのでしょう。それ故に、「叱る際はその場で直接本人に言う。」をきちんと実践されていたのだと思います。

そして、このことは叱られる側にとってもジャニー喜多川さんへの信頼を、そして両者の絆を強くすることにつながっていったのではないでしょうか。

これこそが、所属する大勢のタレントをトップアイドルにまで成長させ、今も強い絆で結ばれているジャニーズ事務所の成功の秘訣の一つだったのではないかと思うのです。

さて、冒頭の例のように、飲み会では部下のことをいろいろと揶揄するのに、いざ本人を目の前にすると、きちんと指導できない上司がいます。

マイナスのことであればあるほど、他者の口からでなく直接上司の口から伝えること、それが部下の成長のために大切であることは言うまでもありません。

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第823話 会議は工場

2019年07月14日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

「ただひたすら長い」「議題からずれている」「発言しない人がいる」会議をめぐる様々な不平不満が会社の中でよく聞かれます。

こうした「ダメな会議」を改善するためにはどうすれば良いのか。様々な書籍やセミナーによると「時間厳守を徹底する」「資料を事前配布する」「ゴールを決めておく」などが有効とされています。

しかし、こうした対策は一時的な効果に終わってしまう場合がほとんどです。

もしあなたの会社がメーカーなら「会議は結論を生産する工場」というポスターを作って会議室に貼っておくと良いでしょう。

工場では作業者が設備を動かして、材料を加工したり組み立てたりして製品に仕上げます。

もし、工場で設備や人が働き、電力や水や油などが消費されて1時間なり2時間なり経過した後、なにひとつ製品ができていないとしたらどうでしょう。

あなたが社長さんなら工場長に何と言いますか?

「クビだ!」くらいは言いたくなるでしょう。

「会議は結論を生産する工場」です。何時間も会議をして結論が出ないとしたら、何時間も稼働したのに製品が1つも作れなかった工場と同じです。

製造業に勤務されている方ならご理解いただけるでしょう。

「いや、いや、結論を出すばかりが会議の目的じゃないよ。情報を共有したり、皆の意思を統一したり、部長が部下の働きぶりを知る場だったり・・・」というご意見を聞いたことがあります。

しかし、それは会議ではありません。別の名称を付けてください。たとえば「情報共有会」「意思統一会」「働きぶり確認会」です。・・・さて、社長さん、この名称についてどんな印象を持たれましたか?

「いかがわしい!」そう思われたあなたは健全です。「会議は工場」のポスターを貼ってみてください。会議の効率は大幅にアップし、意思決定もスムーズになることでしょう。

「情報共有も、意思統一も、働きぶりの確認も、会議の一部だと思うよ。」そう思われた社長さん、すべての会議を「なんでも会」にすることをお勧めします。

しかし、社員が苦労して削減した時間を集めて「なんでも会」で消費する・・・どうなんでしょう。

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第822話 人材育成の効果は、社長の研修への姿勢によって決まる

2019年07月10日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「以前は社員をセミナーに派遣したり、社内で研修を行ったりしましたが、全く効果がなかったんですよ。だから、社員の育成にお金をかけるのは、もう止めたんです。」

時々、このようにおっしゃる中小企業の経営者にお会いすることがあります。

そもそも、人材育成は1回行ったからといって、即、社員が見違えるように大きく変わるようなことはほとんどないのですが、この経営者はそれを期待されているわけです。

もちろん、パソコンスキルなどのテクニカルなスキルを習得するような研修であれば、すぐに効果が認められるでしょう。しかし、セミナーや研修で行うほとんど(すべて?)の知識やスキルを習得したり、社員の意識変革を目的としていたりする研修では、短期間で劇的な効果を求めることは残念ながら、ほぼ無理です。

しかし同時に、人材育成は短期間での効果を求めることは難しくても、ある程度の時間をかけて繰り返し行えば、間違いなくジワリジワリと効果が出てくる性質のものでもあります。

冒頭のように人材育成に即、効果を求める経営者に「その研修には社長も同席されたのですか?」や「社員をセミナーに派遣される際は、社長も一緒に受講されるのですか?」と質問することがありますが、その答えは一律にNoです。

そして、「社員の教育はすべて総務に任せていますから。そもそも私にはそんな時間はありませんよ。私は経営者ですから」と続くのです。

実は、せっかく社員を育成しようとしても効果が上がらない最大の理由は、ここにあるのです。

せっかく人材育成に投資をしたとしても、それを担当部署に任せっきりの状態では効果は望めません。なぜなら、セミナーや研修の終了後にそれを実務でどのように活かしてもらうのか、また、どのようにスキルアップをしてもらうのか、経営トップの考え方を社員に直接伝えることができないのですから。

一方、「今回の研修は、中身もさることながらAさんの仕事のときには見えなかった新たな一面を知ることができた。それだけでも、研修をやってよかったですよ」とおっしゃる社長にお会いすることもあります。

また、「個人的には私も一緒に研修を受講したいですが、社員の考え方を観察したいという希望があるため、受講はせずに様子を見ていた方が良いと思っています」とおっしゃる経営者もいます。

こうして見ると、経営者の人材育成への考え方も実に様々です。

しかし、たくさんの経営者にお会いしていて感じるのは、研修の場に同席される経営者は総じて「うちの社員は〇〇のところが良いと思うのです」、「真面目ですよ、うちの社員は。それに素直な人間が多いですね」などとおっしゃるのです。

つまり、社員の良い面をきちんと認識していたり、強く期待したりされていて、さらに、それを社員に直接伝えることをしされています。

もう一つ、研修の場に同席される経営者の会社には、ある特徴があります。それは、利益が少しずつではあっても「上向き」だということです。

これは、経営者の「社員をきちんと育成しよう」という姿勢と、期待を伝えることが社員のモチベーションにつながり、それが業績にも良い影響を与えているというあらわれなのではないでしょうか。

今後、社員をセミナーに派遣したり、社内で研修を実施される際は、ぜひ社長も一緒にセミナーを受講したり、研修に同席したりすることをお勧めします。

なぜなら、それが効果を上げる大切な要素だからです。

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第821話 コミュニケーションは居直りから

2019年07月07日 | コンサルティング

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「退職者の本音はなんだったんでしょうか」先日ある会社の社長さんとお話ししていた時、急にこういわれました。
「?」急に脈絡なくそう言われてもどう答えていいかわからず、私がちょっとためらっていると、こう続けたのです。

「先月、入社2年目の若手が一人、突然辞めたんですよ。いや、こんなことをお話してもどうしようもないことはわかっています。やっぱり、彼と直属の上司、それに私とのコミュニケーションが不足していたんでしょうね。コミュニケーション不足・・・うん、それだな。」

私 「いえ、不足と言うよりコミュニケーションという行為の解釈の問題です。」

社長「ちょっと何言っているのかわかりません(笑)」

私 「社長さんはその社員に”わかってもらおう”と思ってコミュニケーションをとっていましたよね。」

社長「もちろんです。一方的に話をぶつける”インフォーメーション”はダメ。双方向の”コミュニケーション”が大事だって、そう研修で教えていたじゃないですか」

私 「そうです。でも双方向といっても、相手がそう思っていなければ上手く行きません。キャッチボールをするとき、相手にやる気がなければ続きませんよね。」

社長「相手に話し合う気がないときに話しても無駄ということですか?」

私 「はい。そうです。」

社長「はっきりしてますね(笑)。じゃあ、お互いにずっとその気がなければ話し合いなど成立しないじゃありませんか。」

私 「それです。部下も同じように思っています。”何かあったら遠慮なく言ってくれ”と言っておきながら質問しようとすると”後にしてくれ”とか、声をかけづらい態度をとっているとか。それが積み重なるとコミュニケ―ションは成り立たなくなります。」

社長「でも忙しい最中に即座に対応しろと言われても無理です。」

私 「はい。切羽詰まった場合でもない限りは“ボールを受け取る気がないかもしれない”と考えておいた方が良いでしょう。そして、そのことを相手にも伝えておくことです。」

社長「“人間、話をしたくないときもある”ことをお互にわかっておきなさいということですか。それ、なんか居直ってません?。」

私 「そうですね(笑)。コミュニケーションという行為をそのように解釈しておけば間違いなくコミュニケーションは改善します。」

それでも改善しない場合は採用時に人選を誤ったということになります。あ、これは私の居直りだと思っていただいて結構です。

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第820話 ワークエンゲージメントを上げるためには

2019年07月03日 | コミュニケーション

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「上司に相談しても無駄なんですよね。これまでに何度改善提案をしても、結局聞き流されてしまっているようで、一向に取り上げてもらえないんです」

これは先日、弊社が担当させていただいた主任を対象にした問題解決研修の時に、一人の受講者から聞いた言葉です。

この企業では、問題解決研修を数年にわたって行っています。それは、問題意識を高め主体的に問題を発見し、課題解決をしてほしいという考えに基づいていて実施しています。

冒頭のような改善提案は、研修に繰り返し出席することで問題意識が高まり、その結果職場や担当している仕事に改善点が見つけられるようになっているのですから、研修の効果が出ていると言えるわけで、会社としては本来とても喜ばしいことのはずです。

実際に、職場の問題を解決しようと動くとすると、一人で解決することはなかなか難しいことが多いです。

たとえば、前工程や後工程も巻き込んで問題を解決するためには、周囲の協力を仰ぐ必要があります。しかし、主任である彼が単独で他部署に協力を求めるのは難しいために、先ず上司に相談をしたわけなのです。

しかし、結果は上司に話を聞き流されてしまい、すっかりやる気をなくしてしまったそうです。

ここで、話は変わりますが「ワークエンゲージメント」について考えてみたいと思います。

ワークエンゲージメントとは、従業員が仕事に対して感じている充実感や、就業意欲を総合的に表す指標と言われています。また、同時にワークエンゲージメントは健康度を示す概念の一つでもあり、最近では多くの企業が重視している指標の一つです。

ワークエンゲージメントに関しては、複数の機関が国際的に調査していますが、いずれの調査を見ても日本は最下位という結果が出ています。

確かに、冒頭の例のようにせっかく部下が研修で学んできた内容を実務で活かそうと上司に働きかけたとしても、その上司が協力をしないばかりか、話を聞き流すようなことをしてしまうというのは何とも困った話です。

これでは、部下のやる気を削いでしまうばかりでなく、同時に上司に対する信頼も失われてしまいかねません。そしてその結果、部下が「二度と改善提案なんてするものか」と考えてしまうとことにもなりかねないのです。

実際、冒頭の例では「少なくともこの上司には二度と相談はしない」と、残念そうな表情で言っていました。こうなっては、ワークエンゲージメントの向上はとても難しい状況と言えます。

それでは、この上司はなぜ彼の提案に対して真摯に向き合わなかったのでしょうか?

話を聞いたところから想像すると、その上司は非常に忙しく、席にいることは滅多にないとのころです。上司の方からすると、部下の話をゆっくり聴いたり、改善提案に対して具体的な指示を出したり、フォローをしたりする余裕がないのも事実なのかもしれません。

しかし、自社のワークエンゲージメントを向上させようとするのであれば、すべてとまでは言わないまでも、その大きなカギを握っているのは上司のはずです。

部下からせっかく改善提案を受けたのであれば、どんなに忙しかったとしても10分でも15分でも何とか時間を捻出して、提案に真摯に向き合う。部下に仕事の充実感を味わってもらうためにも、先ずはそこから始めていただきたいと思います。

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