中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第1,025話 じゃあ、あなたがやって見せてください!

2021年05月30日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「じゃあ、あんたがやってみせてよ!」一所懸命に仕事をしていてもなかなか結果が出ないことがあります。そんなときに傍(はた)からああだこうだ言われたら、ついそう言い返してしまいそうです。

プロ野球の試合を見ていて、誰かが「今のゴロくらい捕れよ!」と選手に野次を飛ばしても、「じゃ、お前やってみろよ!」と選手から言い返されることはないでしょう(あったら面白いのですが)。プロに対して素人である観客が野次を飛ばす、文句を言うのはご愛敬です。

また、職人が作業中にしくじったとき、親方から「何やってんだ!」と言われたとします。職人は「じゃあ、あんたがやってみせてよ!」とは言わず「どうすれば良いか教えてください」と言うでしょう。

プロとお客、師匠と弟子のように、技量が明らかに違う場合は良いのですが、それがはっきりしない会社の仕事においてはなかなか難しいものがあります。しかし、このフレーズがある意味、役に立つことがあります。

たとえば、経理部から営業部に異動してきたばかりの課長が、成績が悪い部下に「もっとお客様への訪問回数を増やしなさい」と言ったとき、「じゃあ、課長がやって見せてくださいよ!」と切れたように言い返す、そういうことは大いにあり得ます。

その課長が上司の部長に「きちんと部下を管理しろ!」と言われたとしても、「じゃあ、部長が・・」とは言わないのが一般的な職場の不文律です(中間管理職は大変ですね)。

こういうとき、あなたが課長だったら部下に対してどのように対応しますか?

答えは色々あると思います。ちなみに私が過去に管理職だったときには、幸い部下にそう言われたことはありませんが、仮に言われたとしたら黙って引き下がっていたと思います。そして部下の人事評価を最低ランクにして、部長に対して「あいつは全然使えないので他の部署に異動させるべきです」と言ったと思います。

陰湿ですか? いいえ、これが正しい答えです。「じゃあ、課長がやって見せてくださいよ!」などという営業担当者は異動させるべきです。そして、そのことを職場の全員に知ってもらうことも必要です。

研修講師や「部下育成の本」が何を言おうが、いい歳をした大人の性格や考え方を変えることはできません。上司が部下を育てるのは「育てるに値する部下」だけです。経営者はそのことを社員全員に「正しく」知らしめるべきです。それを怠ると会社の業績はどんどん悪くなっていきます。

「育てるに値する部下」とは上手く行かなくても、失敗しても「自分事」として捉え、アドバイスには素直に従う社員です。そういう社員に対しては上司だけではなく全員が全力でサポートする。そういう組織文化をつくることが大事です。

とはいえ、人間、イライラしている時に文句を言われるとつい「じゃあ、・・」と言いたくなることもあるでしょう。上司・先輩の立場にいる人はそんなことを言われたら「育てるに値する部下」とはどいうものか、きちんと説明してあげてください。ただし2回までです。3回目は「人事評価」ではっきり白黒(黒白)をつけましょう。

え?このブログの主張には納得できないですって?

じゃあ、あなたが書いて見せてください!

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第1,024話 やっぱり嫌われるのが怖い?

2021年05月26日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「そんなに、はっきりと伝えていいんですか?」

弊社が管理職研修を担当させていただく際、管理職役と部下役に分かれてロールプレイングをしていただくことがありますが、ロールプレイングの終了後に上司から部下への伝え方の回答例をお示しする際に、冒頭の質問を受けることがあります。

それに対し、私の方から「それではどのように伝えればよいと思いますか?」と受講者へ質問すると、「もっとオブラートに包むように、やんわりと伝えないといけないのかと思っていました。」といった答えが返ってくることがあります。

もちろん、すべてのケースにおいて単刀直入に伝えることが必ずしも良いというわけではありません。しかしあまり遠回しな伝え方ばかりをしていると、こちらの真意が部下へ伝わらなくなってしまうことが懸念されます。

上司が育成を目的に部下へ伝えようとするのであれば、具体的な行為を指摘したり、どのようになってほしいのかをわかりやすく伝えたりすることが必要なことのはずです。しかし、それをせずにオブラートに包んでしまったら、真意はもちろんのこと部下へ成長して欲しいという思いすら伝わらなくなってしまうのではないでしょうか。

それでは、どうして管理職として部下にはっきりと伝えることをためらってしまう人がいるのでしょうか?これには様々な理由があるかと思いますが、一つにはパワーハラスメント(以下「パワハラ」)ととられてしまうことを心配している人がいるようです。本ブログでもこれまでに何度も取り上げていますが、パワハラと指導育成を目的に部下へ冷静かつ具体的に指摘することとは全く異なる行為なのです。しかし残念ながらそこを取り違えてしまっている人が少なからずいます。このように慎重になってしまう背景には、パワハラの問題が顕在化していることがあることも事実です。しかし、このようにパワハラと混同してしまうと、本来しっかり行うべききちんとした指導育成ができなくなってしまいかねませんので、きちんと分けて考えることが必要です。

それ以外の理由としては、「上司として部下から嫌われてしまうことが怖い」という気持ちが働いてしまうこともあるようです。部下から嫌われしまったら今後の仕事がやりにくくなってしまうのではないかと心配してしまうようですが、その気持ちはもちろん理解できます。

それでは、部下からパワハラと誤解されたり嫌われたりせずに、しかし上司として部下へはっきり伝えるには、どうすればよいのでしょうか?

単純ではありますが、それには一方的に伝えるのではなく、部下の反応を確認しながら具体的に伝えること。それに対する部下の言い訳も含めて、それをしっかりと聴くこと。これが大切です。

コミュニケーションの本来の意味を考えてみれば、一方的に情報を提供することではなく、発信者と受信者で情報を共有することの大切さはお分かりいただけることでしょう。

部下の育成をする際には、ぜひ遠回しな伝え方ではなく、具体的にはっきりと伝えること、そして部下の話をしっかりと聴くこと、これを徹底していただきたいと思います。

でも、そこまで努力しても部下から嫌われてしまったら・・・その場合には潔く受け入れ、その中での関係を作っていくように気持ちを切り替えることも大切なのではないでしょうか。

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第1,023話 新規事業はちゃんぽん型で

2021年05月23日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「新規事業に取り組む」というと、企業が景気が良い時に余剰資金で新しい分野に乗り込んでいく、というイメージがあるかもしれません。しかし、現在のように経済が停滞している時こそ新規事業を始めるチャンスです。

景気が悪く、資金が少ない時はお金の使い道に慎重になります。現状維持を最優先に考えるのが普通でしょう。そんな状況で、新しいビジネスを始めるというのは無理がありそうです。

多くの企業がそう考えるなかで、将来景気が回復したときを見越して新しい事業の準備をしておく会社もあります。当然大きなリスクを抱えることになります。

そのため、経営者としては新規事業を担当させる社員の人選には大いに悩むことになります。まず、社内のエース級人材を充てるのはためらうでしょう。かと言って評価の低い社員では失敗しそうだし、ベテラン社員は嫌がるだろうし、若手では力不足だし・・・

この点に関しては、新規事業の第一人者から大学教授まで、様々な意見があります。

スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのような、人格はさておき(失礼!)才能に溢れ何があっても突破する力のある人が良い、という意見もあれば、突出した人材よりも苦難に対してもチームワークで乗り切ろうとする人が良い、という意見もあります。

ベンチャービジネスのように、まったくのゼロからのスタートアップについてはよくわかりませんが、企業内での新規事業に関してどのような人材が必要かということは、私の経験から言えることがあります。

それは「ごちゃまぜが良い」ということです。

新規事業に社内の人材を異動させようと思ったら、大企業なら社内公募を行うでしょう。中小企業でも、社内に声をかけて興味のありそうな社員をに手を挙げてもらう方法があります。

もちろん良い方法だと思いますが、人材の「種類」にかんしてはごちゃまぜにした方が良いです。ハナから否定的な人は別として、突進型から慎重派、ベテランから若手まで、人数の制限いっぱいにバラバラなタイプの人を集めた「ちゃんぽん」にするべきです。

なぜそれが良いのかという理論的な言い訳(?)はできますが、それはさておき、私が今まで体験、見聞したことからそう思うのです。

それに加え「隠し味」として、社内政治に長けた中堅どころの社員を1人入れておけば完璧です。それでも新規事業が上手く行かないときは「経営者の責任」ということです。

いや!新規事業に限らず、すべては経営者の責任でした。失礼しました。

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第1,022話 問題を解決する方法を知っていますか?

2021年05月19日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

私たちの日常では、仕事であってもプライベートあっても、大なり小なり様々な問題が起こります。一つの問題を解決できたとしても、また次の問題が目の前に現れる、その繰り返しではないでしょうか。そう考えると、「人生とは問題解決の連続」だと言えるように思います。

このように日々様々な問題に直面している私たちですが、仕事であれプライベートであれ自分自身にとって大切な問題であればあるほど、何とか解決したいと考えるのが常だと思います。それでは私たちはどのように解決に向けて取り組めばよいのでしょうか? 多くの場合まず解決策を考えて、それを実行するかと思いますが、皆さんはこれまでこの方法でうまく問題を解決できたでしょうか?

有効な解決策を実行でき、すぐに問題が解決できたというケースももちろんあるでしょう。しかし逆に一所懸命取り組んだのに、問題がちっとも解決しなかったという経験をしたことも少なくないのではないでしょうか?

では、なぜ問題が解決できなかったのでしょうか?

私は「問題発見・課題解決」をテーマにした研修を担当させていただくことがありますが、そこでは問題の発見から解決までのステップを6段階に分けて紹介しています。問題を解決するためには、どのステップも避けて通ることはできないのですが、その中でも最も大切なのは原因分析です。

具体的には、目の前で起きている問題に対して、「なぜ起こってしまったのだろうか?」とその原因を掘り下げて考えるのです。「なぜ?」⇒「なぜ?」⇒「なぜ?」と問題の原因をどんどん深堀していくと、やがて真の原因が見えてきます。そして、この真の原因に対して解決策を立てて実行すると、問題を解決できる確率がぐんと高くなるのです。

一方、原因を深堀せずにいきなり解決策を立てて実行した場合、時間や費用をかけたわりには問題が解決できないということになってしまったり、ときにはさらに事態が深刻になってしまったりするようなことすら起こりえるのです。

では、私たちはどうして原因をきちんと追究することなく、解決策を立ててしまったりするのでしょうか?

意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これまで500回以上問題発見・課題解決研修を担当させていただいた私の経験から言うと、それは「私たちが問題をとことん深堀して解決策を探るという知識や方法を習う機会がなかった(少なかった)」からです。研修等で受講者に話を聞いてみると、就職してから先輩社員や上司からOJTなどで仕事の進め方を教わっても、実は問題が発生したときに深堀して解決に向け取り組むということをきちんと教わったことが少ないようです。

これでは目の前で問題が起こっても、解決につなげることが難しい状況をなかなか変えることはできません。

ぜひ経営者や管理職をはじめ上司の皆さんには、部下や新入社員に対して「原因をしっかり深堀して解決をめざす」ことを指導していただくことをお願いしたいです。また、そのために研修の受講機会を設けるなどしていただきたいと思います。

人生は問題解決の連続であり、前述のようにそのための努力を重ねることはもちろんです。でも、ときには100%の解決を目指せなくても、まずは「今の状態よりも少しでもよくなればOK」と大きく考えることも、問題解決への向き合い方として大切なことかもしれませんね。

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第1,021話 経営者は「3K」を学べ:(3)統計

2021年05月16日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「3K」と言えば「きつい・汚い・危険」の略で、主に肉体労働を指した用語と言われています。しかし、現代の経営者が学ぶべき3つのKは「会計(かいK)、統計(とうK)、経済(Kざい)」です。なぜ学ばなければいけないのか、3回にわたってお話しします。今回はその(3)統計です。

最近、データ分析に関する本やセミナーが目立つようになってきました。今回は「DX時代は中小企業もデータ分析力が必要です!」などとコンサル会社のPRのようなことをお話しするつもりはありません。

DXを実現するにはIoTやビッグデータを使いこなし、経営に役立つ様々なデータを入手することが必要です。そして、それらのデータを正しく分析し、経営上の意思決定に役立てなければなりません。しかし、それを実際にやるためにはどれだけのコストと人材が必要になるのでしょうか。お金を使う前にまずは知識を得ることをお勧めします。

そこで、今流行りのデータ分析のセミナーや研修の内容を見てみると、大体こんな内容になっています。

・IoT、ビッグデータとは?
・データのばらつき
・需要予測
・グラフによる分析
・市場データを見る
・販売データを見る
・在庫データを見る
・定量分析と定性分析
・データ活用のポイント
・自社での活用するには
・AIによるデータ分析

・・・大変失礼かとは思いますが、経営者の皆さんがこうしたコースを受講しても、はっきり言って何の効果も期待できません。時間とお金の無駄です。

経営者や経営に関わる管理職の方々には、「統計学の入門」を学ばれることをお勧めします。統計学を学べばデータ分析ができるわけではありませんが、少なくとも「○○のデータを分析するためにお金を払う価値はあるのか?」といったときに、なんとなく「臭い」を嗅ぎ分けられるようになります。

「臭い」というのはあいまいな表現ですが、コンサル会社や大手のSIが売り込んでくるようなデータ分析のサービスに対して、まともな「疑問」を提示することができるようになります。

たとえば、あるデータ分析サービスで「貴社の顧客を分析し、最善の営業戦略を作ります」という提案があったとします。そのとき、統計学を多少知っていれば様々な疑問をぶつけることができます。

「売上の標準偏差を出してそれからどうするんですか?」
「Excelで回帰分析をするのとどこが違うんですか?」
「どのような検定をするのですか?」

こうした疑問に対して、煙に巻くような答えを返してくるなら要注意です。ひとつひとつ丁寧に答えてくれるなら、信用しても良いかもしれません。

統計学の考え方はDX時代のリテラシーです。別に統計学の勉強を一所懸命する必要はありません。統計学の考え方をなんとなく分かってもらえるだけで良いのです。それだけでIoTやビッグデータを理解できるわけではありませんが、少なくともそれが役に立つのかどうか(なんとなく)嗅ぎ分けられるようになります。

「いや、それは何も経営者がやることではなく、うちの技術者がやることだよ」はい。そうかもしれません。

余談になりますが、統計学に関する研修で講師を担当すると、たまに理系出身の受講者の方から「知っていることばかりだった。もっと応用的な話が聞きたかった」とアンケートに書かれることがあります。

「知ってる話だった」は研修講師なら誰もが経験する「あるある」なのですが、きちんと統計学を理解して仕事で使っている方は意外と少ないというのが私の実感です。

もちろん、工場での品質管理やマーケティングの需要予測では日常的に道具としての統計学が活躍しています。

経営者の皆さんが統計学を道具として使うことはないでしょう。それでも自社の中で統計学をきちんと理解して使っている社員がどれくらいいるのか、あるいはいないのか、それを知るだけでも会社が生き残るために役に立ちます。

さて、統計学は入門からいきなり「確率」という数学が立ちはだかりますが、私は「確率」は(ちょっとだけ)後回しにしても良いと思っています(統計学と確率はコインの裏表のようなもので、とても大切なのですが)。

数学はちょっと苦手だけど、統計学には興味ありという方はぜひお問い合わせください。貴社の仕事内容に合った入門レベルの本をご紹介します。

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第1,020話 報連相が漏れてしまったことによる代償は大きい

2021年05月12日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「もう少し早かったら、手の打ちようがあったのに・・・」

これは、先日弊社が担当させていただいた管理職研修の受講者のA氏(課長職)から聞いた言葉です。A氏に状況をお尋ねしたところ、概ね次のような話でした。

Aの部下であるB係長が、ある事業を独断で中止してしまっていた。さらにそれについて報告がなかったために事態が判明した際には既に影響が大きくなってしまっていて、的確なフォローをすることができなかった。今年度だけの影響ではなく、次年度の予算獲得にも大きな影響を及ぼしてしまうことになったとのことで、「事態の大きさを痛感している。課長の私としては何に気を付ければよかったのか?」とのことでした。

この間の経緯についてさらにいくつか質問をしたところ、以下の問題があったことがわかりました。

まず1点目はA氏の言葉にもあったとおり、係長から課長への報告が適切に行われていなかったことです。本来のルールに従えば、この事業の執行の有無については係長だけの判断では決められず、必ず課長に報告し相談する必要があったそうです。それにもかかわらず、一切の報告もなく独断でことを進めてしまっていたということです。

それではなぜ、B係長は相談をしなかったのでしょうか?これが2点目の問題点になりますが、その理由はB係長が自分の判断で決裁できる予算額の限度を忘れてしまっていたということです。予算の決裁区分はルールとして明文化されていたのですが、B係長は時間の経過とともについ失念してしまって結果として課長への相談をしなかったようです。

3番目の問題としては、A氏もB係長も各々テレワークで仕事を行っていたため、B係長が独断で仕事を進めていたことに、A氏がすぐに気が付けなかったということです。A氏が言うには、テレワークではなく対面で仕事をしていたら、もっと早くこの問題に気づけたと思うけれど、テレワークでB係長から報告がなかったため気づくことができなかったそうです。

この話を聞いてあらためて考えたのは、報告のルールや予算執行に関するルールがあったとしても、時間の経過でルールが忘れられてしまうなど機能しなくなってしまうことがあり得るということです。そのため定期的に職場で確認し合うなどのバックアップ体制を用意しておく必要があるということです。                                   また、テレワークに関しては冒頭のケースのように部下からの報告がない場合は、上司の側が何もしなければきちんと情報を把握することは難しいということです。対面であれば部下が他者とやりとりをしている様子などが自ずと目に入ってきますから、一定程度の情報を得ることも可能です。しかし、それができないテレワークにおいては、上司の方からも意識して定期的に声をかけるなど、情報を取りに行く姿勢が必要ということです。

このブログでもこれまで何度も書いてきたとおり、仕事における「報連相」の重要性はいうまでもないことです。一方でテレワークはコロナ禍で一気に導入が進んだこともあり、仕事を進めるうえでの仕組み・ルールが十分に整備されていないケースも少なくないようです。今後、コロナ禍が収束したとしても、テレワーク自体は継続する組織が多いでしょう。そのため冒頭の例のようにしないためにも、まずは状況をしっかり把握できる仕組みを早急に整備していく必要がありそうです。あなたの会社では何から始めますか?

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第1,019話 経営者は「3K」を学べ:(2)経済

2021年05月09日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「3K」と言えば「きつい・汚い・危険」の略で、主に肉体労働を指した用語と言われています。しかし、現代の経営者が学ぶべき3つのKは「会計(かいK)、統計(とうK)、経済(Kざい)」です。なぜ学ばなければいけないのか、3回にわたってお話しします。今回はその(2)経済です。

経済を学ぶと言えば、日経新聞を読み、WBS(ワールドビジネスサテライト)をみる、そんなことがまず頭に浮かぶかもしれません。景気の見通しや業界動向、新製品の紹介記事など、自社の売上に間接的に、ときには直接影響しますから、まさに生きた経済を学ぶことになるでしょう。

もちろんこうしたリアルタイムで動く「経済」を学ぶことは、経営者にとって非常に大切なことです。ですが、今回は、考え方・ものの見方としての「経済学」をぜひ学んでいただきたいのです。

「経済」と「経済学」を区別しましたが、経済学は経済を客観視するための「軸足」になります。ある市場に関する消費動向はニュースで知ることはできますが、消費者の行動はどのような理論に基づいているかは経済学を学ばないとわかりません。国の財政支出や税率の変化によって景気がどう動いていくのか、なぜそうなるのか、学問的な説明が経済学によってなされます。

経済学の基本的な考え方(思想)は非常にシンプルです。(1)人は効用を求める、(2)資源は有限である、以上です。

効用とは財やサービスによってもたらされる「満足」です。資源とは財やサービスの素となるモノや労働力などです。本来ならば限界効用逓減の法則から市場メカニズムあたりの話までする必要があるのでしょうが、省略いたします(とてもとても面白いところなのですが・・・)。

さて、経済学の考え方(1)です。今、あなたの会社の製品が1つ売れたとします。その製品(財)は、顧客に満足(効用)を提供しました。それは、顧客が財によって得られる効用が、お金を支払うことで失われる損失(マイナスの満足と言っても良いでしょう)を補って余りあるというわけです。

この考え方は単純明快ですが、意外に忘れてしまうことが多いのです。新しい製品を作る、新商品を仕入れる、新しいサービスをメニューに加える、そうしたタイミングでぜひ経済学の考え方(1)を思い出してみてください。ひょっとすると見方が変わるかもしれません。

経済学の考え方(2)は材料や労働力のことだと思ってください。高い値段で売れる製品を作るためには良い材料が必要です。良い材料は当然ですが、競合他社も欲しがります。その材料がもしも無限に手に入るならば、値段は変わらないどころかタダ(無料)になります。それは現実的にはありえません。

労働力も同じです。優秀な人間が無限にいれば何の問題もないでしょう。それも現実的にはありえません。材料にしろ労働力にしろ、品質に応じて希少性(入手できる量が少ない状態)が高まるのです。

このようにたった2つだけの考え方の上に成り立っている経済学ですが、非常に精緻で幅広い体系を持っています。経済学自体は抽象的で学ぶ際には数学もある程度必要ですが、その応用範囲は広く、心理学や数学の力を借りてマーケティングのような「実学」にも及びます。

言うまでもなく経営者は「実学」を身に付け、日々の意思決定に使うべきです。その際、経済学に軸足を置いておけば判断がブレることはほとんどなくなるでしょう。

では、最後に経済学の入門書を1冊紹介しておきますので、ご興味をお持ちの方はご一読ください。

「高校生のための経済学入門 (ちくま新書)」小塩 隆士  (著)

高校生(大学進学をめざす)向けに語っている部分は読み飛ばして構いません。また、最近「流行」の行動経済学(ナッジ理論など)を読むのは、まずこの本を読んでからにすることをお勧めします。

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