中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第863話 小売、卸売、サービス業のための統計学のすすめ(3)

2019年11月28日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

さて、(1)大量のデータを扱う、(2)利益率が低い、という特徴を持つ小売業、卸売業、サービス業に焦点を当てた「統計学のすすめ」の最後(3回目)です。

統計学を学んだことのない人が「ちょっと入門本でも読んでみようか」と思ったとき、立ちはだかるのが数学の壁です。私の友人で「高校に入ってからは数学とはきっぱり縁を切った」と豪語する強者がいます。「1次関数も忘れた。Σ(シグマ)ってなんだ?「死熊」のことか?」だそうです。

多少おおげさかもしれませんが「小売業、卸売業、サービス業で働く営業担当者の8割以上はそういう人たちです。理系出身の人や、文系でも入試に数学があった人(国公立大学など)にとっては理解できないことかもしれません。

しかし、決して貶(おとし)めているわけではありません。数学は仕事に必要ないと思っているだけなのです。もし、数学が売上をアップさせ、利益を増やすために「使える道具」であるとわかれば、間違いなく学ぶことでしょう。

ただし数学は厳密な積み重ねの学問です。足し算がわからなければ掛け算がわからないように、1次関数がわからなければ回帰分析はわかりません。

そうした「積み重ね」の勉強は、営業担当者にとって少しも面白くありません。学生時代のように、面白くなくても勉強しないと落第してしまうといった切羽詰まった状況がない限り、どんなにやさしい入門書であっても読む気はしないでしょう。

私がこの本で最も重視したのは「面白さ」です。営業の現場で起こる様々なケースをストーリー形式で書きました。

たとえば、スーパーの野菜売り場にあるトマトのパッケージに「糖度8」といった表示があるのを見たことがあると思います。糖度とは、果物に含まれる糖分の割合を示す値です。甘みは温度や食感にも影響を受けるため、糖度イコール甘みではないのですが、糖度が高いと甘みを強く感じることが多いのです。

スーパーのトマトの糖度が本当に8かどうかは、1個ずつ糖度計で測ればわかります。しかし、大きなスーパーで扱う何千個のトマトをすべて調べるわけにもいきません。

では、どうするのかといえば、何個かを抜き取って糖度を計り、全部のトマトの糖度を推測するのです。

そのときに役立つのが統計学です。少ない標本(サンプル)から数学を使って全体を把握することができます。

よく選挙のときに、投票が終わるやいなや「当選確実」が出たりしますが、もちろんあれも統計学の手法を使っています。

多くの統計学の入門書は「投票」や「テレビの視聴率」などを例にとっていますが、「小売、卸売、サービス業の営業担当者」にとってはあまり興味のない、面白くない話でしょう。

それに対して、この本はトマトやメロンや牛乳などの販売を例にしています。スーパーや卸売業以外の業界の方でも、営業を担当されている方にとって「面白い」と言える内容になっていると自負しています。

「文系+営業」の皆様にこそ是非お読みいただきたい本です。

働き方の統計学: データ分析で考える仕事と職場の問題

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第862話 小売、卸売、サービス業のための統計学のすすめ(2)

2019年11月26日 | 仕事

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

さて、(1)大量のデータを扱う、(2)利益率が低い、という特徴を持つ小売業、卸売業、サービス業に焦点を当てた「統計学のすすめ」の2回目です。

働き方改革とは強制的に残業を減らすことだとばかりに、「19時にフロアの一斉消灯、サーバーの停止」といった強硬策を打ち出す企業もあります。しかし、実態は「オフィス消灯 続きは深夜のファミレス(朝日新聞2019年11月25日・朝刊・21p)」といった見えない残業が横行するケースも少なくありません。

なぜそのような事態になってしまうのかと言えば、「改革」の順番を間違えているからです。

まず仕事の効率化を推進すること。規制の強化はその次です。

「効率化しろと言うけれど、具体的に何をどうすればいいんだ?」そう言う社長さんは多いのですが、実はその言葉が効率化にブレーキをかけているのです。

効率化の第一歩はムダ(無駄)を省くこと・・・ではなく「ムダを見つける」ことです。なぜなら、目の前にあるムダだけを相手にしていてもキリがありません。次から次へと「新しいムダ」が生まれてくるからです。

ムダが生まれてくる温床(巣)を見つけて、そこをつぶさなければなりません。

営業部門でよくあるケースを考えてみます。

夕方、若手営業担当のA君が客先から帰ってくると、お客様からのメールが何通か入っています。読んでみるとX社から「大至急○○を2ケース持ってきてくれ」、Y社から「XXを5ダース明日の夕方までに納品してほしい」、Z社から「新製品のサンプルを1つ都合つけてくれないか」、どれも突発的な割り込み仕事の依頼です。

同じ営業部の先輩Bさんを見ると、やはり同じような依頼を精力的にこなしています。それもイキイキとして。

A君は「自分も早くああいう風になりたいものだ」と思うのでした・・・って、イヤ、イヤ、これではだめです!ムダな残業の温床を自ら整えているようなものです。

まずムダを「見つける」ことから始めます。

お客様からの突発的な仕事の依頼は、1日に何件来ますか?1週間では?月別では?

「突発的な出来事」は本来滅多に起こらないものです。そういう事態が生じる確率は、統計学では「ポアソン分布」に従うことが知らています。

営業部で「お客様からの突発的な依頼」を記録してみると、ばらつきの形が見えてきます。これにより「来月の依頼はポアソンに従うとすれば大体○○件くらいだな」という予測ができます。

次に、突発的な割り込み仕事は「なぜ」生まれるかを調べます。お客様別の過去のデータを調べてみると、意外や意外、ばらつきに特徴があることがわかります。X社は月末に、Y社はコンスタントに、Z社は展示会などのイベントの後に、といった具合です。

そこまでわかってくれば突発的な依頼に「先手」を打つことができます。要はあらかじめ準備をしておけば良いのです。

統計学は、普段私たちの目の前に次々と現れる現象を俯瞰(ふかん:全体像を見ること)してくれます。時系列で現れるばらつきの形を示してくれるのです。

「効率化しろと言うけれど、具体的に何をどうすればいいんだ?」その答えは、統計学を使って全体像を見る、そして先手を打つことです。

統計学は営業の仕事に限らず、あらゆる仕事の役に立ちます。とはいえ、高校のときに数学と「さよなら」してしまった人には難しいかもしれません。

「やさしい」とか「初歩の」といったタイトルのついている統計学の本を書店で手に取ってパラパラとめくってみてください。文系人間にとっては、ちっとも「やさしくない」し「初歩でもない」ことは間違いありません。

しかし、ご安心ください。そんな人のために本を書きました。想定する読者はSBH48です。いえ、アイドルグループの名前ではありません。私大文系偏差値48の略です。

内容は、SBH48出身の営業担当者を主人公にしたストーリー形式になっており、一部マンガも載っています。もちろん、統計学の解説もしっかりと書いてあります。小売、卸売、サービス業のための統計学の入門書です。

「働き方の統計学: データ分析で考える仕事と職場の問題」1,980円・税込み(オーム社)は本日(11月27日)、全国の書店で発売されます。

ぜひ、書店で手に取って見てください。置いていないときはAmazonでどうぞ。

働き方の統計学: データ分析で考える仕事と職場の問題

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第861話 小売、卸売、サービス業のための統計学のすすめ(1)

2019年11月24日 | 仕事

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

統計学と聞いて「数学」を思い出し、拒否反応を起こしてしまう経営者の方は多いようです。特に中小企業の社長さんには人気(?)がありません。

統計学を活用している業種といえば、真っ先に思い浮かぶのは製造業です。自分たちの作る製品の品質が会社の利益を大きく左右しますから、統計学の手法を使った品質管理は必須です。しかし、小売業や卸売業のような仕入販売を生業とする業種では、統計学を活用している会社は少ないようです。

ところが、仕入販売業は日々大量のデータを扱うため、社員、特に営業担当者が接する数字の量はむしろ製造業よりも多いと思います。そして、(残念ながら)他業種に比べれは利益率は決して高くありませんから、細かい数字もしっかり押さえる必要があります。

そこで、(1)大量のデータを扱う、(2)利益率が低い、という特徴を持つ小売業、卸売業、サービス業に焦点を当てた「統計学のすすめ」をこれから3回にわたって解説してまいります。付け加えるならば、「中小企業こそ今すぐに活用すべき内容」であることを強調しておきます。

さて、2019年4月から働き方改革関連法が施行されました。残業時間の「罰則付き上限規制」は大企業に対してはすでに実施されており、中小企業も2020年4月から実施されます。残業が多い社員ほど評価されるといった、「時間の量」で測る管理はできなくなります。

言うまでもなく、営業担当者にとって顧客と接する時間は何よりも大切なものです。「お客様とは何度も会って、徐々に信頼関係を築いていくのが営業の仕事だ」そう信じている社長さん、管理職の方は多いことでしょう。

では、それが否定されることになるのでしょうか?統計学の話を絡めて考えてみましょう。

お客様との信頼関係は営業の基本であり、原理原則といえるものです。人であれ企業であれ、相手を信用することが、商品やサービスを買う前提です。そして、相手を信頼するからこそ継続して取引をするのです。ドラッカーは「企業の目的は顧客の創造である」と言っています。顧客(customer)とは継続して取引を続ける相手であり、それは信頼を得ることで創造(create)される対象であるというわけです。

では、信頼関係を築いていく方法は「何度も会う」以外にはないのでしょうか。私は決してそうは思いません。もちろんお客様と面と向かって(face to face)会うことは大事なことです。

ただし、会って時間を過ごすこと自体が大事なのではありません。お客様の抱える問題や要望に対して適切な答えを提示することが本当に大事なことです。

「そんなことはわかっている」とおっしゃるかもしれませんが、お客様の要望の背景には様々な要因が潜んでいます。「顧客ニーズを把握せよ」というのは営業の鉄則です。しかし、ニーズを直接聞きだすことができても、その背景にある要因までリーチしなければ、本当にニーズを把握したとは言えません。

あるスーパーが仕入れた商品の売れ行きが良くなかったとします。スーパーは、従業員を残業させたり、その商品を卸した商社から営業担当者を派遣させて、閉店まで販売活動を手伝わせるとします。しかし、それで成果が得られるのでしょうか。

それよりもスーパーが持っている過去のデータ、例えば月別、曜日別、時間別のデータを調べ、抱き合わせが可能な他の商品との棚割り、他店の売り上げ動向などと比較して「何が売上に影響しているのか」を探るべきです。

具体的にはそうしたデータを集めてグラフ化するだけではなく、売上と関連がありそうなデータ同士の相関を調べてみることです。

相関とは「一方が変わればもう一方もそれに連れて変わるという関係」です。単純な例としては「最高気温が高いとアイスクリーム類の売上が増える」といったものです。気温(原因)が売上(結果)に影響を与えています。

相関関係は、原因が1つだけではなく、複数である場合も考えられます。また、原因が直線的に結果に影響を与えているとは限りません。

「アイスクリームの売上には気温以外に何かの要因が影響しているのではないか? そしてその影響はどの程度確かなのか?」

こうした疑問に答えるのが統計学であり、その道具として使うのは(おそらく)皆さんのパソコンに入っているExcelです。

むやみに残業をして(させて)売上を増やそうとするよりも、統計学を使って「打ち手」を考えることに時間を使った方がより大きな成果が望めます。

営業部門のマネージャーの方は、ぜひ部下の営業部員に初歩的な統計学の知識を身につけさせてください。現状のままで「残業規制」を行っても、残業時間は減るかもしれませんが利益は増えません。

営業活動の「量から質」への転換は、統計学なくしては難しいのです。

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第860話 上司と部下の認識のギャップを埋めるには

2019年11月20日 | 研修

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「あんな大企業なんだから当然知っているだろうと思って話をしていたら、部下がその会社のことを知らなかったんですよ」

 これは、先日弊社が担当させていたただいた管理職を対象にした「部下育成」研修の際に、一人の受講者から発せられた言葉です。

彼は続けて「顧客が何を作っているか、それに当社のサービスがどのように使われているのかということを説明しようとしたのですが、その企業名すらわかっていなかったので、びっくりしました。自分にとっての当たり前は、部下にとっては違うんですよね。今後は、まずその点から確認して、次に具体的な仕事の中身に入っていかないといけないということがわかりました」とのことでした。

話は変わりますが、パワハラの問題が顕在化して久しいために、年々パワハラ防止をテーマにした研修の依頼を受けることが増えてきています。パワハラは絶対に許してはいけないことですが、一方で管理職側も部下側もパワハラに過剰反応してしまい、何でもかんでもパワハラにしてしまうという問題点も起きています。

上司は部下からパワハラと言われてしまうと困るから、部下をきちんと叱ることができないということですし、逆に部下の方はよく理解しないまま自分の意に沿わないことを指示されたりすると、パワハラを受けたと被害者意識を持つ人もいるようです。

それでは、どうすればこうした事態を解決できるのでしょうか?コミュニケーションを活発にとればよいのでしょうか?一緒に飲みに行けばよいのでしょうか?

もちろん、それらをすべて否定するものではありませんが、冒頭の話のように「自分にとって当たり前のことであっても、相手にとっては必ずしも当たり前のことではない」ということを踏まえて考える必要があります。

つまり、各々異なる常識や価値観を基に上司は仕事の指示をし、部下はそれを受けることになるのですが、そうした状態で会話をしていると、自ずと両者の間にギャップが生じることになってしまうのです。

 

このギャップを埋めるためには、お互いの価値観や考え方には違いがあるということを前提に、コミュニケーションを取ることが必要になります。

上司の側は、部下の知識やスキルはどのレベルなのか、自分の仕事をどう受け止めて取り組んでいるのかなどを把握したうえで明確な指示をすることが大切です。一方の部下の側も上司から指導や注意をされたり仕事の指示をされたりした際に、仮にそれが自分の意に沿わないことであったとしても、それに対する不平不満をパワハラやセクハラなどに置き換えて反発したりせずに、まずは真摯に向き合ってみることが大切だということです。

パワハラは絶対にしてはいけないことですが、一方で何でもかんでもパワハラに問題をすり替えて、双方がきちんとしたコミュニケーションを取らなくなることもしてはいけないことのはずです。

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第859話 「会議禁止令」はいかがですか?

2019年11月17日 | コンサルティング

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無駄な会議は企業の生産性を著しく低下させます。そこで様々な書籍やセミナー、コンサルタントが会議の効率化のテクニックを紹介しています。それは大体次のようなものです。

1. 参加者を厳選する
2. 資料を事前配布し熟読してもらう
3. 司会役、責任者を決める
4. 議題をはっきりさせる
5. 開始時間と終了時間を厳守する
6. 参加者全員が必ず発言する
7. 発言は1回につき1つのことだけとする
8. 議事録を作り参加者、関係者に配布する

確かにこれらが実行できれば会議の品質も良くなり、効率もアップします。自分たちではできそうもないと思ったら、コンサルタントを雇って実際の会議に参加してもらい、その場で伝授してもらう方法もあります。コンサルタントはコーチングの手法を使って会議を「すごい」ものに変えて行きます。

ではコンサルタントに依頼すれば、本当に会議は効率化するのでしょうか。

答えはYESです。

「会議コンサルティング会社」のWebページを見ると、本当にたくさんの会社がコンサルティングを受けて売上を、利益を伸ばしています。

しかし、そうした成果を上げた会社の多くは「もともと伸びるポテンシャルがあった」と思われるところばかりです。つまりコーチングの手法が効いたわけです。

「伸びるポテンシャル」とは、社員に実力がありながら社内のコミュニケーションがうまくいかず「くすぶっている」状態です。

もしあなたの会社が同じような状態なら、コンサルタントを雇って会議を改善すれば業績が伸びるかもしれません。

あなたの会社の社員はいかがですか?十分に仕事の実力を持っていますか?表には出てこないとしてもモチベーションは高いと思いますか?

残念ながら、そうした社員が多くいる会社は稀です。ほとんどの会社、特に中小企業はそれほど社員には恵まれていません。

「失礼な!うちの社員は全員実力もモチベーションもある!」

そうお思いの社長さんには大変失礼かと思いますが、それは幻想あるいは思い込みです。もちろん例外はありますが、社員の多くは社長さんが思うほど実力もモチベーションもありません。

そういう社員が集まった会議を改善しようと思っても、なかなか難しいでしょう。成果が出たとしてもせいぜい半年です。

そこで私がお勧めしたいのは「会議禁止令」です。

社長さんが社内の会議を一律、禁止します。ご自身が主催する経営会議はもちろん、末端の会議も禁止です。コミュニケーション自体を禁ずるのではなく、物理的に集まって話し合う会議に限ります。社内システムを使った電子的な会議は「認可制」とします。

すると、代替手段として最も利用される頻度が高くなるのがメールのやり取りでしょう。

「それでは仕事が進まない!」という声が上がってきたら、その時は「隠れてやりなさい」と言ってください。その代わり「見つかったら罰金!」くらいは実行してください。

すると「罰金を払ってでもやる!」という威勢のいい社員や、社長に堂々と意見を言ってくる社員が出てくるかもしれません。

「会議禁止令」は多少犠牲をはらっても3か月くらいやり抜いてください。そして3ヶ月経ったら禁止を解きます。

「それじゃ元の木阿弥じゃないか」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

会議をわざわざ開かなくてもメールで済んでいたことがわかったり、意外に仕事がスムーズに進んだりするといったことが現実になります。

「会議禁止令」は荒療治ですが、これも効果は1年弱でしょう。

でもご心配なく。しばらくしてまた会議が増え始めたら「禁止令」をほのめかしてください。必ず効果があります。

それでも万が一効果が見られなかったら、実際に発令してください。

「会議禁止令」はコストもかからず効果はインフルエンザの予防注射よりもあります。

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第858話 「チコちゃんに叱られる」ではなく、「チコちゃんに怒られる」

2019年11月13日 | 研修

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NHKで現在放送されている「チコちゃんに叱られる!」が毎週、高視聴率を維持(14.7%前後)しているとのことです。

確かに、私の周囲でも「毎週必ず見ている」、「姪の投稿が紹介された」などと耳にすることが何度かありました。

ご存知のとおり、この番組では「好奇心旺盛で何でも知っている5歳児」という設定のチコちゃんが、改めて質問されると答えに困ってしまう身近な事柄に関して「何で?」と質問します。そして、ゲストの大人が回答に窮したり間違って答えると、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と一喝するのです。

チコちゃんが喝を入れる際の表情は、CGとはいえ眉間に皺を寄せ目じりを上げ、目から火が噴き顔を真っ赤にさせていますので、5歳児とはいえなかなかの迫力です。

私もこの番組のファンの一人ではありますが、実は最近チコちゃんのこの台詞によって少々困っていることがあるのです。

弊社が行う管理職研修では、多くの場合に部下の「叱り方」についての演習をしていただくことことにしています。

この中で、部下を適切に叱るために「叱る」と「怒る」の違いを整理していただいているのです。両者の違いの一つに「叱る」は双方向で行われ冷静で育成を目的に行われるもの、一方の「怒る」は一方的であり、感情的・不合理でその場限りのものと説明しています。

この観点で考えると、チコちゃんの「ボーっと生きてんじゃねーよ!」は「叱る」ではなく、まさに「怒る」という行為に他なりません。

最近では「パワハラと言われてしまうと困るから」と、部下を適切に叱れなくなってしまっている管理職が多いようです。

そういう中で、チコちゃんがインパクトのある表情と声で迫ってくる番組名が「叱られる」となっていることによって、チコちゃんの言い方=「叱ること」ととらえられてしまって、叱ることへの敷居がますます高くなってしまう管理職が増えてしまわないか、少々心配になっています。

このため、最近の私はチコちゃんを見るたびに、番組名が「チコちゃんに怒られる!」であったら良かったのにと、真剣に考えるようになっているのです。

でも、チコちゃんは5歳ですからあの剣幕で怒っても問題はありません。しかし、くれぐれも管理職の皆さんは、「ボーっと生きてんじゃねーよ!(ボーっと仕事してんじゃねーよ!)」と部下を一喝したりしないようにお願いします。

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第857話 「改善型議論」のすすめ

2019年11月10日 | 研修

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「そのやり方では上手くいかないと思うんですよ」部下がこう言うと、「だったら対案を出せよ!」と上司は怒り気味に返しました。会議でよく見かけるやりとりです。(画像はちょっと大げさですが)

対案とは「相手の案や、もとの案に対して出す別の案」なのですが、会議の場では 「対決する案、反対の案」という意味になりがちです。本来は「別の案」ですから、いろいろな種類の案が出てきてもよさそうなものですが、どうしても「対する」ことだけが強調されてしまいます。

その理由は、私たちが正しい議論のやり方を習っていないからだと思います。だから、別の案=反対案となってしまうのです。そのせいで議論がかみ合わなかったり、ぎすぎすした雰囲気になったりします。

こうした「対決型議論」を避けるために「改善型議論」を試してみてはいかがでしょうか。

ある案が出されたら否定を考えるのではなく、改善を考えるのです。

反対したいなあと思ったら「なるほど。良い案ですね。それを実現するためにはこうしたらどうでしょうか」と言います。

具体的には、その案を実行するために必要なコストと効果を見積もります。コストが効果を上回らないようするために新しい提案をします。提案者の意見も取り入れながら徐々に自分の意見を細かくして付け加えて行きます。

こうして自分の考えが実現する場合もあれば、妥協案ができる場合もあります。また、結局はうまくいかない場合もあるでしょう。

いずれにしても、こうしたプロセスを生じさせることが、議論を生産的にするひとつの方法だと思います。

「そんなことをしていたら時間ばかりかかって、しかも自分の意見が全く通らない可能性もあるじゃないか!」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。

そのとおりです。それでもこうした議論の進め方を何度も繰り返しているうちに、無茶な提案や感情に任せた反対意見が無くなっていきます。

多少時間はかかりますが「議論の体質改善」は組織運営の健全化に必ず良い効果をもたらします。

ただし、お断りしておきますが「改善型」は政治的、思想的な議論には使えません。それらは基本的に対決することが目的の議論だからです。

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第856話 チームスポーツを企業組織に応用することはできるのか

2019年11月06日 | コンサルティング

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「まず個人種目を優先しているので、リレーはその次になってしまいます」

これは先日NHKテレビで放送された、陸上の世界選手権男子400メートルリレーの特集番組の中で、銅メダルを獲得した日本チームの一人の選手が取材中に口にしていた言葉です。このレースの数か月前に行われた世界リレー選手権ではバトンパスを失敗して失格した経緯がありました。それを乗り越えて掴んだのがこの銅メダルだったのですが、選手個人としてはリレーより自分の種目が優先との率直な気持ちを示したものでしょう。

話は変わりますが、先日ラグビーのワールドカップが終わりました。日本代表の選手たちが活躍したこともあり、ラグビーが一躍人気スポーツに踊り出たように感じます。そういうこともあり、先日来「ラグビーのように、わが社も一致団結した組織にできないものか?」という相談を受けることが増えてきています。

確かに、ラグビーのように「One Team」で積極果敢に仕事に取り組み、一致団結した組織にしたいという思いはよくわかります。

では、企業(組織)をラグビーの「One Team」のようにすることはできるのでしょうか?

私は、チームスポーツのあり方をまるごと企業の組織に応用するのは、簡単なことではないと考えています。

まず、チームスポーツに限ったことではありませんが、スポーツ選手は自ら志願してその種目を行っていますから、モチベーションがとても高いのです。さらに、チームスポーツであれば試合に起用してもらえる選手になるために、日々過酷な練習もいとわないほどのモチベーションを維持しているのです。そして、チームスポーツは勝利という目標に向け、一致団結しやすいということがあります。

企業の組織はどうでしょうか。現実問題として、企業にはモチベーションが高い人がいる一方で、必ずしもそうではない人もいます。また、企業は本来、経営理念に共鳴した人が集まった集団ではあるはずですが、残念ながらスポーツほど理念の目標が明確でない場合もあります。掲げる理念や目標を始めから全員がきちんと理解できているわけでもないのです。このように考えると、チームスポーツのあり方をそのままで企業の組織に応用することは難しいと言えます。

では、どうすれば良いのでしょうか。ここで参考にしたいのがチェスター・アーヴィング・バーナード(経営学者)の言葉です。彼は、組織を成立させるための要素は

1.共通目的(組織目的)、2.協働意志(貢献意欲)、3コミュニケーション の3点であると言っています。

ラグビーのようなチームスポーツでは、まさにこの3つの要素が揃って勝利を掴んでいるのだと思います。反対に冒頭の陸上の例で言うと、あくまで個人競技では自分の勝利が目標であり、リレーのような団体戦で勝つことはその次の目標なのだと思います。

そして、同様のことは企業の組織にも言えるはずです。現実の問題として、まず個人の目標を達成することに力点が置かれてしまい、組織の目標達成は二の次になってしまっていることが残念ながらあります。

しかし、そうであっても組織である以上は「組織の目標達成のためには、チームとして何をすべきなのか、そのためにそれぞれができることは何か」を皆で共有できるようにすることが必用です。

冒頭のリレーの選手達は、過去のバトンパスの失敗はなぜ起きたのかの原因を探り、どうすればバトンパスがうまくできるのかを徹底的に話し合いをしたとのことです。次の走者が前方だけを見てスタートダッシをするタイミングをするには、前走者が必ず自分の手のひらにバトンを渡してくれると相手を信頼することが必要だったとのことです。

企業においても「One Team」として活躍するためには、各々の目標を共有したり、アドバイスをしあったり、弱点を補い合ったりする。地道なことかもしれませんが、まずはそこから始めることが必要なのです。

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第855話 生産性を上げるために社長がやるべきこと

2019年11月03日 | コンサルティング

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

このブログでも何度か触れていますが、日本の労働生産性はOECD各国(ここではいわゆる”先進国”としておきます)の中ではかなり下位です(OECD加盟36カ国中20位)。これにはいろいろな理由がありますが、決して労働者の働き方が鈍いからではありません。

労働生産性は労働1時間当たりの付加価値、つまり金額で表されます。国際比較される際にドルベースになります(2017年は47.5ドル)。生産性を上げる手っ取り早い方法は、給与の高い労働者を解雇し、同等の技能を持った者を雇用することです。

具体的には、OECDの生産性上位国のように、海外から安価で優秀な人材を移民として受け入れ、高齢化した日本人労働者を解雇すれば生産性はかなりアップします。

しかし、それは現在の日本では、特に中小企業にとっては難しいでしょう。

そうなると、中小企業が取れる手段は1つしかありません。それは設備投資による生産性の向上です。

たとえば、製造業なら最新の設備機械を導入し、生産量を増やせば付加価値はアップします。サービス業でもスーパーのレジの無人化や、介護施設の職員の肉体労働を軽減するロボットの導入を進めることで、少ない労働者でも付加価値を増やすことができます。

少ない労働力を活かして生産性を上げようとするなら設備投資は必須です。中小企業であることを言い訳にして機械化、IT化をためらってはいけません。実際、中小企業庁では、こうした設備投資を後押しするような補助金や融資のプランを示しています。

問題は「どんな設備投資をすればよいのか」です。

その際、中小企業がやってしまう一番の間違いは、それを考えることを丸投げしてしまうことです。

ありがちなのは、社長が「自分はよくわからないから〇〇部長に任せた」とか「銀行から紹介されたコンサル会社に頼んだ」という安易な行動です。

おそらく、成功する確率はかなり低く「ぼったくられる」確率はかなり高くなります。

では、どうするべきかというと社長自らが勉強するしかありません。本を読み、有料のセミナー(無料は単なるPRです)に参加し、中立な立場の人の意見を聞き、事例があれば見学に行き、考えに考え抜くことです。

確かに大変な努力と多少の時間が必要になります。

ただし、現状をよく見てください。

人は採用できず、生産性は下がる一方です。

今苦労しておかないと、後々後悔することになるでしょう。まずは毎日90分、本を読むことから始めてください。

急がば回れです。

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