中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第942話 オンライン上のコミュニケーションに「思いやり」の視点を盛り込むには

2020年07月29日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの企業でテレワークが導入されるようになってから、はや4か月ほどが経過しました。こうした流れの中、今後コロナウイルスの流行が収束に向かっても、テレワーク自体は継続していくことを表明している企業が増えてきています。

テレワークのメリット・デメリットについては既に様々な指摘がなされていますが、よく言われるデメリットの一つに、コミュニケーションにおける第三者の思いやりのような「目には見ない行為」が得られにくいということがあります。

たとえば対面コミュニケーションの場合、上司のAさんが部下のBさんに注意をした際に、Bさんが少々落ち込んでしまったような場合、そばで一部始終を見聞きしていたCさんがその後Bさんにフォローすることができます。「A課長はBさんのことを期待しているからこそ、少々厳しく言ったんだよ。Bさんが期待に応えられる人だと思った証拠だよ。だからあまり気にしなくて大丈夫だよ。ドンマイ」などとフォローをすることができるわけです。

また、別のケースではDさんとEさんが顧客への提案について相談していたときに、直接その会話に加わっていないものの、過去に同様の提案をしたことがあったFさんがそばにいたとします。

そのような場合にはFさんが「以前同じような提案をしたことがあるから、この資料を参考にしてみたらどう」などと情報やアドバイスをくれたりということができたりするのです。

もちろんオンライン上でも情報やアドバイスを求めることはできますし、多人数へ同時に可能という面では対面でのコミュニケーションに対するメリットと言えます。しかし、そこまで多くの人のアドバイスなどの必要性を感じていないような場合には、DさんとEさんの2人の閉ざされたやりとりに終始してしまうことがあるわけです。  

上記のように対面の場合は、いわば開かれた環境でコミュニケーションをとるために、そばにいてやり取りを見ていた第三者等などからのフォローを得ることができやすいです。しかし、オンラインの場合にはこの点でより限定的な環境になりやすいことから、積極的な発信を意識していかないとそれらが得られにくいのではないかと感じています。

さらには上司が部下を叱る場合などは、一般的には叱る側と叱られる側のみの、いわば限られた空間で行なわれることがほとんどです。オンラインではよりその傾向が強くなりやすく、第三者のフォローを得られにくいのではないかと考えています。

上記のとおり、対面でのコミュニケーションとオンライン上でのコミュニケーションにはそれぞれ長短があります。

オンラインでのコミュニケーションが本格的に始まってからまだ日が浅いわけですが、たとえば上記のような目には見えない「思いやり」の視点を盛り込むにはどうすればよいのか。

これはなかなか難しい課題ですが、今後様々な形でトライが行われ、やがては一つの形にまとまっていくのではないかと考えています。

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第941話 集合研修を実施して思ったこと

2020年07月26日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新型コロナ新規感染者数がかなりの数で推移しています。「不要不急の外出」や「3密の状態」は避けなければなりません。従来のような集合研修はまさに「外出し、3密になる」ため、延期、あるいは中止になることがほとんどです。

当社も、集合研修の代替手段としてオンライン研修に切り替えることが多くなってきました。

一方、こうした状況で集合研修を実施したケースもあります。先日、私が講師を担当した研修について、次に概要をお伝えいたします。

1.人事部研修係からの指示
 ・ 研修開始前に検温する(37.3℃以上は不参加とする)
 ・ 机と机の距離の確保(1.8~2.0mでの配置)
 ・ 研修中のマスク着用(講師も含む)
 ・ こまめな換気、手洗い
 ・ 入室時、手のアルコール消毒
 ・ 休憩時間、昼食時も対人距離を確保する

2. 研修中の様子
 講師の講義中はもとより、グループディスカッションでもお互いに1.8m以上の距離を保っていました。各グループにホワイトボードを1枚設置し、討議内容の見える化によってスムーズに進行していました。

3. 受講者の感想(一部)
 ・ 研修係の方が常に気を配ってくれていたので、安心できた。
 ・ マスクをしたままのディスカッションだったが問題なくできた。
 ・ いつもの研修よりも集中できた。そのせいか疲れた。
 ・ 久しぶりに会った同期と飲みに行けないのが残念だった。
 (以下省略)

私が「素晴らしい」と思ったのは、事務局として終始研修をフォローしてくださった研修係の方々の努力です。事務局は、普段の研修では部屋の後ろの方にいて、何かあれば動いてくれる「縁の下の力持ち」です。それが現在のような危機的な状況下で、一転して主役級の活躍を見せていました。

今、こうした集合研修を実施することの是非については議論があると思います。可能であればオンライン研修を検討するべきです。

ただし、「昇格者研修」など、立場が変わって権限・責任が重くなる方々への研修は、集合型で実施された方がより良い結果につながると思います。

「3密」にならない集合研修は実現できます。そのためには事務局を担当してくださる方々の熱意と努力、そして、それに応えて前向きに参加しようとする受講者の姿勢が必要です。

さて、先ほどの研修を終えて3週間が経過しましたが、研修係の方から「経過観察の結果、異常なしと判断します」とのメールが来ました。

ほっとすると同時に「やってよかった」と心から思いました。

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第940話 オンライン研修は状況対応が難しい

2020年07月22日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「研修は一つの会社の同じ階層に対し同じ内容で行ったとしても、実施する回によって受講者の反応はその都度異なる」

これは、弊社が日々研修を担当させていただいている中で感じていることです。

たとえば同じ属性の社員であっても、個々はそれまでの経歴や経験等が異なるため理解度に差が出ます。またその時々の受講メンバーの組み合わせによっては、研修が盛り上がったり反対に盛り上がりに欠けてしまったりすることも珍しくありません。

このような状況は、受講者が講師の話を聞いているときの表情や姿勢、演習の正解度、さらにはグループ演習への参画度合いなどによって確認することができます。

特に、演習に取り組んでいる際に記入している内容を背中越しに覗いたときや、グループ演習時にディスカッションの内容を脇で聞いていると、とてもよく状況が見えてきます。それらを通して得た情報を基に、私たち講師は補足の説明を付け加えたり、研修内容の難易度を多少上げたり下げたり調整するなどして、その都度対応しています。

また、ここで得られた情報は研修終了後に研修担当者に提出する報告書にも反映させることはしばしばありますので、貴重な情報として有効活用できるのです。

ところが、コロナ禍の影響等で多くの研修が対面型からオンライン型に変わったことにより、上記で記したような状況に対応することが難しくなったと感じています。

もちろん、オンライン型研修でも画面を通して受講者の表情を確認することはできるのですが、やはり対面型研修の時のように直接顔を見るのとは大きく異なり、表情の細かい部分までは分かりづらいのです。このため、オンライン型研修ではきちんと理解が深まっているのか、それとももう一度説明した方がよいのか、積極的に研修に参加しているのか、そうではないのか等を確認することがとても難しいのです。

先日の本ブログでも書いたように、オンライン型研修では対面型研修の時と比べ、チャット機能を使って質問する人は明らかに増えています。したがって、質問が出なければ「理解が深まった」としてプログラムを進めていくこともできます。とは言え講師の側からすると今一つ個々の反応がつかみきれないことから、「質問がないのだからよし」としてどんどん進めてしまってよいものか、少々不安に感じることが増えてきていることも事実なのです。

しかし現実問題として、今後はすべての研修を以前のように対面型に戻すことは難しいことは明らかです。たとえば上記の課題を改善する一つとして、研修の区切りのタイミングにアンケート機能等を使って個々の受講者の理解度を集計し、きちんと把握したうえでその後の進め方を調整していく等、オンライン型研修だからこそのメリットを積極的に活かしていかなければならないと改めて感じている今日この頃です。

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第939話 実践!オンライン研修3つのポイント

2020年07月19日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

今年の春はコロナ禍により、多くの会社で集合研修が延期または中止となりました。たしかに、1つの会場に多人数が集まって行われる研修は3密(密集、密接、密閉)であることは疑いようもありません。

当社は6月に入ってから集合研修が(若干ですが)復活してきましたが、昨今の状況からいって再度延期という可能性も十分にあります。

一方、集合型研修の代替策として、Web会議システムを活用した「オンライン研修」を行う企業も増えてきました。オンライン研修は、ネットを通して遠隔拠点でも受講できるため、支社・支店はもちろん、テレワーク中の社員にも大いに恩恵があります。

当社はすでに何回かオンライン研修を実施しており、その経験を通じて具体的なノウハウや考え方を蓄積することができました。

先日、当社が講師を担当したオンライン研修の終了後、人材開発部門の方々と研修を振り返ってみました。その結果、オンライン研修を成功に導くにはいくつかのポイントがあることがわかりました。

1つ目は「準備が9割」です。これはネットワークやコンピュータといったシステム上の問題に限りません。受講者に対して事前に講師が「語りかける」仕組みを作っておかないと、オンラインでいきなり「初対面」の講師が登場しても、心理的な距離を感じてしまいます。講師が研修の何日か前にメッセージを送っておくだけでその距離は縮まります。

2つ目は「オンライン研修は深く、短く」です。ネットを通じて双方向で行うオンライン研修は、集合型のそれよりも受講者は集中力を使います。だからといって、講師が過度にリラックスした雰囲気を作ったり、ジョークを交えたりして「楽しい研修」にするのはNGです。集中して深く短く学ぶことが大事です。集合研修1日分を2回に分けて行うことも効果的です。

3つ目は「経験豊富な講師を選べ」です。次は某社の研修担当者の言葉です。「ある講義を”オンライン研修が得意だ”という講師に依頼したのです。機器の操作や進行はスムーズでしたが、受講者の評価は散々でした。」理由を聞いてみると、その講師はシステムには詳しかったけれど、教えるのが下手だったとのことでした。当然ですが「オンラインありき」では失敗します。集合研修で十分な経験を持った講師を選ぶことです。

簡単ですが、この3つのポイントをきちんと押さえておけば、集合研修に勝るとも劣らないオンライン研修を実現できます。

集合研修ができずにお困りの皆さん、是非検討してみてください。

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第938話 オンライン研修は質問が多い

2020年07月15日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「質問が多くなった」

これは、コロナ禍により予定していた社員研修が従来の対面型からオンライン型へ変更になったことを受け、弊社がオンライン研修を担当した結果の感想です。

オンライン型の研修では、チャット機能を使って講師への質問を書き込むことができます。それは質問をしようと考えていた人にとっては従来の対面型研修で受講者全員の前で質問するよりも敷居が低くなるようです。今までのように講師から「質問はありますか?」と定期的に声をかけなくても、受講者の方から主体的に質問することが多くなったように感じます。

それではなぜ「オンライン型研修時では質問がしやすくなるのか?」を考えてみると、対面型研修では大勢の前で質問することに、ある種の抵抗感を持っている人が少なからずいるということだと考えています。

大勢の前での質問に抵抗感を覚える理由を想像すると、大よそ次のようなことが考えられます。

・大勢の前で質問をすれば皆の注目を集めることになるため、それが単純に恥ずかしい。

・もしかしたら、既に説明をされていたことなのに自分が聞き漏らしていたかもしれない。質問することで、よく聞いていなかったことが皆にばれてしまうのが嫌だ。

・トンチンカンな質問をして恥をかきたくない。

・自分の無知をさらけ出すことになるのではないかという恐怖感がある。

・他の参加者の時間(別の質問をするための時間)を奪ってしまうのではないか。

などです。

一方、オンライン型研修ではチャット機能を使えば上記の心配を払拭しやすいことから、余計な心配をしなくて済むということでしょう。これはオンライン型研修のメリットの一つと言えます。

しかし、今後すべての研修がオンラインで行われるというわけではないですし、会議などもこれまで同様にメンバーが集まり対面形式で行うものは残るはずです。

そういう中で、チャットでなければ質問できないというような姿勢では今後仕事を進めていくうえで問題です。また、成長の機会を自ら失ってしまうことにもなります。

それでは、大勢の前で気後れせず質問できるようになるためにはどうすればよいのか。

これは質問に限ったことではありませんが、そのためにはスキルと経験が必要になります。

スキルとしては論理的に考えたり、結論から話したり、短時間で要領よく伝えたり、大きな声で行うことが求められます。あわせて、やはりある程度の場数を踏まなければ、身に着けることがなかなか難しい面があるということです。

今後、自らが積極的に質問することの意義やメリットを確認し、全員で確共有すること、講師としては研修の冒頭に「質問大歓迎」というメッセージを具体的に伝え、質問しやすい雰囲気を作るようにすることを継続的に行うことがますます必要になりそうです。

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第937話 今年の新入社員で「実験」してみましょう

2020年07月12日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

今年の新入社員は、小さい頃から情報機器を使いこなして、多くの知識やノウハウを身につけています。そして「今年の新人はそつがない」という話を人事部の担当者からよく聞きます。

「そつがないのはここ何年かの傾向ですけど。」ある企業の育成担当者の言葉です。
続けて「これといった特色が無いんですよ。コロナのせいで直接コミュニケーションが取れないから仕方ないですが。」と言いました。

私は「そうですか。逆に、例年よりもしっかりとコミュニケーションが取れているという会社もありますよ。」と言うと、意外そうな表情になって「え!どうやっているんですか?」と聞いてきました。

「別に変ったことをやってるわけではありません。4月5月はオンラインとメールだけです。ただし、その”量”は半端ではないようです。」

「四六時中オンラインで監視しているのですか?」

「いえいえ、9時~17時まで新人とつなぎっぱなしにしているだけです。要は同じフロアにいるような感覚でしょうか。」

「それって、嫌がられませんか?画像も音声もつながったままでしょ?」

「嫌がられません。単に同じフロアですから。しかもノートPCは会社が貸与し、通信費も負担しています。」

それを聞いた担当者は、う~んと考え込んでしまいました。

もちろん、こうした試みが本当に上手く行くのかは、何年かしてみないと分からないでしょう。今はいろいろな手法を試してみるしかないのです。言い方は良くありませんが、今年の新入社員には実験台になってもらうわけです。

それに今は、新人だけではなく一般社員も管理職も経営者も含めて、全員が「壮大な社会実験」を行っているのだと考えましょう。

ただし、決してやってはいけないことがあります。この実験の結果を「失敗か成功か」という2分法で判断してしまうことです。

失敗も成功も必要ありません。大切なのは、この実験で得られるであろう様々な知見です。それを分析して客観的に評価できた時こそ「以前よりも良い会社」が作れるはずです。

ちょっと大げさになりましたが、もしあなたが経営者なら、新人教育で「実験」してみてください。「そつがない」ということは柔軟だということです。思い切って挑戦してみましょう。

大げさではなく、新人教育から会社が変わるかもしれません。

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第936話 仕組みにこだわると、人は成長しなくなる

2020年07月08日 | コンサルティング

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「この書類を提出することは、社内のルールになっています」

これは弊社がコンサルティングを担当させていただく際に、その企業の社員からよく聞く言葉です。書類の使用目的ははっきりとはわからないけれども、以前からのルールになっているため、とりあえず提出しているとのことです。

このような状況のときには、書類を提出するルールになった理由を経営者や管理者にお聞きしていますが、多くの場合は「過去にクレームが起きたことがあったため、再発防止のために書類の提出を義務にした」というような答えが返ってきます。

このようにトラブルが起きるたびに新たなルールを作ったり、マニュアルを変更したりするなど、仕事を「仕組み」にすることは、再発防止のためには意味のあることです。しかし、冒頭の例のように時間の経過にともなってそもそもの理由が形骸化してしまうと、手段自体が目的化してしまうことになります。

ここでいう仕組みとは、異動や退職によって人が変わることがあっても、仕事がまわるシステムを構築することであり、制度やルール・マニュアルなど、組織を運営していくための決まり事や方法などのすべてを指します。

仕組みにすることのメリットは、仕事の手順をシステム化することによって、各自の知識やスキルなど属人化したものに頼らずに、仕事を平準化できることにあります。新人や異動直後であっても仕事の手順がシステム化されていれば、その仕事を比較的短時間で身に着けることができるのです。

そのように考えると、仕組みは組織を運営していくうえでなくてはならない大切なものだということがわかります。

しかし一方で、仕組みに依存し過ぎてしまうと、マイナスの面が生じることもあります。たとえば、目の前でトラブルが生じていて「おかしい」と感じたとしても、それが仕組みになっていないことを理由に目を背けてしまったり、他者に伝えるべきことを伝えなかったりしてしまいかねないのです。

このような状態が続くと、やがて社員は主体的に動くよりも決まった仕組みに従う方が圧倒的に楽だと感じるようになってしまい、自ら成長することを放棄してしまうことになりかねません。それは本末転倒の事態と言えます。

それを避けるには、どうすればよいのでしょうか。

まず、仕組みが必要な仕事とそうでない仕事をはっきり分けることが必要です。一般的に、仕組みが有効に働くのはルーチンワークと呼ばれる定型的で繰り返し行う作業です。反対に状況対応が必要なものには仕組みは向かないということが言えます。

本来は仕組みが必要な仕事なのにそれがない場合には、トラブルが起きたり生産性が下がってしまったりしますので、この仕事には仕組みが必要なのか否かをきちんと見極めることが必要です。

そして、仕組みを作る場合には、何でもかんでも仕組みに頼ろうとしてしまうと前述のように社員が育たなくなるというマイナス点もしっかり認識して進める必要があります。

コロナ禍をきっかけに、多くの企業でテレワークが始まって3か月が経過していますが、ここにきてテレワークならではの課題も顕在化してきているようです。

今後、テレワークをよりよく進めていくためにも、新たな仕組みが必要になっていくものと思われますが、ぜひ仕組みと社員の成長のバランスを取りながら進めていただくようにお願いいたします。

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第935話 「人が好き」であることは部下指導に必要?

2020年07月05日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

部下をお持ちの方はお分かりいただけると思いますが、部下を指導・育成するには「観察する力」が必要になります。もちろん、指導方法やコーチングといったテクニックも必要なのですが、「観察する力」は必要条件です。お叱りの言葉を浴びせられるのを覚悟の上で言うならば、部下指導においてコーチングは「おまけ」みたいなものです。あってもなくても、どちらでも良いです。

観察とは「人や物事の状態や変化を客観的に注意深く見る」ことです。部下の日常的なふるまいを把握して、変化を見逃さないようにすることです。そうすることで、部下の強み弱みが見えてきます。それがわかれば適切な指導を行うことは難しいことではありません。

さて、観察の極意は日頃から部下に対して興味や関心を持つことです・・・と簡単に書きましたが、これが実に難しいのです。

あなたは、たまたま職場で一緒になった「他人」にすぐに興味や関心を持つことができますか?

もちろん、その人物がすごく魅力的ならば別ですが、そういう人はまずあなたの会社には入って来ません。もしも魅力あふれる人物だとしたら、指導せず放っておいても大丈夫です(いや、下手に指導しない方が良いでしょう)。

はっきり言えば、部下を指導するということは、自分よりも仕事のできない、しかも全然興味が湧かない人物を観察し、指導しなければならないということです。

よく「私は人が好きです、人間に興味があります」という人がいます。一見、部下指導に向いているように思えます。しかし、実際は人に対する好き嫌いの振れ幅が大きいだけなのです。部下との相性が合えば、しっかり観察して問題なく指導できるでしょう。ただし、合わなかったときは悲惨です。

私の知る限り、部下指導がきちんとできる上司に共通していたのは、人に対してそれほど興味関心がないということです。もちろん、まったく興味がないというのは論外です。

観察=「人や物事の状態や変化を客観的に注意深く見る」という言葉の前には「感情を交えず」という一言が付いていなければなりません。人に関心が強すぎる人は、知らず知らずのうちに感情が入り込んでしまいがちです。

ですから、あなたが他人に対してあまり興味を持たない性格だとしたら、部下の指導・育成に向いています。自信を持って観察し、指導してあげてください。

ただし、人に対する好き嫌いがはっきりしている人の中には、人を惹きつける魅力を(生まれながらに?)持っている人がいます。そうした例外中の例外は「カリスマ経営者」となって会社全体を引っ張っていきます。あなたにそうした魅力があるならば、会社のために是非「好き嫌い」を前面に出してください。

そうでなければ、あなたが最初にするべきことは、感情を交えず部下を観察することです。

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第934話 テレワークは対話するチャンス

2020年07月01日 | コミュニケーション

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

先日の本ブログでも記したように、テレワークでは対面しているときのように「空気に頼ったコミュニケーション」はできません。だからこそ、今後はこれまで以上に意識的に「対話」をすることが求められるようになるのではないでしょうか。

平田オリザさんの著書「わかりあえないことから」(2012年講談社現代新書)では、「会話と対話を次のようにきちんと区別することが大事なのではないか」と書かれています。

「会話とは、親しい人同士のおしゃべり。」

「対話とは、異なる価値観や背景を持った人との価値観のすりあわせや情報交換。あるいは知っている人同士でも価値観が異なるときに起こるやりとり。」

さらに続けて同書では、対話は「価値観を一つにする方向のコミュニケーションではなく、価値観は異なったままで、文化的な背景の違う者同士がどのように合意形成を行っていくかが問われている。」ともおっしゃっています。

その場の空気に頼ったやりとりをすることが比較的多いと言われる日本人のコミュニケーションにおいて、対面していないテレワークでの対話は、普通に考えればかなり難しいやりとりになると考えられています。事実、私自身もそのように考えていました。

しかし最近、私は反対にオンライン上でのコミュニケーションだからこそ、対話が進むということもあり得るのではないかと考えるようになってきました。

テレワークにおいては、いつでも自由につながってコミュニケーションをとれるようにしている組織もある一方で、多くの組織は朝礼やミーティングなど、あらかじめ時間を決めて行っているところが多いようです。

そうなると、限られた時間の中で自分の意見・考えをきちんと伝えることが求められますが、同時に相手の合意を得るためには、自分自身も集中して相手の話を聴くことが対面のとき以上に求められることになります。

「空気」に頼ることができない分、異なる価値観を背景にしている人や異なる意見を持っている人に対して、少しでも合意ができるように言語をフル活用したり、熱意をもって話したりすること。そしてこちらも相手の話をしっかり聴くことが今まで以上に必要になってくるのです。

対面でのコミュニケーションのときに行っていた「言わなくてもわかるでしょう」というような「空気」に頼ったコミュニケーションが行えないからこそ、一生懸命に伝え、そして聴く努力が求められるのです。

今回、コロナ禍をきっかけに予期せず一気に普及したテレワークですが、コミュニケーションが変わる大きなきっかけにできるのかもしれません。

空気に頼ったコミュニケーションから、対話を重視したコミュニケーションへと変えるチャンスにしましょう。

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