企業研修の人材育成社

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全員が得をしようとすると全員が損をするのはなぜか

2013年08月31日 | コンサルティング

劇場の中で一番前にいる観客が、舞台の上の役者がよく見えないからといって立ち上がったらどうなるでしょう。二番目にいる人は見えなくなってしまうので、立ち上がって見ようとします。するとその後ろの人も、そのまた後ろの人も・・・結局全員が立ち上がってしまいます。

個人個人が自分の利益を最大化するように行動すると、社会全体ではかえって利益が損なわれてしまうことを「合成の誤謬(ごびゅう)」と言います。合成の誤謬は、経済学の入門レベルで必ず学ぶ概念です。

ところが、頭では分かっていても実際の人間の行動の多くは合成の誤謬を引き起こします。

自分が持っている仕事のノウハウを一切部下や後輩に教えない、という人がいます。「苦労して身につけたノウハウは自分ひとりの財産」、だから他人には絶対教えないというわけです。

確かに努力して身に付けたものであることは間違いありませんが、それは先輩たちが積み上げてきたものの上に成り立っていることを忘れてはいけません。

しかも、会社から給料をもらっているわけですから、コストは会社が負担していることになります。つまり、そのノウハウはコスト負担者である会社の所有物(資産)なのです。

もしも部下や後輩にノウハウを移転せずに職場を去るようなことがあれば、それは会社の資産を持ち逃げしたのと同じことです。

あなたが「仕事のできる人」で、たくさんのノウハウを持っているなら、社内のたくさんの人に教えてあげてください。

その結果、社員全体の能力がアップし、成果物としての利益も大きくなります。(その逆を考えれば、会社および自分自身がいかに損をしてしまうかが分かると思います。)

合成の誤謬を避けるには、社内の誰にでも快く「教える」ことです。

「教え合う会社」は絶対に伸びます。

(人材育成社)

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電車の中の「時間の投資」

2013年08月30日 | コンサルティング

通勤電車に乗って乗客を見渡すと、ほとんどの人はスマホ(または携帯)で何かをしています。何をしているかといえば、ゲーム、メール、FacebookやLineなどのSNSです。

私は別にこうした状況を指して「大のおとなが・・・」などと嘆くつもりはありません。ただし、「もったいないなあ」と思います。

電車の中で1人でいる時間は、結構集中できます。隣同士がくっつき合う群衆の中にいながら、「結界」のような精神的バリアの中に閉じこもっていられるのは貴重なことです。

ゲームやSNSは息抜きになりますが、そこから得られるリターンはほとんどゼロです。時間の浪費とは言いませんが、時間の消費であることは間違いありません。

その貴重な時間の一部を消費ではなく「投資」にまわしてみてはいかがでしょうか。投資といっても株や不動産のことではありません。本を読んで教養を身につける時間にしてはどうかということです。

教養というと「お高い」感じがしますが、平たく言えば、広い知識や豊かなたしなみ(三省堂、Web Dictionaly)のことです。本を読んで知識を吸収したり、思索をしたりする時間の使い方は消費ではありません。将来何らかの見返りが得られる可能性があるという意味で時間の投資だと思います。

では、投資に対するリターン(見返り)は何でしょう。以下の文章は、「そんな大げさな!」と思うかもしれませんが一読に値します。

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「過酷な状況で生き抜いていく力」を与えてくれるのも、これまた教養である。
たとえば、
● 日本語がまったく通じない異国の環境に放り出された時に、そこで生きていくのに必要な言語を操ることができる能力
● 故(ゆえ)あって牢に入れられた時に胸に潜ませた詩集を鑑賞して精神の均衡を保つことができる能力
● 洪水で時計も計算機も水浸しになった時に、手作業で時刻を知り、計算を行う能力
これらの能力も、すべて教養と呼ぶのにふさわしい。

(一橋大学大学院経済学研究科教授 齊藤誠氏のホームページ「“教養としての経済学”とは?」より)

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(人材育成社)

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魔法みたいな・・・

2013年08月29日 | コンサルティング

これは魔法使いが持っている棒、「魔法のつえ」です。英語でwand(またはmagic wand)と言います。ハリー・ポッターやサリーちゃんが持っているやつですね。

私は時々このwandが欲しくなります。なぜなら、これさえあれば仕事も上手くいくからです。

この話は以前にも書きましたが、もう一度。

先日、ある研修が終わってパソコンを片付け始めたときに、若い男性の受講者がひとり私のところに来ました。

「今日の研修はとてもよく理解できました。職場で実行すれば効果が上がりそうなことをたくさん学ぶことができました。」と言ってくれたのです。

私はとてもうれしい気持ちになり、「そうですか。お役に立てて良かったです!」と言いました。すると彼は少し苦笑いするような顔になり、こう言いました。

「・・・でも、実行するのはそう簡単ではないですよね。なんか、こう・・・魔法みたいなもの、ないんでしょうかね・・・」

私はやれやれと思いました。

魔法はありません。

成果を得るには何かを手放さなければなりません。No pain no gainという言葉があるように、それは手間や時間であったり、お金であったりと色々です。

「魔法のXX」とか「苦労しないでXX」というタイトルの本が巷にあふれ、いくつかはベストセラーになっています。プライベートのことならまだしも、仕事(ビジネス)の現場において、魔法はありません。

研修の受講者の方々にはそのことをきちんと伝えているつもりなのですが、やはり魔法を欲しがる人は絶えません。

magic wandが欲しくなるのはそんなときです。ただし本物に限りますけど。

(人材育成社)

 

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全国学力テスト2013:高知と秋田

2013年08月28日 | コンサルティング

本年度の全国学力・ 学習状況調査(全国学力テスト)は、小6、中3を対象とした4年ぶりの悉皆(しっかい)調査でした。文科省によると、今回は正解率の底上げ傾向が見られたとのことでした。

全国1位は(例年通り)秋田県ですが、高知県が4年前の44位から15位に大躍進したことが話題になっています。高知は県教育委員会がかなり力を入れて、いわば「県ぐるみ」で学力アップのための様々な施策を実行してきました。

高知県の取り組みは毎日2ページの宿題や放課後の補習(中学生)、県独自の学力テストの実施など、実効性の高いものが多いようです。ちょっと試験対策が過ぎるような気もしますが、44位→15位は立派です。拍手!

一方、毎回1位をキープしている秋田県は、塾に通っている子どもの割合が全国最下位(小6で22.8%)とのこと。要は学校でのきめ細かい指導と、家庭学習をしっかりやることで十分に高い学力レベルは保てるということでしょう。

企業研修も全く同じです。研修を受けたら、知識やスキルを仕事の中で積極的に生かすこと。それを周囲の人たちが快く受け入れることで職場のレベルは上がっていきます。

もしもあなたの近くに、「研修なんて”お勉強”だろう? 与えられた仕事を何も考えずにやっていれば良いんだ!」と言う上司がいたら、あなたの会社に未来はありません。

さて、学力テストですが、あなたの出身県は何位でしたか?

 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00252693.html

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イプシロン、がんばれ!

2013年08月27日 | コンサルティング

今日打ち上げ予定だったJAXAの新型ロケット「イプシロン」1号機の打ち上げが発射19秒前に中止されました。いろいろなニュースで取り上げられていますのでご存知の方も多いと思います。

宇宙開発に関しては日本は他の先進国と比べてかなり遅れをとっています。イプシロンはそんな劣勢をはね返す切り札となるものです。

イプシロンの特徴はコストパフォーマンスに優れていることです。コンパクトで発射場所を選ばない優れた管制システムを持ち、「未来のロケットのお手本」と言えます。

人材育成社の顧客は比較的メーカーが多いので、研修のときにエンジニアの方々とお話をする機会があります。エンジニアといっても仕事の内容によってさまざまです。機械、電気・電子、ソフトウェアといった分野によってエンジニアのキャラクタに違いがあるように思います。

たとえば、機械系は「無口、真面目、職人」、電気・電子系は「明るい、よくしゃべる、新しいもの好き」、ソフトウェア系は「話好き、自尊心が強い、皮肉屋」・・・といった感じです。もちろん、今までの経験から私が勝手に抱いているイメージです(この話は、いずれ詳しく書こうと思っています)。

仕事を進める際に、個性的で自我が強いエンジニア集団をまとめるのは大変なことです。ましてイプシロンのような大規模かつ複雑なプロジェクトのリーダーは苦労が絶えないことと思います。森田さん、頑張れ!

さて、ロケット先進国のアメリカには、デルタ (Delta) という大変優れた衛星打ち上げ用ロケットがあります。なんと40年を超えた今も改良を加えながら使われ続けています。

いずれはイプシロンもデルタのような存在に限りなく近づいてくれることでしょう(この意味が分かった人は多分、理系です)。

JAXA: http://www.jaxa.jp/projects/rockets/epsilon/leaders_j.html

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みすず学苑、CM礼賛

2013年08月26日 | コンサルティング

電車の中に貼ってあったみすず学苑のステッカーです。「不気味」と言う人もいるようですが、私はこれが大好きです。登場人物はヤマトタケル、ダヴィンチ、小林一茶、モナリザ、縄文太郎、火星人、プリン、ココア・・・すべて生身の人間がコスプレで頑張っています。

私が感心するのは、単なる「目立とう精神」ではない何かを感じるからです。10年以上にわたってこのCMパターンが繰り返されているところをみると、よほどしっかりしたポリシーがあるのではと思い、調べてみました。

すると、みすず学苑のホームページのQ&Aコーナーに「広告の意味が不明です」という問合せに対する回答が載っていました。(以下転載)

「意味不明」というのは、本当は間違ってます。なぜなら、みすず学苑の広告には、一貫したポリシーがあるからです。それは、「受験に関する、言葉遊びで一貫してること」です。終始一貫、ダジャレを通し、最後は、「怒濤の合格みすず学苑」を連呼して終わりです。・・・(中略)・・・みすず学苑の校風は、大変明るく、楽しく、面白いものなのです。

やはり、ポリシーがありました。今やこの広告が、みすず学苑の存在を支えているようにすら思えます。

企業も個人も、ひとつの路線を貫き通す潔さがあるものは強いですね。その態度は見習いたいものです。

(参考)以下の動画は、みすず学苑のCM200連発です。とても楽しいのですが、途中で止めないと「あちら側」へ連れて行かれてしまう恐れがあります。ご注意を。

https://www.youtube.com/watch?v=tQVM0UgVmeA&list=PL6F453BB9CBF36C03&index=192

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半沢直樹はなぜおもしろいか

2013年08月25日 | コンサルティング

いま話題の「半沢直樹」は、大手都市銀行を舞台にしたテレビドラマです。組織で働く人間の欲望をシンプルかつ大げさに描いたところに、このドラマが成功した要因があったと思います。

視聴者は、ドラマに出てくる敵役たちの(捻じ曲がった)欲望が、徹底的に叩き潰されることにカタルシスを感じます。言ってみれば「桃太郎侍」のようなものなのですが、舞台が現代の組織なので妙にリアリティがあります。

ドラマを見ながら「こんなにあからさまに口に出して嫌味を言う奴は現実にはいないよなあ・・・」と思いながらも、いつのまにか頭の中で半自動的に自分が過去に出合った「嫌な奴」を検索してしまいます。

その結果「あ!いたいた。こんな奴いたよ。いや、もっとひどかったかも!」となるわけです。すると登場人物と現実の人間が微妙にオーバーラップし始め、いつのまにか主人公に感情移入していきます。

「感情労働」という言葉があります。頭や体だけではなく「感情の抑制、緊張、忍耐などが絶対的に必要な労働」だそうです。感情労働の職種としては看護師、苦情処理、銀行店舗の案内係などがあります。

しかし「半沢直樹」を見るまでもなく、現代の組織での仕事はほとんど感情労働のようなものではないでしょうか。

管理職研修の中には、受講者にやたらにプレッシャを与えて最後に感情を開放し、涙を流しながら「私は変わりました!」などと言わせるものもあります。これは一種のカタルシスを与えるやり方なのでしょう。

カタルシスは一瞬の浄化にすぎません。自分という人間はそんなに簡単に変わりませんし、他人はなおさらです。そんな研修にお金を使うよりも「半沢直樹」を見た方が10倍マシだと思いますが、いかがでしょうか。

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Blue Moon(ブルームーン)

2013年08月24日 | コンサルティング

ひと月に満月が2回現れるとき、2回目の満月をBlue Moon(ブルームーン)と言います。月齢周期が平均29.5日なので、ひと月に2回の満月というのは非常に稀な現象といえます。

日本では去年の8月31日に見ることができました。次の予定は2015年7月31日、その次は2018年1月31日だそうです。

ただし、1年を春分、夏至、秋分、冬至の4つのシーズンで区切ったとき、本来なら1シーズンに3回しか満月が見られないところを「4回満月が現れて、そのうちの3回目の満月がブルームーン」という定義もあります(本来はこちらの方が正しい?らしいです)。

今週の水曜日、2013年8月21日の満月はこのブルームーンでした。

ブルームーンを恋人同士で見ると幸せになれる、といった言い伝えがあるそうです。

また、英語で「Once in a Blue moon」と言うと、「めったに起きないこと、稀なこと」という意味です。

仕事のときはいつも精一杯頑張りますが、完璧=100点満点ということはありません。それでも、昨日の仕事(研修)は自分でも十分満足のいくものでした。100点満点で95点くらいでした。

いつもこのくらいの点数ならば文句はないのですが、生身の人間としてはなかなか難しいものです。ですから、自己採点で95点以上ならブルームーンと言って良いでしょう。

もうひとつのブルームーンは、カクテルです。ジンベースにスミレのリキュール、レモンジュースでちょっと甘めのカクテルです。淡い紫色が特徴で、上品な味わいです。今後、仕事がブルームーンだったら帰りに一杯飲んでみようと思います。

でも、私にとって最高の「ブルームーン」はエラ・フィッツジェラルドのこの曲です。子守唄代わりに聴きながら寝るとロマンチックな夢を見ることができます。保証つきです。

http://www.youtube.com/watch?v=T3FFOju3VM0

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マウリッツハイス美術館のフェルメール

2013年08月23日 | コンサルティング

「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」は日本でもおなじみのフェルメールの作品です。オランダ、デン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館が所蔵しています。

1999年、仕事でデン・ハーグに行った際に私は1日休みをとってマウリッツハイス美術館に行きました。「青いターバンの少女」の絵は、他の絵と同じように無造作に壁にかけてありました。私は10分ほど1人で、この絵を間近に見ることができました。

その時の印象は、拍子抜けするくらい「キレイ」でした。ちょうど、修復が終わって間もなかったためか、まるでついさっきアクリル絵の具で描いたような、あるいは、化粧品のコマーシャルに使うカラー写真のようでした。

この美術館でもっとも楽しかったのは、ボランティアのおばあさん(地元の人らしい)が、観光客を引き連れて館内のいくつかの絵を解説してくれたことです。10人ほどの観光客のうち東洋人は私1人でした。

小柄でとても品の良いおばあさんは、まったく癖のない英語でわかりやすく解説してくれました。この美術館自体こじんまりとしているので、1時間足らずの館内ツアーガイドでした。それでも、いくつかの絵に描かれているモチーフの意味や歴史などきちんち解説してくれて、とても興味深く楽しい時間を過ごすことができました。

さて、「青いターバンの少女」で使われている青は日本語でいえば群青(ぐんじょう)色、油絵具でいえばウルトラマリンです。その材料は、アフガニスタン産のラピスラズリという鉱石を使っており、大変高価だったそうです。

私の勝手な推測ですが、フェルメールはラピスラズリの「青」を生かしたくてこの絵を描いたのではないかと思っています。

優れた芸術作品には「これはすごい!」と思わせる強力なメッセージがひとつだけあるように思います。極端かもしれませんが、人間も同じようにひとつだけ光るものがあればそれ以上は必要ないのかもしれません。

(人材育成社)

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「わかりやすい」という危うさ

2013年08月22日 | コンサルティング

ビジネスのあらゆる場面において「わかりやすい」ということはとても大切です。
お客さんに商品の特徴を説明するときも、社内外の会議で発言するときも、わかりやすいことを心がけなければなりません。
しかし、わかりやすいことが危うさをはらんでいる場合もあります。

文科省が毎年行う「全国学力・学習状況調査」の結果が発表される頃になると、「子供の成績は、親の経済状態に比例する」といった記事が新聞に載ることがあります。
ときには、テレビや新聞が「親の収入が高いほど子供の成績も良い」という非常にわかりやすいメッセージを発信することもあります。
親たちはこれを見て「経済的に余裕があれば子供をもっと塾に通わせた方が良いかな」と思ったりします。

調べてみると、都道府県単位で見る限り親の収入(県民所得)と子供の成績(学力テストの点数)の間にはほとんど関係がありません。平成20年のデータを使って回帰分析をおこなったところ、決定係数(R^2)はわずか0.0323でした。

「わかりやすさ」の裏側には、意図的にデータ端折って「結論を作ってしまう」ことが往々にしてあります。「親の収入が高いほど子供の成績も良い」と言うならば、どのデータを使ったのかを明記しない限り「ねつ造」とあまり変わらないように思います。

私たちが携わる企業研修でも似たようなことはあります。受講者が分かりやすさを求めるため、講師もわかりやすい結論を作ってしまうのです。

少々まとまりがなくても、複雑な表現を使わざるを得なくても、伝えるべきことは手間をかけてきちんと伝えるようにしたいものです。

(人材育成社)

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