経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

脳のハイジャック

2009年11月24日 | Weblog
出来合いの理念や戦略を、総菜や弁当と同じ様に、
自分の経営に、他の経営者の出来合いを取り込む。

これは、どういうことなのか。是か非か。
以下、少し考えてみました。


人は、まず生きるために食べられるものかそうでないかを分別します。
次に食べられるものの中から、おいしそうなものとそうでないものを分別。
その他、栄養価とか高いか安いとか、入れ歯に優しいとか
人それぞれの事情の基準も加えて、分別しているわけです。
分別とは取捨作業。その結果、選択される。

出来合い経営を求めるケースも上に、置き換えて見ました。

取捨作業の繰り返しが、分別、判断の学習ということです。
その繰り返しが、一定の回線をつくる。
人皆、通常、良かれと思って選択しているのですから、
その繰り返しで、うまくいく流れができ川が形成される。
すなわち「売れて儲かるためのしくみ」を自分の脳に形成される。

先に他の人の頭で分別された「出来合いもの」を仕入れたら、
それで頭は占められ、自分が創った手作りは隅に置いておかれる。
出来合いの総菜と手作りの総菜を食卓に並べたら、
子供達は前者に箸を付け、後者には見向きもしない。

お母さんは、手料理する気がなくなり、やがて全部が出来合い。
経営もこうしたことに、と私の頭はどんどん妄想を拡げるのです。

言えることは、出来合いを使っていて料理上手になることない。

それは分別力や行動、体験による自らの知恵といったものが、
自分の脳の中に創られないし蓄積もされないからです。
これは間違いがない。確実です。

そうすると、手持ち在庫ゼロの空の頭の中に、
さらに新たな出来合いを他に求め、仕入れる、
といった悪魔のサイクルに陥ってしまうことになります。

それで、偉い先生のたくさんの家財道具で、
我が家の狭い部屋が占領される。

おなじように、他者に自分の頭をハイジャックされたことになります。
他人の脳で、自分の体を動かす。それが会社を動かす。

洗脳?そう考えただけでも、気持ちが悪くなり、
叫びたい。「オウ、ノウ、脳のハイジャック」

ところが、こうした経営者は実に多いのです。
これまで講演好きで、特定の講師の追っかけをしている経営者に
何人もお会いしたことがありますが、その殆どが、この類。
09.11.5