南会津流半農半スキー 和泉屋AK.T

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御前ヶ岳(1,233m)

2015-12-02 17:02:36 | 

御前ヶ岳(ごぜんがたけ)。なんとも雅な名前の山が、この奥会津にある。

南郷スキー場のトップ(伝上山)から東側を眺めると、平頂な駒止高原の一角に、もこっと頭が出ているのが御前ヶ岳だ。

ここ南会津には、高倉宮以仁王の潜行伝説が多く残されている。

以前、2012年の岳人3月号山の雑学ノートにも書いたが、この辺りには伝説由来の山名や地名が数多くある。

その一つが、この御前ヶ岳だ。

治承4年(1180年)、歴史上では宇治川の合戦で源頼政と高倉宮は平氏に討たれたことになっているが、どうやら宮様の遺体は見つからなかったらしい。

そこで生まれたのが高倉宮以仁王逃亡伝説なのである。越後小国氏(頼政の弟である源頼行)を頼りに幾つかのルートで逃亡したとされるが、中でも奥会津潜行ルートが伝説として多く語られている。

その宮様の妃であった紅梅御前と付き人の桜木姫が追うように会津山中に入り、通りかかったここ畑小屋(写真は山神平付近)集落で村人から献身的にお世話になったようだ。

そして、身の安全を図るため住まいを移されたのが写真奥の山、御前ヶ岳だという。

昭和35年ごろまでは木地師の村として13戸だった畑小屋集落は、現在はたった1戸だけとなってしまった。

登山口駐車場から、はっきりと御前ヶ岳が望める。

一戸だけになった民家をかすめ、すっかり明るくなった栗主体の雑木林を歩く。

御前ヶ岳へ向けていよいよ岩がごつごつした急登となる。

急登が終わるころになると大岩が重なり合って、多くの穴が見られるようになる。

その中でも風穴であろう穴から、生暖かい風が吹き出していた。御前の弱々しいうめき声が聞こえるという。

御前と姫がお住まいになったという平場を過ぎると、間もなく山頂だ。

登りだして約1時間30分で標高1,233mの山頂に到着。山頂は20~30㎝の積雪がある。

今朝歩いたばっかりの熊の足跡も。冬眠を控え、豊作だったブナやミズナラの実を食べあさっているのだろう。

山頂から北側は展望がよく、志津倉山と博士山の間には遠く飯豊連峰が浮かんでいるように見える。

また、木々の間からは磐梯山も小さく見えていた。

帰り道、御前のお住まいがあったとされる平場でお昼休みとした。

シーズン前の道具の点検を兼ねてツェルトを張ってみたが、所々穴が開いていた。これからスキーシーズン、バックカントリースキーが始まる。道具の点検、補充、修理をしっかりしておこう。

ゆっくり遊びながら無事に下山。4時間40分の伝説の山探訪でした。

登山口から5㎞ほど下ると、昭和村大芦集落がある。

南郷からは国道401号で約40分ほど。

この集落にあるのが、ファーマーズカフェ大芦家。地元のご夫婦が営む、村の社交場的存在のカフェ。もちろん遠くから訪れる人も多い。

コーヒーとじゅうねん(えごま)のシフォンケーキでちょっと一息。おいしいです!

気になる本もたくさん置いてあり、本当に安心してゆっくり出来るカフェですよ。

2015-16 テレマークスクール&スキーガイド 和泉屋AK.T

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