南会津流半農半スキー 和泉屋AK.T

夏は南郷トマト農家、冬はテレマークスクール&ガイドの和泉屋AK.T~~
南会津流半農半スキーのブログでーす!

9月30日 今日の畑

2024-09-30 19:52:30 | 里山の暮らし

まだまだ平年よりも高いのだけど、だいぶ気温も落ち着いてきた。それにともない、トマトの色付きもゆっくりになったので、朝の収穫を面積半分だけ実施することにした。

さて、先日は山で舞茸を採ったのだけど、あの時まだ小さな株を残してきた。気になってしょうがないので、今日また午後から望みをかけて採りに向かった。

ま、想定内であったがやはり誰かに採られていた…。悔し~!

自分を手ぶらで帰らせるわけにはいかないので、前回見回りきれなかったエリアに向けてさらに奥へ登る。

すると、何か所か見て行くうちにある大木の根元にありましたよ~!

被さっていた枯れ笹を除けると、虫のついていない麗しい株が姿を現しました。

さらによく見回すと、小さな株が出たばかり。これはまた残し、数日置いて成長したころ迎えに来ましょうか。

また誰かに採られないことを祈るばかり…。

時間は午後3時半。そろそろ陽も夕方に向けて準備を始めていた。ここで満足して帰ればよかった。欲を出してさらに奥へ登った時、悲劇は起こった…。

登ることさらに30分。時間は午後4時をまわった。昨年舞茸数株を採ったナラ大木群を見回っていた時、ものすごい重低音の羽音がしてきたと思ったら、1mほど目の前で大きな蜂、そうオオスズメバチがこちらを睨んでホバリングしているではないか。

うわっヤバイ!とひるがえって藪を這い上った瞬間。。。バチっ!と太ももの裏に激痛。うっわ、やっちまった~。

止まっているとまた重低音が周りを囲むので、さらに追撃されるのではと、ひぇ~!と頭を抱えながら藪を駆け登った。

。。。重低音は消えた。はあはあ言いながら、とにかく早くズボンをおろしてパンツ姿になり、ポイズンリムーバーで毒を吸い取ろうと持って来ているはずのファーストエイドキットを探す。あれ?あれ!持ってきたなかったわ…泣。何やってんだよ~

あ、そうだ!エイドキットとは別個に「熊の胆」をお守り代わりに持ち歩いていたことを思い出す。急いで取り出し、手のひらに熊の胆のかけらを乗せ、水で解かした。そして、解けた黄色い液体を指先に着け、身体の硬い自分は目視することが出来ない箇所に手探りで液体を塗りこんだ。

残った熊の胆のかけらは、水と一緒に飲み込んだ。

一連の作業が落ち着くと、パンツ姿の周りにはたくさんの山バエが取り囲んでいる。ズボンを下した自分に群がるハエ…。なんともシュールな画である。

動転した気が落ち着いてくると、今度はじんじんと激痛が来た。怖いのはアナフィラキシーショックだ。

今まで何度かアシナガバチやミツバチ、キイロスズメバチには刺されたことがあるが、アナフィラキシーは一度もない。ただ、日本最強のオオスズメバチは初めてである。一応、出かける前に妻には地形図で場所を説明してあるが、ここはまったく携帯の電波が通じない。

とにかく、急ぎ足で藪を漕ぎ下る。30分以上経過しているが、それらしい症状は出ていない。やっと軽トラまでたどり着いた。よかった~泣

帰り道にある山の神様に、事の顛末を報告。大事に至らず、ありがとうございました…m(__)m。

刺された左足のお尻に近い太もも裏がじんじんと痛い。片尻を浮かせながら軽トラを運転して、帰宅。

妻は、すぐ病院へ行け!というが時間も時間だし、なんだか大丈夫そうなので、熊の胆をまた皿に解かして何度も塗りこんでこのブログを書いている。書きながら何度か席を外し、ズボンを下げ塗りこんでいる。どうやら大丈夫のようだ。

なんなら、冷たいビールまで飲み始めた。熊の胆効果とアルコールの感覚麻痺で痛みもひいてきたぞ!

さ、明日もトマト収穫で早いので寝ることにしましょう…。

コメント (3)
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9月27日 今日の畑

2024-09-27 19:53:38 | 里山の暮らし

9月も二十日が過ぎ、気が付けばお彼岸だ。

朝は薄暗い中での収穫開始となった。

朝の気温もようやくこの時期らしくなってきた。二日前には10℃まで冷え込んだ。

管理作業も山場を越え、猛烈な疲れも徐々に癒えてきたが、疲労が溜まった腰は、ぎっくり寸前…。

が、しかし。やっぱり、山の舞茸が気になるよね~。

ここは、腰のリハビリと運動不足解消という名目で専務に許可を取り、トマト収穫を終えてから山へ向かった。

は~、やっぱ山はいいな~!(毎年同じセリフだな…)

よどみには岩魚も泳いでいる。

ここでもヒキガエル様はどっしりと、何かを考えている。

山の緑はくたびれた感を通り越し、秋色に変わりつつあるようだ。

さて、山を駆け巡ろう。いつものミズナラの大木を渡り歩く。

幹の直径が120~150㎝以上もあるナラの大木たち。

やはり大木を根元で見上げると、何か普通じゃないものを感じてしまう。なにか宿るような…。

そこはもちろんナラだけじゃなく、ブナの大木も並んでいる。

いつも一休みする所で、今年もあのブナが見えた。よーく幹を凝視すると…。

そう、前にも紹介した「女体様」だ。

くびれのある下半身。両手を広げた上半身。まるで苔の衣をまとって、大空へ向かって羽ばたいているようだ。

地上から3m以上。おそらく雪の頃に先人マタギの誰かが鉈で描いたのだろう。

実はこの手の切り付けは他にもあった。幹の樹皮の窪みをまるで女性器のように見立てた鉈で描いた絵画?

マタギたちの単なるいたずら落書きなのか、それとも山の神への祈りか、子孫繁栄の願いか…。

先人たちもこの山で活動していたかと思うと嬉しく思う。山は生活圏の一部なのだ。

そして、今年もありました!

なかなかフレッシュで虫も入っていない舞茸のいい株です。山の神に首を垂れ感謝します…。

他の出たばかりの小さな株がいくつかありました。今年は舞茸豊作かも?

一日軽く干して、先ほど舞茸ご飯を頂きました!旨かった~

マスタケもありましたが、ちょっと遅かった。

今年はドングリも豊作のようです。

トマトの樹は流行り病に侵されていますが、収穫は順調です。

山から下りてきた翌日。あら不思議、腰の痛みと張りは軽くなっていました。やはり農業とはいえ、運動不足になってしまうのですね。

10月は紅葉登山ガイドのお仕事も入って来ます。徐々に身体を作っていこうと思います。

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6月19日 今日の畑

2024-06-19 19:04:46 | 里山の暮らし

昨日は久しぶりの本格的な雨が降りました。

5月からずっと雨らしい雨が降らず心配していましたので、恵みの雨となりましたね。

ひとしきり降った雨雲の中から、しっとりした尾白山が姿を現しました。

植え付けを終えた畑では、ひたすら防草シートや通路マットを敷く毎日でした。

やっと畑の体裁も整い、今は誘引や芽欠き作業の毎日なのです。

さーて、畑もひと段落したところでトレーニングと森林浴を兼ねて久しぶりにしっとりした尾白山へ行ってみましょう。

朝のブナ森は実に気持ちがいい!

多雪地帯ブナ林床の代表種、エゾユズリハ。

ただでさえ艶やかな葉が、久しぶりの雨でさらに麗しい!

幽霊のようなギンリョウソウもそろそろ登場です。

さらに奥山へ入るとホオノキの皮が大胆に剝がされていた。よく見ると、白い樹皮が擦られたように黒ずみ、熊の爪痕や毛が着いている。

これは針葉樹でよくあることだが、ホオノキでは初めて見た。尾白山は1,100m付近から上には熊の痕跡が多い。2022年の12月には大きなやつと出くわしたことがある。やっぱりこの山にはでかい熊がいる…。いよいよ今年の冬、この山で熊猟をやろうと決心がついた。

ブナ森を過ぎ、稜線に出る。

麓の南会津古町地区が良く見える。

我が和泉屋トマト農園もよく見えました!

こうして上から見ると、古いビニールと新しいビニールとの違いがよくわかる。この夏の高温対策のヒントになりそうだ。

さらにキツイ登り。

山頂は間近。

向こうには左から大戸沢・三ツ岩・窓明の三峰が見える。

山頂付近にはブルーベリーの仲間、スノキ類も多い。(詳しい樹種は分かりませんでした…)

これらも熟す頃には熊の格好の食べ物になるでしょう。

稜線の灌木地帯に今年も少しだけどヒメサユリが咲いていました!今のところ、ここがヒメサユリの分布南限と言われています。

山形・新潟・福島会津の限られたエリアに自生するこの植物は、多雪急斜面や茅場(人が管理するススキ原などのかやぶき屋根材料の草地。)などの自然または人的管理で維持された草地に好んで生えていました。今となっては雪も少なくなり、人的茅場も維持されなくなったことでヒメサユリの自生地は失われてきました。

この尾白山界隈も昔は(たぶん昭和40年代ごろまで)はかなりの茅場があったことを先輩マタギから聞いています。

さらに今回確認して分かったのは、シカ?の食害が尾白山でもかなり進んでいることです。葉を残して頂部がもぎ取られている株をたくさんみつけました。

気候変動はもとより、このように人間活動の急激な変化によって煽りを食らった生き物の増減をこれほどまで目の当たりにすることは今までなかったでしょう。

都会や地方都市に住んでいれば熱い!豪雨だ!など単なる気候の異常は体験できるでしょうが、じんわり迫る生き物の劇的な変化は僕らのような生き物や雪と携わっている山に住む人間が一番危機感を抱いているのです。これは速すぎる・ヤバいと…。

ま、それでも諦めず今の政治に目を向けながら、自分としてはこの山また山の南会津でトマトを作って、スキーをして、狩猟をして、生き物としての人間の生き方を全うしようと思うのです。

数日前に南郷スキー場と宮床湿原にも行ってきました。

湿原の貴婦人・トキソウ。そしてちょっと盛りを過ぎたワタスゲ。

この宮床湿原界隈。これからのテレマーク・ウロコ板ツアー一押しのエリアでもあります。来シーズンも楽しみですね!

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新クラフトビール&工場オープンします!

2024-04-21 19:41:37 | 里山の暮らし

いよいよ南会津マウンテンブルーイングMMtBの新工場と新クラフトビールがお披露目になります!

日時はGW後半の5月3~6日です。場所は今までの工房&タップルームのビアフリッジの目と鼻の先。田島郵便局の会津鉄道踏切すぐそばです。

ここまで来るのには本当にたくさんの苦労があったはず。語っていた夢を着実に実現しているタケちゃんこと関根くんには、まったくリスペクトしかない。

今後は共同開催していた南会津バックカントリーの夕べ、マウンテンツアー&ビアもこの新工場で開催することになりますよ。

みなさんもぜひ!

Facebook ⇒ こちら

南会津マウンテンブルーイングの製造過程で出た麦芽カスは、和泉屋トマト農園の土づくりに役立てています。

この麦芽カスで育ったトマトは、クラフトビア「トマトセゾン」の原料としてふたたびビールへと戻るのです!

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4月18日 久しぶりのイノシシ

2024-04-19 19:17:25 | 里山の暮らし

4月18日、晴れているのに黄砂でモヤっている畑では、ソメイヨシノが満開となりました!

実際のところ、畑のお隣にある養老施設の敷地にあるソメイヨシノですが、我が桜のように楽しませてもらっています。

昨年よりは3日遅い満開です。

それにしても桜というのは潔い花ですねえ。ぱっと咲いて、ぱっと散る。打ち上げ花火のような、引きずらず往生際よく気持ちの良い咲き方です。なんか見習いたいものです…。

さて、諦めの悪い私は冬眠明けの春熊を求め今日は一人で山に向かいました。

秘密のブナ平を通り抜け、

沢を登り、

いよいよ熊がよく潜んでいる黒木の混ざる岩塊尾根に取り付きます。

岩塊が重なり合っているこのエリアは、大小の穴だらけで熊が身を隠しやすい場所です。

冬眠から醒めた熊は、はじめはこの辺りで足慣らしをして、その後下に移動し日当たりの良い斜面で食べ物を探します。

猟銃を携えているとはいえ、一人この地に踏み込むのはやはり気持ちが良いものではない。

びくびくしながら用心深く登ります。

テーブルマウンテンのようなこのエリアは、岩塊の急登が終わると山頂付近はこのようなブナ平となるのです。

親方が「獲物は雪で獲るんだよ…」というように、雪があると獲物を追いやすい。雪にはしっかりと足跡が残されます。

ん?新しくはないがシカかイノシシが往来した獣道があった。

今度はその近くに新しいイノシシの足跡がある!追いかけてみるか…。

足跡は雪から外れ、雪の無い藪へ消えている。と、その時。その藪の奥でガサガサっと動物が動く音が聞こえた。

なんか居るぞ…。イノシシ?それとも熊か…。緊張しながら猟銃に弾を装填しそなえる。

自分の動きを止めじっと姿が見えるのを待つ。

見えた!イノシシだ!…銃を構えポンっ!。

ハズレた。獲物は猛スピードで横に逃げ去る。銃口の照星を獲物に当て二発目発砲。

小さいイノシシを仕留めました。おそらく近くには大きな親イノシシも居たでしょう。

小さいですが、れっきとした有害獣として町から捕獲許可が出ています。

山の神に感謝の祈り。報告写真を撮り、その場で解体し処理しました。

一連の作業を終え、静かなブナ平でほっと一息。山で食べたカップラーメンはやっぱり旨かった。

イノシシ肉を詰め込んだザックは一段と重く、下りの沢で何度か転びそうになる。あぶねあぶねー汗

日当たりでは早くも美味しそうなコゴミが出始めていた。有り難く頂いていきます!

さらに里へ近づくと、カタクリが満開でした!

春熊は獲れませんでしたが、子イノシシを獲れただけでも気持ちが満たされました。

組織的な巻狩りを行える鉄砲打ちは集まらなくなってしまい、今後はこのような一人忍び猟や二人で勢子&マヂコで猟をすることが普通になるのでしょう。それでも、南会津マタギたちから受け継いだ人と獣の対峙をこれからも細々と続けていこうと思います。

さて、畑では本格稼働に向け着々と圃場のメンテナンス工事を続けてます。

トマト苗の育苗に向けて次の準備も始まります!

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