また、三岩岳へ向かう。
先日のツアーの時に小屋を覗きこむと、中に雪が吹き込み小屋の中が雪まみれになっていた。その時、いくらかスコップで雪出しをしたのだが不十分で、ずっと気になっていたのだ。
あの雪解けると、板間がびたびたになっちまうべな…
農作業もまだ雪消し程度で、急ぐ作業はない。よし、それならば…、と向かった。
まんず早く咲くから、マンサク。この黄色いピロピロ的な花が好きだ。
朝のどんより曇りから、時々日が差してきた。三岩のブナ尾根は、会津駒や大戸沢のその尾根の中では一番好きだ。
明日はあそこから滑り降りる、つもり。
小屋泊まりの装備と小細工作業の道具などで、ザックはずっしり膨らむ。
誰にも頼まれず、こんな辛い思いをして小屋に向かう自分。自宅の雪囲いや草刈りなど、尻を叩かれなければ動こうともしないのに。まったく困ったもんです…。
空はすっかり晴れていた。
一休み後、さっそく作業開始。
まずは、風圧で開いてしまう冬季出入り口の扉に、細引きで固定できるように細工。
次に、中に吹き込んで積もっていた雪を外に出した。1階部分は外に出せなかったので出入り口付近に寄せて置いた。
そして、乾いた雑巾で板間の水分ふき取り。当初、寝場所に困るほど濡れていたが、荷を軽くして山頂へ滑りに行っている間、ある程度乾き、寝るには問題なし。
(ちなみに今回の作業は管理者の役場担当課には連絡済み)
荷を軽くして山頂へ。今回は2,065m三角点よりもさらに高い2,070m地点まで行ってみた。
なんでこっちが山頂三角点にならなかったんだろう?
ま、それはさて置き、だいぶ陽が傾いて来た。
南方には大戸沢、会津駒へ続く稜線。雪庇がデカい。
沢をよく見ると、沢筋の樹木が幅広く灌木帯になっている。度々とてつもない雪崩が走り去る所以なのだ。
この斜面も惚れ惚れする。明日、滑る予定。
そして北西に目を転ずると、憧れの坪入から高幽、梵天、丸山岳への遥かな尾根。
いつかは絶対行ってみよう…
板はすっかり乾き、快適だ。
ロウソクの灯りで、読書。ラジオを聴きながら、ペミカン豚汁でお腹は満たされた。が…。
あ~、やっぱり酒が欲しい~
酒は荷から削除するものではないと実感。
ああでもない、こうでもない、ぶつぶつ独り考えながら夜は更けた。
翌朝、深夜に降っていた雨は止んでいた。
遅く拝んだ朝日の下に、薄っすら雲海。
しかし、今日は弱い冬型。案の定、出発直前、西側から灰色のガスがやって来た。
窓開山滑降はまた次回の楽しみに。
振り返ると三岩岳はガスの中だ。
地元の名峰・三岩岳。なかなか遠い窓開山。また来年の楽しみです。