昨日は久しぶりの本格的な雨が降りました。
5月からずっと雨らしい雨が降らず心配していましたので、恵みの雨となりましたね。
ひとしきり降った雨雲の中から、しっとりした尾白山が姿を現しました。
植え付けを終えた畑では、ひたすら防草シートや通路マットを敷く毎日でした。
やっと畑の体裁も整い、今は誘引や芽欠き作業の毎日なのです。
さーて、畑もひと段落したところでトレーニングと森林浴を兼ねて久しぶりにしっとりした尾白山へ行ってみましょう。
朝のブナ森は実に気持ちがいい!
多雪地帯ブナ林床の代表種、エゾユズリハ。
ただでさえ艶やかな葉が、久しぶりの雨でさらに麗しい!
幽霊のようなギンリョウソウもそろそろ登場です。
さらに奥山へ入るとホオノキの皮が大胆に剝がされていた。よく見ると、白い樹皮が擦られたように黒ずみ、熊の爪痕や毛が着いている。
これは針葉樹でよくあることだが、ホオノキでは初めて見た。尾白山は1,100m付近から上には熊の痕跡が多い。2022年の12月には大きなやつと出くわしたことがある。やっぱりこの山にはでかい熊がいる…。いよいよ今年の冬、この山で熊猟をやろうと決心がついた。
ブナ森を過ぎ、稜線に出る。
麓の南会津古町地区が良く見える。
我が和泉屋トマト農園もよく見えました!
こうして上から見ると、古いビニールと新しいビニールとの違いがよくわかる。この夏の高温対策のヒントになりそうだ。
さらにキツイ登り。
山頂は間近。
向こうには左から大戸沢・三ツ岩・窓明の三峰が見える。
山頂付近にはブルーベリーの仲間、スノキ類も多い。(詳しい樹種は分かりませんでした…)
これらも熟す頃には熊の格好の食べ物になるでしょう。
稜線の灌木地帯に今年も少しだけどヒメサユリが咲いていました!今のところ、ここがヒメサユリの分布南限と言われています。
山形・新潟・福島会津の限られたエリアに自生するこの植物は、多雪急斜面や茅場(人が管理するススキ原などのかやぶき屋根材料の草地。)などの自然または人的管理で維持された草地に好んで生えていました。今となっては雪も少なくなり、人的茅場も維持されなくなったことでヒメサユリの自生地は失われてきました。
この尾白山界隈も昔は(たぶん昭和40年代ごろまで)はかなりの茅場があったことを先輩マタギから聞いています。
さらに今回確認して分かったのは、シカ?の食害が尾白山でもかなり進んでいることです。葉を残して頂部がもぎ取られている株をたくさんみつけました。
気候変動はもとより、このように人間活動の急激な変化によって煽りを食らった生き物の増減をこれほどまで目の当たりにすることは今までなかったでしょう。
都会や地方都市に住んでいれば熱い!豪雨だ!など単なる気候の異常は体験できるでしょうが、じんわり迫る生き物の劇的な変化は僕らのような生き物や雪と携わっている山に住む人間が一番危機感を抱いているのです。これは速すぎる・ヤバいと…。
ま、それでも諦めず今の政治に目を向けながら、自分としてはこの山また山の南会津でトマトを作って、スキーをして、狩猟をして、生き物としての人間の生き方を全うしようと思うのです。
数日前に南郷スキー場と宮床湿原にも行ってきました。
湿原の貴婦人・トキソウ。そしてちょっと盛りを過ぎたワタスゲ。
この宮床湿原界隈。これからのテレマーク・ウロコ板ツアー一押しのエリアでもあります。来シーズンも楽しみですね!