さて、11月22日は本来であれば刈込・切込湖トレッキングでしたが、20日の冬型の天候で南会津やここ栃木北部も降雪がありました。前日の下見ではコース上部では10㎝から深いところでは膝下まで吹き溜まりがあり、今回はこのコースは断念…
ということで、今回は竜頭の滝から中禅寺湖西岸をたどり、戦場ヶ原を目指します。
今回は東京・神奈川からSさんMさんYさんにお越しいただきました。
菖蒲ヶ浜の入口からトレッキングコースへ。湖岸へ落ち込む山肌をトラバースするよう道をたどります。
樹林帯とはいえ明るく、樹冠の隙間からは景色もよく見えています。
ただこのコース、急斜面を横切る道なので踏み外さないよう注意が必要。
横長高気圧に覆われた今日は、雲も風もない小春日和。鏡のような湖面は黒檜岳や千手ヶ浜を映し出しています。
トラバースしてきた道は小さな砂浜のある「栃窪」へ緩やかに下りていきます。
この「栃窪」というエリア。名前だけあってトチやミズナラ、ハリギリの巨木が多く見応えがありますよ。
スケール感が狂ってしまうようです。
静かな湖畔で小休止。
静かに休む人、撮影に夢中になる人、大蛇のような流木と戯れる人…。ひとそれぞれです。
そんな中、ある小さな事件が…。
二羽のスズメくらいの小さな小鳥が湖面付近を仲良く飛んでいたかと思うと、一羽が着水しました。もう一羽は飛んで行ってしまいました。
小さな水鳥?それとも水面のエサを食べに?するとその小鳥は妙な動きをし始めました。まるで小さな亀が水面をぱたぱた泳いでいるような。そう、溺れていたのです。
数分後、動きが止まりました…。
以前、畑から飛び立ったキジが民家の壁に直撃して落下し死んだ事故を目撃しました。自由に安全そうに空を飛べる鳥もこのように事故を起こしてしまうこともあるのですね…。
さて気を取り直し我々は先へ進みます。
次の「熊窪」という同じような小さな砂浜から湖を離れ、北側の山にある峠に向かって登り出しました。
35分ほどの登りで、高山への分岐点となる標高1,480m峠に到着。
涼しい風が通り抜け、暑くなった身体を冷やしてくれます。ここからは北側に広がる平原の小田代原へ降りていきます。
北面にはさすがに2日前の雪が残っていました。みなさん久しぶりの雪を踏みしめます。
シカ侵入防止柵をくぐり、特別保護地区でもある小田代原、戦場ヶ原へ近づいていきます。
やはりここでもシカによる樹木や植物の食害が甚大のようですね…。
ハルニレやミズナラの中の気持ちの良いまっすぐな道。
美しいシラカバ林も現れ、思わず足を止めました。
同じような平原でも森の樹種が変化し景観も変わります。
さて、バス専用道路に出ました。ここから小田代原入口まで歩くのですが、今回のトレッキングで一番の難所?でした。
圧雪が氷となり、つるんつるん!気が抜けません。
つるんつるん歩道を終えると、一同ほっとします。
ここから小田代原へ。
湿地から陸地へと変化しつつある小田代原。冬枯れのこの時期、すれ違う人もほとんどいません。東側をたどり戦場ヶ原へとむかいます。
戦場ヶ原の西側入口付近でランチタイムとしました。定番となりつつある和泉屋トマト卵スープ。
身体も内部からぽかぽかです!
戦場ヶ原は男体山の西側に広がる平原です。大真名子、小真名子、太郎山などのきれいな形の火山にぐるっと囲まれた大きな盆地です。かつて男体山噴火の溶岩流が川を堰き止めできた湖だったとのこと。さらなる噴火で火砕流に覆われ湿地となったそうです。
ちなみに「戦場ヶ原」の由来は、
昔、男体山の神と赤城山の神が、美しい中禅寺湖を自分の領土にしようと、大蛇と大ムカデに姿を変え、激しい争奪戦を繰りひろげた。
しかし、なかなか決着がつかない戦いに業を煮やした男体山の神は、弓の名人である自分の子孫・猿麻呂に大ムカデの目を射抜かせ、ついにこれを討ち負かした。この戦いが繰りひろげられた広野原が、現在の戦場ヶ原なのだそう。(栃木県公式ホームページより)
広い景色あり、湯川沿いの森の景色ありの約1時間の木道トレッキングです。
戦場ヶ原を貫く湯川を辿り歩くと、最後に現れたのがこの竜頭の滝です。
今日のトレッキングの最後を飾りました。ここまで来ると観光客も多く、普通の観光地を感じました。
湖と巨木の森と戦場ヶ原を巡る約5時間の奥日光トレッキングでした。
SさんMさんYさん、お越しいただきありがとうございました!
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