今回の猟は家からほど近い唐倉山方面へ。
ヤマドリの足跡を探しながら、沢沿いを歩いていく。
が、なかなか足跡が見当たらない。先輩猟師たちがいうには、最近はヤマドリがめっきり減ったようだ。
理由は分からないが、どうもシカやイノシシの大型獣が増えると反比例して減ったようだ。まさかシカ・イノシシが食べてしまう訳ではあるまいし、どうしてだろうか…? となると、ますます年越しそばのヤマドリ出汁は貴重になるなあ…。
林道入口から歩いて約2時間。唐倉山登山口の近くまでやってきた。
と、沢のくぼみをよく見ると大型獣が雪をラッセルしたあとが確認できる。しかも新しい。胴体を引きずった跡なので、足の短いイノシシか?…。
気を付けながら跡を追う。と、その時…。いた!!! イノシシだー!
足の短いイノシシは、こう雪が深いと進むのが遅い。気づいたイノシシは猛然と逃げるが、スキーを履いた僕の方が早く距離を詰める。
射程内に詰め、一発放つ。命中! どたっと倒れ、なおもがいていたので止め差しを首へ…。
体長140㎝、120㎏超の大物イノシシでした…。初めての大型獣でした。
血を流しながら死んで行きました。嬉しさよりも、神妙な気持ちが優先しました。しばらく茫然…。
授かった獲物に合掌して、自分も落ち着きとにかく林道まで引き上げようと前足にロープをかけ動かそうとしたがとても無理。
これは困ったぞ…。携帯も通じないので、とにかく林道入口まで戻り応援を頼むことにした。
戻りはシールを外し、ウロコ板を走らせ50分で着いた。ここでテレマークの有効性をまた実感。
スノーモービルを持つ親方を連絡を取り、時間はもう15時半をまわっていたので翌日回収することになりました。
翌日、スノーモービルを積んだ軽トラが入れるように手掘り除雪。ここから親方と向かいました。
やはりモータリゼーションにはかなわない! 楽ちん。
しかし! この軟らかい雪で3回もスタックし、その度に掘り出し大変なめに…。スコップが無かったので、手掘り&ノコギリで雪を切り出し大汗かいて脱出。親方と二人で珍道中です。
途中、中型のイノシシグループに出会い、ここでも二人で2頭仕留めました!
ようやく引きずり降ろしてきた獲物。大型と小型のイノシシ2頭が今回の猟の成果です。
さらに翌日、自宅前で大物の解体です。大型獣の解体はまだ経験がなかったので、近所のベテラン罠猟師の先輩に手伝ってもらいました。
なんとまあ脂が乗ったよい猪肉でした。我が家だけでは食べきれないので、集落内・友人などに声をかけお裾分けです。
ここ数年、田畑を荒らす迷惑獣として地域内の住民は困っていました。このようにして、少しでも人間が獣を追い、仕留めて食べていくことで人と動物とのバランスが取れて来るでしょうけど、あまりにもシカ・イノシシが増えすぎているので、ぼくらの様な少ない狩猟者が獲ってもなしのつぶて。地球温暖化が最大の要因らしいですが、このように昔のように人が里山へ、さらには奥山へ入るようになると少しは変わってくるのかもしれません。
26日の朝。庭先の積雪は80㎝まで沈んだのですが、新しい雪でまた1mを越えてきました。
今日は南郷スキー場のオープンです。明後日から和泉屋AK.Tテレマークレッスンが始まります。さて、午後から足慣らしへ南郷スキー場へ滑りに行こう。
2020-21 テレマークスクール&スキーガイド和泉屋AK.T