泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

「藤原宮跡で旗ざおの穴」 現地説明会

2016年10月03日 20時55分11秒 | 歴史

奈良県橿原市高殿町の藤原宮(694~710年)跡で、大宝元(701)年の元日朝賀の際に用いた旗「幢幡(どうばん)」を立てたとみられる柱穴7個が見つかり、奈良文化財研究所が9月27日発表しました。

発掘調査を行っている奈良文化財研究所が、10月2日に現地説明会が開かれ多くの古代史ファンが詰めかけてました。

今回は、「藤原宮跡で旗ざおの穴」の現地説明会の様子を紹介したいと思います。

藤原宮期の遺構として、旗ざおを立てたとみられる大型柱穴群や横に並んだ柱穴列が出土しました。宮を南北に貫く中軸に位置する中央の1基をはさんで、東西に3基ずつ対称的に配置された計7基の柱穴群で構成されていることが分かりました。律令国家の完成を祝う儀式の威厳を高めるために初めて設置されたものです。

「続日本紀」に記載されている、大宝元年(701)の元日朝賀の際に立てられた7本の幢幡(どうばん・旗)に関わる遺構の可能性が高いとされています。

柱穴の3・1・3東西対称方式による7本の幢幡は、次のような構成だったと考えられるようです。中央に3本足のカラス(烏)をセット。東に太陽を表す日像と青龍、朱雀を、西には月を示す月像と玄武・白虎を、それぞれ東西に3角形を描くように配置するという構図だそうです。日本独自の信仰である3本足のカラスに、古代中国の陰陽五行思想を組み合わせた特異な様式といえます。

実際に立てられた旗のサイズやデザインなどは史料に残されていないようですが、後世に描かれた同様の旗を参考にすると、高さは9メートルに達していたと推定されます。イラストレーターの早川和子さんが元日朝賀の式典を想像したイラスト作品を創作され、現地説明会の会場で展示されていました。
古代、新春の陽光を浴びて色鮮やかな7本の旗がはためく様子は、きっと壮観だったことだろうと想像しました!
                                      
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