
今年二人目に取り上げる新人は、男性の新人演歌歌手です。二見颯一さんは宮崎県出身の二十歳で、幼い頃から民謡を習い、民謡の大会で優勝した実績を持つという腕前です。
2017年の日本クラウン演歌・歌謡曲オーディションで優勝し、3月6日に『哀愁峠』でデビューしました。『哀愁峠』は、作詞:たきのえいじ氏、作曲:水森英夫氏といずれも大物がてがけており、日本クラウンの力の入れ方がうかがわれます。
この曲の内容も望郷演歌で、主人公は彼の出身地である宮崎から都会へ出てきて5年になる青年で、彼自身を投影しているように思われます。1番では自分の境遇、2番では故郷での恋愛感情、そして3番で母親への想いがそれぞれ歌われており、きっちりした定番の構成になっています。
彼の歌唱はさすがに民謡で鍛えただけあって、伸びがあって安定していて、心地よく聴いていられます。まさに日本クラウンのキャッチコピー「新時代にこだまする“やまびこボイス”」がぴったりという感じです。
着流し姿もすっかり堂に入っていて、本格的な演歌の大型新人が登場との期待を抱かせます。大きく伸びて、これからの演歌界を背負って立つくらいの活躍をしてほしいと願っています。