
現在、もっとも輝きを放つ女性演歌歌手といえば、市川由紀乃さんでしょう。その彼女の待望の新曲は1月30日発売の『雪恋華(ゆきれんげ)』です。タイトルもなかなか凝っていて、まさに渾身の名曲と言える出来映えです。
昨年の『うたかたの女』は、メジャー調の軽い感じの曲でしたが、この『雪恋華』は、道ならぬ恋という抒情演歌の定番をテーマにしながら、その表現の仕方に工夫があり、深みと切れ味を感じます。
曲の構成としては、出だしは淡々と心情を語りかける調子で始まり、徐々に盛り上がって、「雪が散る散る」のサビで感情が大きく高揚します。そしてラストでは「戻りたい戻れない」と揺れ動く感情を「雪の華」になぞらえて美しく締めています。
歌詞は演歌では異色と言える11行の長さで、スケールの大きな曲になっています。
PVも斬新な作りで、椅子1脚だけの場所に市川さんが腰掛けると、照明が落ちて真っ暗になってから彼女にスポットライトが当たるという印象的なシーンで始まります。男女二人のダンサーによる舞踊は演歌のイメージを破るものです。
女性の内に秘めた繊細かつ激しい感情が、彼女の極上の歌唱力により、豊かに表現されています。
この曲は、今年の歌謡界を代表する曲として、また彼女の代表曲として息の長いヒットになる可能性が十分にあると思います。
カラオケでは難しい曲だと思いますが、それだけにチャレンジする価値があると言えるでしょう。
この曲のヒットで、彼女が名実ともに女性演歌歌手のトップとしての地位を盤石にしてほしいと願っています。
https://www.youtube.com/watch?v=TQfPlhwHeuo