野田佳彦首相は、よほど暇らしく、尊敬する大平正芳首相の政策研究会を真似て、前車の轍を踏もうとしている

2012年04月04日 01時08分58秒 | 政治
◆野田佳彦首相が、長期政権になる見込みもないのに、長期ビジョン「フロンティア構想」の策定を急いでいるという。それも野田佳彦首相は自民党長期政権(1955年11月5日~1993年8月8日=37年8か月)下の大平正芳首相(在任1978年12月7日~ 1980年6月12日)を尊敬しているが余り、大平正芳首相が在任中に立ち上げた「政策県研究会」に見習って、長期ビジョン「フロンティア構想」を策定しようとしているのである。
 大平正芳首相は1979 年1 月、まず24もの政策懇談会を相次いで立ち上げ、これを基に直属の民間人有識者による長期政策に関する政策研究会を設置した。大平正芳首相が急死した後に、各研究グループが報告書を作成し、伊東正義内閣総理大臣臨時代理に提出した。政策研究会、このなかで内政については、田園都市構想、外交においては、環太平洋連帯構想や総合安全保障構想などを提唱していた。「政策研究会」は、以下のように9つの研究グループで構成されていた。
 1.文化の時代研究グループ(議長=山本七平山本書店主)
 2.田園都市構想研究グループ(議長=梅棹忠夫国立民族学博物館長)
 3.家庭基盤充実研究グループ(議長=伊藤善市東京女子大学教授)
 4.環太平洋連帯研究グループ(議長=大来佐武郎(社)日本経済研究センター会長)
 5.総合安全保障研究グループ(議長=猪木正道(財)平和・安全保障研究所理事長)
 6.対外経済政策研究グループ(議長=内田忠夫東京大学教授)
 7.文化の時代の経済運営研究グループ(議長=館龍一郎東京大学教授)
 8.科学技術の史的展開研究グループ(議長=佐々學 国立公害研究所長)
 9.多元化社会の生活関心研究グループ(議長=林知己夫統計数理研究所長)
しかし、報告書は、そっくりそのまま、大平正芳首相の娘婿である森田一衆院議員に渡された。その後、中曽根康弘首相が、一度目をつけたものの、役に立つ政策がないとして、結局どれも採用せず、政策に活かされることはなく、事実上、お蔵入り状態のまま、、陽の目を見ることはなかった。
 だが、野田佳彦首相は、大平正芳首相の死後32年を経て、ようやくこの報告書に着目したのである。時は移り、米ソ東西冷戦が終わって、はや24年も過ぎて、国内外の情勢も環境もすっかり様変わりしているので、新しい政策をつくるには、それなりの民間人有識者を揃えたり、じつくり研究するためにたっぷり時間をかけたりしなければ、しっかりした長期政策の提言を得て、具体的政策を策定することはできない。
◆しかも、野田佳彦首相が、「大平正芳首相の政策研究会」に着目したのは、良いとしても、大平正芳首相と同じような過ち、すなわち、前車の轍を踏もうとしている。
 それは、首相に就任してから、慌てて、民間人有識者を集めて、長期政策を研究してもらおうというのでは、遅いということだ。首相に就任する前に、すでに長期政策を研究して得た報告書を基にして、政権に就いた瞬間から、施政方針にこれを盛り込み、国民や世界の人々に知らしめて、実行しなくてはならない。たとえば、米国ブッシュ大統領は、政策ブレーンに安全保障政策についての研究レポートを作成させて、政権の座に就いてからは、主要スタッフであるリチャード・アーミテージを国務副長官に就任させている。やはり、準備万端整えてから、政権の座に就くべきなのである。
◆さらに言えば、野田佳彦首相は、何の政策を最優先するかの順序を間違えている。いまは、のんびりと長期政策を研究できるような「平時」ではない。「危機に直面」している緊急時、非常事態にある。取り組む順序は、以下の通りにしなくてはならない。
 ①東日本大震災、大津波大被害、福島第1原発大事故被害に対する「復旧復興事業」に全精力を投じること。
 ②近づいている関東大地震、東海大地震、南海大地震、東南海大地震の4連発発生に備えて、被害を最少限度に食い止める政策を急いで実行すること。
 ③公務員改革、社会保障政策、景気政策など、行うべきことを行った上で、消費税増税を実施する。
 ④「フロンティア構想」など長期政策の研究に取り組む。
 この「短期・中期・長期」の優先順位を間違えて、不退転の決意で「消費税増税」に熱中しているので、多くの国民から、「被災民の救済、被災地の復旧復興」を忘れているのかと厳しく批判されるのである。
 朝日新聞は4月3日付け朝刊「4面」で、「首相肝いり『フロンティア構想』解散にらみ 議論急ピッチ」という見出しをつけて、首相がこの構想の取りまとめを急ぎ、5月中に中間報告書提出を分科会に指示したと報じている。
 しかし、民主党のマニフェストをいくつも破り、消費税増税により国民に「重税」を課そうとしている「酷税首相」が、いかにバラ色の夢を掲げようとも、国民有権者の多くは、いまや野田佳彦首相を「信用していない」ので、徒労に終わるのは、目に見えている。それにしても、野田佳彦首相は、よほど暇らしい。

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