本当に久しぶりに、今日はいいお天気。
穀雨を過ぎ、みずみずしく水分を蓄えた木々の緑が一斉に太陽を向いて、本当に眩しい。思わず一緒に上を向いて、深呼吸をしながら光合成してしまいそうな気分だ。
予報によれば、いきなり25度の夏日になるということだった。今日はとうとうタイツを脱いでストッキングにして、雨傘を日傘に替えて家を出た。
昨日は一日中どうも頭が重く、ベッドに入ってからも夜中に何度か頭痛で目が覚めた。
気圧のせいなのか、晴れてきたらずいぶん楽になり、ロキソニンのお世話にならず復調した。
食欲も意欲もあり、週のうち一番元気な火曜日だ。本当なら明日は治療日だから、いつもは今日の夜あたりから日曜日の“サザエさん症候群もどき”(ようやく元気になったけれど、この体調は今日までで、明日、治療にいけば当分不調だ・・・というブルーな気分)になるところだが、今週は3週に1度の休薬週。白血球は底値かもしれないが、これからは回復してくる時期。無理をしなければ、元気に過ごすことが出来る嬉しい火曜日の夜だ。
さて、ずっと気になっていた読書日記。先月半ば以降通院日に読んだ本のご紹介をごく簡単に。
1冊目は大島真須美さんの「三人姉妹」(新潮文庫)。
いつだったか、NHKの夜のドラマで「ビターシュガー 虹色天気雨2」を放映していたが、その作者がこの大島さん。私より一つ年下の62年生まれ。歳が近いので通じるところも多いように思う。
帯には「失恋!? そんなもん私たちだってさんざんしてきたわよ。姉がいる人は大いに共感、妹がいる人はくすくす笑い 三姉妹の物語」とある。私は姉も妹もいないけれど、羨ましいような本音のやりとりに思わず惹き込まれた。
解説で橋本治さんが書いておられるように、まさしく清少納言の「枕草子」の現代版の語り口。確かに“うねうねと続いてどこへ連れて行かれるのか分からない長いセンテンスで、しかも他人の言ったことがカギカッコなしで平気で入り込んでくる”のだが、不思議と、この一人称独白体の文章で、それぞれの恋愛や人間関係を時に優しく、時に厳しく見守る家族の日常を綴ったお話に、心がほっと温かくなった。
2冊目は畠中恵さんの「アコギなのかリッパなのか -佐倉聖の事件簿-」(新潮文庫)。
「しゃばけ」シリーズで有名な著者の新時代のユーモア・ミステリー。帯には「どんな陳情でも難題でも、何なりとご用命あれ!政治家事務所で働く大学生・佐倉聖、颯爽と登場」とある。裏表紙によれば、主人公佐倉聖(せい)は21歳。腹違いの弟を養う大学生で、既に引退した大物政治家の事務所で雑用係の事務員を務めている。昔は不良で腕っぷしが強い上、機転はきくし頭が切れる、という設定。まずは冒頭の“政治家事務所の一日”の「開会」からいきなり惹き込まれる。事件は一から五まで。全て色にちなんだタイトルになっている。「五色の猫」、「白い背広」、「月下の青」、「商店街の赤信号」、「親父とオヤジとピンクの便せん」である。都議会議員選挙の臨場感あふれるリポートのあいだに、事務所に持ち込まれた事件のエピソードを挿入する構成になっている。続編も刊行の予定という。楽しみである。
3冊目は外山秀俊さんの「3・11 複合被災」(岩波新書)。
帯には「これほどの無明を見たことはなかったー地震、大津波、そして原発事故 現地を歩き、全体像を描く」とある。
2011年3月、朝日新聞記者を早期退職した著者が、郷里の札幌に帰らんとするタイミングで発生した大震災。2021年に中学・高校生になる世代の人々が、東日本大震災を調べようとして、初めに手に取ってくださる1冊になるように、との思いで書き始めた、というもの。他でもない、その人たちがこの国の未来であり、可能性であると信じているからだ、という。
「はじめに」にあった次の文章にその思いが凝縮されていると思う。
「大災害であっても、「今」を生きることに懸命な日々がかさなると、つい意識から遠ざかり、「なかったこと」にしてしまうようになりがちです。失われた命、失われた故郷を思う人々とともに生きるには、忘れないこと、いつまでの記憶し続けることが何よりも大切だと思うのです。そしてそのことが、次の大災害で、あなたや身近にいる人の命を、一人でも多く、救うことにつながるのだと思います。」
地震と大津波、原発被災の大きな2章立て。巻末には3.11から1週間の主な出来事、1年間の主な出来事の表も付いている。取材力、冷静かつ温かい眼差しの筆致に圧倒された。ジャーナリストの力って凄い、と改めて思わされた一冊だった。
穀雨を過ぎ、みずみずしく水分を蓄えた木々の緑が一斉に太陽を向いて、本当に眩しい。思わず一緒に上を向いて、深呼吸をしながら光合成してしまいそうな気分だ。
予報によれば、いきなり25度の夏日になるということだった。今日はとうとうタイツを脱いでストッキングにして、雨傘を日傘に替えて家を出た。
昨日は一日中どうも頭が重く、ベッドに入ってからも夜中に何度か頭痛で目が覚めた。
気圧のせいなのか、晴れてきたらずいぶん楽になり、ロキソニンのお世話にならず復調した。
食欲も意欲もあり、週のうち一番元気な火曜日だ。本当なら明日は治療日だから、いつもは今日の夜あたりから日曜日の“サザエさん症候群もどき”(ようやく元気になったけれど、この体調は今日までで、明日、治療にいけば当分不調だ・・・というブルーな気分)になるところだが、今週は3週に1度の休薬週。白血球は底値かもしれないが、これからは回復してくる時期。無理をしなければ、元気に過ごすことが出来る嬉しい火曜日の夜だ。
さて、ずっと気になっていた読書日記。先月半ば以降通院日に読んだ本のご紹介をごく簡単に。
1冊目は大島真須美さんの「三人姉妹」(新潮文庫)。
いつだったか、NHKの夜のドラマで「ビターシュガー 虹色天気雨2」を放映していたが、その作者がこの大島さん。私より一つ年下の62年生まれ。歳が近いので通じるところも多いように思う。
帯には「失恋!? そんなもん私たちだってさんざんしてきたわよ。姉がいる人は大いに共感、妹がいる人はくすくす笑い 三姉妹の物語」とある。私は姉も妹もいないけれど、羨ましいような本音のやりとりに思わず惹き込まれた。
解説で橋本治さんが書いておられるように、まさしく清少納言の「枕草子」の現代版の語り口。確かに“うねうねと続いてどこへ連れて行かれるのか分からない長いセンテンスで、しかも他人の言ったことがカギカッコなしで平気で入り込んでくる”のだが、不思議と、この一人称独白体の文章で、それぞれの恋愛や人間関係を時に優しく、時に厳しく見守る家族の日常を綴ったお話に、心がほっと温かくなった。
2冊目は畠中恵さんの「アコギなのかリッパなのか -佐倉聖の事件簿-」(新潮文庫)。
「しゃばけ」シリーズで有名な著者の新時代のユーモア・ミステリー。帯には「どんな陳情でも難題でも、何なりとご用命あれ!政治家事務所で働く大学生・佐倉聖、颯爽と登場」とある。裏表紙によれば、主人公佐倉聖(せい)は21歳。腹違いの弟を養う大学生で、既に引退した大物政治家の事務所で雑用係の事務員を務めている。昔は不良で腕っぷしが強い上、機転はきくし頭が切れる、という設定。まずは冒頭の“政治家事務所の一日”の「開会」からいきなり惹き込まれる。事件は一から五まで。全て色にちなんだタイトルになっている。「五色の猫」、「白い背広」、「月下の青」、「商店街の赤信号」、「親父とオヤジとピンクの便せん」である。都議会議員選挙の臨場感あふれるリポートのあいだに、事務所に持ち込まれた事件のエピソードを挿入する構成になっている。続編も刊行の予定という。楽しみである。
3冊目は外山秀俊さんの「3・11 複合被災」(岩波新書)。
帯には「これほどの無明を見たことはなかったー地震、大津波、そして原発事故 現地を歩き、全体像を描く」とある。
2011年3月、朝日新聞記者を早期退職した著者が、郷里の札幌に帰らんとするタイミングで発生した大震災。2021年に中学・高校生になる世代の人々が、東日本大震災を調べようとして、初めに手に取ってくださる1冊になるように、との思いで書き始めた、というもの。他でもない、その人たちがこの国の未来であり、可能性であると信じているからだ、という。
「はじめに」にあった次の文章にその思いが凝縮されていると思う。
「大災害であっても、「今」を生きることに懸命な日々がかさなると、つい意識から遠ざかり、「なかったこと」にしてしまうようになりがちです。失われた命、失われた故郷を思う人々とともに生きるには、忘れないこと、いつまでの記憶し続けることが何よりも大切だと思うのです。そしてそのことが、次の大災害で、あなたや身近にいる人の命を、一人でも多く、救うことにつながるのだと思います。」
地震と大津波、原発被災の大きな2章立て。巻末には3.11から1週間の主な出来事、1年間の主な出来事の表も付いている。取材力、冷静かつ温かい眼差しの筆致に圧倒された。ジャーナリストの力って凄い、と改めて思わされた一冊だった。