ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.2.23 先週通院日に読んだ2冊

2012-02-23 21:59:04 | 読書
 すっかり後追いになってしまったが、先週の通院日に読んだ2冊のご紹介である。

 1冊目は、新潮社ミステリーセラー編集部編「Mystery Seller」(新潮文庫)。
 「面白いお話、売ります」の「Story Seller」、「もうひとつの世界、売ります。」の「Fantasy Seller」に続く「とっておきの謎、売ります。」の「Mystery Seller」だ。
 「読み応えは長篇並、読みやすさは短篇並、すべてのミステリファンに捧ぐ。文庫市場もっとも華麗なアンソロジー」という帯のとおり、日本ミステリー界を牽引する我孫子武丸、有栖川有栖、北川歩実、島田荘司、竹本健治、長江俊和、真野雄嵩、米澤穂信さんらの豪華8編。
 このシリーズは初めて出会う作家の作品が多く、私にとっては新規開拓分野のガイドブックとしても頼もしい存在だ。
 印象的だったのは、冒頭に登場した島田さんの「進々堂世界一周 戻り橋と悲願花」。赤い曼珠沙華の花をモチーフとした、戦争に運命を弄ばれた韓国の姉弟のお話。米澤穂信さんの、最後に背筋が凍った美しい姉妹のお話「柘榴」。北川歩実さんがお得意とされる、先進医療を題材にした多重どんでん返しの「確かなつながり」。長江俊和さんの、これまたどんでん返しにぞっとした「杜の囚人」の4篇。
  
 2冊目は、幸田真音さんの「舶来屋」(新潮文庫)。
 帯には「銀座にブランドブームを仕掛けたビジネスマン。それは『文化』を売る商人だった。エルメス、グッチ、セリーヌを日本に紹介した男の痛快で心にしみる一代記。」とある。裏表紙には「闇市から出発し、数々の一流品を日本に紹介した銀座の高級ブティック「サン モトヤマ」。その創業者・茂登山長市郎は、戦時中に天津で出会った西洋の逸品の買い付けに奔走する。パリやフィレンツェの老舗で何度門前払いされても挫けず、そして出会った幸運。日本人の逞しさ、美しい物への愛、商人の矜持を鮮やかに描いた、痛快で心にしみる一代記。」とあるが、本当にこれで言い尽くされている。
 ブランドには殆どご縁がなかった私でさえ、採用後数年間は銀座に徒歩圏の職場に勤めていたこともあり、「サン モトヤマ」は知っている(もちろん当時20代だった私には、とてもではないが敷居が高くて踏み込むことは出来なかった。)。
 その創業者がこんなチャーミングな方だったとは!と、読み始めるや否や惹きこまれ、頁を繰る手が止まらなくなった。若い男女二人が茂里谷氏(茂登山氏の作中名)から話を聞く仕立てになっているところが良い。
 ラストも、若い人たちが日本の伝統を大切にしつつ、必ずやこれから明るい未来を切り拓いていってくれるのではないか、という確かな予感がして、元気を頂いた。
 何より惹き込まれたのは幸田さんの筆致が素晴らしかった所以だろうと思う。

 今日は朝から雨模様。そのせいなのか気圧のせいなのか頭痛はしたものの、それ以外はいたって元気である。
 いつもの木曜日とは比べ物にならないほど快調。今日のランチは、普段は火曜日にしか行けないレストランで、野菜たっぷりのビュッフェを堪能できた。食事をきちんと摂るからしっかりお通じもある。やはり食欲不振→便秘→ますます食欲不振、という悪循環である。この好調も来週の水曜日朝まで、ということだが、あと数日を大切に過ごしたいと思う。

 今日は、家族揃って夕方、美容院に行った。普段は土日に通っているが、今回は予定が立たず、それぞれ仕事帰り、学校帰りの夜の時間になってしまった。ヘッドスパと延長マッサージのオプションもつけて、すっかりリフレッシュした後、外食を楽しんできた。

 今週もあと1日。来週末からは早くも3月が始まる。
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