ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.7.31 おとぎの国へ行ってきました!~マレフィセント~

2014-07-31 19:48:39 | 映画
 久しぶりの映画レビューである。
 アンジェリーナ・ジョリーの、大きな2本の角を生やし、頬骨を強調した特殊メイクが評判を呼んだ、ウォルト・ディズニー創立90周年記念作品“マレフィセント”を観た。
 ディズニー・アニメーションの傑作“眠れる森の美女”の誰も知らない“真実の物語”~魔女(実は邪悪な妖精)マレフィセントの視点から描き上げたという新しい物語。一言で言うならば、とてもいいお話だった。

 印象的だったのは、DVDが発売されてもなお劇場でロングランを続けている“アナと雪の女王”と同様、今の時代、真実の愛(のキス)は白馬に乗った王子様が持ってきてくれるものではなくなっているのだな、と気付かされること。半世紀を超えた時代を反映し、なんとも含蓄が深いではないか。

 子供の頃、心躍らせて読んだディズニーのプリンセス・ストーリーとはまた違ったお話だったけれど、2時間弱、どっぷりその世界に入り込んで、堪能した。
 アンジー演ずるマレフィセントが、権力の虜になったステファン(後の国王)から裏切られ、翼を奪い取られたことに気付いた時の表情は、もう胸が締め付けられそうだったし、「子どもは嫌いなの」と言い放ちつつも、どこか温かな眼差しでオーロラ姫(これは実際、愛娘との初の共演であった。)を見守る、母にしか出せない表情も、胸キュンだった。
 彼女はパンフレットに記載されていたインタビューで「映画の観客に何を感じてほしいと願っていますか?」という質問に答えているが、とても納得。「若い時は自分のことばかり心配するものよ。でも、大人になって様々な人たちに会って初めて、もっと大きな苦しみを抱えたひとたちがいることを知る。そうすると、自分の苦しみがちっぽけに感じ、他の人たちのことを考えるようになって生き方が変わって来るの。・・・この映画を観て、少しでも他の人の子供、他の人の家族のことを考えるようになってくれたら、それはとても意味のあることだと思うわ。」というもの。
 歳を重ねるということ、苦しみを抱えることは決して悪いことではないのだ、と気づかされる素敵な言葉ではないか。

 アニメーションで描かれていたオーロラ姫は、殆ど眠っているだけのただの可愛い女の子だったけれど、本作ではもっとリアルで自由で、成長していく存在になっている。そして国王ステファンに仕え、16年間オーロラ姫を育てる3人の妖精たちもとてもチャーミング。家事も子育ても得意ではない(だから余計に親近感を覚えたのかも?)トラブルメイカーといえばトラブルメイカーだけれど、憎めない人たち。一方、マレフィセントに仕え、彼女の良き理解者になるカラス役のディアヴァルは変幻自在、その存在は大きなアクセントになっている。

 とにかく綺麗で幻想的、夢に出てくるような色彩豊かで面白い生き物が沢山登場する魔法の国・ムーアにいきなり心を奪われる。あれれ、どうも「アリス・イン・ザ・ワンダーランド」や「アバター」で観たことがあるような素晴らしいおとぎの国の情景!と思ったら、この映画で監督デビューしたロバート・ストロンバーグその人こそ、2つの作品のプロダクション・デザインで2度ともアカデミー賞に輝いていたのだった。

 それにしても半世紀近く経って、おとぎ話好きな少女から押しも押されもしない(?)堂々50代になっても、やっぱりディズニー映画は心ときめく魔法の物語!であることを再確認させられた。

 懐かしくも新しい、非日常のおとぎの国の素晴らしさに酔いしれること、間違いなし。夏の日、しばし暑さを忘れ、物語の世界を訪れてみてはいかがでしょうか。
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