ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.6.11 やっぱりパパがいい?

2018-06-11 20:53:24 | 日記
 ある議員の「パパの子育ては迷惑、やっぱりママがいいに決まっている」という発言に対して世間の反応が喧しい。

 翻って我が家のこと。
 「やっぱりママがいい・・・」と半べそをかいていた2歳くらいの頃の息子の台詞を、今は亡き義母が口真似して、小学生になった息子をよくからかっていた。

 繁忙期の年度末・年度初めに、義母に泊りがけで滞在してもらっていたときのこと。義母と同じお布団に入って「さあ寝ましょう」という算段になって、折り悪く私が帰宅すると、息子は「やっぱりママがいい」とこちらのベッドにお気に入りの毛布とぬいぐるみの2点セットを引きずりながら来るのだった。
 まあ、「ママなんかいなくても大丈夫、○○ばばの方がいい。」と言われたらちょっと寂しかったかもしれない。

 そして当時、夫も多忙で毎晩定時の帰宅はとても叶わなかった。私は仕事が残っていてもとにかくダッシュで保育園にお迎えに行き、食事を作り、食べさせて、一緒に遊んで、後は・・・という段になって夫が帰ってくる。

 夫が帰ってくると、バトンタッチで職場に戻って(職住近接だから出来たことだけれど)ぶちまけた仕事を片付けに行っていたのだ。パパが帰ってくるとママが出かけてしまう、それが分かっている息子は、玄関に夫が入るや否や、トコトコと玄関に向かい、おにぎりのようにどしんと座って「パパはやーめ、パパはお外に行っちゃって!」と叫んでいた。夫はようやく帰って来てこれだから、苦笑して立ち尽くす以外どうしようもない。

 まあそんなこんなで不肖なママだったのにもかかわらず、ママ冥利に尽きていたわけでもあるけれど、病を得、再発して、これは他の子よりも早くママとお別れせざるを得ないことになるかもしれないと思った私は、一肌もフタ肌も脱いで、夫と息子により仲良くなってもらう作戦を練った。

 思春期の息子と男親との関係はとても難しいという。けれど、小さな頃から土日に私が出勤すると、一緒に電車を見に行ったり、自転車に乗せてサイクリングに行ったり、小学校を卒業する頃からは毎夏、毎春2人だけでの旅行に行くことで、2人はいい相棒になった。

 もちろん反抗期もそれなりにあったけれど、大学生になって離れて暮らして、絆はかえって深まったようにも思う。
 大人になって、一丁前に父親と肩を並べて議論をぶつ。それでも先日のように私に電話をしてきて「お父さんと話す?」と言うと「うん、代わって」と言う。
 男同士、晩酌もする。夫に子育てにうんと係わってもらって、本当に良かったと思う。まあ、私は予定したより大分長命になり、まだいつ死ぬとも知れない・・・という状態でもない。これはもはや嬉しい誤算ではないか。

 「やっぱりママがいいに決まっている」なんていうのは、パパが子育てに目一杯係われていないからだ。子どもにとってはどちらも大切な親である。どちらがいいなんて言うことではあるまい。パパの子育ては迷惑なんてことは、全くない。そして、どちらかがいない家庭も多々あるのだから、社会的な地位と影響力を持つ方はくれぐれも発言には気をつけなくてはならないと思うのである。
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