お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※井戸川射子(87年生まれ。兵庫県在住。関西学院大学社会学部卒業後、高等学校の国語教師として勤務するかたわら、詩や小説の執筆を開始。2018年に第一詩集「する、されるユートピア」を私家版として発行。翌19年に同詩集で中原中也賞受賞。21年小説集「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞受賞。ほかの著書に詩集「遠景」がある。23年「この世の喜びよ」で第168回芥川賞受賞。同年春に教員を退職し、創作一本に絞る)



●難解だけど思いは伝わってきた

 幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く”あなた”は、フードコートの常連の少女と知り合い…。表題作など全3編を収録した小説集。『群像』掲載等を単行本化。

 「あなた」という二人称は初めて読んだ。最初は「何や、これ?」と違和感いっぱい。読み進めるうちに何となく慣れてきたかな。文章も句読点の置き方に疑問がわいたが、これも慣れてきて詩人が書けばこういう文章になるのかという気がしないでもない。表現力も豊かで、独特の文体とリズムは、読み終えると逆に魅力的にさえ感じた。難解ではあったけど、井戸川さんの「この世の至るところにいろんな喜びがあるものですよねと、言いたかった」という思いは確かに伝わってきた。

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