お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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●BRM415 あおば300km長坂 エントリー81人 参加59人 完走51人 DNF8人
◆コース 東京都稲城市〜大垂水峠〜新笹子トンネル〜石和〜七里岩ライン長坂〜笛吹ライン〜鳥坂峠〜河口湖〜山伏峠〜道志みち〜東京都稲城市
※以下はruntasticでのデータ
◆距離 306・3キロ
◆時間 16時間39分
◆グロス平均速度 18・3キロ 
◆獲得標高 5339メートル(ルートラボでは3642メートル)
◆天気 晴れときどき曇り
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 桜の開花が遅れたせいで、道中は花見気分。しかし、山梨県道36号の通行止めで河口湖へのアプローチが鳥坂峠経由に変更され、獲得標高は変わらないものの難易度が一気に上がった。やっぱり今回も「アオバヒドイ」コースだったよ。



 4月15日に行われた「BRM415あおば300km長坂」に参加した。このコースはスーパーではなく、大垂水峠、笹子峠を越え、七里岩ラインで絶景を楽しんだ後、市川大門から県道36号を使って河口湖へ向かい、山中湖から山伏峠を上って道志みちを帰るというもの。獲得標高は3600メートルだが特にきつい坂もなく、普通のブルベコースだった。

 ところが直前に県道36号が通行止めとなり、河口湖へは鳥坂峠を越えて行くことになった。標高300メートルから標高1000メートルを約22キロで上る平均こう配3%の普通の坂から、標高320メートルから標高1000メートルを約8キロで上る平均こう配8%近い激坂となったのだ。ついてない(T_T)。

 天気予報によると、気温は高くなるが午後から雨が降る所があるという。うまくすれば時間差で雨を逃れることができそうだが、ツキがないと雨中のヒルクライムか、ダウンヒルとなりそうだ。そのため、ウエアは半袖インナー、手に入れたばかりの「青葉」の半袖ジャージー、アームウオーマー、レーパン、レッグウオーマー。バックポケットにモンベルのゴアテックス・レインウエア、モンベルの超コンパクト・ウインドブレーカーを突っ込み、サドルバックには最後の道志みちの下りに備えて長袖インナー、冬用グローブ、ネッックウオーマー、レインシューズカバーを滑り込ませた。


午前6時20分、スタート地点の大丸公園には桜が満開



午前6時20分、青空のもと、ブルベ参加者が続々と集まってきた


 桜が満開のスタート地点の稲城・大丸公園には午前6時20分ごろに到着。何年かぶりにヒロさんに会った。お久しぶりの挨拶をした後、自分にとっては初挑戦となる鳥坂峠について聞いてみると、「平均8%で距離は8キロ。20%がある」ということらしい。こう配20%なんてこの前の「鶴鶴鶴200」で走った、いや歩いた厳道峠並みの傾斜だ。あぁ、また歩く羽目になるのか。「ゴルフ場の先…」と続けて説明してくれたが、ほかの人から話しかけられて会話はここでストップ。「ゴルフ場の先」に一体、何があるんだろう? 不安な気持ちで午前6時52分にスタートした。

 青空が広がる気持ちいい天気の中、連光寺坂を上り、北野街道を西へ進み高尾へ向かう。最初はトレイン後方で楽をしていたのだが、やがて信号でちぎれ、館町までは先頭を引いた。平たんだとなんとか人並みのペースで走れる。

 甲州街道に入った付近で、女性ライダーの後ろについた。昨年のブルベから何度となく見かける女性で、完走タイムは自分よりいつも速い。昨年の伊豆スーパー300で1時間半、今年3月の鶴鶴鶴スーパー200では30分の差があった。この先は大垂水峠。ついていけるところまで行ってみよう。

 高尾山ICを過ぎ、「いろりの里 ごん助」付近まではついていけたが、きつくなるラブホテル付近から徐々に引き離された。何とか視界から外れるところまで遅れないようにしようと頑張ったが、ピーク直前の大垂水のバス停付近で視界から消えた。この女性は、伊豆スーパー300のスタート地点となった湘南平にも自走でやってくる強者(つわもの)。かなうわけもないか。上りが強いとタイムも良くなるのは自明の理だ。ただ、途中まで引いてもらったこともあって、これまで何度となく大垂水峠を上っているが、最速タイムが出たような気がする。


午前8時30分、大垂水峠のピーク。ここから神奈川県


 その女性ライダーとはもう会えないと思っていたが、下りの途中で追いついた。慎重に下っている様子だった。上りが強い人は下りや平たんをのんびり走れるからうらやましい。上りヘタレとしては、下りと平たんでばん回するしかないが、上りに比べるとそれほど時間を稼げるわけではないのでねぇ。結局、下りでその女性をパスし上野原のPC1ではやや先着したが、新笹子トンネルへの上りで抜き返され、PC3の手前1・7キロの長坂下条の信号で折り返してきた所をすれ違って以降は姿を見ることはなかった。リザルトを見るとPC3では20分差だったが、ゴールでは1時間近くまで広がったようだ。

【PC1 50・4キロ セブンイレブン上野原四方津店】午前9時23分(貯金1時間7分)

 50・4キロ地点の上野原のPC1には午前9時23分に到着。貯金は1時間以上あり、順調なペースだ。おにぎり1個をほおばり、アクエリアスを一気飲みしてすぐにリスタートした。坂ヘタレは「コンビニ休憩は短く」が鉄則だ。

 桜が満開の甲州街道をひた走る。天気も良く、気分のいいライドだ。


甲州街道の桜(猿橋付近)



甲州街道の桜(笹子町付近)。左に流れるのは笹子川


 大月から先は昨年3月の青葉ブルベ笹子200以来。この時は笹子駅までしか行ってないので、新笹子トンネルとなると09年5月以来、8年ぶりだ。

 強烈な向かい風の中を進む。緩やかな上りだが、初狩駅の先の甲州街道とJR中央線が交差するところはこう配7%。これを越えるとしばらく緩い上りとなるが、笹子駅を過ぎるとこう配がきつくなり、ピーク直前はこう配8%。これをこえて右にカーブすると新笹子トンネルが見えてくる。


午前11時3分。新笹子トンネル到着



全長2953メートルの新笹子トンネル


 新笹子トンネル突破はこれで5度目。当然、いつも命懸けだ。ドライバーの善意を信じて走る。

 いったんストップして尾灯3つに加え、ヘルメットの尾灯も点灯。後方を確認して車が途切れたスキを狙って発進した。実は、甲州街道を走っている途中でバックミラーを止めていたネジが振動のせいで緩んで外れた。グラグラしているなと気がついたときはすでにネジはどこかへ落ちた後だった。差し込むタイプではなく、ネジで締めるタイプだったので、ネジがなければ再起は不能。バックミラーがあれば後続に車がきているかどうかは分かるのだが、この時はそれもない。後方確認ができず不安だったが、とにかくふらつかないで真っ直ぐ走るだけだ。

 トンネルの最初は緩やかな上りで、すぐに下りとなる。逆は走れないなと思いながら必死でペダルを回すのだが、やはり3キロは長い。幸いなことに車は乗用車が2台ほど通過しただけで、恐怖のトラックも現れず無事脱出! と思ったら、もう一つ短いトンネルがあった。

 5度目の突破も成功したが、今回が一番楽だった気がした。慣れと経験だろうか。


新笹子トンネルを突破


 新笹子トンネルを抜けると十数キロのダウンヒルが始まる。途中、柏尾交差点で甲州街道を離れ、県道38号に入るのだが、交差点名は確認せず、距離と「右折注意」というキューシートの注意書きを信じて(確かに右折しづらかった)曲がったのだが、現れる道路標識が34号。キューシートを見ても「K38・R411」とあるだけだ。スマホで確認しようかどうしようかと悩みながら下っていたら、反射ベストを着たブルベライダーの姿が見えたのでほっとひと息。信号などで3人ほどのトレインになり、石和のPC2へ滑り込んだ。

【PC2 101・9キロ ファミリーマート石和町松本店】午前11時55分(貯金1時間52分)

 昨年10月の青葉ブルベ天城越え600以来のファミリーマート石和町松本店。あの時は午後11時42分にここにたどり着いた。この日は午前11時55分。昼と夜では風景が違うが、なんとなく懐かしい。また6月に来ることになりそうだが…。

 約100キロを5時間ほどで走り、貯金は1時間52分と増えた。順調なペースだ。昼時とあって腹が減ってきたので298円(安い!)のこだわりカレーを急いでかき込み、水分補給もしてリスタートした。

 この先は山の手通り(県道6号)を進むのだが、甲府駅が近いとあって大渋滞。信号も多く抜け出すのに苦労した。

 ようやく渋滞を抜けて少し上り、双葉保健福祉センターを左に曲がり次の関谷東交差点で信号待ちしていたら、ポツリと最初の一滴を感じた。ちょうど中央高速の双葉ジャンクションのあたりだ。見上げれば雲が広り、空模様が怪しくなっていた。来るかな、雨。

 県道は6号から17号にかわり、右手に村松石材店を見ながらY字交差点を右方向へ入ると、いよいよ七里岩ラインとなる。本日のセミファイナルだ。本来ならメインイベントとなるのだが、それは遺憾ながら鳥坂峠に変更となった。


午後1時6分。絶景の七里岩ラインは激坂から始まる



午後1時6分。桜は綺麗だが、青空は消えた


 いきなりの激坂から始まるこの七里岩ライン。あおば公式サイトでは「晴れていれば眺めは最高。往路は右手に八ケ岳、左手に南アルプスを臨み、復路は富士山が臨めます」と謳い、あおば会長の信ちゃんは14年のブログで「この30km足らずの道路を走りたいがために、わざわざ東京から300kmも走るわけだ(笑。」と絶賛している。この甘言に誘われてエントリーしたわけだが、石和付近までは青空が見えていたが、ここにきて怪しい雲がたれこめ、ぽつりぽつりとだが水滴が落ちてきた。しかし、レインウエアを着るほどではない。

 緩やかな坂を想像していたが、意外ときつい坂が次々と現れた。だが、上りっぱなしではなく下りもあり、アップダウンを繰り返しながら上っていくような感じだった。

 しばらく走るとNHK大河ドラマの「真田丸ロケ地」というのぼりがある開けたところに出た。新府城跡で駐車場もあり観光客らしき人の姿も見られた。あいにく真田丸は見ていないので詳細は分からないが、調べてみると一昨年の10月にロケが行われたようで、番組の第1回目の終盤に炎上したようだ。上り切ったその先には綺麗な桃畑が広がっていた。しかし、見上げると雨雲。いつ降りだしてもおかしくない。


ピンク色に染まる桃畑。空には怪しい雲が…


 終盤のきつい上りを過ぎ、眺めのいいところへ出たのだが、左右を見ても絶景は雲の中。残念。また来年来いか?


右手を見ると、雲に覆われた八ケ岳



左手にあるはずの南アルプスも雲の中



【PC3 135・9キロ ローソン山梨長坂町店】午後2時12分(貯金1時間52分)

 1時間ほどかけて七里岩ラインを走り、折り返しのPC3に到着。幸いなことに雨はポツリときただけで降りだしてはいない。ここではおにぎりとコーラを補給した。


PC3の手前にも桜が咲いていた


 スタートから135キロで所要時間が7時間強ということは、グロス速度は19キロ台。自分としてはいいペースでここまできた。これを維持すれば15時台のゴールとなるが、鳥坂峠があるのでまず無理だ。今日中(深夜0時まで)に帰れるかどうかというところだろう。

 ここで万が一に備えてレインシューズカバーを付ける。これだけは雨が降りだしてからでは遅いし、簡単に付けられるものでもないからね。そして、これから50キロ先の鳥坂峠のアプローチまでは下り基調となるので、モンベルの超軽量ウインドブレーカーも着た。

 最初に発表されたコースだとそのまま七里岩ラインを下るのだが、修正されたコースはPC3から1・7キロ先を右折し、甲州街道へ出ることになっていた。その甲州街道へ下る豪快な下りの途中で真正面に南アルプスが見えるところがあり、ここもわざわざストップしたのだが、残念ながら雲にさえぎられて絶景は拝めなかった。


目の前には南アルプスの絶景があるはずだったが…


 花水坂入り口交差点で甲州街道へ出てからは緩い下り。そして円野郵便局交差点を右折し県道12号へ入る。この道は何度もブルベで走った懐かしい道。最後に走ったのは8年前の5月の沼津400。この時は行きも帰りも雨。沼津をスタートして安曇野往復のコースだったので300キロが雨だった。曲がってすぐの所の田んぼの真ん中にいる武田信玄像もそのままあり、ちょっと安心した。

 この県道も緩い下り基調。その途中の韮崎の付近で「わに塚の桜」という看板が目に止まった。駐車場もあって警備の人もいる。一体どんな桜だろうと思い、右手を見てびっくり。道から百数十メートル先に立派な大木の桜が満開となっていた。後になって調べて見ると「推定樹齢300年、幹周り3・6メートル、樹高17メートルのエドヒガンザクラ」(富士の国やまなし観光ネットによる)で市の指定天然記念物となっているそうだ。さらに同サイトには「晴れた日には、わに塚の桜から一緒に八ケ岳や茅が岳が一緒に見れて写真を撮るのにオススメの場所」ともある。この時は曇りでそこまでは見えなかったが、桜1本でも山並みをバックにしてなかなか迫力のある風景だった。

 しかし、残念なことに写真はない。実はデジカメがスタート前に故障し起動しなくなったのだ。前日にはちゃんと起動し、時刻を合わせ直したのだが、当日になってまさかの故障。これまでも寒さのせいで起動しないことはあったのだが、バッテリーを入れ直すか、多少気温が上がれば起動していた。それが何時間たってもうんともすんとも言わない。そのため、この日の写真は全てiPhoneによるもの。この方が画質が良かったり、撮影場所が分かっていいのだが、いちいちストップしてサドルバックから取り出して撮影するのは面倒。だからこの日も最低限の写真しか撮っていない。この時もストップしようかどうしようか迷ったが、何となくそのまま撮影もせずに通り過ぎてしまった。だが、しばらくして「この時期にここに来ることは2度とない。この風景に出会えることも2度とない。今日、この桜が見られたのも奇跡。桜の開花が遅れ、コースが変わらなければわに塚の桜を知ることもなかった」と思い始めたのだが、かなり下った後だったので引き返すことは断念した。今、思い返しても残念なので、今後の糧としよう。「下りでも絶景では止まること」だね。

【PC4 171・8キロ ローソン 浅原橋東店】午後3時52分(貯金2時間36分)

 これまでのブルベで必ず曲がっていた小笠原橋北詰め交差点は直進。しばらく走るとPC4に到着した。下りで3人ほどのトレインにパスされ、信号で追いついたりを繰り返し最後は5〜6人のトレインとなっていた。PC3からは35キロほどなので水分だけ補給し、素早くリスタートした。

 豊積橋で笛吹川を渡り、笛吹ライン(国道140号)に入る。この頃には天候は回復。青空が見え始めていた。


気持ちのいい笛吹ライン


 笛吹ラインは路肩は狭いが、気持ち良くペダルを回せる道だった。追い風になっていたかもしれないが、かなりスピードを出すことができた。向かい風はもちろん分かるのだが、追い風はあまり風を感じないので分からない。信号ストップやのぼりで「あ、追い風だったんだ」と気付き、「実力じゃなかったのか」とがっくりする。

 そして高家南交差点に到着。ここを右折すると本日のメインイベントの鳥坂峠へのアプローチが始まる。鳥坂峠まで8キロ、若彦トンネルまでは12キロだ。


午後4時36分、高家南交差点を右折すると坂が始まる。はるか先の山を越えるのか…


 出だしから時速は10キロを割っている。周囲にはまだ民家もあり、見た目はそんなに急こう配でもないのだが、きつくて回せない。ピークまで8キロなので4キロで休んで刻もうと思ったのだが、早々に断念。2キロぐらいで足を付く計画に変更した。

 ちょうど2キロ付近で立派な桜の木を発見。わに塚で写真を撮れなかった反省と、あまりのきつさに音を上げたこともあり、あっさりとストップ。屈伸などしながら写真タイム(=休憩タイム)とした。


午後4時37分、八代ふるさと公園入口にある桜


 ひと休みして再び上り始めるが、この先はほぼ直線のこう配10%前後の急坂が続く。ダンシングをまじえながら必死で上る。路肩に魅力的な平たんなところがあったが数百メートル上っただけで休むわけにもいかず、とりあえず2キロは上ろうと頑張った。時速は6キロ前後。歩くよりは少し速いスピードで直線の上りをよろよろと上っていく。幸か不幸か、その後は漕ぎ出しができそうな平たんな場所はなく、折れそうな心と戦いながら走り続けるしかなかった。

 やがて、笛吹ラインで抜いたブルベライダーにあっさりとかわされる。やはり上りが強くないとダメだねぇ。


午後5時11分、浅川


 やっとのことで浅川にかかる平たんな橋にたどり着き、足を付いて休憩。距離は上り始めた地点から4キロ強。あと半分だ。水分を補給し、SOYJYOもぱくつく。のんびり休んだが、ここでは抜かれることはなかった。

 橋のあたりから路面に滑り止めが刻んであったのだが、こう配は緩やか。おかしいなと思いながら右カーブを曲がり、ゴルフ場の看板を過ぎると「登坂車線始まり」の標識が突如、現れた。そして壁のような坂。そうか、ここから始まるのか、20%が。スタート前にヒロさんは「ゴルフ場の先から20%が始まる」と言いたかったんだ。

 ここはダンシングで無理矢理上るしかない。ここで途中のPCで耳に入ってきた鳥坂峠情報を思い出した。「20%は400メートル」。その距離なら歩かないでも耐えられるだろう。全身を使ったダンシングでその情報を信じて上っていくと、「登坂車線おわり」の標識が目に飛び込んできた。あそこまで頑張れば、終わったも同然だ。


午後5時24分、登坂車線はここで終わり



午後5時24分、この坂を上ってきた(振り返って撮影)


 心臓ばくばく、時速は4キロ台で激坂をクリア。浅川からここまでの600メートルを10分以上かけて上ってきたことになった。当然、ここでも足を付いて休憩した。残りは3キロ。もうひと踏ん張りだ。もう足付きなしで行けるかな。

 この先からようやく峠らしいクネクネ道が始まるが、こう配は相変わらずきつい。時速は10キロを下回るのだが、20%の激坂の後なので気分的には楽に感じる。不思議なものだ。

 残り1・8キロから100メートルごとに距離表示の標識が現れるようになった(確か)。サイコンとの数字も合っているので、トータル8キロは間違いなかった。ところが残り600メートルで標識は消えて2度と現れなかった。サイコンがあるからいいやと気にせず、残り100メートルを切った時は思わず「あと○メートル」とカウントダウンしたのだが、「0メートル」になってもピークに着かず、まだまだ上る雰囲気。結局、200メートルほどオーバーした所がピークだった。平たんなら違いは気にならないが、こういう激坂ではたとえ100メートルでも違うと落ち込むよね。


午後5時51分、鳥坂トンネル


 距離8・2キロの鳥坂峠を1時間15分かけて制覇。いや〜ぁ、疲れた。

 しかし、上りはこれで終わりではなかった。下り基調の鳥坂トンネルを抜けて県道36号へ出るとこう配8%が待っており、これを上り切るとスタートからほぼ200キロ地点の若彦トンネルとなる。


午後6時9分、若彦トンネル


 その8%もやっとのことでクリア。上りはこれでほぼ終了だ。まだ山伏峠が残っているが距離が短いので、ここでウインドブレーカーを着るライダーが多かったようだ。自分は山伏峠を越えた後で着ようと思っていたので、ここでは写真を撮っただけでスルーしたが、河口湖への下りは汗が冷えて少し寒かった。

 下り切って河口湖が見渡せるところに出ると、目の前に富士山がば〜ん! 間に合った。ようやく絶景に出会えたよ。


午後6時21分、河口湖から臨む富士山


 このころから段々と暗くなってきて、河口湖美術館前を左折する時には真っ暗となっていた。この先は長い新倉河口湖トンネルを抜けるのだが、ここも下り基調。結果的にこのブルベで最初に突破した笹子トンネルを始め、全てのトンネルが下り基調で助かった。これが逆だったら走れないね。

 寒さも感じ、腹も減ってきた。このままでは道志みちは下れないと思い、新倉河口湖トンネルを抜けた後に最初に見つけたセブンイレブンでストップし、カップヌードルを補給。少し暖まった。

 この後、砂原橋東を右折するのだが、国道138号まではちょっときつい上りだ。この上りでなんと若いブルベライダーをパスした。坂で抜くなんてブルベでは初かもしれない。まだまだ足は元気だと思ってほくそ笑んだが、ピークの国道138号に出るところの信号につかまっている間に追いつかれ、こう尋ねられた。
 「すいません。このあたりにコンビニありますか」
 いくらでもあるよと答えると
 「いや〜、補給失敗しちゃって。力がはいらないんすよ」
 そうだよね。そういう状態じゃないと抜けないよね、とちょっとがっくり。

 明神前交差点で直進しかけたブルベライダーを救い、山中湖沿いの平たんでは2人ほど抜き、平野交差点を左折。道志みちに入る。このあたりは走り慣れた道なので、真っ暗でも平気で走れる強みがある。


午後8時8分、山伏トンネル


 山伏トンネルには午後8時8分に到着。残りは約70キロだが、もう終わったも同然。長袖インナー、ウインドブレーカー代わりのレインウエアを着て、さらに冬用のグローブ、ネックウオーマーをつけ、道志みちを両国橋までの約25キロの下った。その先は国道413号の神奈川県側の最高標高まで上り返した後、再び下り基調となって最終PCを目指す。

【PC5 265・8キロ サークルKサンクス津久井青野原店】午後9時41分(貯金3時間3分)
 
 最終PCで貯金は3時間3分。鳥坂峠で貯金をはき出したが、道志みちで取り戻し、16時間台のゴールが出来そうだ。ここではポカリスエットとチョコクロワッサンを補給した。

 国道412号からは串川橋を左折するコースとなっているのだが、長竹三差路を左折し新しい道を新小倉橋へ向かうコースにならないのだろうかといつも思う。これだと途中からこう配5%の気持ち良い下りとなるんだけどね。宮原でストップするのもいやだし、左折した上りもいやなんだよね。

 工業団地入口交差点で先を走っていたブルベライダーが直進した。少し離れていたので救えなかったが、信号にある看板の字が消えた部分があり、夜だと余計に分かりにくい。自分も初めてこのコースを走った時、方向的にも左折はおかしいとスマホで地図を確認した。ほかにも直進したライダーはいたようで、この交差点は鬼門ですな。この時は後続がいたので確認しあったのだが、その人は次の西橋本二丁目を自信満々で左折してしまった。

 最後の尾根幹は200キロの時はちょうど夕方の渋滞と重なるのでいやだったのだが、この日は深夜。車もおらず、信号のタイミングも良く、うまい具合に先行するライダーに追いつき引いて貰う形になったので、快適に走り抜けることができた。

【ゴール 303・2キロ 稲城大丸公園】午後11時39分(貯金3時間21分)

 16時間39分で無事にゴール。なんとか今日中に帰ってくることができた。途中、ポツリときた雨も結局、塩崎から長坂付近だけであとは青空の中のライドとなった。どっちかというと逆になってくれればもっと良かったんだけどね。

 桜満開のライドのゴールを、再び大丸公園の夜桜が迎えてくれた。翌日には自宅周辺はもう葉桜となったところが多かったので、最後のチャンスを楽しめたようだ。


午後11時39分、ゴール



ゴールの大丸公園の夜桜


 鳥坂峠はもう一度行ってみたいと思わないが、七里岩ラインは天気のいい時にリベンジするかな。道中は「アオバヒドイ」と思いながら坂を上ったが、終わってみるとやっぱり今回も楽しいブルベだった。

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●BRM319 BRM319あおばスーパー200km鶴鶴鶴 エントリー101人 参加76人 完走62人 DNF14人
◆コース 町田市鶴川〜道志みち〜厳道峠〜秋山〜雛鶴峠〜大月〜旧甲州街道〜談合坂SA〜鶴川宿〜鶴峠〜奥多摩湖〜町田市鶴川
※以下はruntasticでのデータ
◆距離 206キロ
◆時間 12時間31分
◆グロス平均速度 16・0キロ 
◆獲得標高 5376メートル(ルートラボでは3524メートル)
◆天気 晴れ
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 200キロブルベで、メカトラもないのにタイムアウトの危機! 「#アオバヒドイ」がハッシュタグとなっている、厳しすぎる青葉ブルベの中でも、とびきりきついスーパー山岳コースの「BRM319あおばスーパー200km鶴鶴鶴」に参加したが、76キロ地点のPC1でなんと貯金はたった4分。ラスボスの鶴峠が残っているというのに、いきなりの大ピ〜〜ンチ。果たして完走なるか--。…いや、完走はできたんですけどね。それにしても焦った焦った。




 コースは町田市の鶴川を出発し、雛鶴峠を越えて大月に向かい、帰りは鶴峠を上って帰るというもの。鶴が3つなので鶴鶴鶴。ただ、峠はこれだけではなく、道志みちから秋山へ向かう厳道峠(がんどうとうげ)、さらにその先の金波美(かなみ)トンネル、旧甲州街道の鳥沢付近から談合沢SA手前までの上り、そして鶴峠手前の田和峠とてんこ盛りで、獲得標高は3500メートルを超える。中でも厳道峠はあり得ない激坂らしい。昨年は反時計回りで行われたが、今年はもっときつい時計回り。余計なストップはせず、グルメもせず、制限時間13時間半の時間内完走が目標だ。


午前5時32分、スタート前のブリーフィング


 このブルベが行われる前に、悲しい知らせがあった。ブルベの運営、促進を行っている非営利団体のオダックス・ジャパンの稲垣会長の訃報で、3月15日にニュージーランド1200の走行中、トラックに追突され即死したというものだった。この週末に予定されていたブルベは一時、中止の報が流れたが、各主催者の判断により開催されることになった。ブルベ中止はなによりも会長が悲しむことになるのではと、個人的には思う。ブリーフィング前にその報告があおばの代表からあり、スタッフ、参加者全員が黙とうを捧げた。この日のブルベは追悼ブルベであり、安全運転と無事の帰還をいつにも増して肝に銘じた。

【スタート 0キロ 鶴川】午前5時49分

 車検を済ませるとまだ午前5時45分。
 「行っていいですよ」
 「え、こんなに早くていいの?」
 「時間が厳しいですから」
 トータルの距離も6キロ多い206キロだし、フライングスタートは大目に見てくれるようだ。車検後、少し準備して午前5時49分に走り出した。正規のスタートは午前6時なので11分のおまけ貯金。実はこれが後になって大きな意味を持ってくる。

 相模川までは平たんと信号地獄のためトレインで走るが、21キロ地点の宮原交差点を右折すると早くも上り区間が始まる。キューシートにも(あおばらしく)ご丁寧に「ここより山道」と記してある。そして、トレインからは千切れ、あっという間にひとり旅。鳥居の小さな峠や道志みちに入っても次から次へと抜かれる。スタートが先頭付近だったから仕方ないが、凹む。


午前7時21分、上りに入ると、あっさりと引き離される



午前7時54分、道志みちへ入る


 35・9キロ地点のコンビニはスルーし、神奈川県側の最高標高まで上り、ぐいーんと気持ち良く下った先の44キロ付近の道志村へ入る手前の両国橋でトイレ休憩。ついでにSOYJOYを補給し、両国橋の先の「超急カーブ」を必死のダンシングで上る。


午前8時16分、両国橋。ここから道志村


 厳道峠は初の挑戦。事前にネットで調べて見ると「悶絶」「撃沈」「和田峠や子ノ権現も相手にならない」「平均こう配15%」「名前に違わずキツイ」と走る前からめまいがしそうな表現ばかり。だが、距離は2・1キロ、チェックポイントからは1・7キロと短いので気合で何とかなりそうかなと思っていたのだが、実際にいってみると、とんでもない壁が待ち構えていた。


午前8時36分、久保の吊り橋。厳道峠はこの先を右折する



午前8時38分、厳道峠への入口


 入口は久保の吊り橋の先を右折するのだが、ここにすでに何人かのブルベライダーが休憩していた。チェックポイントはここからたった400メートル先なのに、なぜ止まっているんだろうと不審に思ったが、少し進むとその理由が分かった。こう配15%以上のコンクリート舗装のつづら折りがいきなり目の前に現れた。もうここから激坂が始まるのだ。「なんでこんな坂上らせるんだよ〜」と悲鳴を上げながら必死のダンシング。時速5キロでよろよろと上り、心臓バクバク、息を切らしながらも何とかチェックポイントであるお寺の裏手に回り、標識の前でいったんストップ。ふぅ〜〜、きつ過ぎ。

【チェックポイント 49・3キロ 厳道峠ふもと】午前8時45分(貯金42分)


午前8時45分、厳道峠手前のチェックポイント



午前8時45分、チェックポイントの証拠写真



午前8時47分、チェックポイントに続々到着するブルベライダー


 この時点で貯金は42分。道志みちの上りなどを考えれば、自分としてはまずまず。このペースで行けば、PC1には間に合うだろう。できれば談合坂で貯金を1時間ほどにに伸ばし、何か食べたいなとこの時はまだ吞気に考えていた。まさか、この先が時間との戦いになるとはこの時点で想像もしなかった。

 ほかのブルベライダーにこの峠のことを聞いてみると、この先も激坂が続くが、中間あたりで少し緩くなり、最後はまた激坂になるという。「時速5キロを切るから歩いても変わらない」「歩こうか」という声が周辺からちらほらと聞こえてくる。すでにこのチェックポイントへも歩いて上ってきているブルベライダーが何人かいた。

 行けるところまで乗るか。そう思いスタートしようとするのだが、ここは激坂の途中で漕ぎ出しも難しい。いったん下ってクリートをはめてから上り返そうとするが、道幅が狭い上に人が多いのでそういうことをするスペースもない。人が少なくなるのを見計らい、お寺の裏の平たんなところでクリートを入れてUターンし、ようやく発進することができた。

 ブリーフィングで「道幅が狭く、坂での追い越しは気をつけて」と言われた意味が、ここで初めて分かった。みんな時速5キロ前後でふらふらして上っているので、確かに簡単には抜けない。

 ダンシングで少し上ったが、残り1・7キロをこの状態で上り切れそうもない。たぶん足もつるだろう。息も上がってきている。峠は雛鶴峠、鶴峠と残っており、足は残しておきたい。時速は5キロもでていないし、歩いても同じだなどと自分に言い聞かせ、100メートルほど上ったところで早々と諦めて足を付いた。ブルベでは明神峠の先の三国峠以来、2度目の歩き。このときは明神峠を無理して上ったため、後になってかなりきつくなった。この経験が生きたと、前向きに考えよう。


午前8時54分、チェックポイントから少し上っただけの、ここで諦めて足を付いた


 歩いていると、後方から「カチャ」というクリートを外す音が何度が聞こえてきた。周辺ではほとんどのブルベライダーが歩いており、自転車にのっているのを見たのはたった2人だった。


午前8時57分、ありえない上りが続く



午前8時59分、歩くのもきつい坂を上っていく強者



午前9時12分、「そんなん分かっとるわい!」と全員が叫んだと思われる「上り勾配あり」の標識



午前9時12分、延々と続くコンクリートの上り坂


 51・0キロ地点の標高805メートル、厳道峠にたどり着いたのは午前9時21分。1・7キロを約30分かけて上ったことになるが、時速3キロ台という数字が表すようにこう配15%超の激坂は歩くのもつらかった。しばらくピークにいたが、見る限りでは全員が歩いて上ってきていた。こういう光景をブルベで見るのは初めて。それだけすさまじい坂だったということだ。


午前9時22分、厳道峠のピーク。ほとんどの人が歩いて上ってきている


 厳道峠からの下りもきつい。急坂に加え、落石があったり、砂が浮いていたりと気が抜けない下りが続く。ただ、秋山側は舗装がアスファルトで、下った感じからもこう配は道志側よりは緩めのような気がした。

 このまま下って県道35号に出るのかと思っていたのだが、下り途中のY字交差点を「阿夫利山・金波美峠」という小さな看板に従って左折すると、またきつい上りが始まった。楽はさせない「#アオバヒドイ」の真骨頂だ。


午前9時34分、サイクリングに最適の道だが、上りがきつい


 天気も良く、車も通らず、非常に気持ちのいい道で「これぞサイクリング」という気分だが、坂がねぇ、きつ過ぎ。


午前9時48分、ようやくピークの金波美トンネル到着


 やっとのことで金波美峠(トンネル)に到着。しばらく下りが続き、県道35号に出るところでミスコース。少し手前を左折したようで、後ろに付いていたブルベライダーがあれ? という顔でストップしたので気がつき、数十メートルのロスで済んだ。

 ここから新雛鶴トンネルまでは7キロで、残りの2キロほどがきつい。黙々と上り、何人かに抜かれながら標高650メートルの新雛鶴トンネルに到着。もう坂は十分という感じだが、まだ67・8キロ。そして、坂はまだまだ残っている。

 自転車に乗るときは時計はつけないようにしている。時間にしばられず自分のペースで走りたいので、プライベートのサイクリングでは距離だけ確認しながら走っている。距離とコースで何となく走行時間は分かるし、確認しようと思えばサイコンで確認できる。この日もそうで、サイコンは距離表示のまま走っていた。もちろん、ブルベも終盤になると完走タイムが気になるので時間は確認するのだが、これまでタイムアウトの経験がないし、400キロ以上ならともかく200キロなら大丈夫だろうと、ここまで時間は厳道峠手前のチェックポイントで確認した以外はまったく気にしていなかった。


午前10時40分、新雛鶴トンネル到着


 しかし、新雛鶴トンネル到着は午前10時40分。ということは、PC1のクローズ時刻の午前11時8分に間に合うためには、8・9キロを28分で走る必要があったのだ。つまりグロス時速は26キロ。最初は下りだが、途中からは平たんとなり、気を抜けばぎりぎりの時間だ。

 そんなこととはつゆ知らず、のんびりトンネル前で写真を撮り、下りで猛スピードのブルベライダーに抜かれても気にせず、PCへ着くとトイレが空いていたのでゆっくりと用を済ませた。それからアクエリアスとハンバーガーを持ってレジに並び、前の人が1万円札を出してタバコを1箱買っている間にふと振り向いて時計を見たら、午前11時を過ぎていた。「あれ、間に合ってない?」。

 実はこの時、クローズ時間は午前11時0分と思っていたのだ。PCに到着したときもたくさんのブルベライダーがおり、まさか時間ぎりぎりだとは思わなかった。あちゃー、やっちまったか、ブルベ初のタイムアウト。いや、これはこれでいいネタかも。「タイムアウトでも走り抜いた超スーパーな山岳200キロ」というタイトルが浮かんできた。ここまできたら戻るわけにもいかず、走り続けるしかないしね。

 そんなことを思いながらコンビニを出て自転車の所へ向かっていると、何度もブルベで一緒に走っているまきさんが「間に合ったー!」と言いながらほっとした様子で駆け込んできた。「え、間に合った?」と心の中でつぶやき、キューシートを確認すると「11:08」とあった。老眼なので「11:00」と見間違えていたようだ。まきさんに言われなければ、気がつかないままタイムアウトと思って走り続けていただろう。救いの女神のまきさんとはこの後、最終PCまで何度も会うことになった。

【PC1 76・7キロ セブンイレブン都留井倉店】午前11時4分(貯金4分)

 ただ、貯金はたった4分。そしてハンバーガーをパクついている間に借金生活へと足を踏み入れることになった。

 リザルトを見ると、午前11時以降の8分間に到着したのは完走した62人のうち13人。20%のライダーがぎりぎり感を味わったようだ。

 ここで重大な事実に気がついた。そういえばスタートは午前6時ではなく、午前5時49分で11分間のおまけ貯金があった。このおかげでセーフとなっただけで、午前6時にスタートしていたら6分、間に合わずにアウトだった。なんとなく複雑な気分だが、ルール違反ではないので、ま、いっか。

 次のチェックポイントの談合坂下りサービスエリアまでは21・3キロ。クローズ時刻は午後0時32分なので、あと1時間28分。富士みちから甲州街道は下り基調だが、旧甲州街道の談合坂手前まではきつい坂が待っており、余裕はあまりない。

 禾生のおみすびのおおみやには目もくれず、下り基調の道もがんがん回して先を急ぐ。

 鳥沢駅を過ぎ、ようやく89・9キロ地点の旧甲州街道との分岐にさしかかったが、目指すY字路の左方向の道は滑り止めのあるとんでもない急坂。前を行くブルベライダーは「ここじゃない」と思って止まったが、ここなんだよね。間違いない。きつい坂をわざわざ選んでいるとしか思えない。やっぱり「#アオバヒドイ」だ。

 こう配10%前後が続く坂を上っていくが、このころから気温が上がり暑くなってきたので、途中でストップ。ジャージーの前をはだけ、グローブを脱いで素手で走ることにした。決してきついからストップしたわけではないと、一応言い訳。


午後0時、県道30号(旧甲州街道)



午後0時5分、上野原市へ入る


 上りは3キロぐらいだっただろうか。上野原へ入ってしばらくすると道は下り始め、中央高速にかかる陸橋の先を左へ曲がって談合坂下りSAへと午後0時19分に滑り込む。なんとかセーフ。貯金はPC1から9分増えた。

【チェックポイント 98・0キロ 談合坂SA下り】午後0時19分(貯金13分)


午後0時19分、談合坂SA到着


 時間があれば何か食べようと思っていたが、貯金13分では長居は出来ない。トイレを済ませ、証拠写真を撮ったら即、出発。

 出てすぐの工事中の迂回路ですこし迷っていると、GPS搭載のブルベライダーに声をかけられ無事にクリア。そのまま鶴川宿まで下り、分かりづらい県道33号へのコースもスムーズに通り抜けた。

 鶴峠までは約20キロ。13キロ地点に田和峠があり、そこからいったん下って再び上り、最後の2キロ弱がきつい。


午後0時43分、県道33号


 一気に上れる気がしないので、刻んでいくか。とりあえずは10キロぐらいかな。

 棡原郵便局の先を左折し、県道18号へ入る。相変わらず坂では抜かれまくりなのだが、自分は時間ぎりぎりで休憩もろくに取らず、補給もままならないで走っているというのに、ここにきてまで次々と抜かれることに驚いた。ほぼ最後尾だと思っていたが、まだ後ろにいたのか。上りが速い人はのんびり休憩でき、補給もしっかり取れるんだろうね。同じ人に何度も抜かれたし、ぶんぶん回しながらすごいスピードで駆け抜けていった人もいた。PCやコンビニ休憩で抜き、坂で抜き返されることの繰り返しだ。


午後0時58分、鶴峠へ向かう県道18号


 10キロほど上ったところで右手に自販機がある広場があったので、コーラ休憩でひと息つき、SOYJOYとスニッカーズを補給した。


午後1時50分、11%(T_T)


 こう配11%の急坂を上ると田和峠。そして道は一気に下り、平たんな西原の集落を過ぎるとラスボスの鶴峠への登坂が始まる。

 小菅村に入ったところで、PC1で救いの神となったまきさんが追いついてきた。トライアスロンもやり、1週間前にはフルマラソンを完走したというまきさんは、厳道峠でもピーク直前の急坂までは歩かず上ったという健脚の持ち主。ブルベで一緒に走っている感じでは、上りはほぼ同じペースなので、ここは2人でピークを目指すことにした。


ピーク直前。よろよろと上る(まきさん撮影。つらい上りなのに撮ってくれた)


 残り2キロ弱は平均こう配8%を超えるきつい上り。1人だったら足を付いていただろうが、まきさんがいると思うと、付けないねぇ(^_^;。左カーブはダンシングでしのぎ、全身の力を振り絞って、しかしそれでも時速7〜8キロしか出ないが、ふらふらと上っていく。


午後2時38分、ようやく鶴峠制覇



午後2時38分、まきさんも制覇


 午後2時38分、124・5キロ地点、標高870メートルのラスボス鶴峠をMさんと2人で制覇。まきさんはここでも救いの神となってくれた。

 達成感を少し味わった後、あわただしくウインドブレーカーを着て下山準備。PC2のセブンイレブン古里(こり)店までは30キロ。クローズ時間が午後4時12分なので、あと1時間34分。グロス時速は20キロが必要。ほぼ下りだが、奥多摩湖周辺は平たんなので、ここでもそれほど余裕はない。パンクしたらアウトだ。


午後2時50分、下りの途中にある原始村


 鶴峠から原始村まで一気に下り、国道411号に入ると下り基調のアップダウン。そして奥多摩湖周辺の10キロほどの平たん区間を過ぎると、奥多摩駅の前からまた下りが始まる。平たん区間では時速25キロほどしか出ず、距離も長く感じて少し焦ったが、何とか間に合いそうだ。

【PC2 153・0キロ セブンイレブン古里店】午後3時45分(貯金27分)

 鶴峠からPC2のセブンイレブン古里店までの30キロは1時間7分で到着。貯金はこのブルベ最大の27分となった。残りは42キロで制限時間まであと3時間45分。もう上りはなく、トラブルがなければ完走できるところまでようやく漕ぎ着けた。

 このブルベはたぶんPC2でぎりぎりの時間となることを予想し、終盤でミスコースしないように1週間前に試走していた。その時は青梅から走ってみたのだが、3回ミスコース。しかし、これはキューシートに間違いがあり、ブリーフィングで指摘しようと思っていたら、試走したスタッフのMさんによって本番前には修正されていた。具体的に言うと、Y字を道なり直進とあるが、「止まれ」がある方向なので直進とは言わないし、どぶ川手前のサンクスは消えていたし、区間距離が違っているところが数カ所あるなど、キューシート通りに走ると罠にはまることになっていた。

 試走をした事で自信を持って先頭を引くことができ、百草園からはひとり旅でゴールへ向かった。

【ゴール 205・8キロ 三輪コミュニティセンター】午後6時31分(貯金59分)


午後6時16分、ゴール


 ゴールの三輪コミュニティセンターの手前にある公園に着いたのは午後6時16分。ゴール受け付けの会議室は外から窓越しに見えており、散歩中の老婦人が驚いた顔をしながら「これは一体何ですか」と聞いてきた。確かに、派手な格好をしたおじさんたちが集っている光景は、何も知らない人にとっては異様な光景だろうね。ブルベだと言うと説明がややこしくなるので「自転車で200キロを走るイベントをやっているんですよ。ここはゴールの受け付けなんです」と言うと「200キロ? どちらまで?」と聞かれ、鶴鶴鶴なんていっても「はぁ?」と言われるだけだろうから「大月まで行ってきたんです」と答えた。「あなたも行ってきたの」「はい」。話が長くなりそうな気配だったので、「すいません。ゴールの受け付けがありますので」と、途中で切り上げて会議室へ向かったが、ゴールが集中したらしく、大渋滞。結局、「午後6時31分」と書いた紙をもらい、コーラを飲みながら受け付け待ちとなった。

 PC1から時間との戦いとなったが、最終的に貯金は59分。厳道峠を歩いたことでタイムアウトの危機を迎えたが、無理をしなかったことで足は残ったので、鶴峠の上りでつることもなく、最後の平たんでもしっかり回すことができた。年齢と実力を冷静に判断し、あきらめることも肝心だということを学んだブルベだった。

 このブルベでの上り区間は45キロ。「坂は当分見たくない」と思ったが、自走帰宅の途中に急坂があるんだよなぁ…。

 Sさん、来年は牧馬峠にしようね。

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