最近、でもないか、ちょっと前にMATEの翻訳者になりまして、気に入らないところとか直してました。
その一環としてEngrampa(file-rollerのフォーク)の翻訳を見てると、こんなのがありました。
"作成・アーカイブ展開有効"
お、おう……。
英語をひらがな・カタカナ・漢字混じりの文にすることを翻訳というわけではないのですが、どうしてこうなった……。
というわけで、これを例にどのように翻訳したらいいのかを考えてみましょう。まずは原文です。
"Allows to create and extract archives"
私の場合は最初に単語に分割するのですが(たいていそうだと思いますけど)、どう訳すかは他でどのように訳されているかを参考にします。すると、
create…作成
extract…展開
archives…書庫
となります。これは翻訳ファイル(poファイル)を上から下までひととおり読むと掴めますし、もし揺れがあったらついでに修正しましょう。同じ語で別の語に翻訳しなければいけないケースというのは、ユーザーインターフェースの翻訳に限るとさほど多くありません。単純なミスか、前後を読んでいないかを疑いましょう。
あとは"Allows"をどう訳すかですが、辞書を引いてみます。「有効」という訳はありません。
どの訳にするか迷うところですが、その場合はpoファイルを見ます。
#: ../caja/libcaja-engrampa.caja-extension.in.h:2
msgid "Allows to create and extract archives"
なるほど、Caja(ファイルマネージャー)の拡張機能で使われそうな文に見えます。ロードマップにも
caja: Extension management system (GSOC 2014)
とあるので、拡張機能の管理であれば普通に「許可」でよさそうです。
そこで修正したのがこちら。
"書庫の作成と展開を許可する"
誰が翻訳したのか名指しで批判するようなことはしませんし、誤訳をするなというのも無理ですが(私もいっぱいしますし、誤訳を恐れないのも時には必要です)、それにしてもこれはひどすぎるので(せめて日本語と呼べるものにして欲しい……)、猛省していただきたいところです。
その一環としてEngrampa(file-rollerのフォーク)の翻訳を見てると、こんなのがありました。
"作成・アーカイブ展開有効"
お、おう……。
英語をひらがな・カタカナ・漢字混じりの文にすることを翻訳というわけではないのですが、どうしてこうなった……。
というわけで、これを例にどのように翻訳したらいいのかを考えてみましょう。まずは原文です。
"Allows to create and extract archives"
私の場合は最初に単語に分割するのですが(たいていそうだと思いますけど)、どう訳すかは他でどのように訳されているかを参考にします。すると、
create…作成
extract…展開
archives…書庫
となります。これは翻訳ファイル(poファイル)を上から下までひととおり読むと掴めますし、もし揺れがあったらついでに修正しましょう。同じ語で別の語に翻訳しなければいけないケースというのは、ユーザーインターフェースの翻訳に限るとさほど多くありません。単純なミスか、前後を読んでいないかを疑いましょう。
あとは"Allows"をどう訳すかですが、辞書を引いてみます。「有効」という訳はありません。
どの訳にするか迷うところですが、その場合はpoファイルを見ます。
#: ../caja/libcaja-engrampa.caja-extension.in.h:2
msgid "Allows to create and extract archives"
なるほど、Caja(ファイルマネージャー)の拡張機能で使われそうな文に見えます。ロードマップにも
caja: Extension management system (GSOC 2014)
とあるので、拡張機能の管理であれば普通に「許可」でよさそうです。
そこで修正したのがこちら。
"書庫の作成と展開を許可する"
誰が翻訳したのか名指しで批判するようなことはしませんし、誤訳をするなというのも無理ですが(私もいっぱいしますし、誤訳を恐れないのも時には必要です)、それにしてもこれはひどすぎるので(せめて日本語と呼べるものにして欲しい……)、猛省していただきたいところです。
https://github.com/mate-desktop/engrampa/blob/master/caja/libcaja-engrampa.caja-extension.in
おそらく、about dialog で、拡張機能の説明文として出てくると推測されます。その局面で文体が敬体ではなく常体で良いのか、一考の余地があるかと存じます。
# と申すものの、このようなことは、FLOSS翻訳界においては重要視されないことも承知しておりますが…
あるいは、今回のように気づいた人が直すということももちろんありです。
そういう意味では、リリースされた段階で完璧なものにするのはいろいろな条件から難しいです。
私もMATEの翻訳ばっかりやっているわけには行きませんし。
参考: https://article.gmane.org/gmane.emacs.devel/71907