いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

LibreOfficeとOpenOffice.orgが統合するとは考えにくい

2011年06月03日 21時46分33秒 | LibreOffice/AOO
OracleがOpenOffice.orgのコードをApache財団に寄贈、LibreOfficeとの再統一に向け前進

LibOとOOoが統合すれば良いんじゃないの? という記事はこれを筆頭としていくつかあって、でも日本だけじゃなくて世界中でそうなので、どうも統合されることが良いことのように取られているようです。
果たしてそうなんでしょうか。

極めて単純な話ですが、OracleがApacheにOOoのソースコードを寄贈して、それをIBMが継続するという発表なので、TDFが介在する余地はなさそうです。
そういう状況なのに、TDFの言うことを殊更に強調するのは疑問があります。
ただ、TDFにも新生OOo(Apacheのincubator projectになったOOo)にも統合した方がいいよねという声があるのは事実です。

Apacheのプロジェクトは原則としてApache License 2.0でライセンスされるので、OOoのライセンスもLGPL3からAL 2.0に変更になると思われます。
ALはソースコードの公開義務がないので、プロプライエタリなソフトウェアに組み込みやすいです。
インフラとしては、バージョン管理システムはSubversionです。リードオンリーでgitが使えるそうです。
あと、Oracleは現状"OpenOffice.org"という商標を寄贈するとは一言もいってません。もちろん将来的にはわかりませんが。

IBMはLotus Symphonyの開発を行っています。これはOOoをベースにしたプロプライエタリなアプリケーションです。
IBMにとってはALの方が都合がいいというか、ALでないと困るということになりそうです。

一方LibOはLGPL3の状態でフォークしたので、LGPL3です。ライセンスの変更は現状極めて困難です。
また、すでにコミュニティが存在し、4回ほどリリースを行っています。開発者は200名程度だそうです。
もちろん日本語のコミュニティがあり、私も在籍しています(というか翻訳を行っています)。
リリースを行える、というのは、OSSプロジェクトにとって重要なことであり、リリースが行えるからといってうまくいっているプロジェクトとは限らないものの、リリースが行えないプロジェクトはダメプロジェクトです。それは断言できます。
LibOはフォークした時期とソースコードの量を考えれば、「信じられないほどうまくいっている」プロジェクトだと思います。

OpenOfficeProposalには、なかなか興味深いことが書かれています(あるいは書かれていません)。
OOoはOracle(その前はSun Microsystems - StarDivision)のハンブルグのチームによって開発されていましたが、その人達の名前は全く登場しません。
また、既存のコミュニティ(OOo日本語プロジェクトも含む)についても言及されていません。
現状ソースコードがあるだけで、他の何もない状態でスタートすることになります。
OOoのバージョン管理システムはMercuialであり、それからSubversionに移行(というか退行)するのはどう考えてもおかしいですし、かといってMercurialやGitをちょちょいとセットアップするわけにも行かないでしょう。ソースコードのライセンスを書き換える必要だってあります。

こういった状態で、統合するメリットって何があるんでしょうか?
IBMの意向を汲むとALでないとならず、現状のLibOのソースコード(もちろん翻訳を含む)は全て捨てることになります。
おそらくIBMが最初に取り組むのはソースコードのクリーンナップでしょうし、それはすでにLibOがやっていることです。
いくらLGPL 3とAL2が互換性があるからって、実際に組み込めるかどうかは全く別の問題です。
そして、その成果はLotus Symphonyというプロプライエタリなソフトウェアになるわけです。
一体誰がハッピーになるんでしょうか?

追記:
Apache Software LicenseをApache Licenseに修正

さらに追記:
6/9現在、OpenOfficeProposalにhdu氏を始め数名の(元?)ハンブルグ・チームの名前を見かけるようになりましたが、チームごとごっそり移籍じゃないんで結局同じことだと思います。
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LibreOffice 3.4.0 リリース! そして小さくて大きな第一歩

2011年06月03日 21時20分07秒 | LibreOffice/AOO
予定(6/1)よりも若干遅れましたが、無事に3.4.0がリリースされました。
理由はたぶんOOoのゴタゴタじゃなくて、リリース体制の問題だと思います。

ダウンロードはこちらからどうぞ。
ヘルプはあってもなくてもいいです。

3.4.0から全面的に翻訳ができるようになり、まだまだ未訳部分は残るものの、だいたい目につくところは翻訳できたと思います。
その分ヘルプはまだまだなので、今後の課題です。
また翻訳の全面的な見直しも開始し、すでにいくつか修正してちょっとだけわかりやすくなっているところもあるんじゃないかと思います。

LibreOfficeに興味がある人に、私からのちょっとしたお願いです。

1. ひとまず、ダウンロードしてインストールしてください
2. いろいろ使ってみてください
3. もし気に入ったら、いろんな人に勧めてください。LibreOffice(リブレオフィス)の知名度はまだまだなので、普及活動が必要なんです
4. もし継続的に情報が欲しくなったら、メーリングリスト(ML)に加入ください。加入者数は公開されているため、ユーザ数がつかめます。ちなみに、日本語のMLは世界でも上から数えた方が早いくらいの加入者数です。3位か4位か。
5. もし使い方がわからなければ、メーリングリストに投稿してください。users@はそのための場所です
6. もしよくわからないメニューやヘルプの翻訳があったら、メーリングリストに投稿してください。discuss@はそのための場所です。あなたにとって使いにくいものは、たぶん他の誰かにとっても使いにくいです。メニューの翻訳を修正するだけでも使い勝手が上がる場面はたくさんあるはずです
7. もし不具合を見つけた場合も、discuss@に報告ください
8. ブログやら2chやらtwitterやらfacebookやらmixiやらに書かれてもチェックできません。MLに集約したいと考えています。ご協力ください。もちろん紹介とかはじゃんじゃん行ってください

広く浅く長くをモットーに、より使いやすいオフィススイートを目指していきたいと思っています。
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同人誌 RKGKMDK

2011年06月03日 00時05分19秒 | マンガ
RKGKMDK

壮絶な争奪戦を繰り広げて、ようやく手にしましたよ。
正直なところそんなに欲しかったわけじゃないんですけど、午前3時から1時間半ほどもかかってしまうと意地でも欲しくなりますよね。
まぁこのあとサッカー見てから5:30すぎに寝たんですけど。完璧徹夜じゃないですか。

いやはや、壮絶な争奪戦を繰り広げてでも手に入れる価値がありますよこれは。
ページ数はそんなに多くないんですけど、全ページ見どころアリです。
ってか今までほむほむ絶対至上主義者だったけど、さやかと杏子に目覚めそうだぜ……(ぇ
コメント (2)
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