「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

大雪山 五色ケ原~五色岳を行く

2007-07-15 23:00:21 | 表大雪
【五色ケ原からトムラウシ山を望む】

7月14日、五色岳に登る。
トムラウシ山を背景に拡がる五色ケ原のお花畑が見たかった。去年も7月19日、クチャンベツ登山口から登ったが、「沼ノ原」の深い霧に怖気づいて、「また来年」と撤退。06年7月の「沼の原」
14日(土)の早朝、リベンジを期して札幌を出発した。

7時30分、クチャンベツ登山口を出発。晴れの天気予報に反して、あいにくの曇り空。嫌な予感もしたが、きっと晴れると念じて出発。つらい急登が続く。
8時30分、平坦な台地に達して、一息つく。沼ノ原まで0.8キロの標識。
歩を進めると次第に霧が立ち込め、幽玄な湿原地帯に入り込む。標高は1435m。
ワタスゲが見ごろだった。しかし、すくっと構えているはずの雄大な山々の眺望は全くない。きっと晴れると信じて湿原を抜けて、再び森へ。

【沼ノ原】

9時25分、「五色の水場」。9時55分、「五色ケ原」の標識に。といっても沢沿いに登りは続く。チングルマ、エゾコザクラ、キバナシャクナゲが咲き競っている。
あまり見かけることのないジンヨウキスミレと出会う。かんばしくない天候だが、ちよっと心に日が差す。

【ジンヨウキスミレ(腎葉黄菫)】

10時35分、白い空が紺色に染まり始めた。青空と雲の境界線だ。雲を抜けると「やった」と思わず叫ぶ。夏の日差しを浴びて大勢の登山者が休んでいた。振り返ると石狩連峰やニペソツ山が雲の中から頭を出している。ハイマツの道をゆっくりと高度を上げていくと、行く手にはトムラウシ山がくっくりと青空を刻んでいた。

【石狩連峰】 


【トムラウシ山】

11時20分、五色ケ原の中核に。キバナシャクナゲ、チングルマの群落が続く。黄色のチシマキンバイに埋め尽くされると聞いていたが、つぼみが多い。4~5日早かったようだ。そのかわり、エゾコザクラの赤い絨毯が目にまばゆい。
僕は、神々の遊ぶ庭・カムイミンタラに居る。


11時50分、五色岳の山頂(1868m)に。
とはいっても、ゆるやかな丘のような岩場。化雲岳方面、忠別岳方面に行く縦走路の交差点になっている。
忠別岳にかかっていた雲がとれ始めると、表大雪の山々が恥らうように素顔を見せた。

【五色岳 山頂】

【表大雪の山々(左)と忠別岳】

12時55分、下山開始。ほとんどの登山者は化雲岳~ヒサゴ沼からトムラウシ山へと縦走していく。ここまで来て日帰り登山とは・・・
なんともったいないことか。「よし、来年こそ」と、今年も再び誓う。帰路、次第に雲が立ち、トムラウシ山も隠れてゆく。

15時20分。いまだ、沼ノ原は深い霧に包まれていた。
16時30分、登山口に戻る。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「やった!」 (fukutsukasa)
2007-07-16 23:53:37
「やった!」
山に登ってそう思うことよくあります。
また来年って?
今年もまだまだ行けますよ!
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確かに、そうですね (ikuni)
2007-07-17 22:29:03
確かに「やった」というのは、1年に何度かありますね。童心に返る一瞬です。「また、来年」というのは、今はできるだけ未知の道を歩きたい、という欲張りな気持ちが抜けてないのでしょうね。で、やり残した事は来年、また楽しむというのが、今の感覚なんですね。
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すごい! (ヨツバ)
2007-07-19 19:57:33
こんな景色を見ちゃうとやっぱり山はやめられませんね^^ 羨ましいくらいです^^

ほんと・・・きれいな景色です。
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歩いて得る至福 (ikuni)
2007-07-19 22:00:03
自分の足で登らなければ得られない光景。魅せられて、はまってしまいました。やめられない。
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