「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

あこがれのトムラウシ山

2012-07-22 19:52:18 | 表大雪

2012年7月21日 トムラウシ山(2141m)の登山記録:

登山路は乳白色の霧もよう。山頂付近は晴れているという山岳予報を信じて、ひたすら歩く。

一時間半ほど登ると、光がさして、やがて空に蒼いインクがにじみ始めた。

雲の上に出ると、そこは別世界。石狩連峰や東大雪の山々が逆光に浮かぶ。

沢に残る雪渓の頭上は抜けるような青空だった。

石狩連峰(左)と東大雪のニペソツ山(右)

コマドリ沢

 

雪渓を抜けると、ハイマツ帯と岩場が続く。

ピッ、ピッと、金属質の鳴き声が絶え間ない。氷河期の遺存種、ナキウサギだ。

ハイマツには小さなシジミ蝶が舞う。こちらも氷河期から命を繋いできたカラフトルリシジミ。

高山鳥のギンザンマシコのペアは、今年巣立った若鳥を連れていた。家族で移動している。

エゾシマリスもガンコウランやハイマツの実をむさぼる。

ここは生きものたちの躍動に満ちていた。

前トム平から高度を上げると、十勝連峰の連なりが目に飛び込み、登山意欲をさらにかき立てた。

ハイマツ帯と岩場が続く

ナキウサギ

天年記念物 カラフトルリシジミ

ギンザンマシコの♂

ギンザンマシコの幼鳥

ガンコウランをむさぼるシマリス

十勝連峰の山並が青く光る

 

「トムラウシ公園」から花々が競い始める。

横向きに長い筒を咲かせるチシマギキョウは初見。白い毛が目立つ。

青い空に白いチングルマと赤いコマクサが映える。

岩場の連続で疲労した心身には、清涼なときめき。

可憐な花に導かれて、南沼キャンプ場と山頂ルートの分岐に達する。

チシマギキョウ

チングルマ

コマクサ

山頂と南沼キャンプ指定地の分岐点

 

ガレ場を登りながら振り返ると、南沼が青く光っている。

荒々しく立ちあがる雲が、さきほどまで屹立していた十勝の山並を隠していく。

・・・山頂に立つ。

表大雪の主峰・旭岳も雲に隠れていたものの、白雲岳や忠別岳の雄姿が迫ってきた。

雨と霰に驚いて登頂寸前で引き返したのは2006年7月のこと。

今回の目的は再挑戦だった。

2009年7月には大きな集団遭難も起きていることから、そっと手を合わせた。

眼下は南沼キャンプ指定地   十勝連峰は雲に覆われた

山頂  雲が切れずに旭岳が望めない

白雲岳にズームイン

 

 ■登山記録

05時45分:トムラウシ温泉コース・短縮登山口

06時50分:カムイ天上

08時00分:カムイサンケナイ川に降りる(まもなくコマドリ沢分岐)

09時35分:前トム平

10時25分:トムラウシ公園

11時20分:南沼キャンプ指定地分岐

11時50分:山頂

12時30分:下山開始

17時25分:登山口に戻る

 トムラウシ温泉東大雪荘 500円 

ログハウス風の一軒宿。天井が高くて気持ち良い。

■過去の登山記録

06年2006年7月

 


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