2012年7月21日 トムラウシ山(2141m)の登山記録:
登山路は乳白色の霧もよう。山頂付近は晴れているという山岳予報を信じて、ひたすら歩く。
一時間半ほど登ると、光がさして、やがて空に蒼いインクがにじみ始めた。
雲の上に出ると、そこは別世界。石狩連峰や東大雪の山々が逆光に浮かぶ。
沢に残る雪渓の頭上は抜けるような青空だった。
石狩連峰(左)と東大雪のニペソツ山(右)
コマドリ沢
雪渓を抜けると、ハイマツ帯と岩場が続く。
ピッ、ピッと、金属質の鳴き声が絶え間ない。氷河期の遺存種、ナキウサギだ。
ハイマツには小さなシジミ蝶が舞う。こちらも氷河期から命を繋いできたカラフトルリシジミ。
高山鳥のギンザンマシコのペアは、今年巣立った若鳥を連れていた。家族で移動している。
エゾシマリスもガンコウランやハイマツの実をむさぼる。
ここは生きものたちの躍動に満ちていた。
前トム平から高度を上げると、十勝連峰の連なりが目に飛び込み、登山意欲をさらにかき立てた。
ハイマツ帯と岩場が続く
ナキウサギ
天年記念物 カラフトルリシジミ
ギンザンマシコの♂
ギンザンマシコの幼鳥
ガンコウランをむさぼるシマリス
十勝連峰の山並が青く光る
「トムラウシ公園」から花々が競い始める。
横向きに長い筒を咲かせるチシマギキョウは初見。白い毛が目立つ。
青い空に白いチングルマと赤いコマクサが映える。
岩場の連続で疲労した心身には、清涼なときめき。
可憐な花に導かれて、南沼キャンプ場と山頂ルートの分岐に達する。
チシマギキョウ
チングルマ
コマクサ
山頂と南沼キャンプ指定地の分岐点
ガレ場を登りながら振り返ると、南沼が青く光っている。
荒々しく立ちあがる雲が、さきほどまで屹立していた十勝の山並を隠していく。
・・・山頂に立つ。
表大雪の主峰・旭岳も雲に隠れていたものの、白雲岳や忠別岳の雄姿が迫ってきた。
雨と霰に驚いて登頂寸前で引き返したのは2006年7月のこと。
今回の目的は再挑戦だった。
2009年7月には大きな集団遭難も起きていることから、そっと手を合わせた。
眼下は南沼キャンプ指定地 十勝連峰は雲に覆われた
山頂 雲が切れずに旭岳が望めない
白雲岳にズームイン
■登山記録
05時45分:トムラウシ温泉コース・短縮登山口
06時50分:カムイ天上
08時00分:カムイサンケナイ川に降りる(まもなくコマドリ沢分岐)
09時35分:前トム平
10時25分:トムラウシ公園
11時20分:南沼キャンプ指定地分岐
11時50分:山頂
12時30分:下山開始
17時25分:登山口に戻る
トムラウシ温泉東大雪荘 500円
ログハウス風の一軒宿。天井が高くて気持ち良い。
■過去の登山記録
06年2006年7月
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