明治時代を生きた夏目漱石も
「草枕」の中で言っています。
「知に働けば角が立つ
情に棹させば流される
意地を通せば窮屈だ
兎角(とかく)に人の世は住みにくい」
この平成の世も
漱石の頃とあまり変わらないのではないでしょうか。
むしろ明治の頃は
漱石のような知識階級の人はまだ少なく
ほとんどは農家だと思われます。
インテリだから悩むのでしょう。
平成の世は、ほとんどが
知識階級になったせいで
精神病が増えているのだと思います。
これが知識・情報化社会です。
「草枕」の続きです。
「住みにくさが高じると
安き所に引っ越したくなる
どこに越しても住みにくいとわかったとき
詩が生まれ、画ができる。・・・・
越すことのならぬ世が住みにくければ
住みにくい所をいくらかでも寛(くつろ)げて
束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ
ここに詩人と言う天職がくだり
ここに画家と言う使命がくだる
あらゆる芸術の士は
人の心を長閑(のどか)にして
人の心を豊かにするが故に貴(たっと)い」
何か漱石が今の時代に生きて
話してくれているような気がします。