散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

慌ただしい東京(9)

2016年06月19日 22時05分02秒 | 飲み歩き・東京
1軒目はもう少し軽めにしようと思っていたが、意外と食べたね。次もずいぶん迷ったが、ちょい飲みということで、北海道には無い中華料理チェーン「H」へ。

この店もちょい飲みを薦めているようで、ハイボールと三品盛り合わせというおつまみセットを注文。三品の中身は、焼鳥ネギ和え(また鳥だった)、キムチ、メンマというものだ。

 

店内にはなんと飲み会をやっているらしい団体もいるが、ほとんどの人は夕食を取っているのだろう。私も隅っこの席に座り、ひそやかに一杯やって終了とした。



しかしまだ時間が早いなあ。こちらも北海道にはない「Fそば」でもちょい飲みをやっているようだ。腹が一杯だが、もう一軒行くか。

酒メニューを見ると、ちょい飲みセットのようなものには枝豆が入っており、魅力が無い。よって単品でハイボール、つまみ、天ぬき(かき揚げ)を注文することにした。つまみというのは200円なのだが、何が選べるのかな? 店に食券を出すと、説明がかなり分かりにくかったが、玉子焼きを選択。

ちょっと待つと私の注文の品がそろった。しかしこういう店で天ぬきがあるというのはすごいね。揚げ置きのかき揚げにそば汁をかけただけのものだが、これが110円というのも安価で嬉しい。



玉子焼きは冷え冷えで少々硬かったが、ま、こんなもんだろう。もう限界まで満腹となり、時間もまだ19時なのだが、ホテルに戻る。



ホテルではこの記事を作成し(仕事のためパソコンを持ってきている)、シャワーを浴びた後でジムビームで一杯。明日は仕事だ。早く寝るようにしよう。

本日の歩数は20,728歩。

慌ただしい東京(8)

2016年06月19日 17時59分59秒 | 飲み歩き・東京
朝から4つの展覧会を回ると、さすがに限界だ。どこかで一杯と行きたいが、日曜日だからなあ。とりあえず、有楽町から山手線のガードに沿って新橋方面へ。

開いている店が限定されており、かつ時間も早いせいか、混雑している店と空いている店の両極端に分かれているように思える。どうにも入りづらい店が多く迷走していると、目の前に焼鳥の「TG」の文字が突然現れた。

そうか、この店は新橋店もあったかということで、地下に降りて店に入ると、幸い席が空いていた。何となく落ち着いた雰囲気が好ましい。まずはビールを注文。通しがやってきたが腹が減っており、一瞬で食べてしまう。



まずは焼鳥5種セットを注文。思ったほど時間がかからずやってきたセットは、鳥、レバ、ねぎ間、鳥しし唐、つくねのタレ味である。味を聞かれたが、「お店のお勧めで」と言っておいたところ、タレとなったらしい。疲れているから、甘めのタレの方が良いだろう。



早速食べると、そう、ここの鳥はあっさりした感じなんだよね(過去、銀座店でも同じ感想だった)。とはいえ、昨日は魚メインだったし、今日は疲れもあるし、やっぱり肉だ。一番の好みはつくねだったか。

続いてなんこつ焼、手羽先焼を注文し、塩味を堪能。途中からレモンをかけるのも、相性が非常に良かった(普段はあまりかけない)。

 

沢の鶴燗酒も注文し、最後は鴨焼と鳥スープでしめよう。鴨は脂が強めでネギとの相性がことのほか良い。熱々の鳥スープを飲んで、終了。そこそこ満腹感も出てきた所で、次に行こう。

 

そういえば、お店の人の印象が大変良かった。こういうちょっとしたことで、疲労が回復する。


慌ただしい東京(7)

2016年06月19日 16時53分52秒 | ART
地下鉄で二重橋へ移動。次は東京ステーションギャラリー「川端康成コレクション伝統とモダニズム」である。

古賀春江「煙火」:何点か古賀の作品がある中では最大のもの。川端が「どこかに目があるらしく、女性がこの作品を掛けた部屋に泊まると恐ろしいと言う」という話を書いていたが、確かに遠目に見るとライオンの顔が見える(後で気がついて驚いた)。
浦上玉堂「凍雲篩雪図」:国宝だが展示期間が限定されており、現在はレプリカ展示となる。あまり良さが分からない…。
池大雅「十便図」:これを見に来たのだが、コンパクトで控えめな作品だ。国宝。

与謝蕪村「十宜図」:さらにこの作品も。国宝。
太宰治「川端康成宛書簡」:「何卒私に與へて下さい」「老母、愚妻をいちど限り喜ばせて下さい」「あと二、三ヶ月、くるしくとも生きて居ります」と家族まで引き合いにして芥川賞を欲しいという書簡。なんだかすごい。
川端康成「佛界」:結構達筆である。

杉山寧「志野(『千羽鶴』装幀原画)」:茶碗の口をへなへなとした味わいのある線で表現した作品。上手い。

 

最後に歩いて出光美術館「美の祝典III 江戸絵画の華やぎ」へ。

「伴大納言絵巻」:一度見たことがあるので、と思っていたが、それでも目を奪われる名作。まずは字が流麗でまさに名調子という感じなのである。そして、人物の顔を描くリアリズムと漂うユーモア。
喜多川歌麿「更衣美人図」:大判のすばらしい肉筆画。
「祇園祭礼図屏風」:華やかでいい屏風だ。二条から五条通、烏丸通から寺町通の辺りが描かれている。

「南蛮屏風」:南蛮人オンパレード。黒人の顔色は灰色に見える。
「洛中洛外図屏風」:今回展示してあるものは銀色が目立つ渋い印象。
「江戸名所図屏風」:色がしっとりと残っている。不忍池にちょうどペリカンが逃げ出したときということで、いつ描かれたものか時期が分かっているらしい。

「月次風俗図扇面」:実に細かい描写、色もかなり残っている。
酒井抱一「紅白倍図屏風」:私の好みとしては銀地に白梅の方が映えているように思う。
酒井抱一「風神雷神図屏風」:明るくユーモラスな風神雷神。

酒井抱一「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」:のびのびと画面一杯に植物が描かれた作品。
鈴木其一「四季花木図屏風」:あえて花をデフォルメした上でパターン化し、連続的に描くことで不思議なデザイン感を漂わせている。



さすが開館50周年の記念展覧会、名品揃いであった。

慌ただしい東京(6)

2016年06月19日 13時46分19秒 | ART
9時になり、ホテルを出発。



まずは六本木へ向かう。まずは国立新美術館「ルノワール展」である。

「猫と少年」:全裸で背を向けて立つ少年。こんななまめかしい作品があったとは。
「ジョルジュ・アルトマン夫人」:茫洋としたタッチである。
「草原の坂道」:何処が違うのかわからないが、時々ハッとする高レベルの作品がある。

「ぶらんこ」:これもいい作品だ。
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」:華やかで幸せな傑作。しかし、さすがにこの作品の前は大混雑であった。「最前列はゆっくり動きながら見てください」と警備員が言うのに、まったく動かない連中。そして私の後ろのババア、いや年配の女性は私の尻を触りまくる(手で押しているだけだが)というセクハラ行為に出る始末。ここを見た後は、他の場所の混雑が楽に感じられる。



ジョヴァンニ・ボルディーニ「宴の情景あるいはムーラン・ルージュでの宴の情景」:女の金のブレスレットがきらりと光る、猥雑な生々しさのある作品。
ジャン・ベロー「夜会」:写真をコラージュしたような上手さ。この辺、非常に上手い人が多いのだが、これと比べてルノワールはどう思われていたのだろうか。
「田舎のダンス」:おてもやん(失礼)がしがみついて来るようなダンス。



「都会のダンス」:ちょっと切ない女性の目、その手をとる男性のしなやかな動き。これはすばらしい作品。



「水のほとりの3人の浴女」:習作なのだが、不思議と東洋的な浮遊感がある・
「ジュリー・マネあるいは猫を抱く子供」:これは子供を描いた中で図抜けた作品。
「ピアノを弾く少女たち」:なんとなく湿度の高いもやっとした作品。

パブロ・ピカソ「白い帽子の女性」:ピカソの作品は厳密に写実ではなくても人体骨格を把握した立体感がある。
ルノワールとリシャール・ギノ「水あるいはしゃがんで洗濯する女性」:ゴツゴツと人造人間のような女性。

ルノワールの魅力が分かったとは言いがたいが、時々、見た瞬間ハッとさせられる作品がいくつもあったことは事実だ。



乃木坂から表参道に移動。表参道から根津美術館に向かう道は、洒落こいた店しかなく、私が昼食を取るような店がない。いつかと同様に、近くのコンビニでおにぎりを1個買い、とりあえずのおしのぎとする。

根津美術館では「鏡の魔力」というコレクション展と「若き日の雪舟」という企画展が開催されている。

「羽状獣文地五山字文鏡」:紀元前3世紀ごろには「山」という形の文様が流行したらしい。
「四神十二支文鏡」:6~7世紀頃から十二支が流行しだすようだ。
「海獣葡萄方鏡」:海獣というとトドかアザラシのようなものを思い浮かべていたのだが、英語の説明は「Lion-like Beasts」なのだ。

「パルメット文鏡」:パーム(なつめやし)の文様で、エジプトやメソポタミアで流行したものが中国に入ってきたらしい。

若き日の雪舟だが、拙宗等揚として知られていた人が雪舟ということになったものらしい(どの程度の確かさなのか、私は知らない)。
拙宗等揚「四季山水図(夏景)」:雪舟が明に行った時の作品らしい。堂々たるものである。



根津美術館のその他の展示室は、恒例のかなりゴージャスな常設展。
伝李安忠「鶉図」:久々に見る国宝。
「手鑑翰林秀葉」:文字を習うための手本として聖武天皇、白河院、亀山院、嵯峨天皇らの書を集めたもの。

ふー、疲れてきた。それにしても今回も「ガラス面に手を触れたらダメだろう」委員会が開催されることになった(私の心の中で)。いい所の奥様風の3人だが、声はでかいし、ガラスに思いっきり手をつくし、お里が知れるとはこのことである。

 

しかし、根津美術館のエントランス、素晴らしいものである。