本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

萬歳旗と五匹のアユと酒の壺

2019-06-12 21:13:24 | 住職の活動日記

縁あるたびに天皇の御陵を

お参りしていたのですが

そこに「御陵印」があることを知り

その納経帖を求めて

杉本工芸というところを訪ねました

 

訪ねてみると

杉本工芸は表具屋さんで

軸の表装や修復、

新調もされているというお店です

そこで見せていただいたのが

 

 

萬歳旗(ばんざいばん)

というもの

この旗は今度の即位の儀式で

使うというものです

 

「万歳三唱」というように

唱和していましたが

最近では「バンザイ」ということが

もうおしまいという

それでバンザイです、

お手上げということから

あまりしなくなりました

 

「萬歳」というのは

本来は天子の末永い世を讃えて

唱えたもので

ほかの人は位に応じて

九千歳、八千歳、七千歳と

唱え方も違っていたようです

日本では、

明治天皇に対して

初めて「萬歳」が唱えられた

ところが、政治の世界では

いつの頃からか解散の時に

万歳三唱がされますが

本来とは随分方向が変わって

きているようです

 

お話していると

昭和天皇の即位の時には

この界隈では

「萬歳旗」を掲げて

お祝いしたそうです

その時一緒に揚げられるのが

 

 

五匹の鮎の絵と下の酒壺の絵

ということです

 

なんとも不思議な絵です

 

神武天皇が不思議な夢を見た

天の香具山の土を取り

それで酒壺を作って酒を入れて

丹生川に沈めた

これにより魚が浮き上がれば

武器を使わず大和の国を平定できる

であろう。

という夢のお告げを見た

そこでその夢の通り占いをしたら

鮎が浮き上がり

大和の国を平定できた

ということです

そこからアユが鮎という字になった

 

 

萬歳旗が錦の御旗の原型です

そういうことで

即位の儀式や朝賀のお祝いには

萬歳旗と五匹の鮎と酒壺の絵を

掲げるということです

 

また、

面白いものを見せていただきました

 

 

何も見えないような

薄っすらと見えるような

 

 

角度を変えると

天女の姿が浮かび上がってきます

切金という金箔を細く切り

それを絵のように書いていく

というものです

 

見せていただくと

結構幅広く色々なことに

挑戦しておられるお店でした。

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仕合せ~、幸~、執~ | トップ | 「プラスチックごみ」どうし... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事