本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

五蘊仮和合・絶妙のバランス!

2019-02-09 20:59:17 | 住職の活動日記

五蘊仮和合(ごうんけわごう)

五蘊、

分かったようで

よくは分からない

五蘊とは色・受・想・行・識

すべてのものはこの五蘊で

成り立っているといいます。

 

般若心経にも

色即是空、空即是色

受想行識もまたかくの如し

というように出ています。

詳しくは、受即是空、空即是受

想即是空、空即是想

というように続くのです。

そして

色も無く、受想行識も無い

というように続いています。

 

色はカラーという色でもなく

色香という色でもありません

物質のことを色蘊というように

いうのです

その後の受想行識は心のはたらきを

言っています

五蘊という色受想行識は

物質と精神というすべての

縁によって生じたものということが

出来ると思います。

 

「受」ということですが

簡単には感情ということ

厳密には、

「受とは謂く順違と倶非と境相を

 領納するを以て性と為し、

 愛を起すを以て業と為す」

というように出ています。

ここでいう愛とは煩悩のこと

順違の順は順境、都合のいい対象

違は違境、都合の悪い対象

倶非はどちらでもないもの

そこで、

領納とは自分に関係させること

つまり、自分に引きけた

ということです。

 

青い月を見れば悲しいという

その場合、月は何も悲しくない

青いだけである

それを見る心が悲しい

感覚と感情の違いはそこにあります

感覚は熱いとか冷たいとか

感覚されるものが熱かったり

冷たかったりするのです

ところが感情というのは

見る心自身がさびしい

月が寂しいというのですが

月自身は何も寂しくも悲しくもない

見るこちらの心が問題で

楽しい時は明るく見えるし

失恋でもしたときには

青い月が悲しく見えるものです。

 

つまり、

あらゆる対象を自分に関係させて

見るところに

順境のときには楽、

都合がいいので楽しく受け止める

違境のときは苦、

自分にとって都合が悪いので

苦というように受け止めるのです。

 

「受」ということは

自分に関係させてものごとを見る

ということなのです

そこから都合がよければ楽しいし、

都合が悪ければ苦しいと

受けとめるということです。

 

話しは飛びますが

五蘊仮和合ということも

五蘊ということは

そういうことが決まって固定して

あるということではなく

(都合よければ楽、悪ければ苦)

あらゆる条件(因縁)によって

変ってくるということです。

ですから

私たちが今いるということも

あらゆる条件が

仮に和合(結び合って)して

成り立っているということです。

 

仮に自分自身が病気でもすれば

今ある境遇は壊れてしまい

ベッドの上という境遇で

周りの家族も看病とか

また違った環境が生まれてきます。

 

ですから、

今、こうやっているということは

因縁の絶妙のバランスの上に

成り立っているということが

言えると思います。

 

有り難うございます。

ということも

「有ること難し」ということです

有り得べからざることがある

ということで、

何かの一つのバランスで

壊れてしまうかもしれない

というのが今の現実です。

そこにこうやっていまあるという

貴重な存在が今の自分である

と思います。

 

年ということもあるのでしょうか

つくづくと

一日こうやって何事もなく

過ごせることの有り難さを

かみしめています。

本当に因縁の絶妙のバランスです。

 

 

 

 

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