本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

蠟燭物語・わた悟商店

2024-05-16 19:49:47 | 住職の活動日記

護摩壇の燭台が

燈明を灯せる仕様なので

五月の大祭は燈明を

お供えしようと

「わた悟商店」へ

 

今ではすっかり姿を消した

燈明、

燈明代の皿に灯心を入れ

菜種油を入れて灯すのです

 

 

その灯心がこのようなもの

なのです

2本ぐらいを皿に入れ

そこに火を点けます

 

 

七条西洞院を少し西へ行った

ところに店はあります

 

懐かしい店です

昔話に花が咲き

今は息子さんの代です

しかしまだお母様もご健在で

もう90歳近いとか

久しぶりにお会いしました

まだ現役でお手伝いとかと

お元気なお姿に

お会いしました。

 

今では大きな法要の時しか

和ろうそくは灯しませんが

以前はお堂で灯すのは

すべて和ろうそくでした

 

 

昔の道具もそのままのよう

ここで蝋ロウを溶かし

 

 

こういう型にはめて

成形します

和ろうそくというのは

この灯心を巻き付けて

蝋燭の芯を作り

そこにロウを重ねていく

 

 

そしてこういう形にして

ここが原型でこれに

色を付けたり、白くして

いくという流れです

以前はいつも店の前では

蝋が熱せられていて

蝋燭を作っておられました。

 

 

これが芯の部分

巻き付けてあるのが灯芯  

今はどうでしょう

昔は芯屋さんという

芯だけを専門に作る店も

あったようです。

 

しかしながら

この和蝋燭に白しろ、

燈明を管理することは

大変な仕事があります

「油断大敵」というように

油が切れることも大変です

が、火を管理するという

灯心を切らなければ

灯した後がカーボンに

なってそれが落ちると

火事になりかねません。

 

それで、灯心切りという

道具が具わっていて

こまめにカーボンになった

ところを切る

ピンセットのようなものが

あったのです。

和蠟燭の場合は

燭台の下に蝋燭の芯を切る

はさみと切った屑を入れる

真鍮製の金物がありました

 

また、

東寺の御影堂(みえどう)

では、

東蝋組・西蝋組という

二つの講があって

「ろうそく一丁」と

とても元気な掛け声で

蠟燭をお供えしてものです

この時の

「一丁」という数え方も

蝋燭の最後の仕上げに

包丁でもって切る

ところから、

この呼び方になった

ということのようです。

 

蝋燭の大きさも

今では「号」で呼びますが

もとは匁モンメがもとになり

100号は100匁の重さ

1匁が3.75gですから

100号というと375gの

蝋燭ということです。

この大きさの蝋燭は

法要の時によく使われる

ものです。

 

まあそのようなことを

思い出しながら

帰り道も新町通を歩き

この通りは職人さんの

町のようで

いろいろの店があります。

 

 

なかなか重厚な造りの

お店のようです

 

 

京都市の景観重要建造物

に指定されているお宅も

 

 

玄関の明かりも

意匠を凝らしたもの

 

 

ガスのメーターも

このような工夫があります

 

 

いつもお世話になっている

衣屋さんもこの通り

 

 

ここの店はお経の本専門店

 

 

店先には経本の見本があり

よく使う物もあるようです

 

 

ここも立派な建物

よく見ると、風呂敷製作

の工場のようです

往時はご繁盛の様子です

 

 

ということもあってか

コーヒー専門店も

職人さんたちが仕事の合間

に一杯のコーヒーを

楽しまれた様子が漂って

くるようです。

 

 

新町の横断歩道からみると

先の山には清水寺が

 

 

伺えるようです。

 

まあ、五月の大祭は

お燈明のお光で

護摩を焚くのが楽しみです

 

 

 

 

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