本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

憶念執持

2011-09-20 07:31:48 | 住職の活動日記
 「 憶念執持 」 ( おくねんしゅうじ ) ということがあります。

「 憶念不忘 」 ( おくねんふもう ) と同じことです。

敬い聞いて忘れず、ということが仏教を学ぶ上では一番肝心なのですが、

悲しいかな、最近はとみに忘れることがひどくて …

 読みながら感動したところには、サインマーカーで黄色の線を引いて、

ページのところに付箋をつけて、さらに感動したところは

その文をメモ用紙に書き写て、その文のすばらしさを味わったりしているのです。 が、

今日驚いたことに、メモが数枚出てきましたら、

今日書いたところは、前にもすでに書いていたのです。

 読むたびに感動して、それでいいのでしょうが

何回も感動すればいいのでしょう。

 しかし、読んでもざるのようにすべてがザ~ッと流れ出てしまいます。


 思うに、昔の教育は 「 暗記 」 ということが大切にされたようで、

私たちも漢文とかすべて丸暗記させられました。

 三浦先生も暗記の達人で、小学校の国語をすべて覚えておられました。

そして人間関係も歴史のことも良く覚えておられました。


 金子大栄という先生も、

  「 その言葉は、どの本の何ページに書いてある。」 と

そして、そのときに話されたメンバーは誰々で、その時代にはこんなこともあった

というところまで覚えておられたそうです。


 感動といっても、いいものを記憶しているということが

新たな感動を呼び起こしてくるのです。

 「 忘れるということが仏教の罪ですよ。

   不安という罰を与えられる。 」

とは、三浦先生からよく言われていたことです。

世間では 「 忘れたました、記憶にございません 」 ということで

すんでしまうのですが、自分の心の中からすれば

忘れてしまうということが、一番の罪なのでしょう。


 弘法大師は記憶力が抜群になるという、

虚空蔵求聞法 ( こくうぞうぐもんじほう ) という修行をされて

すべてのことを大きなタンスに整理して記憶されたと聞いています。


 それにあやかりたいと、毎朝 「 虚空蔵菩薩 」 の真言を唱えているのですが、

ま~  効果はこれからというところでしょうか ???


 しかし、本を親しみ、繰り返し繰り返し読み続けるという、ことしか

ない様にも思います。







    
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 蒸しますにゃん !! | トップ | 『 彼岸花 』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事