本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

解法慢(げほうまん)

2020-03-13 20:25:16 | 十地経

「解」という字も仏教読みでは

(ゲ)と読むことが多いようです

解脱(げだつ)という言葉が

有名です

ここにでてきた

「解法慢」(げほうまん)

ですが、字から見てみると

解、理解する、ということで

法を理解する、それが「慢」

になるということで

「解法慢」という言葉を

生み出されたのだと思います。

 

仏教辞典にも出てませんので

たぶん安田先生の独特の言葉かも

しれません。

 

ふと思うのですが

こういう言葉も安田先生独特の

この言葉を聞いて、

この講義録はテープからおこして

文字にしたのですから

こういう言葉をもじにするという

大変なご苦労があったと思います

 

講義の前後の流れから

こういう言葉に当てはめた

ということですね。

それで講義を見てみると

その前に

講義の流れは第八地という所に

入ったところなんですが

また、もとにもどって

初歓喜地から簡単ながらも

進んでいき

今が第四地から第五地に行く

ところです。

講義は繰り返すように

進んだかと思えばまた元に戻り

円を描くように進んでいきます

 

しかし、まあ

聞く方は前のところは忘れている

ということで

聞くたびに初めてのような

新鮮に聞こえてくるのが

不思議です。

 

面白いことに

大学時代に習った

仏教の根本の教えである

四諦(したい)それから

八聖道(はっしょうどう)

ということが順に出てきます

懐かしくもあり

先生の講義としてみる

新たな見方が新鮮にも響き

50年も過ぎて新しい発見です。

 

講義は

「なぜ第四地の中から第五地が

 出てきたかというと、

 法を分別する智慧が

 生まれたんです。

 解法慢ですね。

 第四地というものだけだと

 初めて三昧に入って、

 所説の方を聞いて、

 初めて法が分かったという

 誇りですね。

 法が分かったと。

 こういう誇りが… 

 つまり法を私してしまうんだ。

 わしは法は分かったと。

 他の連中は分からんで

 まだうろうろしとると。

 ただ三昧に入っただけで

 法を見つけとらんと。

 法が初めて理解されたという

 一つの誇りですね。

 分かったというところに

 誇りが出てくるんです。」

 

解法慢という

方が分かったという誇り(慢)

これを対治していくと

そのために地ということが

出てくるのです

初歓喜地を得て歓喜する

ところがそれに愛着すると

それに縛られ堕落していく

そこで愛着する心(障り)を

対治するという次の段階(地)

ということが必要になってくる

そのことが十地という

地が次々に展するということが

出てきます。

 

障りということも二つあって

一つは煩悩障(ぼんのうしょう)

もう一つは知障(ちしょう)と

いって智慧の障りです

煩悩が障りであるということは

何となく分かるのです

智慧も障りだというのです

 

それが、「解法慢」という

言葉で表されていると思います

自分だけ分かったといううぬぼれ

それが慢になるわけです。

 

講義では

「法を破るという

 分かったということを破る

 分かったという誇りを

 破るのですね。

 分かったのならおまえは

 どういう具合に生きとるか

 こういう問いが

 起こってくるでしょう

 分かったというなら

 分かったものを出してみい

 と。こういうわけです」 

と出ています。

 

この講義を聞いて

講義とは関係ないと思いますが

私の身近なことでは

やはり女性の目線というものは

厳しいものがあって

現実に即して生きている

講義を聞いてなるほどと

思っていても

女性の眼から見たら

それがどうした、

というものでしょう

分かったということは

今の生活にどう役に立つの

ということになるのでしょう。

 

現実生活では

そういう女性の眼ということが

歩みということを止めさせない

自分だけ分かったという自惚れ

誇りを破ってくれるようです。

ある面からいえば

男性の自分勝手な思い込みを

木端微塵にうち砕いてくれるのが

女性の眼でしょう

それでかろうじて歩みを

止めないで行けるのです。

 

障りということも

これがあるからこそ

無限の歩みが道が続くと

思います

問題意識がなくなったら

それこそ終わったも

同然じゃないかとおもうのですが

…  …  …

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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