今年も公立昭和病院で3月3日に医療体験セミナー「ブラックジャックセミナー」が開催されました。
このセミナーは小学4、5年生を対象に、未来の医師を育てることを目標に、一人でも多くのこどもたちが将来の日本の医療を支えるきっかけとなるよう、
最新の医療にふれる機会を提供するものです。
今回は小金井市、東久留米市、清瀬市、西東京市の4、5年生33名が参加。
山口外科部長の開会挨拶、説明に始まり、この日のスタッフ紹介。
ベテランの先生、若い先生方がずらりと並び、担当する部門などを述べました。
それから子どもたちは術衣に着替え、キャップを付け、可愛い外科医の出来上がり。
着替えは先生方が手伝ってくれました。
そして全員揃って記念撮影、まだ緊張の面持ちですね。
初めての体験に緊張、でもゲーム感覚で面白い
5つのグループに分かれ、順番に5つのアクティビティにトライします。
北館ホールでは「手術縫合」と「超音波メス」と「内視鏡トレーニング」体験をします。
手術縫合体験ではスポンジの皮膚模型を使って、持針器を持ち縫い合わせていく細かい作業。
子ども一人に一人の先生がつきっきりで指導します。
集中し、緊張した中で、最初はぎこちなかった手先も徐々に動くようになります。
「そう、上手、上手!」先生の声掛けで、「できた!」という安堵の表情がステキです。
これは1秒間に55,500回も振動する、がんなどを切除する最新医療機器、超音波メスを使う体験。
左手にピンセット、右手に超音波メスを持ち、鶏モモ肉を10グラムに切り取れるかな?という競争。
電子音が響く中、各自が10グラムを目指して慎重にメスを動かします。
切り取った肉片を先生が量って、「あぁ、6グラム、ちょっと少なかったね」
10グラムのピタリ賞が出たときは拍手が湧きおこっていましたよ。
大人用の長い術衣を着た後ろ姿からも真剣さが伝わります。
内視鏡トレーニングはモニターを見ながら、鉗子を動かし大小のビーズを右の穴から左の穴へ移す体験。
30秒間で何個移せるかをゲーム感覚で競います。
「手の感覚がつかめず、難しかったけど面白かった」という5年男子は「将来は外科医になりたい。おばあちゃんが看護師だったし、医療ドラマも好きだから」と頼もしい。
時間が余ると付き添いのお父さんも子どもに負けじと挑戦。
外来の診察室で「超音波(エコー)検査」も体験しました。
人のお腹に見立てたような黒い寒天を固めたケースの中に何かが入っています。
その上から子どもたちがプローブ(体に直接あてる器具)を動かしながら、モニターに映る画像を見て入っているものを探っていきます。
モノクロの画像がなかなかつかめません。
ひとつはイチゴだと分かりましたが、もう一つは野菜かキノコであるらしい。
「キャベツ?じゃがいも?ハクサイ?」
何かカサのような形が見えると、すかさず「マツタケ?」と男の子が。
「そんな高いもの入っているはずないでしょ」と先生。
その愉快なやりとりに笑ってしまいました。
正解は「しいたけ」でした。
地下にあるCTとMRIの設備も見学しました。
CTとMRIの違いなどを担当スタッフの方が説明。
MRI検査の時、実際に聞こえる金属音や機器の磁性の強さにビックリしたようです。
このセミナーの総指揮をとる山口外科部長のネクタイは毎回ミッキーマウス柄。
子どたちへの愛情が感じられる、この日のための「勝負ネクタイ」です。
「最初に参加した子どもたちは考えると、もう大学受験の年齢ですね。う~ん、医学部を受験した子がいたかな?
医師の道へ進んでくれたらうれしいですね」と表情も緩みます。
頑張ったごほうびはブラックジャックの認定証
すべての参加者が5つの体験を終え、「普段絶対やれないことがやれて、面白かった。ためになった」と同様に応えてくれました。
付き添いのお母さんの一人は「この機会に医療に興味をもってほしい。贅沢な体験でしたね」と。
一人ひとりに認定証が手渡しされました。
ブラックジャックが表紙の立派な認定証。
内側には最初に撮った記念写真と英文の認定証がありました。
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