もう2か月前のことになりますが、友人のHさんから本2冊をいただきました。
ミニチュア写真家、田中達也さんの“見立て”のアート。
家の中にある日用品を使って、日本の四季折々の行事や文化を表現しています。
例えば、これはブラシを稲田に見立てた稲刈りの様子。
刈ったあとも本物そっくりですね。
私が感心したのはこれ。
あの小さなキャラメルを将棋盤に見立てているのです。
最初は何なのか分かりませんでした。
キャラメルの表面から将棋盤が連想できるとは、なんて柔らか頭なんでしょう。
他にも赤と白の洗濯ばさみを使った東京タワーに、ネジで作った東京スカイツリーなどなど。
ページをめくるのが楽しくなる本です。
作者の田中さんは2017年のNHK「ひよっこ」のタイトルバックを制作した方と最後の紹介ページで知り、
「あぁ、やっぱり」と思いました。
毎朝見ても飽きが来ない、桑田佳祐の主題歌とともにそれはそれは楽しいタイトルバックでした。
もう一つは分厚い雑誌「和楽」(A4判より大きいので、右が少し切れてしまいました)。
特集は「死ぬまでに見たい!日本の名画100」、保存版です。
その上、うれしかったのは白洲正子が愛した、湖北の十一面観音の素朴で優しい写真の数々です。
昨年10月の京都旅行で近江八幡までは足を延ばしたものの、憧れの奥琵琶湖までは行けませんでした。
そんな私の気持ちを見透かしたような、ステキなプレゼントに感激でした。
彼女は数年前から体調を崩し、1昨年にはご主人を亡くし今は病院以外は外出がままならない日々です。
本の注文も新聞広告を見て、発行所に直接電話して注文するそうですが、小学館だけが送ってくれるのだとか。
パソコンもスマホもやらないので、アマゾンで翌日にという訳にはいかないのです。
たまに訪ねてくる私のために、自分の分と2冊ずつを取り寄せてくれる優しさにジーンときました。
私はというと、猫グッズを見つけると、猫を愛する彼女のことを思い出すので、ついつい小物を買ってしまいます。
好きな美術展に行けない彼女に、絵ハガキやファイルなど手軽で安価なものばかりを貯めておきます。
おはぎを作ったり、彼女の好きな六花亭のお菓子が手に入ったら、小物とともに持参します。
そんな気持ちばかりのガラクタ小物を、リビングの一角に私からもらったものコーナーを作って
飾ってくれているのにはビックリしました。
気持ちが通い合う、私の大切な年上の友人です。
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