神君家康公生誕の地である三河の地で参拝した東照宮は岡崎と鳳来寺山の二社ですが、それぞれに東照宮特有の権現様式の中に絢爛豪華な彩色を施したものでした。
名古屋東照宮本社殿
三河の地から尾張名古屋へと移動し、まず真っ先に訪れて見たい場所は名古屋のど真ん中に鎮座する東照宮でした。というのも名古屋東照宮は他の東照宮と比較して、その建築様式が大きく異なっているという特徴があるからなのです。そして何よりも徳川御三家筆頭の尾張公のお膝元に鎮座する東照宮には是非とも参拝しなければという思いが強かったからなのです。
名古屋東照宮が鎮座するする場所は、名古屋城の外堀に面した丸の内と呼ばれる行政関係の庁舎が並ぶ一画です。東京でいえばそれこそ外堀通りに面して建つビルの谷間に位置しているような感じです。
東照宮鳥居
そもそも名古屋東照宮は名古屋城内の三の丸に初代尾張藩主・義直公によって元和5年(1619)に創建され、それはそれは絢爛豪華な姿の社殿が置かれていたのですが、明治9年にかつての藩校「明倫堂」があった現在地に移されたと言います。
しかし昭和20年(1945) 5月14日の空襲により、義直以来の本殿、主要建造物を焼失したため、昭和29年(1954) 建中寺より義直の正室春姫(高原院)の御霊屋を移築して本社殿とした経緯があります。このため前述のように、他の東照宮の建築様式と異なる姿になっているのです。
かつての壮麗さは失われているにしても、それなりの規模を持っているのではと思いつつ鳥居をくぐると、境内は思いのほかこじんまりとした佇まいを見せています。江戸時代には藩校「明倫堂」があったといいますが、その面影はまったく残っていません。鳥居をくぐると左手奥に社殿前の唐門が現れます。
東照宮境内
唐門
一見するだけでこれまで見てきた東照宮とは趣を異にした門構えです。まったく彩色されていない門の向こうに、これまた東照宮の常識を覆すような黒々とした装いの本社殿がどっしりとした姿で鎮座しています。
東照宮本社殿
その外観から確かに霊廟の御霊屋を想起させるような造りです。東照宮といえば典型的な権現造りの社殿が特徴なのですが、終戦後のどさくさの中で新たに社殿を造ることができないという理由だったのか、借り物の社殿といった感が否めません。
透塀と燈籠
さらにこれまで見てきた東照宮には夥しい数の石燈籠が整然と並んでいるのですが、ここ名古屋東照宮には僅かな数しかありません。いったいどこへ行ってしまったのでしょうか?
透塀と燈籠
御神体はもちろん神君家康公なのですが、実は名古屋東照宮は江戸時代から名古屋を代表するお祭りの代表格だったようです。いわゆるお江戸の天下祭り(山王権現社と神田明神)と同じように、藩公が認めた格式のある「祭」で、おそらく山車が城内に繰り出すことを許されていたのではないでしょうか。
そんなかつての栄華に思いを巡らせながら、金の鯱を天守に仰ぐ御城へと向かうことにしました。
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三河の地から尾張名古屋へと移動し、まず真っ先に訪れて見たい場所は名古屋のど真ん中に鎮座する東照宮でした。というのも名古屋東照宮は他の東照宮と比較して、その建築様式が大きく異なっているという特徴があるからなのです。そして何よりも徳川御三家筆頭の尾張公のお膝元に鎮座する東照宮には是非とも参拝しなければという思いが強かったからなのです。
名古屋東照宮が鎮座するする場所は、名古屋城の外堀に面した丸の内と呼ばれる行政関係の庁舎が並ぶ一画です。東京でいえばそれこそ外堀通りに面して建つビルの谷間に位置しているような感じです。
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そもそも名古屋東照宮は名古屋城内の三の丸に初代尾張藩主・義直公によって元和5年(1619)に創建され、それはそれは絢爛豪華な姿の社殿が置かれていたのですが、明治9年にかつての藩校「明倫堂」があった現在地に移されたと言います。
しかし昭和20年(1945) 5月14日の空襲により、義直以来の本殿、主要建造物を焼失したため、昭和29年(1954) 建中寺より義直の正室春姫(高原院)の御霊屋を移築して本社殿とした経緯があります。このため前述のように、他の東照宮の建築様式と異なる姿になっているのです。
かつての壮麗さは失われているにしても、それなりの規模を持っているのではと思いつつ鳥居をくぐると、境内は思いのほかこじんまりとした佇まいを見せています。江戸時代には藩校「明倫堂」があったといいますが、その面影はまったく残っていません。鳥居をくぐると左手奥に社殿前の唐門が現れます。
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一見するだけでこれまで見てきた東照宮とは趣を異にした門構えです。まったく彩色されていない門の向こうに、これまた東照宮の常識を覆すような黒々とした装いの本社殿がどっしりとした姿で鎮座しています。
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その外観から確かに霊廟の御霊屋を想起させるような造りです。東照宮といえば典型的な権現造りの社殿が特徴なのですが、終戦後のどさくさの中で新たに社殿を造ることができないという理由だったのか、借り物の社殿といった感が否めません。
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さらにこれまで見てきた東照宮には夥しい数の石燈籠が整然と並んでいるのですが、ここ名古屋東照宮には僅かな数しかありません。いったいどこへ行ってしまったのでしょうか?
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御神体はもちろん神君家康公なのですが、実は名古屋東照宮は江戸時代から名古屋を代表するお祭りの代表格だったようです。いわゆるお江戸の天下祭り(山王権現社と神田明神)と同じように、藩公が認めた格式のある「祭」で、おそらく山車が城内に繰り出すことを許されていたのではないでしょうか。
そんなかつての栄華に思いを巡らせながら、金の鯱を天守に仰ぐ御城へと向かうことにしました。
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