いよいよ日光社寺巡りの旅を始めることにいたしましょう。日光の山の社寺は二社一寺と呼ばれ、二社とは東照大権現すなわち家康公を神として祀る「東照宮」と二荒山神社と輪王寺を指しています。
まずは入口から輪王寺を目指すことにいたします。世界遺産「日光の社寺」の石碑から山へ通じる急峻な石段がすぐに始まります。暑さでほてった体はうっそうと繁る木々を通る涼しげな風でいくらか癒される気分になりますが、足腰が弱った体にはこの石段はかなりの負担になります。
石段がとぎれると、急に視界が広がり前の前にはなだらかな坂道が現れてきます。この坂道の左側のかなり広い敷地に建物が並んでいます。標識を見ると「東照宮御旅所」と書かれています。この建物は春・秋の神輿渡御祭の際に神輿がここに遷る場所です。その際「百物揃千人武者行列」が行われるのですが、御旅所の前の坂道には石畳で舗装されていない芝の部分があります。これは千人行列で騎馬が通るために備えられたものです。
東照宮御旅所
百物揃千人武者行列の坂道
この坂道を上がりきると、本来は目の前に輪王寺のご本堂である三仏堂がど~んと姿を現すのですが、実は現在三仏堂は50年ぶりの大修理の真っ最中のため、建物全体が仮囲いで覆われています。工事期間が10年ということで、完成は平成30年を待たなければなりません。10年後ということは私自身もかなりの歳になっており、生きているかどうかもわかりません。
修復中の三仏堂
修理中とのことなのですが、ご本堂の内部には入れるとのことで拝観料を払いご本尊参拝へ向かうことにしました。ここで拝観料についてですが、それぞれの寺社の参拝には拝観料が必要ですが、お得なクーポンがあります。それは前述の二社一寺の主要な部分にのみ対応するもので一人1000円と極めてお得なクーポンなのです。日光社寺巡りには是非お勧めいたします。
このご本堂・三仏殿はもともと平安時代に創建されたもので国内では数少ない天台密教形式の堂宇なのです。江戸時代に入り三大将軍家光公の御世に建て替えられたといいます。ご本堂内陣には黄金色に輝く千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の仏様が鎮座され、薄暗い堂内にひときわ神々しさを放っています。
三仏様の参拝を終えご本堂の裏手へ回ると、輪王寺護摩堂の堂々とした建物が目の前に現れます。この護摩堂と三仏堂の間に挟まれた場所に奇妙な柱が立っています。これは寛永を20年(1643年)に家光公が天海大僧正に依頼し建立したもので、相輪�哲(そうりんとう)と呼ばれているものです。仏塔の一種で、国家の安隠と天下泰平を祈願している細長い搭で、 高さ13.2mで、塔の内部には1000部の教典が納められています。 上部には、金瓔珞(ようらく)と24個の金の鈴が飾られ、この鈴の音を聞くと願い事が叶うといわれています。
護摩堂
相輪�哲
相輪�哲(そうりんとう)を辞すると、いよいよ東照大権現(家康公)が祀られている東照宮へと通ずる参道が延びています。これまで写真や映像でしか見ることがなかった陽明門をはじめとする絢爛豪華な建造物が今、目の前に迫ってくる感動と興奮を抑えながら大鳥居をくぐっていきます。
東照宮石柱
東照宮大鳥居
大鳥居をくぐると左手に現れるのが美しい彩りの五重塔です。慶安3年(1648)若狭の国(福井県)小浜藩主酒井忠勝公によって奉納されました。文化12年火災にあいましたが、その後文政元年(1818)に同藩主酒井忠進公によって再建されました。
五重塔
前方の石段の上に色鮮やかな「表門」が目に飛び込んできます。東照宮の中で最初の御門で左右に仁王像が安置されているので「仁王門」と呼ばれています。
仁王門
仁王門
表門をくぐると参道は大きく左へと折れ、目の前に見事な彩りの3つの建物が並びます。この3つの建物は表門に近いものから下神庫、中神庫、上神庫と名付けられ総称して三神庫と呼ばれています。校倉造りの建築様式を用いたこの建物には春秋渡御祭「百物揃千人武者行列」で使用される馬具や装束類が収められています。
下神庫
中神庫
上神庫
上神庫
そして三神庫に相対するように建つのが神厩舎・三猿(しんきゅうしゃ・さんざる)です。昔から猿が馬を守るとされているところから、長押上には猿の彫刻が8面あり、人間の一生が風刺されて描かれています。その中でも最も有名な「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻があるのですが、思ったよりも小振りな彫り物であったことが印象的です。
神厩舎
神厩舎・三猿
この神厩舎を過ぎると陽明門がもう間近に見えてくるのですが、これより神域ということで御水舎(おみずや)で汗にまみれた手や腕、ついでに顔を洗い、口をゆすいで気持ちを新たに大権現様への参拝の準備をしました。日光の山から湧き出す泉の冷たさを堪能できる御水舎です。
御水舎
世界遺産「日光東照宮」と社寺散策(プロローグ)
世界遺産「日光東照宮」と社寺散策~陽明門から奥宮まで~
世界遺産「日光東照宮」と社寺散策~生まれながらの将軍・家光公の霊廟「大猷院」~
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まずは入口から輪王寺を目指すことにいたします。世界遺産「日光の社寺」の石碑から山へ通じる急峻な石段がすぐに始まります。暑さでほてった体はうっそうと繁る木々を通る涼しげな風でいくらか癒される気分になりますが、足腰が弱った体にはこの石段はかなりの負担になります。
石段がとぎれると、急に視界が広がり前の前にはなだらかな坂道が現れてきます。この坂道の左側のかなり広い敷地に建物が並んでいます。標識を見ると「東照宮御旅所」と書かれています。この建物は春・秋の神輿渡御祭の際に神輿がここに遷る場所です。その際「百物揃千人武者行列」が行われるのですが、御旅所の前の坂道には石畳で舗装されていない芝の部分があります。これは千人行列で騎馬が通るために備えられたものです。
東照宮御旅所
百物揃千人武者行列の坂道
この坂道を上がりきると、本来は目の前に輪王寺のご本堂である三仏堂がど~んと姿を現すのですが、実は現在三仏堂は50年ぶりの大修理の真っ最中のため、建物全体が仮囲いで覆われています。工事期間が10年ということで、完成は平成30年を待たなければなりません。10年後ということは私自身もかなりの歳になっており、生きているかどうかもわかりません。
修復中の三仏堂
修理中とのことなのですが、ご本堂の内部には入れるとのことで拝観料を払いご本尊参拝へ向かうことにしました。ここで拝観料についてですが、それぞれの寺社の参拝には拝観料が必要ですが、お得なクーポンがあります。それは前述の二社一寺の主要な部分にのみ対応するもので一人1000円と極めてお得なクーポンなのです。日光社寺巡りには是非お勧めいたします。
このご本堂・三仏殿はもともと平安時代に創建されたもので国内では数少ない天台密教形式の堂宇なのです。江戸時代に入り三大将軍家光公の御世に建て替えられたといいます。ご本堂内陣には黄金色に輝く千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の仏様が鎮座され、薄暗い堂内にひときわ神々しさを放っています。
三仏様の参拝を終えご本堂の裏手へ回ると、輪王寺護摩堂の堂々とした建物が目の前に現れます。この護摩堂と三仏堂の間に挟まれた場所に奇妙な柱が立っています。これは寛永を20年(1643年)に家光公が天海大僧正に依頼し建立したもので、相輪�哲(そうりんとう)と呼ばれているものです。仏塔の一種で、国家の安隠と天下泰平を祈願している細長い搭で、 高さ13.2mで、塔の内部には1000部の教典が納められています。 上部には、金瓔珞(ようらく)と24個の金の鈴が飾られ、この鈴の音を聞くと願い事が叶うといわれています。
護摩堂
相輪�哲
相輪�哲(そうりんとう)を辞すると、いよいよ東照大権現(家康公)が祀られている東照宮へと通ずる参道が延びています。これまで写真や映像でしか見ることがなかった陽明門をはじめとする絢爛豪華な建造物が今、目の前に迫ってくる感動と興奮を抑えながら大鳥居をくぐっていきます。
東照宮石柱
東照宮大鳥居
大鳥居をくぐると左手に現れるのが美しい彩りの五重塔です。慶安3年(1648)若狭の国(福井県)小浜藩主酒井忠勝公によって奉納されました。文化12年火災にあいましたが、その後文政元年(1818)に同藩主酒井忠進公によって再建されました。
五重塔
前方の石段の上に色鮮やかな「表門」が目に飛び込んできます。東照宮の中で最初の御門で左右に仁王像が安置されているので「仁王門」と呼ばれています。
仁王門
仁王門
表門をくぐると参道は大きく左へと折れ、目の前に見事な彩りの3つの建物が並びます。この3つの建物は表門に近いものから下神庫、中神庫、上神庫と名付けられ総称して三神庫と呼ばれています。校倉造りの建築様式を用いたこの建物には春秋渡御祭「百物揃千人武者行列」で使用される馬具や装束類が収められています。
下神庫
中神庫
上神庫
上神庫
そして三神庫に相対するように建つのが神厩舎・三猿(しんきゅうしゃ・さんざる)です。昔から猿が馬を守るとされているところから、長押上には猿の彫刻が8面あり、人間の一生が風刺されて描かれています。その中でも最も有名な「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻があるのですが、思ったよりも小振りな彫り物であったことが印象的です。
神厩舎
神厩舎・三猿
この神厩舎を過ぎると陽明門がもう間近に見えてくるのですが、これより神域ということで御水舎(おみずや)で汗にまみれた手や腕、ついでに顔を洗い、口をゆすいで気持ちを新たに大権現様への参拝の準備をしました。日光の山から湧き出す泉の冷たさを堪能できる御水舎です。
御水舎
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