大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

神が宿り、仏が座する善養寺の「影向の松」はさすが日本一

2012年03月25日 21時54分53秒 | 江戸川区・歴史散策
江戸川区東小岩の江戸川堤下に名刹・善養寺(ぜんようじ)の境内が広がっています。この善養寺の境内にそれはそれは見事な「松の木」があり、なんと日本一の称号を得ているという。何が日本一かをこの目で確かめたくて、いざ江戸川堤を目指しました。

善養寺の宝塔とご本堂
不動門
影向殿

善養寺は真言宗豊山派でご本尊は地蔵菩薩。東京の護国寺を大本山に仰ぎ「星住山地蔵院」と号し、俗に「小岩不動」とも言われています。開基は室町時代の大永7年(1527)と古く、小岩の名刹であることは確かなようです。

小岩不動尊祠

境内入口には朱塗りの仁王門が構え、名刹らしい雰囲気を醸し出しています。仁王門には金剛力士像が安置されていますが、なんと金剛力士像の裏側には昭和の名横綱である「栃錦」の像が安置されています。これがほんとうの「力士像」なんて失礼なことを言ってはいけません。実は栃錦が現役時代に同門関取を連れて当寺を訪れ、奉納相撲を行ったことに由来しているようです。

仁王門

仁王門をくぐると広い境内の半分くらいは占めているのではないかと思われる巨大な黒松の見事な枝ぶりが目に飛び込んできます。噂にたがわず度肝を抜かすような松の枝ぶりです。この見事な松は「影向(ようごう)の松」と呼ばれているのですが、影向とは「神仏がこの世に現れた姿」を意味しているとのこと。

仁王門から見る影向の松

神が宿っているのか、仏が座しているのか、一疋の巨大な青龍が地べたを這っているかのような圧倒的な力強さを感じます。ちょうど江戸川を青龍にみたてたように影向の松が結界を守っているようにすら思えます。

影向の松

樹齢600年の松の枝ぶりは東西30m、南北28mに延び、その広さは約900㎡(272坪)におよぶといいます。蜘蛛の巣のように枝を張り巡らす松の木の幹の太さはなんと4.5m、高さ3m、一番高いところで8mもあります。

影向の松の幹
影向の松の枝ぶり
松の横綱推挙碑

広い境内にはこの巨大な龍を守るように本堂、宝塔、小岩不動尊の祠、鐘楼堂が配置され、さまざまな角度から美しい松の枝ぶりを眺めることができます。特に鐘楼堂の上から眺める松はまるで緑の浮島が現出したかのような光景です。

浮島のような松の木
浮島のような松の木
本堂
鐘楼堂から見る影向の松

境内には影向の松をゆっくりと眺められるようにベンチが置かれています。1時間ほどベンチに腰掛けながら美しい松を眺めていました。明るい陽射しの下での松の色、雲間からの薄い光の下での松の色、それぞれに色合いが変化する松の姿は見飽きることがありません。

是非、日本一の「影向の松」を訪ねていただくことをお勧めいたします。

善養寺(ぜんようじ)
江戸川区東小岩2丁目24番2号
JR総武線「小岩駅」から
京成バス〔小72 篠崎線〕⇒「江戸川病院前」(小岩から4つ目)から徒歩3分
都営新宿線「篠崎駅」から
京成バス〔小72 篠崎線〕⇒「江戸川病院前」から徒歩3分

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