ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

絽に、紗に

2014-04-26 | 産前修行
「先生、うちの子…元気ですか?」

「ほら、(心音を聞かせてくれて)元気な子ですよ」
と、言って戴けることが、
どんなに有難く、
心強いことか…。

人間誰しも、初めてのことは、

不安。

ましてや、初産。

不安じゃない、はずがない。
ただ、私の不安と関係なく、

命は成長している。

ポコポコ…と、
命が動くと、
所詮、一時の不安だと、
ポコポコンと、
新しい命の愛おしさの方が、
グぅ~ンと
勝ってくる。

ポコポコ…と、
私の太鼓腹を打って、
私も命に応えると…、

ポコン、

命も、答えてくれる。

そうやって命との交信が続き、

元々の長湯が、さらに長湯となった。

母の、羊水に入っていた記憶は全くないが、
遠い昔の消えた記憶が蘇るかのようである。

母も不安と愛おしさを葛藤させながら
私たちの出産に臨んだのかと思いきや、

「特にアンタん時、何もしなかった…」

母子手帳を見て、確認すると、
本当にいい加減な内容だった。

元々、
「面倒…」というのが口癖の母である。
二番目の手帳ともなると、ほぼ白紙だ。

「手が回らなかったのよ」

特に、
兄は、手が掛かったらしい。

長子、特に男の子は目が離せず、
甘えん坊さんで、母にべったり、

二番目が母の腹に宿ると、
こんな感じになるらしい。

さてさて、
我が長子は、
どのような子になろうか…。

どちらのDNAが強いか。

自分に似て欲しいかと問われれば
「面倒くさ…」

では、
主人にそっくりDNAだったら、
「…」

まぁ、元気なら、
どっちに似ても、
いっか…。



護国神社の枝垂れ桜です。

今年は特に特に、
夏の衣 紗を纏った花たちが美しく感じます。

散華の如く~安土忍び無法地帯~

2014-04-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
六角氏失脚、甲賀制圧後、
織田方に寝返った家臣で、
伴 太郎左衛門 長信(ながのぶ)、という男がいる。
彼が甲賀をまとめる上忍者の一つ、伴家当主である。
飄々として、一見した所、
出来る男とは、感じない。
しかし、戦となれば一転、
殿の盾となり命を散らす。
何が、この男たちを駆り立てるのであろう。
この時代、忍を使う武将が多い。そんな中、
“忍は好かん”
忍の影武者を持つ事を拒んだ殿である。
影は持たぬが、偲ぶの心があるようで、
配下となったこの者たちを大切にした。
忠誠を誓えば、その身、魂まで忠義尽くす、
そういう忍びの心に心底惚れたのであろう。
殿は甲賀を大事大事したが、
伊賀服部は、家康にありと、
あまり興味を示さなかった。
というより、
手を出さなかった。
家康殿の手前か…。
それとも負い目か。
彼だけは干渉しない。
むしろ、逆、である。
接待、擁護していた。
サルは厳しく育て上げ、
タヌキやキツネの類は、
少々厄介、故に、
野放しであった。